機動戦士ガンダムSEED もう一人の英雄 作:どこかの超電磁砲
地球連合軍の上層部により本来ならサイクロプスに巻き込まれていたはずのアークエンジェル。その窮地を救ったのはフリーダムとウイングゼロを操るキラとショウマ。行き場を失い敵前逃亡艦のアークエンジェルは再びオーブへ向かった。
代表であるウズミ•ナラ•アスハはアークエンジェルを快く受け入れた。フリーダムとウイングゼロが並んで鎮座している格納庫でキラとショウマは機体の調整などに入っていた。
「そう言えばキラ」
「何?」
「あまりウイングゼロには近付くなよ」
「どうして?」
「前に話したろ?ウイングゼロにはゼロシステムが搭載されてある。そのゼロシステムは時に悪夢を見せる」
「悪夢……」
「ゼロシステムは機体の勝利を目的とした未来を見せる。だがパイロットの生死は問わない」
「え…」
「だから『キラァァァ!』っ!」
「うわァ!?」
話の途中でオーブの軍服に身を包んだカガリ•ユラ•アスハだった。カガリは泣きながらキラに抱き着いた。さすがのキラも体勢を崩す。
「バカァ!死んだと思ったぞ!コノヤロー!!」
「か、カガリ…!そのさ……」
「お取り込み中ですまないが、俺が居るのを忘れないでくれよな?お二人さん」
「っ!お前は!ショウマか!?お前まで居たのか!」
懐かしい再会を果たして、キラとカガリとショウマは話し合っていた。キラはアスランの駆るイージスと死闘を繰り広げて瀕死の状態だったがラクスに助けられフリーダムを受け取った事を話し、ショウマはビシディアンで活動していた事を話した。
「キラはともかく、お前はいきなり現れたり、消えたりでよく分からないな」
「返す言葉もない……」
「しかし……ウイングゼロだったか?こんな機体何処で受け取ったんだよ」
「まあ内緒で頼むよ」
キラとカガリは格納庫から離れる。ショウマは暗いコクピットの中でゼロシステムを起動させる。やがてコクピットが光り出す。映し出されたのは焼け野原になるオーブ。沈むアークエンジェルと撃墜されるフリーダムの姿。ウイングゼロはそこからそれぞれの道…言わば分岐ルートを見せる。
「ゼロ……分かっている。俺がこの世界にとって要らない存在なのだろう。俺が……ウイングゼロを持つ限り戦いは避けられない」
ウイングゼロはまるで肯定するかのようにツインアイを光らせる。ショウマは自分の存在によりどのルートでもキラ達が死んでしまう未来を見た。ウイングゼロを手にした事で自身の死は避けられたが、今度はそれがキラ達になってしまった。
「俺の任務は誰一人として死なせない事。ウイングゼロ…この戦いが終わるまでは付き合ってもらうぞ」
クリス、レイラ、キラ達を守る……それがこの戦いが終わるまでの任務だと自分に言い聞かせるショウマはコクピットから降りた。
「その為には…」
ショウマの手にはゼロシステムと記されたディスクが握られ、ショウマの視線はフリーダムに注がれる。