骨と卵   作:すごろく

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どうも、作者です。

番外席次さんって正直印象が薄いのです。
チラッとしか出て来てないからでしょうね。
困りましたね、連れて来ちゃってますよ。
ちょっと盛っちゃったかなぁ…。
でも盛り上げたかったもんなぁ。
因縁の決着だし。

でわ、ごゆっくりお楽しみください。


その37 嵐の前の。

遠征組が帰って来て村は活気に満ちていた。

 

土産物や土産話のお披露目、キーノを始めとする薔薇の紹介

そして今回の収支報告。

なにより盛り上がったのはジルクニフとカルカのラブストーリーで、娘たちはウットリ顔で聴き入っていた。

また、遠征組にもエンリの懐妊というサプライズが待っていた。

中でも最初の方からの付き合いのクレマンティーヌの喜び様は大変なもので、ベビー服を買って来なかったのを大いに悔しがっていた。

 

「ところで、何で帰ってきたの?」

鈴木は真顔でドラウディロンに尋ねた。

「迷惑かのぉ…」

しょんぼりして答える。

「迷惑とかそう言う問題じゃないぞ、ドラウ」

いつになく真面目な顔で鈴木は続ける。

「ここに住むのならそれも構わない。只なケジメはちゃんと付けないと駄目だ。代表権だけ持ったまま職場へ出て来ないなんてのはいけないぞ?」

そうなのだ。サラリーマン時代に得意先であったのだ。

同族経営で、代表取締役相談役、代表取締役会長、代表取締役社長。決まった筈の商談が後日、ウチの会長が、ウチの相談役が、と白紙に戻るのだ。だったら最初から会社に出て来い!と思ったものだ。

「後任なり後継なりを決めて全権を渡して自由になるならそれも良いんじゃないか?今みたいな中途半端なのよりな」

「………」

「なんならジルに言って宰相を格上げして統治者に認めさせればいいじゃないか。ジルなら万事上手く睨みを効かせてくれると思うぞ」

「…そう…じゃなぁ。元々、政治も財政も宰相が1人でやっていてくれたのじゃ。無論、民を想う気持ちは誰にも負けんぞ。しかし平和になった今、居場所が無くなった…そんな気がしてのぉ…」

「だったら尚のことだ。竜王国の象徴として…そうだな、年に一度くらいのお祭りに帰ればそれで良いんじゃないか?兎に角、一度帰りなさい、俺が送るから」

ドラウディロンは今にも泣き出しそうだ。

「キチンと出来たらまた迎えに行くから。約束する」

「…本当かのぉ?」

「ああ、本当だ。証拠に…ほら、これをやろう。一度だけメッセージを送れるスクロールだ。これを使って俺にメッセージを送れば迎えに行くから」

そして優しく頭を撫でてやると、泣き出してしまった。

(こいつ…本当はいくつなんだろ?)

成人女性の見た目だが精神年齢は最初に会った時の幼女だ。

(オンナってのは不思議な生き物だ)

そう思いながら頭を撫で続ける鈴木だった。

 

ーーーーー

 

翌日、ドラウディロンは鈴木に送られて竜王国へ帰って行った。皆は送別会をしようと言ったが、絶対帰ってくるから送別会は要らないと本人が譲らなかった。

 

「一国の女王がそう簡単に辞められるものなんです?」

エンリはガセフに尋ねた。

「さぁ…俺はそういう事は全く疎いから…」

「そうねぇ。派閥とか絡むとややこしいけど、やり手の宰相さんが居たから問題ないと思うよ。私も会ってるし」

クレマンティーヌが助け舟を出す。

「ローブルの女王様も地位を譲って帝国へ入るんでしょう?」

「あれはラナーさんの仕込みだよ。初めっから仕込まれてたの。それより、いいの?そんな出歩いててさ」

今にもこぼれ落ちそうなお腹を見て心配そうにクレマンティーヌは言った。

「ええ。逆に適度な運動は必要らしいです」

「ふ〜ん。そ〜なんだあ」

「お2人はまだなんですか?」

「「え!!」」

ガセフとクレマンティーヌは互いの顔を見る。

「そ、そ、それはだな…」

「そ、そ、そーだよ…」

「ヤッてますよね?」

「そ、そりゃあもう!毎晩…」

「あ!バカ!もう!恥ずかしい!」

「す、スマン」

「頼みますよ。可能性があるのは他には無いんですから」

「「……ハイ」」

 

ーーーーー

 

「ねえ、ぱんくん?」

「なんですか?キーノ」

「好き」

「私もですよ」

「いやだぁ〜、ちゃんと言ってぇ〜」

「もう…なんですか?子供みたいに…」

「子供だもん」

「キーノ、愛してます」

「じゃあ、キスして」

「…仕方ないですねぇ」

 

「……………」

(どうも最近、森の風紀が乱れているでござるな)

その巨体を出来るだけ小さくして隠れて覗いていた

その生物はそれでも視線だけは釘付けだった。

 

ーーーーー

 

「皆さーん、お茶が入りましたよー」

ツアレから3時のお茶号令がかかる。

「俺っち、もうここに住もうかな」

ドカリと座りながらガガーランが言うと

「可愛い娘がよりどりみどり」

「唯一の残念はちびっ子3人が全員付いてない」

「ちょっとアンタたちホント止めてよね、そーゆー事言うの。キーノが居られなくなるでしょ?」

薔薇のメンバーもタダで居るのも肩身が狭いと"宿代"として相当のお金を払っていた。

「けどよ、住むとなると仕事しなきゃな」

「畑したことない」「薬作った事ない」

「そーよねー。考えてみたら私たち世間一般の仕事はまるでやった事ないわね」

「あのブレインとかも元々が農村の出だから畑仕事は出来るらしいぜ」

「やっぱ、無理よねえ」

ラキュースは残念そうに空を見上げた。

 

ーーーーー

 

「ツアレさんがクッキーを8個焼きました。それをネムたち3人が食べました。残りはいくつでしょう?」

「ハイっ!」

「お!クー、早いな。では答えは?」

「2つですっ!」

「何故、残りは2つなんですか?」

「私たちが2個づつ食べたからです!」

「う〜ん…全く間違いじゃないんだけど、ちょっと違うな」

「え〜、8個あって6個食べたから8ー6=2!」

「いやいやいや、式もあってるけど食べた数がおかしいだろう」

「だってツアレお姉さんのクッキーは美味しいから1個じゃ足らないよ?」

「参ったなー、それも正解なんだけどなー」

鈴木は戯けて自身の頭を軽く叩いてみせた。

 

特に仕事が無い鈴木はちびっ子3人組に算数を教えていた。

 

「そうだな。問題の出し方が悪かったな、正解だ」

鈴木はクーデリカの頭を撫でる。

 

「甘やかし過ぎですよ?サトル様」

そこへアルシェがやって来る。

「コラ!クー、真面目にやりなさい。サトル様が困ってるでしょ?」

 

「だってぇ〜」と口を尖らせる。

「真面目にやってるぞ?なぁ?式も合ってるし考え方も正しい」

「ホント、甘いですねぇ」

「ハハ、そう言うな。世の中なんて足したり引いたりで全てが片付く訳じゃないんだ」

 

するとそこへ1羽の鳩が飛んで来た。

 

「あ!鳩さんだ!」

「何か脚に付いてるよ?」

 

見ると鳩の脚に小さな筒の様な物が括り付けてあった。

 

「ん?なんだろう…筒の中に…メモ…?」

鈴木は筒からメモを取り出し読み始めた。

「……………」

 

「どうされました?」アルシェが覗き込む。

 

「アルシェ、直ぐに皆に集合する様に伝えろ。急げ!」

 

ーーーーー

 

全員が集まったのを確認して鈴木はメモの内容を伝える。

「鳩の速度を考えてもそう時間は無い。これから対応について話し合う。何かあるか?」

クレマンティーヌが手を挙げる。

「恐らくは漆黒が来ると思われます。かなり危険な連中です」

「危険とは?」

「はい、考えられるのは兄が出て居ない事です。兄の代わりの戦力を加えている筈です。だとすると恐らくは前にお話しした番外が来るでしょう。それと例の国宝も持って来ていると考えた方が良いと思います」

「その番外ってのと国宝はそんなにヤバいのか?」

ブレインが問いかける。

「うむ。話では番外はエルフの血を引いているらしく無敗を誇っている戦士だ。神人と呼ばれている第一席次も勝てんらしい。それと国宝だがこれは俺の居た世界ではワールドアイテムと呼ばれる物だ。使われた所は見た事がないが、国宝の1つである槍を使われたら俺でも殺される」

一同は驚きで声も出ない。

「では、降伏するのですか?」

クレマンティーヌが問う。

「まさか!しかし先ずは話し合いを持ち掛けるつもりだ。いきなり戦闘は避けたい」

「乗るでしょうか?」

「可能性は極めて低い。過去の因縁、今回の派兵内容、どう考えても私たちの殲滅が目的だろう。しかし、やる前に諦めては可能性は始めからゼロだ」

「私たちはどう動けば宜しいでしょう?」

「ジルの所へ避難するのだ。俺が1人で残る」

「父上!それは!」

「前に言っただろう?お前を失う訳にはいかんのだ」

「聞けません!父上のご命令でもこればかりは聞けません!」

「お前にも好きな娘が出来たのだろう?もう俺からは巣立つ時なのだ。いつまでも父と息子ではない、1人の男として生きて行くのだ、わかるな?」

パンドラズアクターはその場に泣き崩れる。

するとそれまで黙って聞いていたエンリが口を開いた。

「サトル様。皆で迎えましょう。私たちの村です。サトル様も言ってたじゃないですか、皆が築いた村だって」

「そうだ。ここへ来て随分と水臭いじゃないか」

「…ガセフ」

「左様。やっと深淵の入口を見つけたのに手放す訳には参りませんぞ」

「…爺さん」

「おいおい、なんか熱い話になってきたな。リーダー、どうする?」

「戦場にキーノ1人置いて帰れる訳ないじゃない?私たちは5人で蒼の薔薇よ?」

「乗った」「異論なし」

「…お前ら」キーノはまた泣き出した。

「私たちも同じです!帝国へ避難して生き延びてもこの村が無くなってしまったらまた元の生活に逆戻りです。だったら最後まで村に残って居たいです」

 

「………気持ちは分かった。そうだな、皆んなの村だもんな……」

 

「ヨシ!では作戦だ!ツアレたちは出来るだけ保存食を作って地下シェルターへ運べ。村に残る事は認めるが表には決して出るな、これは命令だ。アルシェとセリー、エルフ3人娘

は後でアイテムを渡すので、地下避難組の護衛だ。最悪、森へ出た時にモンスターと出会す事もあるからな。ガセフ達にも後でアイテムを渡す、完全武装で迎え撃つ。クーレ、法国側の細かい戦力内容を聞かせてくれ、対策を練る。では各自行動を開始せよ!」

 

「何か、闘う前提になってきてねーか?」

ブレインは1人、首を捻った。

 

 

 

 

 




お疲れ様でした。

鈴木悟さんは小学校しか出てないと原作に書いてました。
それにしては物知りだし難しい言い回しも知っていましたよね?
真面目な人ですから勉強したんでしょうね。

さて、次回は法国絡みになります。
戦闘描写は苦手でも、もう逃げられません。
どれだけ不細工な出来になるか、ご期待下さいね。

それと、誤字報告ありがとうございます。
なんか少しづつ補正されて真面になっていく様で嬉しいです。
それと、しおりを挟んでくれている皆さん。
ありがとうございます。
あ〜、読んでくれてるんだなぁと実感してます。
もちろん、お気に入り登録して下さっている皆さんにも
深謝しております。

ありがたいです。本当にありがたいです。

じゃあまた、よろしくお願いします。
ありがとうございました。
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