提督「手を出してはダメだダメだダメだ…(ブツブツ」   作:笑顔号

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みんな大好き霞ママの登場ですよ!



第6話

「さて、頑張りますか…」

 

今の時刻は午後10時。今日は書類が多く、まだ少し時間がかかりそうだ。

 

「はあ、こんなに書類があることは分かってたのに、どうして昼間に3時間も休憩取ってるのよ…。まあいいわ…。さっさと終わらせるわよ。」

 

今日の秘書艦は霞だ。霞は少し不満をこぼすが一緒に作業を始める。

 

……

 

書類の捲る音と判子をつく音だけが執務室内に聞こえてくる。

 

 

…さて、特に何も起こらないことだ。ここで少し霞との昔話をしよう。(やりたいだけ)

 

霞とは最古参とまではいかないがかなり付き合いが長い艦娘の一人である。霞は面倒見がとてもいい。だが少し言葉がきつい時がある。ただそれは私にやる気を出させるようにわざときつく言うことがほとんどである。

霞が着任して数ヶ月たった頃、私がまだ半人前だった頃、霞の言葉のキツさに少し嫌気がさし、霞のその言葉の意図に気づかずに少し霞を避けてしまったことがあった。まぁその頃の霞はかなり言葉にトゲがあったのは確かだが…。とにかく提督の立場上けして許されることではないが、避けてしまっていた。

 

そんな避けるようなって暫くしたある日、間宮さんが珍しく執務室に訪れた。そして間宮さんは「なぜ、霞を避けるのか?」と私に尋ねた。間宮さんいわく、霞はその事を気にして間宮さんに相談したそうだ。その時の霞はかなり悩んでいたそうだ。私は何かしてしまったのではないか、と。

私はそれを聞いて悔いた。なんてことを私はしていたのかと。そしてすぐに霞に謝った。避けていた理由もちゃんと話した。理由を話終えると霞は号泣した。それはもう泣きじゃくった。その中でめちゃくちゃ罵られた。そして最後に…

 

「……私も強く言い過ぎてた…ごめんなさい。」

 

と私に謝った。

私は本当に未熟者であった。霞に言い方を注意することもなくただ避けたことで霞を不安にさせた。そしてそんな愚かな私に霞は謝った。この件で私は心から反省しもっと艦娘に誠心誠意向き合っていく、と決意した。

それからというもの、この件もあってか霞は少しずつ言葉使いを気を付けるようになり刺々しさが落ち着いていった。そして霞はかなり面倒見が良いことを私も知り、私は霞を頼ることが増えた。

 

そして今日も、夜遅くなってしまうため部屋に帰そうとしたが、

 

「今私が帰ればその書類、何時までかかると思ってるのよ。それじゃああんたが明日に響くでしょ?それなら二人でやって早く終わらせた方がいいに決まってるじゃない。日が変わる頃までには終わるわよ。そのくらい考えなさいよ。」

 

となり、また霞を頼っている。

 

ほんと面倒見いいんだよな…。うん…これは母親だな。完全母親だよな。霞母さん?いや…霞おかん?…ハッ!霞ママ…霞ママだ。これが一番しっくりくる!…って何考えてんだろうな私は…。

 

「ちょっと、手を動かしなさいよ!」

 

くだらないことを考えていたあまり手が止まっていた提督に霞は注意した。ある意味よくある光景だ。

 

そして、作業が続くこと3時間。やっと今日の書類が一段落着いた。

 

流石に夜中までの作業で二人とも少し疲れが見える。特に提督は、昼の休憩という名の駆逐艦達との3時間エンドレス鬼ごっこに励んでいたため作業が終わったと共にかなり眠気が襲ってきていた。

 

「フアァァ…。…霞。最後までありがとう…。おやすみ…。」

 

あまりの眠気に提督は執務室にあるソファに横になろうとした。

 

「えぇ。ってこんなとこで寝る気?ダメよ!風邪引いちゃうじゃない!」

 

「もう…眠気が…。」

 

「はぁ…。ほんとだらしないわねこのグズ!…肩かしなさい!部屋に戻るわよ!」

 

「あぁありがとう。」

 

霞の言葉を聞き入れ提督は霞に左腕を差し出した。

 

「…うっ。あんた少しは自分の力で立ちなさいよ!」

 

「…すまない。」

 

提督は眠気のあまり思考・判断共に落ち込んでいた。もう寝ることで頭がいっぱいなのだ。

それからなんとか霞に誘導されながら自室に到着した。

 

「せめて上着は脱ぎなさい。皺になるわ。それから歯はもう磨いたの?」

 

「あぁ。歯はまだ…」

 

「もう。あんたも子供じゃないんだから、しっかりしなさいよ…。」

 

そういうと霞は提督の服を掛け、歯ブラシを洗面台から持ってきた。

 

「ありがとう。霞。」

 

ゴシゴシゴシ…

 

「じゃあ明日も早いんだから、さっさと布団に入りなさい。」

 

霞は提督の布団を捲り、早く寝るように促した。

 

…ほんと、霞は面倒見がいいなあ…。しかし眠い…。さっさと寝よう…。

 

提督は普段、艦娘の前で眠くなることはほぼ無いのであまり知られてないが提督は眠気に弱い方である。

 

えっ、駆逐艦と一緒に寝ているだろう!だって?確かにそうだが、基本駆逐艦が先に寝るので気づかれていない。(あと提督は理性との戦いで寝るどころじゃないことも多い。)さらに今日は書類の多さなど疲れる原因が多く、また霞の母親要素のせいで気を張りつめることなく提督は霞に気を許してしまっている。その結果、このように母と子供のような光景になっている。

 

「あぁありがとう。じゃあおやすみ…。」

 

ゴロン…

 

「はいはい。おやすみなさい。」

 

そう言うと霞は提督に布団を掛けた。

 

 

……

 

………

 

「…もう、寝たわよね…?」

 

霞は提督が本当に寝ているのかを確かめた。

 

「本当に寝てるわよね…。」

 

Zzz…

 

さて説明しよう。

まず提督だが、提督が眠気に弱いのは本当のことだ。しかし、艦娘の前でここまでなるだろうか?(確かに霞のママみの前には子供っぽくなってしまいそうだが)

提督は夜、自身の飲んでいたものに霞によって睡眠薬を盛られていた。それは何故か。

それは霞が提督と一緒に寝たかったからである。霞は他の駆逐艦が提督と寝ていることに自分も一緒に寝たい、と考えていた。しかし素直に一緒に寝たい、など言えなかった。

そこで提督が寝てから、自分も布団に忍びこもうと考えた。しかし、提督は駆逐艦と寝る機会が多く、また仮に一人で寝ていても就寝してからだとまず提督の部屋に入ることができない。そこで自分が秘書艦を務める時に一緒に夜まで過ごすことで一緒に寝れる機会を窺った。睡眠薬は提督に早く確実に眠くなってもらうように用意していた。

 

そして、秘書艦に任命された今日を迎えた。霞にとって幸いだったのが書類が多く、夜まで一緒に過ごす口実ができたことだ。さらに提督は3時間も休憩をとり、ましては走り回っていたことで疲れがたまり、より眠気がまわりやすくなっていた。夜まで書類を残していたことに霞は提督に対して不満を漏らしていたが、実は作戦を実行できそうなことに内心はウキウキだったのだ。

 

「じゃあ…おじゃまするわね…。」

 

ゴソゴソ

 

「Zzzz」

 

「それにしも、ふふ…だらしない顔で寝てるわね…。なんで私はこんなやつのこと…。」

 

「Zzzz…ムニャ…。」

 

「あんたとは色々あったわね。あんたに避けられてた時もあったっけ。まああれは私も悪かったんだけど…。でもそれ以来はあんたも私のことを真っ直ぐ見てくれるようになったわ。間違ってることはちゃんと注意してくれたし、いっぱい褒めてもくれた。その度私は素直になれなくてそんな自分が嫌いで…今日だって本当は素直に一緒に寝たい、って言いたかった。結局言えなかったけど…。でも素直になれなくても司令官は私のことを頼ってくれた。必要としてくれた。だから、私もあんたのために頑張りたいって思えたの。」

 

提督の顔を前に霞は普段言えなかった言葉が込み上げてきた。

 

「ほんと感謝してる。こんな私を側に置いてくれて。そしてこれからもずっと…。」

 

チュッ

 

「…///。あー恥ずかしいわね…。あんたはいつもまわりに艦娘を置いてて女たらしだけど、それはあんたがよく思われてるってことだから私も嬉しく思ってるのよ…。確かに私の入る時間が少なくなっちゃってるけど…。けど…私はたまにでもこんな風に過ごして一緒に仕事して会話して…、それでいいって思ってるわ。だから司令官…、私は何番でもいいけどいつか私のことも迎えに来なさいよね。」

 

「それにしても、こんなに近くに司令官がいると安心するわね…。なんだか私も眠くなってきたわ……。おやすみ司令官。大好きよ…。…Zzz」

 


 

チュンチュンチュンチュン

 

「ふぁ…よく寝たな…。…ん?」

 

翌朝、提督が目覚めると右腕が動かないことに気がついた。

 

モゾモゾモゾ…

 

「…Zzz」

 

そこには、提督の右腕に抱きついて眠る霞の姿があった。

 

…!!!昨夜なにがあった!!確か、私は仕事を終えてかなり眠気に襲われていた。…そうだ霞に部屋まで送ってもらって…。そのあとは普通に寝たはずだぞ…。なぜ霞が横で一緒に寝ているんだ!

 

霞は失念していた。提督と一緒に寝ることばかりを考えるあまり翌朝をどうするかを…。

 

そして提督は焦っていた。それもそうだ。普段合意の上で誰かしらと一緒に眠ることはあるが、知らぬまに一緒に寝ているのだから…。

 

そんなどうするべきかで悩む提督だったが、その時…

 

「…ん…。…。(パチッ」

 

霞が目覚めた。

 

…ヤバい。霞が起きたぞ。とりあえず、土下座か?いや、まずは挨拶か。とにかくそれからだな…。

 

「…お、おはよう霞。よく眠れたか…?」

 

「………」

 

霞はまだ状況を理解していないようだ。

 

「………っ!///」

 

ガバッ、ダダダダダ、バタン!

 

霞は状況を理解すると、顔を真っ赤にさせ一目散に部屋から出ていった。提督は一瞬の出来事に理解が追い付かずに、ただ唖然としていた。

 

その後、暫く霞は提督を見る度に顔を赤くさせ、提督を避けるようになったが、数日後に霞から提督に「あの日のことは忘れること。いいわね?」とかなりの圧で言われたため、提督も深く聞くことは避けた。

そしてこの出来事は二人の心の中にそっと仕舞われ、この一件は終了したのであった。

 

 




どうだったでしょうか?
正直、ツン要素はあまり無かったと思います。
私的に最優先だったバブみ、そしてデレを詰め込んだ結果こうなりました。(ツンデレ目当ての方ごめんなさい)
つまり私の思惑通りの霞の割に甘さ強めな感じになりました。(本当はもっと甘さマシマシのものも考えていたのですが霞っぽく無くなってしまったので止めました)

今後も頑張って行きますので稚拙な文章ですがこの作品をよろしくお願いします。
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