打ち切りという形になってしまい、申し訳ありません。
みほの乗るⅣ号戦車と、まほの乗るティーガーⅠが激突する。その様子を、りほは少しの間しか見れなかった。
「M3リー、修理完了しました!」
「よし、すぐに大洗の陣地に返しておけ! 撃破された車輌はまだあるぞ! マウスの方はどうだ!」
「あと4分、いえ2分で終わります!」
「休憩上がりの奴はそっちに向かえ! 他の車輌持ってこい! あたしも修理する!」
大洗女子学園も黒森峰女学園も、撃破して撃破されての応戦となり、大会の修理スペースは更に多忙を極めていた。残念ながら姉妹同士の決戦をじっくり見ることが出来ない。
その時だった。その砲声はやけに大きく聞こえ、りほは思わずモニターへと視線を向けた。両者ともに黒煙に包まれている。
「どっちがやった……!?」
りほの心臓が、この時バクバクと大きく鼓動していた。冷や汗が流れ、煙が晴れるまでの時間がやけに長く感じられる。徐々に晴れ始めるが、それすらスローモーションに見えた。
撃破判定の白旗が上がったのは……ティーガーⅠだった。
一瞬訪れる静寂。
『黒森峰女学園フラッグ車、戦闘不能! よって……大洗女子学園の勝利!』
会場に響くアナウンスの言葉の理解に、ほんの少しの時間が掛かってから―――
「「「「うおおおおおおおおお!!」」」」
爆発する歓声。修理スタッフの中には、抱き合いながら小さくジャンプしてはしゃぐ者もいた。
その中でりほは……脱力し、スパナを落とした。そして腰が抜けて、へたり込んでしまう。
「は、はは、みほちゃんが、やりやがった……! 初心者ばかりのチームで、優勝……!」
「姐さん、やりましたねぇ!」
「お、おう! どうよあたしの姪は! どっちもスゲぇだろ!」
「はいっ!」
「ところでよ……手ぇ貸してくれね? 腰が抜けちまった……」
りほは、苦笑する後輩の手を借りて何とか立ち上がる。彼女を見るスタッフ達の目は、りほが次に言う言葉を待っている。
「さぁ、凱旋のためにもうひと踏ん張り! 気合い入れてくよ!」
「「「「はいっ!!」」」」
優勝パレードが行われ、観客たちは拍手でみほ達の健闘を讃える。その様子を、りほは見守っていた。
「りほ」
「姉さん……それにお前らまで」
「やったな! こんな戦い滅多に見れないぜ!」
ミチコが眩しい笑顔で称賛する。
「つくづく驚かされたよ。最高の試合だった」
カナエは不敵な笑みを浮かべていた。
「こりゃあ、戦車道がマイナーじゃなくなる日も近いんじゃないかな!」
アカメは炭酸を飲んだからか、テンションが高く笑っていた。
「……なぁ、姉さん」
「どうしたのかしら、りほ」
みほ達を見ながら、りほは呟いた。
「戦車道ってのは、やっぱり最高だな!」
その笑顔は、とても純粋なものだった。
読んでいただいた皆さん、評価をしてくださった方、感想を書いてくださった方、本当にありがとうございました。
新しい作品の投稿があるかも未定ですが、時間がある時に書いてみようと思います。本当に、ありがとうございました。