機動戦士ガンダムSEED もう一人の英雄 作:どこかの超電磁砲
「しっかし、坊主共…厄介な物を持ち込んだな」
アークエンジェルの格納庫ではマードックが困っていた。死んだと思われていたキラと砂漠戦以降行方を眩ましていたショウマの二人が持ち込んだMS フリーダムとウイングゼロ。しかもどちらも核で動くエンジンを搭載している。マードックはこの2機だけでも過剰戦力と考える。一方でショウマはマリュー、ムウ、キラと別室で話をしていた。
「じゃあショウマ君はずっとビシディアンに?」
「はい。主に破壊活動を中心に。それが少しでも戦いを終わらせる為だと思いましたから」
「ショウマ……」
「本来なら軍法会議ものだが、生憎俺達はもう地球軍でもないからな。言う事はないな」
「それとマリューさん。ブリッツの件とレイラさんを勝手に解放した件。すいませんでした」
「色々大変だったのよ?……でも、キラ君やショウマ君がこうして無事に帰って来たのは安心してるわ。それじゃあクリスさんやレイラさんもいるのね?」
「はい。後で合流してもらいます。二人には連絡してます」
「分かったわ。それじゃあ、しばらくは休みましょう。この艦もまだ修理があるもの」
話し合いは一度終わり、更にショウマから連絡を受けたクリスとレイラがブリッツとブーストレイダーに搭乗してアークエンジェルに合流した。ちなみにエピオンも持ち込まれ、これまたマードックが渋い顔をしたのは別の話だ。
「クリス!いきなり居なくなったから心配したのよ!」
「わりぃ。ショウマと一緒にいたからな」
「でも、キラもショウマもクリスも無事で良かった…」
サイは久しぶりの再会を喜んだが、ここにトールが居ない事に寂しさを感じる。そしてフレイはアラスカで転属となりアークエンジェルにはいない。
「何時までここに居なきゃいけねぇんだ」
アークエンジェルにある別室……そこにディアッカ•エルスマンはいた。あの戦いでアークエンジェルにバスターと共に投降したディアッカは身柄を拘束されていた。退屈するディアッカをよそに、部屋にある人物が訪ねる。
「ディアッカ、久しぶりですね」
「っ!レイラ!?レイラか!」
「はい」
レイラが訪ねて来た。意外な人物にディアッカは驚く。
「お前何処に居たんだよ!アークエンジェルにもいなかったし!」
「まあ色々ありまして。でも、ディアッカがいるとは予想外でした」
「……大変だったよ。ナチュラルの女には殺されそうになるし……けど」
ディアッカは捕虜となった際にミリアリアに対して失言し危うく殺されそうになったが、フレイが自分を殺そうとした時にミリアリアが庇った事にディアッカは困惑していた。
「あいつに救われた……よく分かんねぇよ」
「ナチュラルもコーディネイターも関係ありません。誰だって怒ったり、笑ったり、泣いたりします」
「そうかねぇ……」
レイラがディアッカと話している頃、ショウマはキラと共に部屋で話していた。
「オーブに?」
「ああ。ウイングゼロのコクピットには未来を予測するゼロシステムがあるんだ。もちろんクリス達が待って来たエピオンにも同様のシステムがある。ゼロの予測だと、オーブが戦場になる」
「凄いね……未来を予測出来るシステムなんて。だけど、オーブが戦場になるなら僕等は行かなきゃ。カガリもいるんだ…」
「カガリか。懐かしいな」
「ショウマも一緒に来てくれるの?」
「まあな。ビシディアンでの任務は完了している。だからキラ……これからは宜しく頼むぜ」
「うん。ショウマが居てくれるなら心強いよ」
『トリィ!』
ショウマとキラは互いに握手を交わし、鳥型のロボットであるトリィが二人の周りを飛ぶ。修理を終えたアークエンジェルはオーブを目指し、再び動き出す。