新旧三馬鹿六人のインフィニット・ストラトス   作:ナナシのG愛好家

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プロローグ~IS学園に墜落~

 インフィニット・ストラトス、通称、IS。その兵器は、約十年前に現れた。十年前に起こった、白騎士事件。それこそが、全ての始まりだ。

 それは、世紀の天才(天災?)博士、篠ノ之束(しののたばね)によってISの開発が発表された数日後に起こった、

 日本を射程距離内とするミサイルの配備されたありとあらゆる軍事基地のコンピュータが一斉にハッキングされ、2341発以上のミサイルが日本へ向けて発射されたのだ。

 誰が、何の為に、そんな事をしたのかは分からないが、残ったのは、それが、搭乗者不明の謎のISであり、

 ファーストIS、『白騎士』で、その後白騎士を破壊、もしくは鹵獲の為に攻撃を繰り出した各国の兵器の大半を無力化した。と言う事実。

 そして、その事件での死傷者は、民間人軍人共に、一人もいなかったというおまけだけである。

 そして、白騎士は、当時彼女が発表した、「宇宙開発のためのマルチフォーム・スーツ」としてではなく、

 「既存の兵器全てを上回る超兵器」としか各国の上役の眼には映らなかったのである。

 更に、この兵器には、ISには、とても重大な欠陥があった。

 『女性にしか、ISは動かせない』というものである。その結果、世界には、とある価値観が根付いた。

 『女尊男卑』である。女性優先法により、男性が冤罪で捕まり、男と言うだけで殺される赤子達、

 しかし、残酷なことに、世界はそれでも、回り続ける。今や、女尊男卑は当然の世界的価値観である。

 

 その女尊男卑を生んだ兵器、ISの乗り手を育てるための学園が、日本国内にある。それがIS学園だ。

 太平洋の孤島に存在し、世界で唯一ISを専門的に学ぶ高等学校だ。いわば、名門中の名門。全女性の憧れである。

 公共の移動手段は日本本土を学園と結ぶモノレールのみ、島の大自然すべてが学園の中に、雄○高校もびっくりな、広大な敷地がある。

 

 そんな学園の森を、一人の女性が歩いていた。名を織斑千冬。ISの世界大会 モンドグロッソの第一回大会で優勝し、ブリュンヒルデの称号を持つIS乗りだ。

 しかし、彼女はとある事件がきっかけで、ブリュンヒルデの呼び名を拒絶し、今も、少々やりきれない思いを胸に、気晴らしの散歩をしていたのだ。

 やりきれない思いと言うのは、千冬の弟、一夏、彼が、男性として、史上初、ISを動かしたことだ。

 しかも、己の志望校とIS学園の試験会場を間違え、試験会場に迷い込んだ挙句起動させたのだから苛立つのは当然。

 そのため、彼女は、愛する弟を実験台として扱われたり、国に奪い合われたりしないために、彼をIS学園に入学するための手続きを行わされたりと、大変なことがあったのだ。

 しかし、森の中に、違和感を覚える個所があったのだ。

 

「ん?何だ?」

 

 一部の木が、盛大に倒れているのだ。まるで、何かが墜落したかのように、地面に痕もある。

 しかし、飛行機にしては小さい。何より、それならば学園のレーダーが感知するはずである。

 

「まさか………。」

 

 ISか、そう思ったが、正規のISならば、事前に連絡がある筈であるし、これまたレーダーにかかる筈である。

 となれば、非正規、マフィアなどのISが、ジャマ―を持って飛び、墜落したと考えられるのが妥当である。

 今彼女はISを持っていないため、警戒しながら、その後を辿って行った。

 その先にあったのは、黒に、赤のラインが入った全身装甲(フルスキン)のISだ。右手の棘付きの鉄球は、生身の千冬が当たれば、一たまりもないだろう。

 しかし、倒れたまま動かない。

 

「気絶………してるな?」

 

 そっと、身体を裏返す。すると、ツインアイの顔が露わになる。ISの持ち主を抱えた状態で、千冬は教員に通信をいれようとする。

 しかし、その時、ISが、エネルギーが尽きたように光の粒子となって消え、その素顔が露わになる。

 黄色と黒を基調とした。SFに出てくるようなISスーツ、それを纏っていたのは、赤髪の少年だった。

 

「なっ!?男?」

 

 驚く千冬。しかし、深呼吸をして心を落ち着かせ、通信を入れる。

 

「もしもし?こちら千冬だ。森で、偶然二人目の男性IS乗りが墜落しているのを見つけた。至急、回収に来てくれ。」

 

 すると、同じ教員の山田真耶(やまだまや)が、

 

「え!?またですか⁉」

「また?」

「はい、先ほど、十蔵さんが、カトリーヌちゃんのいる池に浮いている男性を、菜月さんが、アリーナで立ったまま気絶して、ISを纏った男性を発見したんです!!

 それと、海辺とアリーナに一機ずつ男性操縦者が、もう一人、ISを纏った少女がアリーナにいると………」

「何だって!?」

 

 ちなみに、十蔵と言うのは、この学園の実質的な学園長、轡木十蔵(くつわぎじゅうぞう)と言いカトリーヌちゃんと言うのは、彼の溺愛している鯉である。

 菜月さんと言われているのは、榊原菜月、このIS学園の部活棟を管理している教員である。

 

「全く………何がどうなっている………。」

 

 そう呟き、千冬は回収部隊を待った。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

「う……………。」

 

 最初に目覚めたのは、菜月の見つけた、緑髪で、オッドアイの青年だった。

 

「ここは………ッ………頭が痛ぇ………」

 

 そう言い、頭を押さえる。

 

「目が覚めたか。」

「あ?」

 

 彼が見ると、隣には千冬が腕を組んで座っていた。

 

「誰?アンタ。」

 

 一方青年は、不審者を見るような目で見る。

 

「それはこちらのセリフだ。まずは、君が名乗れ。」

 

 千冬がそう言うと、

 

「…………シャニ・アンドラス。アンタは?」

「そうせかすな。シャニだな。私は織斑千冬だ。ついでに聞くが、そこの五人の名前は、分かるか?」

「クロトと、オルガ。あとは知らね。」

 

 赤髪の青年と十蔵の拾った金髪の青年を指してそう言うと、

 

「と言うか、ここどこ?」

「ここは日本のIS学園だ。貴様こそなんで、アリーナの中で立ったまま気絶をしていたんだ?」

 

 そう言うと、シャニは、

 

「ニホン?アイエスガクエン?何だそれ?」

 

 と、キョトンとした顔をする。

 

「何って………お前、IS学園を知らないのか?」

「何だよそれ、てか、ISって、何の略称?」

 

 シャニがそう聞くと、

 

「お前、もしかして、ISも知らないのか?ISを纏っていたのにか⁉」

「IS?纏う?どういう事だよ?そもそも、ISって何?MSじゃないの?」

 

 シャニはそう言う。

 

「ISを知らない?」

「だからそう言ってんじゃん。まずそっから説明しろよ。」

 

 彼はジト目でそう言う。

 

「どういう事だ?」

「ん………あ………んだここ?あの世か?」

 

 すると、オルガと呼ばれた金髪の青年が起き上がった

 

「あの世?どういう………。」

 

 千冬がそう聞こうとするが、

 

「おいオルガ、コイツが変なこと言うんだよ。助けてくれ。」

 

 と、先にシャニが一言。

 

「ア?変なことだぁ?」

「意味わかんねぇよ。アイエスとか、ニホン、とかよォ、」

 

 とシャニが言うと、オルガは、

 

「………おい、名前は?」

 

 と、オルガは千冬に聞いた。

 

「織斑千冬だ。はぁ、あとの四人が一気に目覚めてくれると助かるのだが………」

「そうかよ。で、お前、俺が今から言う単語に聞き覚えあるか?」

 

 それからオルガが言ったのは、C.E.(コズミックイラ)MS(モビルスーツ)、プラント、コーディネーター、ナチュラルと言った単語だ。

 

「すべてに聞き覚えが無いな。どういう意味だ?」

 

 それに対し、いぶかしげに聞き返す千冬に、

 

「マジかよ………。」

 

 と、シャニが驚くが、オルガは顔を輝かせた。

 

「おいシャニ、驚くなよ、」

「何に?」

 

 イラッ、としたのか鋭い眼光を向けるシャニ、

 

「俺達、どうやら異世界に来たみたいだぜ。」

「「は?」」

 

 オルガが得意げに意味不明なことを言った瞬間、シャニと千冬は同時に同じような顔をしてオルガを見つめた。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

「宇宙に建てられた人類の第二の故郷プラント………そこで暮らす、遺伝子操作を施された存在、コーディネーター

 それと旧人類、ナチュラルとの戦争、そして、圧倒的な能力を持つコーディネーターに対抗するために人為的に強化された存在、

 それが君らなのか………。」

「ま、僕達と、こいつらは強化の系統が違うみたいだけどねぇ。」

 

 目覚めた赤髪の青年、クロト・ブエルがそう言う。

 

「俺達エクステンデットは記憶処理やブロックワードで管理され、お前らブーステッドマンは薬物強化か………。」

 

 そう呟いたのは、緑髪の青年、スティング・オークレーだ。

 

「しかし………信じられんな。あり得るのか?そんな事が………。」

「俺らにもわかんねぇよ。」

 

 そう言ったのは青髪の青年、アウル・ニーダだ。

 

「何でこんな所に来ることになったのか、それこそ、神の味噌汁って奴だろ?」

「アウル………それ、多分違う。」

 

 しかし、ことわざの間違いを金髪の少女、ステラに否定される。

 

「と、とにかく、俺達はこうして生きてる。でも………。」

 

 千冬を見る。

 

「ああ。今は女尊男卑の世界だ。その理由は一つ。ISを使えるのは女性だけだから。だ。」

「そこに男性IS乗りがいきなり五人も現れたとなると、現在の社会は瞬く間に崩壊する。それを阻止するために、

 あるいは、実験台にするために、お前たちは各国のあらゆる組織から狙われるだろう。」

 

 千冬はそう言ったが、これはすべて間違っていない。現に彼らはIS以外は一文無し、戸籍も無い。

 そんな状況で隠れ生き延びるのは、彼らにとって苦でしかないし、生き延びるのは無理に等しい。

 

「実験体………。」

 

 過去を思い出したのか、ステラはブルブルと震えている。

 

「ステラ!?落ち着け!!ミス・千冬、一つ聞きたいのですが、それを阻止する方法は無いのですか?」

 

 ステラを落ち着かせながら、この中では一番紳士的な対応と言うものを分かっているスティングがそう聞く。

 

「あるにはあるぞ。」

「「「「「「何ですか⁉(何?)(何だよ!?)(教えろ)」」」」」」

「お、落ち着け、そんなに迫るな。」

 

 あると言われた瞬間、千冬に迫る六名。

 

「方法と言うのは、このIS学園に入学することだ。」

「学園だぁ⁉」

 

 オルガがそう問い返す。

 

「そうだ。この学園はどの国にもどの組織にも属していない。ここで三年間、勉学を積んでもらう。その間に、君達が生きられるための設備を築き上げる。」

「なるほどねぇ。ま、このまま出てくよりはいいんじゃない?」

 

 クロトがそう言う。

 

「別に、生き残れるならどこでもいい。」

 

 これはシャニ。

 

「学園生活か………、面白そうじゃん!!ダチ作ったりしてさ、な、ステラ!!」

「うん。楽しみ。」

 

 アウルの提案に、ステラも微笑む。

 

「決まりだな。お願いします。千冬さん。いや、千冬先生。」

「ああ。任せておけ。ただ、君達には入学するにあたって、とある事を行ってもらわなければならない。」

「とある事?」

「入試だ。君たちには、入学試験を受けてもらう。」

 

 その一言で、暗くなる六名。

 

「入試と言っても、ISを纏って、教員と戦闘してもらうだけだ。」

 

 戦闘と聞いて、顔を輝かせる一同。その分かりやすさに、頭を抱える千冬だった。




 次回、入試試験!!
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