機動戦士ガンダムSEED もう一人の英雄 作:どこかの超電磁砲
ラクス達を無事保護したヴェサリウス。ラクス達と共に解放されたレイラはラウからアークエンジェル追跡の任務を与えられる。休む暇もなく、レイラは気持ちを切り替えてアークエンジェルを追うガモフへ移動する。そしてレイラは新たな機体を与えられていた。
『アスラン達の機体のデータを反映させた物だ。レイラ、どうかね』
「はい……なんとかいけます……レイラ・マルカル、"ゼダス"行きます!」
GAT-Xシリーズのデータを反映させたザフトの試作型MS"ゼダス"。ジンなどで見られるデザインではなく、何処か生物的な印象を与える。造られたゼダスはレイラ機とニコル機の2機のみ。ヴェサリウスからゼダスが発進する。場所は変わり、ガモフのブリッジではアークエンジェルを追うイザーク・ディアッカ・ニコルが話し合っていた。
「月艦隊と合流する前に足付きにですか……」
「なあに、俺やイザークがいれば問題はないってね?」
「…………」
「ニコル、いい機会じゃないか。確かゼダスだったか?あれを使える舞台が整うんだ。なら好都合じゃないか」
「そうですが……」
イザークとディアッカは艦隊と合流する前にアークエンジェルを叩くと決めていた。ニコルはあまり乗り気ではなかったものの任務遂行の為にと出撃準備に入る。
「やれやれ、トイレ掃除とはな」
「いいじゃない。本来なら僕等は銃殺刑になっててもおかしくなかったんだから」
「そうだけどよ……はぁ」
一方、ラクス達を独断で解放した一件はナタルからお叱りは受けたものの、マリューの計らいで一応許された。しかし罰は与えられており、ショウマとキラはトイレ掃除をしていた。ようやく終わり、二人は休憩する。
「キラ……イージスのパイロットとは話せたのか?」
「…………うん。でも…………アスランは」
「アスラン……イージスのパイロットか」
「うん。僕の友達なんだ……」
キラはアスランと戦うことにまだ戸惑っていた。確かにああは言ったもののやはり友達という点でキラはアスランと戦いたくはないと思っていた。ショウマがキラに語り掛けようとした時、ザフトが現れる。艦内に放送が響き、ショウマとキラは走る。
「見つけたぜ!」
「今度こそ沈める!ニコル、レイラ……貴様等の力、見せてもらうぞ」
「言われなくても」
「(ショウマさん…………出来るなら、貴方との戦闘は避けたい……)」
ガモフからデュエル・バスターのG兵器2機とニコルとレイラのゼダスの2機。計4機はアークエンジェルに接近する。アークエンジェルのカタパルトデッキではストライク、ブリッツが待機していた。
『キラ、ショウマ!ザフトはローラシア級1、デュエル、バスターとアンノウン2よ!』
「アンノウン?」
「なんだそりゃ……もしかして新型か………」
ミリアリアのアナウンスが終わり、ショウマのブリッツが先に出撃する……そしてミラージュコロイドステルスを使用して姿を消す。次にキラのストライクとムウのメビウス・ゼロが出撃する。
「モビルスーツを引き離す!レイラ、足付きは任せたぞ!」
『……了解しました!』
「ニコル、ブリッツを探せ!奴もいる!」
『はい!』
デュエル・バスターはストライクとメビウス・ゼロを相手にする――――一方で、ショウマはモニターに映るゼダスに驚愕していた。本来この"コズミック・イラ"にゼダスは存在その物がない。しかし目の前にゼダスは確かに存在している……それも2機だ。
「(何故あれが!……そう言えばアセムが言ってたな……)」
―――俺や君のようなイレギュラーの存在で、もしかしたら何かしら変化がある可能性がある。
前にアセムが言っていた言葉がショウマの脳裏に過る。ショウマやアセム……その他の転生者の存在のせいでコズミック・イラに何かしらの変化があるとアセムは予測していたが、彼の言葉は現実となった。
『今日は逃がさん!』
『ここで殺られてたまるかァァァァァァ!!!』
『ちぃ!MAが!』
『しつこいんだよ!』
キラやムウが必死に戦う中で、ショウマはミラージュコロイドステルスを解除するとニコルのゼダスに近づく。
『いた!』
「よりにもよって!」
ニコル機が掌からビームサーベルを展開……そしてブリッツに斬り掛かる。ショウマはなんとか回避しながらランサーダートを放つ。しかしゼダスは高速飛行形態へ変形してブリッツを翻弄する。
『なんて性能だ……これなら、例え新兵器であろうと!!』
「ちぃ!早すぎて狙いが定まらない!?」
ブリッツはビームサーベルを展開してゼダスを追いかける。一方で、レイラは申し訳ないと思いつつも、アークエンジェルに攻撃する。掌からビームバルカンを連射し、アークエンジェルはダメージを負ってゆく。
「アークエンジェルが!」
『ストライク、落ちろ!』
キラはアークエンジェルを向かおうとする……しかしデュエルがそれを遮る。レイラ機の攻撃によりアークエンジェルが次第に動きを止める。艦にはトール達が、民間人達が……
「邪魔を……しないでくれ……!!」
デュエルが斬り掛かる―――――しかし、キラのストライクはそれを交わした。再びデュエルがビームサーベルを振るうも、キラはその攻撃を見切りアークエンジェルの方へ向かう。
「『……!?』」
「―――――っ!!」
ブリッツとゼダスの間に割って入るストライクはビームライフルを連射。ニコル機はそれをガード―――――だが、ストライクはいつの間にか背後を取り、ニコル機を蹴り飛ばす。
『うわあああああ!?』
「―――――――っ」
「(なんだ……あれ……)」
キラのようでキラじゃないストライクの動き―――――次第にストライクはレイラ機に近づく。
「ストライク!?……キラさん!」
「やめろォォォォォ!!!」
「この動き!」
レイラ機は高速飛行形態でストライクから逃げる。そして瞬時に人型へ戻ると実体剣を装備してストライクに斬り掛かる。
「「――――っ!!」」
ストライクのシールドが真っ二つに切れる……だがキラはそのタイミングでビームサーベルを抜刀。レイラ機の左腕を斬り落とす。
「そんな!?」
『レイラどけ!』
「っ!」
再びデュエルが迫る――――――ストライクは腰部両脇ホルダーにある対装甲コンバットナイフ"アーマーシュナイダーを取り出すと、デュエルのコクピット付近に突き立てた。
「あ"あ"あ"ァァァァァァァァ!!!いだい!いだい!痛いィィィィ!?」
『イザーク!……イザーク!』
『……皆さん一度撤退です!敵艦隊がこちらに来ます!デュエルの損傷も見過ごす訳にはいきません!』
『ちぃ……手柄もないまま!!』
アークエンジェルを守るストライクの前に、レイラ達は撤退を余儀なくされる。ショウマとムウをよそに、キラによりアークエンジェルは守られた。
「(……ゼダス……っ!)」
ショウマはモニターに映ったゼダスに、危機感覚える。