機動戦士ガンダムSEED もう一人の英雄 作:どこかのシャルロッ党
沢山の買い物を終えたショウマ・クリス・キラ・カガリはひとまず休憩の為にカフェで一休みしていた。普通の買い物ならまだしも、フレイが図々しくあれこれ買って来いと指示を出しており、クリスはそれが気に食わなかった。
「アイツのなんて買わなきゃいいのに、なんで買うんだよ…」
「ほら…一応、仲間だしさ…いくらサイ達が言ってもフレイがあんな感じだから…」
「クリスから聞いていたが、フレイってやつは注文が多すぎる。化粧水だとか、香水があるもんかよ」
「所詮はお嬢様だからな。まあいいさ…お!腹を空かせて持っていればなんとやらだ」
熱さと疲れでクタクタになっているキラ、クリス、カガリをよそにショウマは運ばれてきたケバブに目を輝かせる。
「ショウマ、お前ケバブ知っているのか?」
「前になんかの本で見て知ってる!なあカガリ、ケバブはチリソースとヨーグルトソースどっちが美味いんだ?」
「そんなもん決まっている!無論――『ヨーグルトソースさ!』ああ、ヨーグルト……はあ!?」
「「うわ!/うお!?」」
「いきなりなんだよ!?」
突然割って入る人物がいた……サングラスにアロハシャツ&膝までの短パンの男。いかにも胡散臭さそうな男はびっくりするキラ、クリス、ショウマをよそに続ける。
「ケバブにはヨーグルトソースさ!チリソースなんて有り得ないぞ?」
「何処の誰か知らんが、ケバブにはチリソースだ!!部外者は引っ込んでろ!」
「何を言うかね!ケバブにチリソースなんて、この料理に対する冒涜だね!」
「だから!私は――『死ね!コーディネイター!!』…!?」
「伏せろ!!」
カガリと男が言い争っている中、一人の客が銃を向けて発泡。ショウマはクリスと共に伏せて、キラも机を盾にして隠れる。
「蒼き清浄なる世界の為に!蒼き清浄なる世界の為に!」
「このコーディネイターが!!」
「まじかよ…!」
「ショウマ!」
「だな…!」
客を装っていたのはブルーコスモスの刺客。ショウマとキラは即座に動くと蹴りや拳をお見舞いする。
「クソがァァァ!!」
「カガリ!」
「きゃ!?」
一人の男が拳銃を乱射。その弾がチリソースの容器に当たり中身が出て、カガリに掛かる。ショウマはすかさず落ちていた拳銃を拾って発泡。
「ぐっ!?」
「観念しろ……ここには一般人もいるんだ……争いなら他でやれよ」
「ひぃ!!」
ショウマは殺意を込めた眼差しでそう言うと男を開放した。男は怯えながらも逃げ出した。
「はぁ……」
「―――――さすがはショウマさんですね……変わっていませんね」
「!!……れ、レイラ…さん…」
「お久しぶりです、ショウマさん」
背後から声を掛けられ、振り向くショウマは思わず驚愕する……何故ならそこに居たのは以前アークエンジェルから逃した、レイラ・マルカルだったからだ。
「ご無事ですか?バルトフェルド隊長」
「大丈夫だ。彼等のおかげで無傷さ」
「バルトフェルド?……バルトフェルドだと!?」
「……おや?びっくりするのも無理ないか……」
アロハシャツのサングラス男の正体……それは砂漠の虎こと、アンドリュー・バルトフェルドだった。