アルバイトに大学に就職活動と本当に忙しいのです……。
今回は、プラウダ高校のOGとしてオリキャラが出ます。
ついに、戦車道全国大会の準決勝戦の日となった。舞台は雪原。いつ吹雪が発生してもおかしくない程の暗い天気の下で、みほ率いる大洗女子学園は戦うことになる。相手は、昨年の全国大会の優勝校『プラウダ高校』。みほが黒森峰女学園を離れるきっかけとなった学校とも言えるだろう。
試合はまだ始まっていないが、みほ達の陣地にプラウダ高校の隊長と副隊長がやって来た。カチューシャとノンナである。
互いに挨拶もほどほどに済ませ、自陣へ戻ろうとした時、カチューシャが振り返り、みほにこう言った。
「去年はありがとう。優勝させてくれて」
挑発のつもりだろうか。みほの事情を知っているあんこうチームの面々や、彼女を慕う他のチームまでもがカチューシャを睨む。
しかし、みほは沈黙で返さなかった。
「今年は譲ってあげません」
ハッキリと、そしてこの上なく爽やかな笑顔でそう言い放った。
一瞬ポカンとしたカチューシャだったが、挑発し返された事に気付き、その顔を怒りで歪ませる。
「あんた達は1両も逃さずギッタギタにして、ピロシキの具材にしてやるわ!」
そうしてカチューシャは怒りを隠さないまま戻っていった。それを見届けたみほは、チームメイト達へと振り返る。
「皆さん、目指すは優勝です!」
「「「「はいっ!!」」」」
全員が拳を突き上げた。
観客席にて、1人の女性が試合の様子をモニターで観ていた。今はスピーカーから流れるプラウダ高校の歌声に耳を傾けている。
「良いねぇ、歌は。歌は士気を上げる。パンツァーリートを熱唱してた時代が懐かしい」
そう言ってミルクコーヒーを飲むのは、普段はサンダース大学附属高校の学園艦でホットドッグ屋を営んでいる、ミチコである。
「ういーっす。隣失礼するよー」
「……げえ、お前か」
声の主へ視線を向けると、ソーダを片手にヘラヘラと笑っている女性がいた。そのテンションの高さはまるで酔っ払ってるようにも見える。
「げえは無いだろ~?
「一時的な物だっただろうが、『赤っ面のアカメ』!」
その女性の名はアカメ。プラウダ高校のOGであり、かつて強襲戦車競技でりほ達と戦ったこともある人物だ。
彼女は、どういう訳か炭酸飲料を飲むとテンションが高くなり、常にソーダを飲んで騒ぐその様子から「赤っ面」などと呼ばれている。しかし、それでも隊長を務めたこともあるから侮れない。
「後輩の様子でも見に来たのかよ」
「勿論さ~。今まで無名だった高校が、サンダースやアンツィオを負かしてるんだ。そんな高校相手に今のプラウダ隊長ちゃんがどうするのか気になってね~。そう言うアンタは?」
「同じさ。サンダースの隊長さんも、大洗を褒めてたみたいだし。何より戦友の姪っ子とくれば気になるってもんさ」
モニターの様子だと、プラウダ高校がかなり苛烈な攻撃を行ない、大洗女子学園の戦車たちは後退しつつある。
「……この天気だと、そろそろブリザードが来る。それも相まって、試合が少し止まるかもね~」
「プラウダから生徒が2名、大洗女子学園の方に行ってるな。何か宣言すんのか?」
「後輩ちゃん達の戦い方を何度か見てるけど、今の隊長ちゃんは相手をおちょくったりする『お遊び』が好きみたいでね~。あれもそうなのかもね~」
「強者ゆえの余裕ってやつか」
「にしし。大洗ちゃん達はどうするのかね~」
アカメは笑うと、ソーダを一口飲んだ。
ブリザードが吹き荒れる頃、スタッフ用のテントでは。
「ひでぇ天気だな……。昔プラウダを相手してた時を思い出す」
「その時はどうだったんスか?」
「まるで独ソ戦みたいな地獄さ。寒さとも戦わなきゃならなかった。今は防寒具とかの持ち込みもOKだから、だいぶ良いけど」
「うへぇ。にしても、大洗の子達は大丈夫ですかね?」
「カチューシャちゃんがかなり苛烈に攻撃してたな。試合前に何かあったんだろ。地の利はプラウダにある。だが、無名だからこその強みもある。あたしは大洗を信じるさ」
すると、何やら歌が聞こえてきた。先程はプラウダ高校によるロシア民謡『カチューシャ』が歌われていたが、今聞こえているのは何やら祭りの音頭のようだ。
「だよね、みほちゃん。君たちなら諦めないって信じてたさ……!」
りほは、ここから先で面白い展開になるだろうと思うと、笑みが止まらなかった。
読んでくださりありがとうございます。
未定ではありますが、次回の更新をお待ちください。