機動戦士ガンダムSEED もう一人の英雄 作:どこかの超電磁砲
ショウマが無事に目覚めた時を同じくして、キラはエールストライクで炎に焼かれたと騒がれているタッシルの町へ向かった。確かに町は業火により燃やされ、奇襲があったことが分かる。
「なんでこんな……あれは……人?」
街は焼け野原…人が生存していることなどない…はずだった。キラはモニターに映る人々を確認した。小さい丘には既に町から逃げ出した人々がいたのだ。しばらくしてアークエンジェルからキラ達と明けの砂漠が合流し何故人々が生存していたのか理由が分かった。
「虎から警告があったのさ。今から町に攻撃を仕掛ける。早く逃げろとな」
老人が言うには砂漠の虎が町一体に攻撃を仕掛けると警告し、その警告もあって難を逃れたのだ。ひとまず人々は無事だったが、虎の仕打ちに腹を立てた明けの砂漠は怒りを隠さずに砂漠の虎を撃退しに向かう。
「ムウさん、どうするんです?このままだと、彼等全滅しますよ」
「だよなァ……はあ、なんでこう…やり返す事しか浮かべねぇかな」
「ひとまず僕が行きます」
キラはストライクに乗り込むと明けの砂漠を追いかける。だが既に彼等の行動を察知したのはショウマだった。アークエンジェルからブリッツが発進―――ミラージュコロイドを用いたブリッツはすぐに動く。
「全く…馬鹿な事すんなよ!」
一方で、カガリ率いる明けの砂漠は砂漠の虎率いるバクゥ達と戦っていた。バクゥにバギーやバズーカで挑むカガリ達だが、バクゥの前でそれは無力に過ぎない。
〘ちゃこまかと!〙
〘逃さんっ!!〙
「キサカ!カガリを下がらせろ!くっ!」
サイーブ達は何とか応戦するも、仲間達は次々とバクゥに吹き飛ばされてゆく。それをただ見ている事しか出来ないカガリは涙を堪える。
「私達を…舐めるなァァァ!!」
〘へっ!!なんだ……うわあああ!!!〙
カガリに迫るバクゥ―――――だが、突然バクゥは爆発を起こす。それもそのはずだ…そこには、X207 ブリッツがいたのだ。ショウマはカガリ達の無事を確認すると機体を動かす。
「あんまり困らせるなよ……胸騒ぎがするから出てみりゃ、正解だな」
〘ブリッツか!所詮は人型ァァァ!!〙
「遅いっ!」
ブリッツはランサーダートを放つ。瞬時に爆発を起こし、迫るバクゥにも再びランサーダートを放つ。
「ほう。前に見た時とは違う反応だ」
「っ!?隊長!この区域に接近するMS!」
「どうやら味方だ。我々のな」
“アンドリュー・バルトフェルド"がそう言った時、上空から黒いMSが現れる。それはあの大気圏で戦ったゼダス……もちろん操縦者はレイラ・マルカルだ。
「皆さんは下がって!ここからは私が時間を稼ぎます!」
『援軍か!助かる!』
セダスはブリッツに向き合い、実体剣を装備するとブリッツに向かう。不気味な電子音を鳴らしながらセダスは迫る。
「この!?」
「いくらブリッツといえど、砂漠では!」
「舐めるなよ…!」
ブリッツは砂埃を起こして姿を隠す。ゼタスはビームバルカンで砂埃を消し去り実体剣を向ける。
「(ブリッツに乗っているんですねショウマさん……ですが、今は砂漠の虎の撤退を手助けすること。ショウマさん、いづれ貴方は私が助けます)」
バルトフェルド達が撤退したのを確認すると、レイラはそのまま撤退してゆく。今度は自分がショウマを助ける番だと言い聞かせながら。
「やっぱり、キラみたいに行かないか……」
ショウマはヘルメットを脱ぎ捨てて、こちらに向かうストライクに視線を向けた。