西住しほの妹、その名はりほ:リメイク   作:G大佐

22 / 26
大変長らくお待たせしました。1000文字を少し越えただけの短い話ですが、原作の裏で起きたことを意識してますのでご了承下さい。


試合後の観客席

 プラウダとの戦いは、大洗女子学園の勝利に終わった。あんこう音頭で士気を取り戻した大洗チームは、履帯の修復や相手チームの偵察などを連携して行ない、見事フラッグ車を撃破したのである。

 

 観客席では、みほの様子を見に来た姉のまほと母のしほが、安堵の息をついていた。

 

「みほは因縁の相手を倒せたわね」

 

「次は私たち黒森峰との戦いになります。……みな喜ぶことでしょう。みほと戦えるのですから」

 

「けれどもまほ。妹だからといって手加減は……」

 

「分かっています。全力で向かう相手に手加減は不要。我々も本気で行きます」

 

 真剣な雰囲気で話す2人の間に、陽気な声が割り込んできた。

 

「いや~、見事に妹ちゃんが勝ったね~!」

 

「っ! あなたは、プラウダ高校OGのアカメ!」

 

「やっほ~。見かけたから来ちゃった♪」

 

 ライバル校のOGという突然の来訪者に、しほは驚く。そんな彼女の様子をよそに、アカメはまほへ近付いた。

 

「ふ~ん? テレビで何度か見たけど、生で見るとよく分かるね。その風格に雰囲気は、まさに黒森峰の隊長だ」

 

「あの……」

 

「おっとっと、失礼。プラウダ高校OGのアカメだ。君のお母さんとは、学生時代に戦車道でぶつかり合った仲でね。特にりほとは……」

 

「アカメ。この子はまだ知らないわ」

 

「ありゃ、そうなの? まあとにかく、母校だけじゃなく戦車道を応援してる一人だと思っておくれよ」

 

「は、はぁ……」

 

 人は見かけによらないと言うが、ラムネ瓶を片手にヘラヘラと笑っているこの女性が隊長とは、まほは到底思えなかった。

 

「お次は姉妹対決かぁ。楽しみにしてるよ。見に行くから」

 

「ありがとうございます」

 

 丁寧にお辞儀をするまほにアカメは満足そうに頷くと、観客席から去ろうとする。だが突然立ち止まり、しほに声をかけた。

 

「妹さんに言っといてよ。今度暇な時に飲みに行こうぜってな。あいつ、昔一緒に戦った仲なのに全然連絡よこさねえでやんの」

 

「しっかり伝えとくわ」

 

 アカメは小さく笑みを浮かべると、観客席から去っていった。

 しかし一方で、まほは気になっていた。彼女が言っていた『妹さん』。それは恐らくしほの妹であるりほの事を言っているのだろう。だがりほが戦車道をしていたという話を聞いたことがなかった。

 

「あの、お母様。りほ姉さんは戦車道をやっていたのでしょうか?」

 

「…………えぇ、そうよ。でもそれを話すと長くなる。今は目の前の大会に集中しなさい」

 

「え……」

 

「分かったわね」

 

「…………はい」

 

 そう語るしほの顔は、まるで過去を悔やんでいるようだった。




読んでいただき、ありがとうございました。次回の更新は未定ですが、どうかお待ちください。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。