骨と卵   作:すごろく

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どうも、作者です。

くっころって奴ですね。
最早、ギャグ化してます。

ちょっとね…
パンドラズアクター君を
カッコよくしよう計画です。

でわ、ごゆっくりお楽しみください。



その64 クッ…殺せ。

「最近ヒマだな」

「どうしよ〜、さっき宿屋のおじさんがツケ払ってくれって」

「アダマンタイト級貧困者」

「蒼の貧乏人」

 

「「「「どうする?」」」」

 

「何か私たちに見合う仕事はないかしら?」

「身体が鈍っちまってな」

「ツケが払え…ゲフッ」

「忍者のクセに口が軽い」

組合の受付嬢は申し訳なさそうに答えた。

「アダマンタイト級の蒼の薔薇さんたちにお願いする様な案件は…」

「べ、別に簡単なのでもイイのよ?訓練…そう!訓練を兼ねてだから!」

「そうそう!身体が鈍っちまうからな!」

「安くても…ゲホッ」

「黙れ!口軽女!」

考え込んでいた受付嬢は、ポンと手を叩いた。

「そうだ!エランテルで募集がありました!警備関係ですけど…」

「…警備関係?」

「え〜と…なんでもカルネ村からエランテルへ警備を固めとく様にと向こうの組合に連絡があったそうです。…う〜ん、それ以上詳しい事はこの紙には書いてないですね〜」

「キーノのとこだな」

「これは何かある」

「いざ行かん!冒険のカルネ村!」

ラキュースはニッコリ笑って言った。

「その依頼、蒼の薔薇が謹んでお受けします」

 

ーーーーー

 

「確認だ。私の命を狙って評議国からドラゴンが来るんだな?」

「そう言う事だ。安心しろ、私たちラブリーペアが指一本触れさせん。ねぇ〜ダーリン♡」

「そう言う事ですね。トカゲ如き私たちの愛の力で退けてご覧にいれましょう」

「ぱんくん…カッコいい♡」

「どう思う?レイナース」

「…まあ…この方たちは…その…こんな調子ですが実力の方は折り紙付きですから」

「…サトルもそう言ってた。部屋は離れを用意している。足りない物は…そうだな預かっているエルフたちが居るからその娘たちに言ってくれ。その方が気兼ねないだろ?」

「おお!あの子たちも居るのか!それは嬉しい!」

「久しぶりにゆっくりお話が出来ますね、キーノ」

「一応聞いておくが作戦とかはあるのか?」

「私が父上の姿になって後詰と後方支援をするつもりでしたが、あの子たちが居るなら支援は任せましょう。お借り出来ますか?」

「無論だ」

「じゃあ万全だなダーリン♡なら街へデートだ!」

そう言うが早いか手を取り合って出て行ってしまった。

呆気に取られたジルクニフとレイナースは

互いに顔を見て呟いた。

「ヤレヤレだな」

「ヤレヤレですね」

 

ーーーーー

 

「クライム!クライム!」

「はいはい、ここに居ますよ。なんですか大声だして…」

「大変よクライム!取り残されるわ!」

「落ち着いて、最初から話してご覧ラナー。ほら、これでも飲んで」

そう言って空になったカップに紅茶を注いだ。

「アチっ!」

「だから…慌てない。全くラナーは変な所が子供のままなんだから」

「テヘペロ」

「違う!違う!そんな事してる場合じゃないのよクライム。今入った情報によると、またカルネ村で騒動が起こるらしいのよ。それでね、ジルやラキュースたちも動き出してるって。私たちだけが取り残されたのよ!」

「はぁ〜またあの村ですか…。それにしても、今入った情報って…ズッと一緒に居たじゃないですか」

「ピピっと電波が来るのよ」

「…今度病院へ行きましょう」

「出産の為の検診ならもう少し先よ?」

「アタマですよ、アタマ。そんな電波が来る訳ないでしょう…本当の情報源は何処ですか?」

「…レエブン卿」

「まだあの人と付き合ってるんですか?良くない噂を聞きますよ?ジルさんに取り入って王国を裏切ったとか、ザナック兄さんとの間で蝙蝠してるとか」

「それは違うわクライム。その噂の出所の方が余程怪しいわね」

「まぁレエブン卿の事はまた今度として…その騒動とは?」

「なんでも評議国の白金の竜王とジルとサトル様を暗殺しようとしてるそうなのよ」

「誰がです?」

「評議国の若いドラゴンたちらしいわ。一種のクーデターね」

「だったらここリエスティーゼは関係ないじゃないですか」

「まあ!クライム!いつから貴方はそんな冷たい人になったの!いままでの貴方だったら我が身を顧みず悪者に剣を向けたのに…」

「はいはい、その手は食いませんよ。それにカルネ村絡みならサトルさんが居るでしょう?私たちがいなくても何の心配も要りません」

「クッ、殺せ」

「何が、クッですか…ったく。兎に角、絶対駄目ですからね。大人しくここで朗報を待つんです。いいですね!」

「意気地なし」

「なんとでも言って下さい」

「…分かったわ。だけど事が終わったら一度カルネ村へ行きましょう。それなら良いでしょう?」

「…まあ、それぐらいなら。こないだも心配して来てくれた事ですしね」

「ハイ!言質取りましたっ!契約は完了しました〜」

(全く…母親になったら少しは大人しくなるんですかね)

クライムの悩みはまだまだ尽きない。

 

ーーーーー

 

「こんにちわぁ〜」

「やあ!いらっしゃい!…お!珍しいお客さんも一緒ですね」

「マスター、ご無沙汰しております」

「さあ、こちらへどうぞ」

ロバーデイクは予約席のカードが置かれているテラス席へ案内する。

「丁度いい、評判のカルネ村産の林檎がやっと手に入ったのでパイを焼いたんですよ。お試しになりますか?」

「ツアレのも美味しいがプロのも食べてみたいな」

「…貴女たちもそれで良いですか?」

「ハイ」

「じゃあそれをお願いします。こないだ村へ帰った時はゆっくりお話し出来ませんでしたからね。キーノも寂しがっていたのですよ」

 

「いらっしゃいませ」

ウエイトレスが水を持って来る。

「おや?…貴女はエルフですか?」

メイドキャップに隠れているが微かに耳が見えていた。

「そうなんです。ロバーさんは率先してエルフを雇ってくれているんですよ」

「奴隷制度が廃止になったのは良いんですが、自由と引き換えに無職になったエルフが増えまして。ジル陛下も雇用策をうってはくださってるんですが…中々」

「まだまだ偏見もありますし…」

すると水を持ってきたエルフの少女はニッコリ笑った。

「でも…皆さんは私たちの希望なんです!同族を救おうと頑張ってる姿に勇気を貰ってます!」

「そうです。この子たちの頑張りはエルフの希望です」

パイを持ってきたロバーデイクも口を揃える。

「マスターも大したものですよ。偏見もある中で中々出来る事ではありません、客商売ですからね」

「私も昔は神官でしたからね。放ってはおけません」

「地道な努力はきっと実を結ぶものです。ジルもカルカも褒めてました」

「そうだ、カルカなんかベタ褒めだった」

「…そんな…皆さんのおかげです。元は私たちが言い出した事なのにお父さんも気にかけてわざわざ様子を見に来てくれたし、期待を裏切れません」

「いらしたのですか?」

「え?ついこの間…知らなかったのですか?」

「……父上らしいですね。誰にも何も言ってませんよ」

パンドラズアクターは苦笑いを浮かべる。

「…じゃあ…内緒で来てくれたんだ」

「みたいですね。それで何と?」

エルフたちは鈴木が来た日の事を話した。

大きなローブで包まれて何度も頭を撫でられた事。

何も言わなくていい、ただ頑張ったなと言われた事。

パンドラズアクターは頷きながら黙って聞いている。

ふと横を見るとキーノが鼻水を垂らして泣いている。

(…良い雰囲気がぶち壊しですね、ヤレヤレです)

「キーノ…食べるか泣くかどちらかにしなさい」

そう言ってハンカチを手渡す。

「チーン」キーノが鼻を噛む。

「鼻水…付いちゃった」

「…良いですよ。洗えば済む事です」

そう言って頭をポンポンと叩くと猫の様に喉をゴロゴロ鳴らし出した。

(器用な人だな)

もらい泣きしそうになったがキーノの奇行に救われたロバーデイクはそう思った。

「話を戻しますが…この少女の様に幼いエルフも露頭に迷っているのですか?」

「はい…孤児になったエルフも多く居ます」

「孤児…ですか…」

すると今度はポンと手を叩いてニッコリ笑うキーノが居た。

(表情がコロコロ変わりますね…この辺はまんま子供だ)

「ラナーに頼もう!あそこなら面倒見てくれる。ちゃんとした建国にはまだ時間がかかるんだろう?それまでの繋ぎだ」

「キーノ、そんな勝手な事を言っては駄目ですよ。ラナーの都合もあるでしょう?」

「大丈夫だよダーリン。ラナーは兄貴やここのジルからガッポリ運営資金を調達してるって前に言ってたからエルフの孤児の10人や20人は何て事はないぞ」

「本当ですか!」

少女が食いつく。

「う、うん。本当だ。最近は王国も平和だから孤児も減ってな空きはあるはずなんだ。ラナーは性癖は変だが人柄は保証するぞ」

「あ、あの…仲間に知らせて来てもいいですか?!」

ロバーデイクはニッコリ笑って答える。

「ではこれから1時間は休憩です」

その言葉が終わらない内に少女は駆け出していった。

 

「…あの…良いんですか?」

「そうですよ、私たちが言うのも何ですが…」

「後でご迷惑になるんじゃ…」

 

「何を言っているのです?自慢の妹たちが異国で頑張っている。その妹たちの願いを叶えなくて何が兄です?」

「私たちを妹と呼んでくれるのですか?」

「嫌ですか?」

「とんでもない!ここで助けられた時からズッと思ってきました。こんなお兄さんが居たら良いなぁって」

「じゃあ私はお姉さんだな!」

「それは…ちょっと」

「クッ…殺せ」

 

声をあげて笑い合うテーブルにロバーデイクは心が和んだ。

この国はドンドンと良くなってきている、そんな実感がした。

 

その時…

 

「ド、ドラゴンだあーっ!ドラゴンが襲って来たぞーっ!」

 

 

 

 




お疲れ様でした。

ンフィーアレ君とクライム君は性格が変わりました。
父親の自覚って奴かも知れませんし
立て続けに起こる超常現象に
何かが吹っ切れたのかも知れません。

…たぶん、後者です。

次回。
男前のパンドラズアクター登場!

じゃあまた、よろしくお願いします。
ありがとうございました。
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