機動戦士ガンダムSEED もう一人の英雄 作:どこかの超電磁砲
パニックになるフレイをよそに、キラはシェリルの手を引いて食堂の外へ出た。ショウマはイライラしているクリスを宥める。レイラはひとまずキラ達の後を追おうとした。
「待ってレイラさん」
「ショウマさん……」
「聞きたいことがあるんだけど……」
ショウマがレイラを引き留める一方で、キラはシェリルと奥の部屋の扉の前に来た。
「はぁはぁ、勝手に出たらダメじゃないですか……」
「だって暇なんだもの」
「……その……勝手に出歩くと、さっきみたいなことになりますから。僕達……コーディネイターを嫌う人だっているから」
キラは下に俯きながらそう言った。フレイ・アルスターは酷くコーディネイターを嫌っていた。彼女のコーディネイター嫌いはブルーコスモスの一員である父親が影響している。最初こそ、ガレッジのアイドルである彼女に好意を寄せていたキラだがアルテミスや先程の食堂でのフレイの言動には嫌気が差していた。
「だから……」
「……まあ、こんなご時世ですもの……仕方ないわ。ところで貴方……名前は?」
「え……」
「私はまだ貴方を知らない。私はシェリル・ノームよ……さあ、貴方の名前を教えて?」
「キラ……キラ・ヤマトです」
「キラ・ヤマト……いい名前ね!気に入ったわ!」
「え、ちょ!?」
シェリルはキラの腕に抱き付く。ほのかに香る女の子の匂いと、彼女のグラマーな体型もダイレクトに伝わった為に、キラは顔を赤くする――――そんな二人の元にもう一人少女が現れる。
「あら、ここにいましたのねシェリルさん」
「あらラクス。マリアは?」
「マリアさんなら部屋で本を読んでますわ……うふふ」
「……そうだキラ。私の歌、聞いてみる?」
「え?」
「あらあら、歌を歌いますの?ならわたくしも」
「ならラクスも!そうと決まれば、行くわよ!」
「えぇ!?」
キラはシェリルとラクスに連れられて部屋へと連行?される。一方でアークエンジェルは先遣隊と合流を果たそうとしていた。しかし運悪くザフトが襲来する。ザフトMSの中にはアスランのイージスもいた。ショウマはパイロットスーツを着込み、格納庫へ。
「整備よし、システムOK……ヨシ(現場猫)」
「ショウマの坊主、何奇妙なポーズしてんだ?」
コクピットを覗くマードックは不思議そうに首を傾げる。見られていた……そう思うと顔が赤くなりそうだが、ショウマはクールにポーカーフェイスで決める。
「たく!毎度毎度、ご苦労なことだ!ショウマの坊主、先に俺達で出撃するぞ!」
「はい!……あれ……ムウさん、キラは?」
「それが来ないんだよ……まあ、何時もあの坊主に頼りっぱなしだったからな、たまには俺もカッコいいとか見せなきゃな」
「大丈夫ですよムウさん。アークエンジェルも、ムウさんもやらせませんから」
「たく、生意気」
出撃前にムウがブリッツのコクピットを覗く。短い間ではあるものの、アークエンジェルのクルーやムウと打ち解けているショウマは艦やムウを守ると言った。ムウから頭を激しく撫でられたショウマは死ぬんじゃねぇぞと言葉を貰った。
《ショウマ、今いいかな》
「サイ……どうしたんだ?」
《先遣隊にはフレイのお父さんもいるんだ。出来るだけ気に掛けて欲しい》
「…………あいよ」
フレイの父親が先遣隊にいる。ザフトと戦う中で、それも気に掛けないとならない。不本意だがやるしかない……それもサイの頼みであれば。ショウマとムウは先に出撃する。
「ショウマ・イズル、ブリッツ行きます!」
「ムウ・ラ・フラガ、出るぞ!」
アークエンジェルから出撃したブリッツとメビウス・ゼロ。アークエンジェルから砲撃が繰り出される中で、ザフトの襲撃を受けていた先遣隊―――ショウマは地球軍の艦を通り抜けて、イージスに迫る。
「X207!ストライクじゃない…!」
「イージスか!」
イージスとブリッツはビームライフルを撃ち合う。アスランはブリッツの動きに違和感を覚える。ナチュラルでは出来ない操作技術……ブリッツのパイロットは恐らくコーディネイターだと確信した。
「キラの他にもコーディネイターが……!」
「いい加減に!」
ショウマのブリッツが――アスランのイージスが互いにぶつかり合い、激しく戦う。