新旧三馬鹿六人のインフィニット・ストラトス 作:ナナシのG愛好家
「で、そのISが俺の相手ってわけか?」
「は、ハハハ…………。」
こちらを向くバズーカの砲身に、一夏は苦笑いした。
「(俺……死んだ。)」
心の中でそう思いながら。
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「さて、第三試合だな。一夏、サブナック両名は控室に向かうように。」
「へいへい。」
オルガはそう言うと、読んでいた小説を閉じ、控室に向かった。入る最後、一夏に獰猛な笑みを向けて…………。
「一夏、貴様も準備しろ……一夏?」
当の一夏はというと……まさしく蛇に睨まれた蛙のように放心していた。
「さっさとしろ。」
「ぶげらぁ!?」
拳骨を食らいようやく戻った彼は、大人しく反対側の更衣室へと入って行き……冒頭に至るという訳だ。
「あのー、オルガさん……。その機体、もしかしなくても…………。」
「おう。カラミティは、」
重厚な音と共に、それら全ての砲門が、一夏の方向を向く
「こういう機体だぜェ!!」
「や、やっぱり――ッ!!」
ビームキャノン【シュラーク】、バズーカ【トーテス・ブロック】、そしてシールドの砲【ケーファー・ツヴァイ】の一斉掃射をブーストを全開にして飛び回って回避する。
「オラオラオラオラオラオラァッ!!」
「殺意が高すぎるッ!!」
地面や壁に激突し、あたりはあっという間に爆発パーティーと化した。
「ハッハァッ!! 最高だぜISはよぉ!!」
「ぐっ!!」
一夏のIS【白式】には大きな欠点がある。このISは武器は刀である【雪片弐型】以外の装備を使うことが出来ないのだ。
その為、オルガに勝つにはこのカラミティの弾幕をかいくぐらないといけないのだが、
「無理ゲーだろ!! 普通に死ねるわ!!」
そんなの上手くいくわけがない。だが、次の瞬間、オルガは【トーテス・ブロック】を下げた。
「ッ!!」
弾倉を外している。弾切れだ。
「今だっ!!」
【ケーファー・ツヴァイ】の弾丸を搔い潜り、カラミティに近づいていく。
「そらァッ!!」
放たれる二門の【シュラーク】それを一夏は、
「ここだァッ!!」
右にスライド移動することで回避する。そして、
「うおおぉっ!!」
雪片弐型で斬りかかった。
「ハッ!!」
オルガは、それをシールドで受け止めた。
「なかなかやるじゃねぇか。」
「今ので決められれば御の字だったんだがな!!」
「言うなぁ!!」
雪片を押し込もうとする一夏だったが、カラミティの重量を利用して強引に雪片を押しのけた。
「ぐうっ!!」
そしてさらに、胸部に光が充填されていく。
「マジ!? そこからもビームが出る仕組みかよ!?」
「油断したな? コイツで終わりだぁ!!」
胸部ビーム砲【スキュラ】のビームが放たれる。ギリギリで飛びのいた一夏には当たらなかったが、地面に着弾して粉塵を巻き上げた。
「明らかに一体に積んで良い火力じゃねぇだろ!!」
「かもなぁ!! だがよォ!!」
【トーテス・ブロック】のリロードが完了し、再び全砲門がこちらを狙う。
「この火力はクセになるぜェ!!」
「言い方が完全にヤク中のソレじゃねぇか!!」
地面からくるビームと実弾を躱しながらそうツッコむ。
「まだまだ余裕そうだな!! ウオォラァ―――ッ!!」
「ぜんっぜん余裕じゃねぇ!!」
辛うじて、手痛いダメージこそ受けていないが、一夏は押されている。
「(強い……!! 本当にこれが俺たちと同じ年齢なのか!?)」
もはや狂気とも呼べるような弾幕に圧倒される一夏。
これが差なのではないか、ふと、そのような考えが頭をよぎった。
このIS学園にいるのは、代表候補生としてずっと前からISを駆ってきた者、ISが好きで、この学園への入学を努力で勝ち取った者、ISに乗れなくとも、整備や法関係で、その社会にかかわろうとする者。一夏がこの学園で過ごしてきた日数は少ないし、細かいこともわからない。そもそも女性ばかりの環境で馴染みづらく、人付き合いも悪い方だ。
だとしても、皆がISに対してとても強い、様々な感情を抱いているのは分かる。
「(俺は……どうだ?)」
セシリアのような情熱も、箒のような気持ちも、姉である千冬のような信念もない。
「(俺には、何もない。)」
猛攻にさらされながら、そんな言葉がよぎる。
「(俺には……、)」
急激に動きが鈍った一夏に、トーテス・ブロックの弾丸が飛来し、
「は?」
「いい加減にしろよ、テメェ。」
シュラークのビームに、撃ち落された。
「え?」
「ハッ、呆けたツラしやがって。さっきから動きにキレがねぇぞ。」
「なぁ、オルガ、」
「アン?」
納得がいかない、という声を出すオルガに、彼は問いかける。
「お前はどんなことを思ってるんだ?」
どんな思いで、
自分と同じ男性操縦者。その意見が聞きたいと。
「もしかしてよ、テメェのキレがねぇのはそんなこと考えてたからだってのか?」
「そんな事って…………。」
「勝負の場でそんなこと考えてちゃシラケんだろうが!!」
「はぁ!?」
「テメェがどんな理由でIS学園に来たかなんて関係ねぇ!! 今この戦いの場にいるのは、俺とお前だけだ!! じゃぁどうすりゃいい!?」
「ど、どうすりゃって……。」
「楽しむんだよ、勝てりゃ嬉しい負けりゃ悔しい、それだけだ!!」
「戦いを、楽しむ…………!!」
「
「ッ!!」
確かに、オルガに迫れた時、確かに楽しいと感じることが出来た。
「だったら最大限楽しんで見せろぉ!!」
そう叫び、全砲門を開放する。
「くっ!!」
それを飛翔して回避した彼らの心の中に、もう迷いはなかった。
「(この戦いを……楽しむ!! それって、最大限がんばれってことだよな?)」
全力で剣道に打ち込んでいた時は楽しかった。
「(なら、必要なのは一つだけ、考えることだ!!)」
相手は自分より強い。そんな
一夏は考える。
「(そういえば、何でオルガはさっきから地面から砲撃してくるんだ?)」
ISは基本的に飛行能力を備えている。カラミティの特性上、地上より高所から爆撃のように弾幕を張った方が強いのではないか?
「まさか、そいつ、飛べないのか!?」
半分正解、半分不正解だ。カラミティに既存のISのような飛行能力はない。だが、ブースターを利用すれば、飛行は無理でも跳びあがることは可能だ。だが足場のない空中では大きすぎる射撃の反動で機体を安定させられない。
それに、スラスター容量自体の少なめだ。
「だったら!!」
一夏は白式を飛翔させる。砲撃を掻い潜り、たどり着いたのはオルガの頭上、その少し奥側だ。
シュラーク、スキュラからは完全に射角外となり、トーテス・ブロック、ケーファー・ツヴァイでも狙いにくい。
「ここだぁ!!」
数発の弾丸を受けるのは厭わない、そう意気込んでの急降下。
「チィッ!!」
振り返ったオルガだが、このままではまた射撃を受けると考えたオルガは、飛翔を決意する。
ブースターを吹かせ、飛び上がった。しかし、一夏が真に狙っていたのは、
「そこだぁ!!」
「コイツ!! 俺の下を!!」
一夏は白式を急旋回させて、オルガの下を取ったのだ。
「機体の相性、経験、実力、すべてで俺はアンタに負けてる!!」
これは、クロトに呼び止められて言われたセリフだ。
『そんなキミが唯一勝てるとしたら、駆け引きだろうね。』
「駆け引き?」
首をかしげる一夏に、クロトは笑みを浮かべて、
『そ、逆転の駆け引き。オルガのカラミティの苦手なポイントを付いて、一気に勝負を決めようとすれば勝てるかもね。』
何でそんなことを教えるのかと聞けば、彼はいたずらっぽい笑みを浮かべて、
『だってその方がオモシロそーじゃん?』
と、答えていた。
「今俺は、アンタとの駆け引きに勝った!!」
カラミティの射角外、その中でも最も苦手な、【真下】を取った。
「お前らの戦いを見て、スゲェって思った。お前に押されて、確かに悔しいって思った!! 追いつきたいって思った!!」
「お前!!」
雪片弐型の装甲が展開する。
「俺は今までISなんて触ったことも無いし、戦闘経験だって皆無だ。でも!!」
シュラークから放たれたビームを、光り輝く雪片が切り裂く。
「俺は、お前に勝ちたい!!」
「ハッ!!」
「うおおぉぉぉ!!」
スキュラさえも切り裂いて、突き進んでくる!!
「いい目をするじゃねぇか!!」
そんな叫びと共に、オルガはトーテスブロックを突き出す。
「せぇっ!!」
「チィッ!!」
トーテス・ブロックが切り裂かれる。
「これで、どうだぁ!!」
「グウゥッ!!」
さらに、ケーファー・ツヴァイのついたシールドを切り裂かれる。爆散したシールドによろめくオルガそこを突き進んでくる一夏。
「ハアァァァ!!」
光り輝く刀身、白式の
「
それは、カラミティのSEを貫通して、装甲に斜めの傷を入れる。
それにより絶対防御が発動…………しなかった。
「ッ!!(浅かった!!)」
そう、装甲のあったせいで、オルガの肉体まで刃が届かず、絶対防御が発動しなかったのだ。
「残念……だったなぁ!!」
「ぐぅっ!!」
カラミティの蹴りを、零落白夜を切った雪片弐型で受けるも、雪片弐型を取り落としてしまう。
「しまっ!!」
「これでぇ、終わりだァッ!!」
そして、斜めに亀裂が入ったスキュラに光が蓄積されていく。
収束が不安定で、拡散ビームのようになってしまうが、それでも零落白夜で減ったSEを削り切るだけの力はある!!
「う、うおおぉぉぉ!!」
しかし、一夏はそんな状況で吼えた。そして、スキュラに手を伸ばしたのだ。
「ウソッ。」
その様子に、思わずクロトはゲーム機から目を離し、
「へぇ、」
シャニは目を細め、
「マジかよ!!」
アウルは興奮のあまり立ち上がり、
「…………!!」
スティングも思わずペンを取り落とした。
「ぐうぅぅっ!!」
パーに開いたSEに包まれた掌が、スキュラの光を、発射光の側で暴走させる、そのことで急激にカラミティのSEが減少いや、ダメージがIS内部に浸透し、絶対防御が…………発動した!!
「そ、そこまで!!」
千冬が声を上げた先、そこにいたのは、悔しそうに唇をかみつぶすオルガと、白式をまとったまま、右手を突き上げる、
「勝者、織斑一夏!!」
その言葉に、アリーナ全体が、ワッと沸いた。
ご都合主義なことは分かってます。
一夏の想いも捏造です。
アニメ知識しかないにわかです。でも、一夏を、一勝させたかった!!
オルガファンの皆さん申し訳ない。
残ったシャニを二人の分まで活躍させます(多分)!!