題の通り、後編は中編になりました(笑)
歩いていたら出て来て言うんですよ、出番がない!って。
仕方ないですよね?癒しキャラだし…人気者だし。
そんな訳で、中編。
でわ、ごゆっくりお楽しみください。
「貴様らが蒼の薔薇とか言う冒険者か?!」
両手に盾を持った大男がラキュースたちの前に仁王立ちだ。
「人に名乗らす前に自分が名乗ったら?法国じゃあそんな事も教えて貰えないのかしら?」
「フン!口だけは一人前だな…良かろう。俺の名はセドラン、巨盾万壁と呼ばれておる」
「それはご丁寧に。私はリーダーのラキュース・アルベイン・デイル・アインドラ、もう会う事もないでしょうけどね!」
「ほう…お前が魔剣「キリネイラム」を持つ女か…。面白い、良い土産が出来そうだ」
「私も信仰系魔法を使うから聞くんだけど、何故罪も無い人々を手にかけるの?皆で仲良くすれば良いじゃない」
「…流石、ヴァンパイアを仲間に持つチームのリーダーだな。良いだろう、よく聞け。大事の前の小事なのだ、人類の繁栄の為の礎だ」
「罪の無い人を生贄にするって事?それが貴方たちの神様の教えなの!?」
「国墜しと言われた吸血鬼に血でも吸われたか?」
「キーノの悪口は言うなぁああああああーっ!」
「ヤベ!キレちゃったよ…」
「沸点低っ!」「導火線短っ!」
黙って話を聞いていた3人はヤレヤレ顔で戦闘態勢に入る。
(なんと気の短いオナゴじゃのう…)
後方のフールーダも杖を構える。
セドランの後ろから巨大なグレートソードを振りかざし男が飛びかかる!
「させるかよっ!」
ガガーランが防ぐ。
間髪入れず今度は同じ位巨大な斧を持つ半裸の男が襲い掛かる!
「ファイヤボール!」
フールーダから支援の火球が飛ぶ。
「厄介なお爺さんですねぇ」
赤いタイツ姿の男がフールーダの真後ろに立つ。
「クッ!いつの間に!」
間合いを詰められて焦るフールーダ。
「暗殺者はお前だけじゃない」「死ね」
双子がクナイを突き立てる。
「小癪な!」タイツ男はヒラリと攻撃を交わした。
「こんな攻撃は如何です?」
ローブ姿の魔法使いが仲間に支援魔法を掛ける。
斧とソードの男の動きが早くなる。
必死に防ぐガガーラン。
ラキュースの斬撃も楽に交わされる。
「2対3か!リーダー、どうする!?」
「あの盾男が堅いから後ろに攻撃が当たらない…」
「ティアたちもいっぱいだぜ?!」
「どうした?アダマンタイトも大した事ねぇな!」
3人の大男たちは馬鹿にした様に笑う。
「少しの間、頼みますぞ」
フールーダはフライを唱え空中に浮かぶと
盾男の盾目掛けてライトニングを放つ。
「ギャアーっ!」
金属製の盾は見事に通電し大男は真面に電撃を喰らう。
「ナイス!爺さん!」ガガーランが叫ぶ。
「私たちも負けてられない」「秘技発動」
双子は相手の魔法使いを的を絞り切り込む、強化された2人の剣に魔法使いは呆気なく倒された。
「では、此方も同じ!」
赤タイツが再びフールーダを狙う。
「アイツ、速い!」「生意気!」
強化された双子の更に上を行く速さに食らいつく。
「お前たちでは私に追い付けない!格が違うのだよ!」
タイツ男は嘲笑う。
「1対1では分が悪い!点と点ではなく線と点にするのじゃ!」
フールーダは必死に攻撃を交わしながらアドバイスを送る。
(この間合いでは魔法を打つ前にこちらがやられる!)
「ヤル?」「ヤル!」
双子は高く跳躍し上空で互いの手を繋ぐ。
空いた手には剣を持ちその手を広く広げた。
「これが!」「ティアとティナの!」
「「双鷹剣っ!」」
獲物を狙う鷹の如く舞い降りる双子。
タイツ男は線に包み込まれて逃げられない!
直前に手を離すと挟み撃ちで切り掛かる!
四方からの斬撃が獲物を捕らえる。
「バカ……なっ!」
赤いタイツ男は地面も真っ赤に染めていった。
「やったね!」「イエーい!」
双子はハイタッチで互いの勝利を祝った。
(ヤレヤレ…勝負あった様じゃの…。儂もまだまだ修行が足りんわい)
フールーダは懐からドリンクを取り出して一気に飲み干した。
「カッコイイわっ!」
戦闘中にも関わらずラキュースは見惚れていた。
「悪ぃけどよぉ!コッチに集中してくれっか!」
「私もヤルわ!」
「なるべく早く頼むぜ!」
ラキュースは左手で左眼を押さえ、右手を突き出す。
「闇と光は表裏一体…輝く明日への光の為に闇の力を我は求む…応えよ魔剣キリネイラム…そして解き放て!我に力を与えよ…エロエロエッサイム我は求めて訴えたりぃ!」
「早くしてくれぇーー!!」
「超技!暗黒刃超弩級衝撃波ーーーっっっ!!」
ラキュースの剣から漆黒のオーラが立ち登り、その姿は龍になった。
漆黒の龍は怒り狂い標的を噛み砕く。
「………正に………魔剣」
斧とソードは全身から血を吹き出しその場に倒れた。
ガガーランはその場に座り込み、ドリンクを立て続けに5本飲み干した。
「ふう〜、死ぬかと思ったぜ!
其処へ双子とフールーダが駆け寄る。
「「おっつぅー!」」
「魔剣、堪能させて貰いましたぞ」
ラキュースはその場に立ち尽くし小刻みに震えている。
「鬼リーダー?」「鬼ボス?」
「どうされました?」
「ラキュース?」
「…超…気持ちイイーーつ!」
ラキュースは絶頂に居た。
ーーーーー
「キーノ!左、来ます!」
「分かった!」
パンドラズアクターとキーノは番外席次を相手にしていた。
「動きだけは一人前ね…でもそれだけ」
(また敗北を知る事は無かった)
「ぱんくん、アイツ超強い」
「なかなかですね。しかし私たちには愛の力があります」
「ぱんくん♡」
「コイツら…ゼッタイぬっ殺す!」
(かかりましたね)
大振りになった攻撃にすかさず懐に飛び込む。
「その大鎌では近接戦は不利です!」
パンドラズアクターは鎌を掴み番外席次を身体ごと
地面に叩き付ける。
「私に土を付けたのはお前が初めて」
「それは光栄ですねっ!」
更に攻撃を加えるパンドラズアクター。
交わそうと飛び避ける番外席次の行く手を阻む様に
キーノは水晶壁を生み出す。
「クソがっ!」
番外席次は真上に逃げる。
「キーノ、今度は右から来ます!」
キーノは右からの一振りを難無く避ける。
「何故読まれた?!」
混乱する番外席次。
(私の種族特性で、ある程度は先が読めるのですよ)
「此方がガラ空き!」
足元に魔法を打ち込む。
「まだまだ!」
鎌を高速で回転させ魔法を跳ね返す。
「ほう…そんな使い方も出来るのですか。キーノ!水晶弾を撃ってはいけませんよ!」
即座に指示を出す。
(跳ね返された水晶が此方へ来る可能性がありますからね)
「フン!読まれたか…では、これはどうだ!?」
今度は回転させて土煙を巻き起こす。
「私の技だ!」
「問題ナッシング!視界は無くても気配があります」
パンドラズアクターは的確に攻撃をする。
「キーノ!酸を霧状にして鎌に纏わり付かせて!」
「分かった!」
「吹き飛ばす!」
まるで生き物の様に鎌に纏わりついた酸は吹き飛ばされ
間近の番外席次に降り掛かる。
「しまった!」
全身に酸を浴び外装が溶け出す。
ポトリ。
「ア!」
懐から何かが落ちた。
「…!…あれは…確か…」
パンドラズアクターは素早くそれを拾い。
瞬時に6面を完成させ、番外席次に放り返した。
「有り得ない!」
あまりの速さに驚愕し固まってしまう番外。
「マジックアイテム?」
「いいえ、ただの玩具です」
「知っての?」
「私も持っていました」
パンドラズアクターはニッコリ微笑んだ。
「ありえない…ありえないだろう?…あんな速さで!」
ブツブツと独り言を言う番外席次。
「ガシャ」
気力の失せた手から鎌が落ちる。
「どうやら、終わったみたいですね」
パンドラズアクターはキーノの肩をそっと抱き寄せた。
ーーーーー
「なんなの!これ!」
「一体どうなってるの!」
地下通路で森に避難したアルシェたちに
モンスターが次々と襲い掛かる。
「多分…血の匂いに引き寄せられた…とか」
エルフの1人が答える。
「魔力温存ってもこう矢継ぎ早じゃあ…」
「セリー!あれは!?」
モンスターの群れから一際大きな存在が出て来た。
「…トロール?」
「それにしては大きい!」
やがて巨大なトロールはアルシェたちの前に出て来る。
「美味そうな匂いした…ご馳走の山見つけた」
「喋れる!?」
「お前、名前言う」
「…アルシェ・イーブ・リイル・フルト…」
「ガッハハ!」
途端に大笑いするトロール。
「コイツ臆病者!凄く臆病者!」
訳の分からないアルシェは臆病者と呼ばれても
怒る気にもなれない。
「いいかニンゲン。俺の名、聞いて驚くな、グ、だ」
「…グダ?」
「グ!だ!」
「グッダ?」
後ろからエルフが声をかける。
「多分…グ、一文字が名前じゃないですか?」
「エ!?グ、だけ!?全然、具沢山じゃない!」
姉の作るジャガイモがゴロゴロ入った具沢山のスープを
思い出しセリーは得心がゆかない顔をする。
「べちゃくちゃと喧しい!」
グは棍棒を振り上げ殴り掛かる。
「えい!」
エルフの魔法でグの足元から蔓が伸びグの腕を捕らえる!
「今よ!」
セリーはライトニングをグの頭に叩き込む。
爆発音と共に頭が吹き飛ぶ!
「やったね!」ガッツポーズのセリー。
「あ、あれ!」アルシェが指を指す。
なんと吹き飛んだ筈の頭が再生し始める。
「トロールの再生能力です!それにしても速い!」
エルフが叫ぶ。
「ならもう一度!ライトニング!」
再び吹き飛ばすが直ぐに再生する。
「キリが無い…どうする…」
その間にも仲間のトロールが攻撃をしてくる。
エルフたちはその対処に手一杯だ。
「本体ごと溶かして!」後方からエンリが指示を出す。
「アシッドレイン!」
アルシェとエルフが同時に唱えると酸の雨がトロールに降り注ぐ。
「うぎゃああああああ」
トロールたちは次々と溶け出しみるみる小さくなっていく。
しかし一際身体の大きなグはなかなか溶けきらない。
そればかりか溶け切る前に再生しようとする。
「切り刻みます!」
エルフが叫び「クリスタルエッジ!」
幾つもの水晶の刃が飛びグを切り刻む。
傷口から浸透する酸に溶解は加速し、やがて流石の再生能力も追いつかないのか身体は溶け切った。
「ふ〜」アルシェたちはへたり込む。
「あんなの見た事無い」
地面に出来た染みを見てセリーが呟く。
「森に住む3大魔獣の1つね…でもこの辺りは賢王の縄張りの筈なのに…」エンリが首を傾げる。
「血の匂い…でしょうか?」
「飢えた野獣が空腹に耐えられず縄張りを侵すと言う話を何かで読んだ事があるよ」
横からンフィーが答える。
「だとしたらまた次が来るかも知れないわね、先を急ぎましょう」
エンリが立ち上がる。
「大丈夫かい?」ンフィーが心配そうに見上げる。
「闘えないけど皆を安全に導く責任があるわ、それにこの子の為にもね」そっと腹をさする。
「こんな所でへこたれてちゃ村で闘ってる人たちに顔向け出来ないね!」
誰かの言葉で皆は力強く立ち上がった。
「威勢がいいねぇ〜、お嬢さんたち?」
ーーーーー
「牙突クレ式!」
(ヒエッ!あの雌は確か風紀を乱した片割れでござる!)
一言文句を言ってやろうとやって来たその魔獣は
不運にも戦闘真っ最中に出会していた。
そして動物の本能ですかさず木陰に身を隠し様子を伺っていた。
(あんなに雄に甘えていたのに……信じられんでござるなぁ…触らぬ雌に祟り無しでござるよ)
魔獣はソロリと後退りしてその場を離れる。
「あんなトコにノコノコ出て行ったら文句言う前に串刺しになるでござる」
「お!あっちは雌ばかりの集団でござるな!1人爺さんが居るけど爺さんなんて問題ないでござるよ。ガツンと言ってやるでござる!」
野獣は同性なら勝てるだろうとトコトコを近づき…
「おいっ!森でイチャつくのは……」
「超技!暗黒刃超弩級衝撃波ーーーっ!」
「ヒョエエえええ!でござる」
衝撃波の余波でひっくり返り亀の様に手足をバタバタさせる。
尻尾で器用に起き上がりまたも身を隠す魔獣。
(な、な、な、なんなんでござるか!?)
コッソリ覗き見る野獣。
(よく見たら1匹、雌のオーガが混じっていたでござる…
きっと魔獣を使役出来る凄い魔法使いでござるな…)
ガガーランを見てそう確信する魔獣。
「魔獣に鎧まで着せて…あんな衝撃波喰らったら骨も残らんではござらぬか!」
(まー、まさかあの爺さんとイチャイチャしないでござろーから、ここは大目に見るでござる)
勝ち目の無い闘いはやらない、それが信条だった。
(それでここまで長生き出来たでござる)
またもやソロリと後退りする賢明な魔獣、流石森の賢王である。
「それにしても好戦的な人間でござるなぁ…平和と言う言葉を知らないのでござるか?」
呆れた様に場所を移す。
「あー!あれはついこの間イチャイチャして風紀を乱していたヤツら!」
(フフン!今度は1人は子供でござるな!子供の癖にマセてるでござる…ここは大人として毅然と言うでござるよ)
そう決心した魔獣は目を凝らして2人を見る。
「ゲッー!ふ、2人とも人間じゃないでござらんか!魔獣を通り越して魔物でござる!」
魔物など見た事も無い魔獣は慌てて逃げ出そうとする、その時!
「其処にも隠れて居るか!」
声の直後にファイアーボールが炸裂した!
お疲れ様でした。
どうでした?
アタフタする様子が目に浮かんで貰えたら嬉しいです。
前編の後書きに構想が全く無いって書きましたよね。
それで原稿をアップしたら急に思い付いたのです。
そうだ!もっと皆んなに頑張って貰おう!
大丈夫、君たちなら出来る!
計画性の無い作者ですみません。
じゃあまた、よろしくお願いします。
ありがとうございました。