骨と卵   作:すごろく

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どうも、作者です。

今回は居たであろうと思うキャラクターに登場してもらいます。
早い話が創作捏造です(笑)
もうひと波乱欲しかったのです。

でわ、ごゆっくりお楽しみください。


その63 血のつながり。

「クソっ!」

乱暴に置かれたジョッキの音に視線が集まる。

「…あんまり目立つ事はやるなって上から」

「はっ!どいつもこいつもジジイの顔色ばかり気にしやがる」

「でもよぉ…やっぱ永久評議員だし」

「それが気に入らねぇつってんだよ!なんだぁ?永久だぁ?じゃあいつまで経っても俺らに順番回って来ねぇじゃねぇか!え?そうだろう?」

「そんな事言ったって…実際実力もあるわけだし…」

「へっ!聞いてねぇのか?アンデッド1匹に丸め込まれて帰って来たんだぞ?それのどこが実力者だ?」

「融和…路線で行くんだって」

「馬鹿馬鹿しい!俺たちはドラゴンなんだぞ?この世界じゃ最強の種族だ。そりゃあ無茶やる連中も居るが大抵は監視役に徹してる、番人だ。違うか?」

「………」

「だからこそ畏れられ敬われて来た。それが最近はどうだ?人間どもは好き勝手に振る舞い、俺たちより得体の知らないプレイヤーを神だと言って祈りを捧げる。前は俺たちを龍神と崇めていたじゃないか。挙句にこんどはアンデッドだ!ドラゴンがアンデッド如きに恐れてどうする?」

「でも…ただのアンデッドじゃないらしい…それこそプレイヤーだって、それも今まで現れたのより格上だそうだよ」

「1人だろう?たった1人で何が出来る…それをへーこら頭を下げやがって…なにが最強の白金の竜王だ!」

「声が!声が大きい!ヤバいって!」

 

「お客さん…あんまり大きな声は他の人に迷惑ですので…」

「チッ!わぁーたよ!ホラ!勘定は置いとくぜ!」

 

「何だい?アイツら。随分と柄が悪かったけど」

「龍族の若い連中ですよ。変身してますがね、この商売も長いんで直ぐに匂いで分かります」

「言ってた白金の竜王ってツァインドルクス=ヴァイシオン様の事だろう?」

「不満があるんでしょうね。いつの時代も下の世代は上へ不満を持つものですから。…ただ」

「ただ、何だい?」

「良くない噂を聞くんですよ…聞いたでしょう?ドラゴン最強伝説を復活させるんだって息巻いてる若い連中が密かにクーデターを企んでるらしいんです」

「く、クーデター!?」

「シッ!お客さんも声が大きい!」

「す、すまん」

「ターゲットは、最近飛ぶ鳥を落とす勢いのバハルス帝国皇帝ジルクニフ、それとさっき話に出てたアンデッド、そして…白金の竜王」

「評議会は?当然何か対策を」

「それがね。中々尻尾を出さなくて証拠が足らないらしいんですよ。メンバーにはその評議員の血筋の者も居るって話ですしね。そんな訳で評議会も下手には動けないってのが本音らしいです」

「大事にならなきゃいいがねぇ〜」

 

ーーーーー

 

「まだ尻尾は掴めんのか?」

「ハッ!それが…中々に巧妙でして…その…」

「捜査の妨害をする評議員が居る、そうだな?」

「申し訳ありません」

「どうせ、己の保身と一族の安泰程度の事しか頭に無い連中だろうが、それでも一応評議員なのでな。苦労をかけるが引き続き証拠を集めてくれ」

「ハッ!」

(一気に叩き潰す事も出来るがそれでは遺恨が残る。やたらに寿命が長いのもこんな時は厄介だな。大体、自分の子供ぐらいちゃんと教育しとけって話だ。だから僕は結婚したくないんだよ……はぁ…一応、ジルとサトルには知らせておくか。また文句言われるんだろうなぁ〜)

 

ーーーーー

 

「と言うメッセージがツアーから届いた」

「よくある話だ」

「だな。だが問題は…」

「その跳ねっ返りが全部ドラゴンだって事だ」

「誰がいい?」

「逆に聞きたい。誰が適任だと考えてる?」

「う〜ん、ジルは普通の人間だし、そんな大将格は来ないと思うんだよね…だけどガゼフたちに相手させんのは可哀想だから…やっぱ息子夫婦かな」

「派遣頼めるか?」

「そのつもりで来たんだから問題ない。だけど条件がある」

「なんだ?」

「アイツら常にイチャイチャしてるから成るだけ干渉しない様にしてやってくれ」

「ズッとか?」

「心配するな。敵襲の時にはちゃんと働く、しかしそれ以外はイチャイチャしてると思っておいてくれ」

「ヤレヤレだな」

「ヤレヤレだ」

 

ーーーーー

 

「そんな訳でドラゴンが来ます」

「いつですか?」

「何匹ですか?」

「ドラゴンステーキって美味しいって聞きました」

「食っていいんですよね」

「あと鱗とかも有効利用出来るとか」

「売っていいんですよね」

 

「待て待て待て!ったく…お前たちはどうしていつもそうなんだ…緊張感はどうした?」

エンリが挙手する。

「はい、エンリ」

「そんな事言っても無理です。だってお父さん居るし今ならチビちゃんたちも戦力だしガゼフさんたちやお爺ちゃんも合わせたら、どう考えても過剰戦力です」

「だよね〜、エンリちゃんの言う通りだよ。ハッキリ言ってお父さん1人でも過剰なのに兄上夫婦除いたフルメンバーでしょう?どう緊張感持てって言っても無理ですよ」

「いっそハンデ付けたらどうだ?」

「あのな…ブレイン…これは試合じゃないんだぞ?」

「ブレインの言う事も冗談ではないぞ。攻めてくるドラゴンは殺すのか?その辺決めておかないと何匹来るか知らんが全滅させてしまうぞ」

「ガゼフの言う通りだな。よし!ドラゴンは殺さない!」

「え〜〜〜」

「ドラゴンステーキぃ〜〜〜」

「鱗ぉ〜〜〜」

「だ〜め〜で〜すぅ〜。誰も死にませ〜ん」

「「「ちぇ」」」

「あ!ちぇって言わない!女の子がちぇとか言わない!」

「ふぁ〜い」

「それと今回はチビちゃんたちとアルシェやセリーにやってもらいます。カルネ村のこれからの力ですからね、キチンと連携をとった実戦形式の練習になります」

「ウチのお父さん、練習好きだねぇ〜」

「ハイ、クーレ何か言いましたか?」

「何でもないです」

「では作戦その他はガゼフとクーレ、ブレインが相談して決めて下さい。選手の皆さんはおじさんやお姉さんの言う事をよく聞く事」

「……選手って言っちゃったよ」

「クーレ、何ですか?」

「何でもないで〜す」

「じゃ、解散っ!」

 

ーーーーー

 

「作戦ってもなぁ…ガゼフ何かあるのか?」

「近接戦なら兎も角、マジックキャスターだけだから」

「とりあえず、戦力の確認だよね〜」

「そうだな、改めて言われるとこの子らの戦力ってのは分からんからな」

「どんな感じよ?アルシェ」

「私とセリーは6までは確実に使えますからお父さんのアイテムあれば…2つは上がるから…8ですかね」

「クーとウーは?」

「「3!」」

「え?え?ちょっと待って!ホント?3使えるの?」

「でも内緒」

「なんで?」

「お父さんが言ってた。ウーとクーは人間なのにそんなに早く魔法が使える様になったら身体がついていかないから内緒にしようって」

「ちょっと何言ってるかわかんない…」

「だよな。内緒にしたからどうだ?って言う」

「まぁでも流石にウーとクーは今回は前線に出さないんだろ?」

「そだな。後方からの支援を考えてる」

「さてと…じゃ本命さんたちの登場だね」

「「超位魔法はまだ使えないよ」」

「ハイ、解散」

「真面目にやれよ、クーレ」

「真面目になんか聞いてらんないって。超位魔法ってアレでしょ?お父さんがデッカい魔法陣を浮かべてやるやつでしょう?アタシ、あれビーストマンの時に見て知ってんだよ?あんなの使われたらこの村が吹き飛んじゃうよ?その一歩手前だって言うんでしょ?それが5人だよ?5人。作戦なんてなくたってドラゴンの1ダースぐらいワンパンだよう」

「でも作戦が要るんだろ?」

「連携だよ、連携。サトルは連携に拘るんだ」

「そう言えば法国ん時もそんな事言ってたな」

「じゃあさ、こうしようよ。6までの縛り付けちゃう、見ているアタシたちがヤバいって思ったら解禁でそれまでは禁じ手ね。それで作戦立ててみよう」

「それって結局さっき俺が言ったハンデ戦じゃん」

「まあまぁブレイン。結果オーライだから」

 

「あ…お前ら夫婦でズルいぞ…俺にもハンデくれ」

 

ーーーーー

 

「ツアーさんの所へは助太刀に行かなくても良いんですか?」

「ああ、必要ない。跳ねっ返りの青二才にアイツはヤレんよ」

「分かるんですか?」

「大雑把にはな。伊達に10年もモンスターハントやってないって。そんな心配よりエンリ、今回は怒らないのか?」

「いつかは超える壁ですからね。それに今回は皆んな居るし…条件としてはイイ方ですからね」

「そりゃあ母親ですから心配はしてますよ。でも心配ばかりじゃ子供は大きくなれません」

「…お母さんだなぁ」

「そうですか?」

「そうだよ。あの子たちの成長も早いがお前の成長はもっと早い」

「だとしたら皆さんのおかげですね」

「色んな奴が居るからなぁ」

「色んな人が集まりました」

「アッと言う間だったなぁ」

「アッと言う間でしたね」

 

「アレ?お義父さん…来てたんですか」

「ンフィー、おかえりなさい」

「お疲れ」

「はい、ただいまです。僕にも珈琲頂戴」

「はーい」

「子供たちは?」

「もう夢の中ですよ」

「ちょっと顔見てくるかな…」

「行くんだったら先に手洗ってからにして下さいね」

「はいはい」

鈴木は2人のやりとりを黙って見ている。

父親の顔も知らない鈴木にとっては新鮮だった。

「どうしたんです?黙り込んで」

「ん?いやな…家庭なんだなぁと」

「ああ、なんとなく言ってる意味わかりますよ」

「そうだな…お前も両親知らずだもんな」

「そうです。それで小さい頃からお婆ちゃんに育てて貰いましたから」

「で、どうだ?大黒柱になった感想は」

「実感ないなぁ…だってこの村自体がデッカい家族ですからね。本当なら父親が教える様な事も他の誰かが先に言ってくれてる場合が多いですし」

「お節介が多いからなぁ」

「いえ、そう言う意味で言ったんじゃ…」

「分かってるよ。なんだかんだでお前とも付き合いが長い」

「でもね子供が出来てからかなぁ…。家族の絆ってなんだろうって思うんですよ」

「と言うと?」

「お義父さんとエンリなんかハッキリ言って変じゃないですか、まあ今はエンリもアンデッドですけど元々は人間で、それがアンデッドのお義父さんを本当の…いやそれ以上の絆を持ってる」

「そりゃお前、普通じゃない経験したからだろう」

「それもあります。でもそれだけじゃない」

「………」

「お義父さん。僕、アンデッドに成ります」

「あれほど迷ってたじゃないか」

「時間が無限にあると考えなくなってしまうんじゃないかって思ってたんですよ。今考えなくてもイイや、って」

「………」

「でも違うなって。時間なんて関係ないんですよね。その人の事を想うのに時間は関係ない。いつまでも、いつでも想っていられる。エンリや子供たち、お義父さんやお兄さんやキーノ。どうなって行くのか見守りたくなりました」

「俺の我儘がうつったか?」

「かも知れませんね」

「婆さんには言ったのか?」

「キチンと言います」

「お前も…なんて言うか…男になったな。俺なんかよりズッと男だ」

横で黙って聞いていた娘に向かって鈴木は誇らしげに言った。

「流石、俺の娘だ。良い男に惚れたな」

 

「エンリに惚れたのは僕ですよ?」

 

「…良いシーンが…台無しだ、ンフィー」

 

 

 

 

 

 

 

 

 




お疲れ様でした。

機会が無かったンフィーと鈴木さんの会話シーンです。
なんかオマケっぽいンフィー君ですが
中々どうしてエンリちゃん同様に成長していました。

ナザリックを出さないで
「子」と「親」を書いてみたかったのです。
でも実際は思惑は少し外れてしまいました。
お気付きの通り息子と父親より娘と父親の方が
接点が増えてしまったのです。
失敗とは言いたくありませんが、題があれですから
まぁ、失敗でしょうね(笑)

でもね。
ここ最近のエンリちゃんと鈴木さんとのやりとり。
書いててめっちゃ好きなんですよ!

じゃあまた、よろしくお願いします。
ありがとうございました。
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