骨と卵   作:すごろく

38 / 68
どうも、作者です。

オバロファンに吉報が舞い降りましたね。
楽しみです!

そんなこんなで、こちらも決戦の火蓋がおとされます。
今回は2話に分けてみました。
その38のその1です(笑)

最終章が公開になった"あの作品"がチラッと出てきます。

でわ、ごゆっくりお楽しみください。





その38 前編。

「良いかよく聞け。お前たちはよく勉強もして修行もしたが、実戦経験が少ない。アイテムで強化するが逆にその事が油断に繋がるとも考えられる。そこで一夜漬けには成るが戦法を教えておく」

鈴木はアルシェたちを前に講義している。

「森に逃げた時に今考えられるパターンは3つだ。1つ目はモンスターに襲われた場合、これは難無く撃退出来るだろう。2つ目は法国の連中に待ち伏せされた場合、そして最悪な場合として3つ目だ、モンスターと法国が同時に襲って来た時だ」

皆熱心にメモを取って聞いている。

「先ず、2つ目の対処方法。初手から強力な魔法は撃つな、支援担当は防御系を仲間にかけろ。それで様子をみる」

「手遅れになりませんか?」

「問題ない。お前たちに貸した指輪とローブで相手の初手は防げる、モンスターと違うのはその点だ、相手も初めから奥の手は出して来ない。まあ、探り合いだな。魔力には限界がある、温存しつつダメージを与えるのだ。それには自分の魔力コントロールが重要になる、何でもかんでもぶっ放して良いってものではないのだ。分かるか?」

エルフの1人が手を挙げる。

「私は支援担当ですが、やはりコントロールは必要ですか?」

「良い質問だ。結論から言うと支援担当だからこそ重要なのだ。圧倒的な火力で押し切るのも戦法としてはありだが、相手の力量が未知数の場合、それはやってはいけない悪手だ。

支援担当は慌てずに戦況を見て的確な支援を行う必要がある。自軍を強化するのか、相手の攻撃力を下げるのかまたは防御力を下げるのか、とな。無論、治癒のタイミングも大切だ。お前たちにはタンクの存在が居ないんだからな」

そこで鈴木は皆を見渡し、続ける。

「さて、最後は最悪の場合だ。今までの話を聞いてだ、モンスターと法国が同時に現れた時、どうする?」

セリーが答える。

「力量が分かっているモンスターから倒す?」

「それでは魔法を消費してしまい、法国戦が心許ないぞ?」

「あ、そうか…」

「法国の攻撃力を削ぐのだ。具体的には武器や足を狙う。そうすればモンスターは野生の感で弱った方に襲い掛かるだろう?その隙に逃げる」

「逃げるのですか!?」

「そうだ、逃げるのだ。逃げる事も戦法の1つと覚えておけ。逃げられるのであれば何もその場で決着をつける必要はない。要はこちらが無傷ならそれで良いのだ」

「「なるほど」」

「戦闘になった場合を考慮してアイテムやらを渡すが、それは戦闘をしろと言う意味では無い事を忘れるな。最も大事な事は皆が無事に生き延びる事だ。言い方を変えれば闘うのは最後の手段なのだ」

「それで、先ずは話し合いをする、と仰ったのですね」

「そうだ。降り掛かる火の粉は払って済む程度ならそうすれば良い、なにも火の元そのものを焼き払う必要はないんだからな」

 

(そうなんだよな、この子たちが無事なら良いんだよ。ゲームじゃないんだから攻略は必要ないんだ)

 

ーーーーー

 

「俺とクーレとブレイン、ぱんくんとキーノ、爺さんと薔薇の4人、このチームで良いか?」

ガセフは確認を取る。

「問題ない」

「クーレの話では、隊長の第一と番外、それにカイレとか言う婆さんがサトルを狙うそうだ。クーレの兄貴が居ないから残り10人が俺たちの相手になるが、更に内1人は占星千里と呼ばれる特殊任務担当だから戦闘には加わらないし魔術師の格好をした女は戦力看破のタレント持ちなのでこれも対象外と考えていい。だから実質8人だ」

「だったらチョロいんじゃねーの?」

「ブレイン、それがそうでも無さそうだぞ。要注意なのが複数居る、特徴を言うから覚えておいてくれ」

「じゃあアタシから言うね。1人目は青と白の鎧を着て巨大なグレートソードを持ってる奴、2人目は上半身裸で髪も髭も胸毛も白くてこれも巨大な斧を持ってる奴、そして3番目は全身赤いタイツ姿でいかにもアサシン風の男、最後にこれはアタシの代わりに入った第九席次は情報が無いから戦力不明だけどアタシの代わりしてるんだから油断は禁物。それと脅す訳じゃないけど今挙げなかったのも英雄級に片足は突っ込んでるからね」

「魔法職は居るのかね?」

「強化された爺さんに勝てるのは居ないよ。だけど例えばさっき言ったアサシン風は薔薇の双子さんより上の暗殺者だから」

「む。聞き捨てならない」「ワンパンで終わらす」

「それと巨盾万壁って呼ばれてるセドランて男、強力なタンクよ」

「ほう…どっちが堅いか勝負してやんよ」

ガガーランはジョッキをグイッとあおった。

「俺たちが抜かれたら村の明日は無い。頼んだぞ!」

「おーっ!」

 

ーーーーー

 

「カイレ様、そろそろ着きます」

「この様な辺境にのう。なるほど身を隠すには絶好かも知れん…」

「こんな田舎に私に敗北を教えてくれる男が居るのかしら」

「はは、貴女もカイレ様も今回は保険です。破滅の竜王が復活した際のね。村の制圧にお手は煩わせませんよ」

「な〜んだ、つまんないな」

そう言ってツートンカラーの髪の少女は手にした玩具に夢中になった。

(コレって本当に揃うのかしら…)

 

ーーーーー

 

「良いか、絶対に俺より前に出るな」

鈴木は横に居る息子に小声で囁いた。

 

「これはこれは、スレイン法国の皆さんお揃いで遠路遥々ご苦労様です。さて、一体何事ですかな?」

 

互いに横一列に並び睨み合う両陣営。

張り詰める空気がピリピリと頬を刺す。

 

「我々の事はそこに居る裏切者から聞いているだろうから、自己紹介は省こう。我が信仰に拠りこの村を殲滅する」

 

裏切者と言う言葉にクレマンティーヌはピクリと反応するが、それよりも横のガセフから信じられない程の殺気が立ち上る。

 

「物騒な話ですな。私たちが一体何をしたと言うのです?何故、罪もない者の命を奪うのです?それが貴方方の神の教えなのですか?」

 

「アンデッドに信仰を説かれたくはない。お前が黙ってその命を差し出せば村人には手を出さないと約束する」

 

今度はパンドラズアクターからの恐ろしい殺気にキーノはオロオロしている。

 

「残念ながらもう死んでいるので、それは無理ですな」

鈴木は両手を広げて戯けてみせる。

「ひとつ、取引しませんか?私は今後一切、表舞台には立たない。ここで貴方たちに殺された事にしましょう。そして貴方たちも今後一切、この村には関わらない。この様な辺境だ、ここに居る者が口を閉ざせば誰にも知れません。どうですか?」

 

「アンデッドらしい姑息な妥協案だ。で?それを断ると言ったら?」

 

鈴木は指輪の1つに手をかけながら答える。

「貴方たちが2度と故郷の土を踏む事は無いでしょう」

 

「本音が出たか…とんだ茶番に時間をかけてしまった様だ」

 

「お互い様ですよ」

 

鈴木は何かの合図の様に勢いよく指輪を引き抜いて、その手を高く上げた!

 

ーーーーーー

 

「ウギャー!」「ヒエーーっ!」

全開で絶望のオーラが法国の兵士に襲い掛かる。

「スゲー」ブレインは息を飲む。

「これが深淵……」フールーダは目を見開く。

「ぱ、、ぱんくん?」

「私も初めて見ました、父上の全開オーラ」

 

「ゴミが目についたのでな、ちょっとした掃除だ」

 

前方に集中させたオーラは一瞬で一般兵を即死させる。

辛うじて即死を免れたのは各席次とアイテムで身を守った老婆だけだった。

「隊長!退きましょう!ケタが違い過ぎます!」

魔術師のとんがり帽子を被った女が駆け寄る。

「11番!何が見えた!?」

「間違いありません。ぷれいやーです!それも最高レベルです!あれはスキルと言われているモノで、まだ攻撃に移ってないのです、それであのレベルですから…」

「ええい!もう遅いっ!…あの指輪か…あれで制御していたのか…。作戦変更だ!何としてもここで決着を付ける。あの様な者がこの世に居て良い筈がない、人類存亡の危機だ。私と番外、カイレ様の武器で奴を仕留める。他の者は仲間を殺れ!かかれっ!」

 

ーーーーー

 

「ほう、流石は最強部隊だな。もう立ち直ったのか?」

ブレインは不敵に笑みを浮かべ言った。

ガセフたちはレイピアを持った緑色の服を着た男と長いチェーンを持った男、それに金髪の女と対峙していた。

「裏切者とその仲間が聞いた風な口をきくな」

「今、なんつった?あぁ?」

「おお!裏切者の仲間は裏切者か?王国を裏切った戦士長サマだよな?」

「死んだぞ?テメー!」

クレマンティーヌの目が血走る。

(うわー!コイツらヤベー!)

ブレインは見た事もない仲間のテンションに引く。

「そっちは負け犬君かい?確かブレイン…とか言う名だったな?」

「俺の事はなんとでも言え。ただ仲間の悪口はもうこれ以上聞く耳は持たねーぞ、名無しさんよ」

「これは失敬。私はそこの裏切者の後任でエドグール・ククフ・ボーマンシェ。神領縛鎖などと呼ばれてますがね」

「長ったらしい名前付けてんじゃねーよ!仲間の悪口は聞かねーと言っただろうがよっ!」

ブレインは神速を更に強化した速度で斬りかかった!

それを合図にガセフとクレマンティーヌも武技を発動させる。

「「地獄で悔いろ!」」

 

それは刹那。

瞬きも許されない時間の交差だった。

揺れる空気と金属音だけが、確かに行われているであろう戦闘を証明していた。

 

「クソっ!こいつらまるで速度が落ちねー!」

「怯むな!弱気になった方が負けだぞ!」

アイテムで強化された英雄級が相手では流石に法国側も息が上がり出した。

 

(やっぱこの疲労無効の指輪、スゲーな)

(そろそろ決めちゃう?)

(ヤルか?)

3人は目で会話する。

 

「「「ジェットストリームアタック!」」」

 

ガセフを先頭にクレマンティーヌ、ブレインと

縦に一直線に並び相手目掛けて突進し始めた。

対して法国側は守りを堅めて迎え撃つ。

「来るぞ!」「おう!」

 

「喰らえ!ダースアタック!」ガセフが吠える。

12の斬撃が襲い掛かる。

 

「なんの!」「まだまだ!」必死に防ぐ法国。

 

突然ガセフの背後からクレマンティーヌが飛び出す!

「牙突クレ式!」

愛用のスティレットで目にも止まらぬ突きの一撃。

 

「ギャァアアア!」

金髪の女は叫び声をあけ絶命した。

 

「ガセフとブレインにオンナは殺らせない」

 

「今だ!攻撃の直後は無防備だ!」

残った2人がクレマンティーヌを標的にする。

 

「おっと!お前らの相手はこっちだぜ?」

遥か上空からブレインの声がする。

慌てて見上げる2人。

落下するブレインは流星の如く加速し、まるで天から龍が鉄槌を下す様だ。

 

「龍槌閃!」

 

辺りに静寂が戻り、屍が3つ出来上がった。

 

「新しい技か?」

「ああ。何でも俺みたいな刀を持ってる抜刀術の天才が得意とした技らしい。なんでもそいつの髪は赤かったからお前は青髪で丁度良いとか言ってたぞ」

「ふ〜ん、なんかわからんが…クーレのもか?」

「そそ。その天才のライバルの技なんだって。2人してサトル様に教わったんだよ」

「なかなか、カッコ良かったぞ」

「エヘヘ」

「じゃあ他の所の助っ人に行きますか!」

「おっけー」

 

3人は腰にぶら下げたンフィー製特性ドリンクを飲んで立ち上がった。

 

「じゃあな、負け犬さんたち」

ブレインは捨て台詞を残し、その場を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 




お疲れ様でした。

どうでしたか?
上手く描けてましたか?

戦闘なので勢いが大事かなと思い、一気に書きました。

実はこの後書きを書いている時点で、
後半の事は全く頭にありません。

どうしよう………。

ま、なる様にしかならないでしょ!
急に作者の頭が良くなる訳ないし!

じゃあまた、よろしくお願いします。
ありがとうございました。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。