古参厄介後方腕組み彼女面幼馴染系ヒロインの物語 作:たーなひ
五年前、三門市は異世界から突如現れた侵略者“
だが、その侵攻は
迅悠一。
ボーダーの中では知らない人の方が珍しい、超がつくほどの有名人である。
ボーダー結成当初から参加していた自他ともに認めるエリートで、戦闘技術はボーダーの中でも随一。加えて“
そして何より、迅悠一には“未来が視える”。
そしてそんな迅には、幼馴染がいる。
曰く、美人。
曰く、迅悠一に対する最恐最大最強のカード。
そして何より、迅に恋する“乙女”である。
男はボーダー本部の廊下を、気配を消しながら歩く。
それは、目の前に歩く少女に気付かれないため。
少しずつ、少しずつ距離が詰まり、ついに間合いに入った少女に向かって手を伸ばしーーー
「ほいっ」
「きゃっ!!」
尻を撫でた。
触られた少女は、叫び声をあげながらも即座に反撃。
常人には出来ない速度とパワーで男の顔面にパンチを喰らわせた。
「……何やってんですか、迅さん」
「いやー、相変わらず良いパンチだね〜」
そう、今少女の尻を撫でた男こそが、かのエリート“迅悠一”である。
未来視を利用し、セクハラをしても許されると分かった女性にのみセクハラを働く、言うなれば正真正銘の悪。
これは日常的に起こる事であり、小学生の『ついつい好きな子にイタズラをしちゃう〜』みたいな理由でもなく、ただのセクハラだ。
触られた少女、熊谷友子からしても、もはや日常の一つだと半ば諦めつつあった。
「良いんですか?こんな事して」
「……へ?…………!!!????」
瞬間、迅から血の気が引いていく。
大変な未来を見たんだろうなーっと、思いながら携帯で時間を確認する熊谷。
「ちょ!くまちゃん!助けて!お願いだから!」
「これからチームでミーティングがあるので」
「頼むから!ほんっとに!」
断るに決まっているのにそれでもなお食い下がるのは、こうして時間を稼ぐことに意味があるのか、はたまたここから逃げたとしても無駄だと知っているからだろうか。
懲りずに懇願を続ける迅だったが、ついにその時が訪れる。
ゾワリ。
ここ最近で最も濃密な恐怖が迅を襲う。
「ゆ・う・い・ち〜〜〜!!!!」
「ぐはぁ!!」
猛スピードで突っ込んで来た白衣の女性のドロップキックにより、迅は吹き飛ばされる。
「また女の子の尻触って!!」
「い、いやいや、挨拶みたいなもんでしょ」
「挨拶ぅ?私、悠一に触られた事無いんですけど!」
「いや、そ、それは……」
「ほら!挨拶なら触ってみなさいよ!ほら!ほらぁ!」
「ちょ、マジで、ホントに勘弁してください……」
とんでもないこと言ってるよこの
「何よ!私の尻は触れないっての!?」
「絡み方が酒呑みのダル絡みみたいなんですけど……。あの……酔ってたりします?」
「私はまだ未成年よ!というかタメでしょうが!」
「ハイ、そうです、ハイ……すいません」
「……ったく、ほんっとにもう。ホントにごめんね、くまちゃん」
「いえ、全然大丈夫です。お久しぶりです、
「うん、久しぶり。どう?調子は」
「可もなく不可もなく…って感じですかね。また稽古つけて下さいませんか?」
「お、良いよ。いつにしよっか?」
「あれ?私が決めちゃって大丈夫なんですか?」
「うん、全然全然良いよ。基本は基地にいるし、最近は忙しくも無いしね〜………どこにいくのかな〜?悠一」
話している隙に逃げようとしていた迅だったが、残念ながらバレていたらしい。
……というか、完全に真後ろで死角だったのになんで分かるんだろうか。
「いや〜…あはははは」
「正座」
「あはははははは…………ハイ」
「…で、えーっと、どこまで話したっけ……あ、そうそう。私は結構時間作れるからくまちゃんに合わせて大丈夫だよ。くまちゃんは学校とかもあるから忙しいでしょ?」
「(ホント、迅さん凪さんには弱いなぁ……)それじゃあ、また連絡させてもらいますね」
「うん。これから何か予定あるの?」
「はい、これからチームでミーティングです」
「そっか。じゃあいっといで」
「はい!」
またねーと手を振る凪に背を向け作戦室に向けて歩き出すと、またガミガミと凪の声が聞こえだした。
余談だが、その後から一日中、デートに連れまわされる迅がそこかしこで目撃されたそうな。
凪 楓
自他ともに認める正真正銘の迅ガチ恋勢。
現在はエンジニアとしての仕事がメインだが、防衛任務の人手が足りない時には出動するし、たまに息抜きにランク戦をしている様子が見られる。
好きなものは恋バナと平和。あと迅。
迅 悠一
自他ともに認める正真正銘のエリート。
未来視というチートを持ちながらも、全く悪の道に堕ちる事のない聖人君子。ただしセクハラはする。
好きなものはぼんち揚と暗躍。
この小説を書こうと思ったのは、まず2期が始まってモチベがガン上がりしたこと。迅さんかっこよ過ぎて惚れたこと。ラブコメとかも書いてみたかったことが理由ですね。
続くかどうかはモチベ次第。