骨と卵   作:すごろく

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どうも、作者です。

やってしまいましたよ。
連投予定だったのが、この有様です。
最後の最後でコレです。

でわ、ごゆっくりお楽しみください。


その67 天国。

「お、お前たち…なのか?」

恐る恐る鈴木は訊ねる。

「じぃじの孫ですよ」

(確かにレベルアップは試したかったが…これは)

「説明…出来るか?」

 

「戦いの最中に声がしたんです。始めは空耳かなって思ったのですが5人全員が同じ事を聞いていたんですよ。それで約束したんです」

「や、約束」

「私たちを女神に昇華させる代わりにこの世界を見守れと」

「じ、、じゃあ…その…め、女神になったと言うのか?」

「そうですよ。だから…ほら」

そう言うと右手をスッと上げた。

するとセラフィムが10体現れた。

「おお!セラフィムを召喚したのか」

「召喚とは少し違います。普段は見えませんが常に私たちの周りに居るのです」

(なんだと!パッシブで最高位天使を10体も連れている?!)

「皆んなそうなのか?」

「はい、そうです。この他に下位の天使も居るので1人に100ぐらいは居る筈ですよ」

(どんなチートだ!じゃあなにか?この子たちだけで500の天使軍団を率いているって言うのか!?)

「身体は…そう、なんともないか?急に背が伸びて…痛い所とかないか?」

「じぃじは心配性ですね。うふふ。大丈夫、皆んななんともありません。ねえ?」

「大丈夫だよ、じぃじ!」

「魔法ももっと使える様になったよ」

「魔法も上達したと?」

「この子が言ったのは正解じゃないんです。私たち魔法は使えなくなりました」

「え!?どういう…」

「さっきの天使もそうですが、使えのは女神の加護です」

「それって…」

「念じればほぼ不可能な事はありません。あと回数制限なんかも無いですね。ただし」

「ただし?」

「良い事に使う限定」

「あー、そりゃそうだわな。あとこれは絶対に聞きたいんだが…。最初からこうなるべくしてなったのか?」

「私たちの産まれた時の事ですね?」

鈴木は静かに頷く。

「話によるとそれは違うそうです。運命の悪戯だってお笑いになってました」

「えーと…その話の相手は…」

「神様ですよ」

「アッサリ言うなぁ…あ、でもお前たちももう女神だから別に神様と話せても普通なのか」

(なんかファンタジーもここまでぶっ飛んだら何でも飲み込めるな)

鈴木は何故かおかしくなった。

 

そこへ皆が寄って来る。

 

「この度はご昇華おめでとうございます」

「ツアーおじさん、そんな畏まわらないで下さいよ」

「そうだぞツアー、いつも通りでイイじゃないか」

「バカ!お前!相手は本当の女神なんだぞ?僕や君とは何というか…格が違う」

「おじ様、神の前では皆平等ですよ。だから私たちもおじ様も平等です、格なんて存在しません」

「ハッ!申し訳ございません!」

「何か変だぞ?ツアー」

「分かってる!分かっちゃ居るんだが…こう立て続けに奇跡を見せられたらいくら僕だって混乱するよ」

 

「女神様だって…どう話したらイイんだよ。俺、サッパリわかんねーよ」

ブレインは頭を抱える。

「アンタ、信仰心無いからねぇー。しっかし驚いたなぁ。お兄ちゃんが聞いたら腰抜かすだろーなー、信仰心の権化みたいな人だから」

 

「綺麗な羽」

ツアレがそっと翼に触れる。

「そうだ…ツアレお姉ちゃん、ちょっとだけイイ?」

5人がツアレを取り囲み何かを念じる。

例の金粉がツアレに降りかかる。

「ハイ、もう大丈夫だよ」

キョトンとするツアレ。

「お姉ちゃんにはいっつも美味しいオヤツとか作って貰ってるからお礼。産まれて来る赤ちゃんは特別な力を持つよ。女神の祝福だから間違いないよ」

 

「あと…あ!ネム姉ちゃん!こっち来て!」

「ネム姉ちゃんにも遊んでもらってからお礼だよ。目を瞑っててね、いくよ?」

そう言って翼から羽を一本取りネムの胸の所へ持っていく、すると羽はネックレスになった。

「ハイ!これで空を飛べるよ。無くさないでね」

(マジックアイテムの元ネタって本当の事だったんだ…パンドラズアクターが居たら狂喜乱舞だなきっと)

 

「アルシェお姉ちゃんたちもこっちへ来て」

アルシェ姉妹とセリーが恐る恐る近づく。

「ちょっと大きくなったけど私たちだよ。これからおまじないするからジッとしててね」

5人はアルシェたちを囲んで手を繋ぐ。

目を閉じ祈るとサークルは白く輝く。

訳の分からないアルシェたちは立ちすくんでいる。

「祝福の蕾って言うおまじない。条件が揃うと花が咲くの。どんな花が咲くかはその蕾によって違うんだよ。頑張って綺麗なお花を咲かせてね」

 

「じゃあ今度はガセフおじさんたちだね」

「え!?お、俺たちも?」

「いやぁ〜、お姉さんは遠慮しとく…かな?」

「なによ?お前らビビってんの?」

「さあ!輪に入って」

「クーレお姉ちゃんたちにはね、聖戦士になって貰うんだよ。でもどうしても嫌なら言ってね、無理矢理には出来ないから」

「ちょっと聞いていいか?」

「なぁに?ブレインおじちゃん」

「その聖戦士ってのは一体なんなんだ?人間じゃなくなるとかか?」

「安心して、人間のまんまだよ。聖戦士って言うのはね、女神が特別に認めた戦士に与える称号みたいなものなの。効果はね…」

「効果は?」

3人は息を呑む。

「絶対に負けない」

「「そんな馬鹿なぁー!」」

「勝利の女神が常に付いてるからだよ。その女神が微笑んでいる間は負けない。ただし、女神が微笑まない行いを一度でもすると、その女神は離れてしまうから逆に絶対に勝てなくなるの。だから自信がないなら止めたって良いって言ったんだよ」

「…それはツアレにちょっとエッチな事をしても…痛ってぇーっ!」

ブレインはガセフとクーレに全力で殴られた。

「この馬鹿は放っておいてやって頂戴。いえ、是非ともお願いします」

クーレは跪き頭を下げる。

「ほら!アンタたちも頭が高い!」

慌てて跪く男2人。

 

「汝ら3人に女神の加護を与えます」

 

「なんも変わんねーぞ?」

「あのねブレインおじちゃん。さっきも言ったけど私たちのは魔法じゃないから直ぐに効果が現れたりしないんだよ。それと施した相手に左右される、同じ加護でも皆んな同じ効果にはならないの」

「…なるほど。流石、本物は違う」

「分かるのかクーレ」

「こう見えても法国出身だからね、宗教関係は一通り学校で習ってるの。魔法だと善人でも悪人でも同じ効果になるでしょう?その代わり効果も均一でそれ以上にも以下にもならない。だけど女神様のそれは違うのその人が善に傾けば傾く程、効果は大きくなる。逆に悪に傾けば…」

「罰が当たる」

「そう言う事、だよね?」

「クーレお姉ちゃんの言う通りです。私たちは疑う事を知りません。その人を信じる事しか出来ないのです。ですから信じた人が善行をすればその人は強く輝き私たちが見つけられやすくなってより強い加護を与えられるのです、でも信じられなくなれば、その人が見えなくなるので加護を与えられなくなるんです」

「ありがとう。お姉ちゃん、何処に居ても見つけて貰えるように輝いてみせるよ」

クーレは5人を抱きしめた。

 

「お爺さん、お婆さん。何か願いはありますか?」

フールーダとリイジーは互いに顔を見合わせた。

「あたしゃ、もうなんも思い残す事は無いよ。だってそうだろう?可愛い可愛いひ孫たちが女神様になったんだ。これ以上なにか望んだら、それこそ罰が当たるよ」

「儂とて同じじゃ。この目で女神様誕生を見たんじゃ、あの世で自慢出来る。ありがたい事じゃ」

「…そうですか。分かりました。でも、1つだけ私たちの我儘に付き合って下さい。どうぞ、輪の中に」

そして祈る。

「お2人はこのまま天寿を全うします。そして再びこの地に生まれ変わり、きっとその才能を開花させるでしょう。導いて下さい、育んで下さい。その時、記憶は蘇り才能はより強く輝きます。必ずまたお会いしましょう、楽しみに待ってますよ」

2人の老人は崩れ落ちる様に倒れ号泣した。

それはまるで、幼な子の様だった。

 

「パパ、ママ、じぃじ」

 

「…分かっている。何も言わなくてイイ」

 

「…じぃじ」

 

「ンフィーもエルリも俺もアンデッドだ。女神の加護は受けられん。恐らくここに居ない2人も同じだろう」

 

「その通りです」

 

「旅立つのか?」

 

「はい」

 

ンフィーとエンリは驚いて鈴木を見る。

 

「ンフィー、エンリ。この子たちは約束をしたんだよ、そして生まれ変わった。だからその約束を果たさなきゃいけない」

 

「パパ、ママ。じぃじの言う通りなの。私は残るけど妹たちはそれぞれ別の大陸へ行きます。でもきっとまた村へ帰って来ます」

 

「カトリーヌ、ルージュ、ネルル、ムーディ、ラシェル」

ンフィーとエンリは娘たちを強くそして優しく抱擁した。

 

ーーーーー

 

「ほら、柔らかい葉っぱじゃ」

「かたじけないでござる。某、こう言うのに滅法弱いのでござるよ〜、なにせ雌でござるからして」

「それで…どうする?」

「この感動の場面にノコノコ出て行く程KYではござらんよ」

「では…帰るかの?」

「もう噴火も収まったし、帰るでござる」

 

ーーーーー

 

「では、私たちはそろそろ行きますね。お姉ちゃん、パパとママ、じぃじや村を宜しくね」

「分かったわ。あなたたちも偶には顔を出すのよ?まぁ…私たちには時間も距離も関係ないけど…」

「ナニっ!?」

鈴木は思わず割って入る。

「だって…そうじゃなかったら蕾や生まれ変わりなんか実行出来ない」

「…そう言う事か。ワッハハ!これは凄いな!いやいや、チート過ぎてぐうの音も出んわ!」

 

「じゃあ、ここに集まった全ての命あるものに」

「育ててくれた村の仲間に」

「見守ってくれた森の仲間に」

「湖と山の友人たちに」

「この世の理の守護者に」

 

『幸多からん事を我願う…ヴィーナスシャワー!」

 

村全体が真っ白に輝く。

甘い香りが漂い、柔らかな風が頬を撫でる。

まるで宙に浮いた様に重力すら感じない。

 

薄れゆく意識の中で鈴木は思った。

 

「これが…天国」

 

 

 

 

 

 

 




お疲れ様でした。

どうでした?
お楽しみいただけましたか?
話しが前後しちゃってすいませんでした。

じゃあまた、よろしくお願いします。
ありがとうございました。
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