ポケモン剣盾の世界に転生したと思ったら原作から5年後のガラル地方だった件   作:ヤコト

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3 知ってるチャンピオン 知らない伝説

「…決めました!俺、ヒバニーにします!」

 

 しばらく最初の3匹、いわゆる"御三家"とたわむれ、ふれあったのち、ヒバニーを選ぶことをホップに告げた。

 正直に言うと実際にポケモンとふれあったらどの子も可愛すぎて、かなり選ぶのには悩まされた。

 最終的にはゲームでも選び、特に愛着もあったヒバニーにすることにしたのだ。

 

「おっ、ヒバニーにするのか!俺と同じチョイスだな!このポケモンはとっても頼りがいがあるぞ!」

 

「…じゃあ、今日からよろしく!ヒバニー!」

 

「ふぁいびー!」

 

 自分の突き出した拳にヒバニーの小さな手が合わさる。

 まさか、幼い頃の夢がこんな形で叶うとは思ってもなかった。感動で胸の中がいっぱいだ。

 

「それじゃ、アカシヤ!これ、ヒバニーのモンスターボールだぞ!」

 

「あ、ありがとうございます!」

 

 ホップからモンスターボールを受け取ると、そばにいたエビネが目を輝かせながら息巻いていた。

 

「ねぇねぇっ!!アカシヤ君、ポケモンを選んだらさ、アタシとバトルしようよ!!」

 

「おっ、いいんじゃないか?アカシヤ、エビネはポケモントレーナーとしては、お前の先輩にあたるし、ポケモンバトルはトレーナーとポケモンが心を通わせるのにもってこいだ!少し教えてもらえよ!」

 

 エビネの意見にホップも賛同する。

 …ポケモンバトルか、前世(?)ではランクマッチで修行を重ねバトルにはそこそこ自信があったが、流石にゲームのようなターン制バトルとは少し勝手が違うだろう。だが…

 自分と目が合い、うなずくヒバニー。…どうやら相棒はやる気マンマンらしい。

 

「…わかった!バトルだ!エビネさん!」

 

「アタシ、ジムリーダー目指してるんだもん!!アカシヤ君にもビリッと勝っちゃうよ!!」

 

 ポケモントレーナーのエビネが勝負をしかけてきた!

 

「いけっ! ヒバニー!」

 

「頑張って!! ワンパチ!!」

 

 ヒバニーを送り出すと、エビネはボールからワンパチを繰り出してきた。彼女はどうやらジムリーダーを目指しているらしい。だとすればかなりの強敵かもしれない。

 

「ヒバニー たいあたり!」

 

「ワンパチ! しっぽをふるだよ!!」

 

 …お互いまだポケモンのレベルが低く、手持ちも1体しかいないため、かなり泥臭いバトルが繰り広げられる。

 

「ヒバニー こっちもしっぽをふるだ!」

 

「ワンパチ! かみついて!!」

 

 …だが、楽しい。自分の声でポケモンに指示を出し、励まし、そしてポケモンがそれに応えてくれる。気づけば自分は完全にバトルに集中していた。

 

「ヒバニー もう一度たいあたりだ!」

 

「ああっ! ワンパチ!!」

 

 ヒバニーの何度目かのたいあたりがワンパチにヒットし、ワンパチが倒れる。それと同時にホップの声が響いた。

 

「そこまで!今回はアカシヤとヒバニーの勝ちだな!二人とも、ヒバニーとワンパチもよくやったな!」

 

「ふわぁ〜!負けちゃった!!アカシヤ君、すっごく強いんだね!!」

 

「いや、俺は別に。ヒバニーが頑張ってくれたから勝てたんだよ。」

 

「ポケモンバトルはトレーナーとポケモンがいっしょに分かち合うもの。お前の熱い思いがヒバニーの力を120%引き出させたんだぞ!アカシヤ、ナイスファイト!」

 

「いやぁ、あたしも思わずインテレオンを出して参加するところだったよ。それぐらい熱いバトルだったね。」

 

「まったくだぞ!…ってユウリ!?いつの間に帰ってきてたんだ!?」

 

「チャ、チャンピオン!?うそ!?どうして!?」

 

 自分たちがバトルに夢中になっている間に、いつの間にかいたらしい。ホップとエビネがひどく驚いている。

 …この女性は"ユウリ" ポケモン剣盾の女主人公だ。ポケモンの主人公は名前を自分で設定するが、ユウリという名前は公式でよく使われているため、ファンの間でもそう呼ばれることが多い。

 

「エキシビジョンマッチも終わって、ジムチャレンジ前の最後の休みに実家に帰ってきたんだよ。…君が今日ハロンに引っ越してきたアカシヤ君だね?あたしはガラル地方のチャンピオン、ユウリだよ。よかったら、はい。」

 

 そう言うと、ユウリはカードを一枚渡してきた。…これは、リーグカード!

 リーグカードはガラルの文化のひとつで、トレーナーのプロフィールなどが書いてあるものだ。

 

「そういうことだったか…。だったらユウリもこの後やるバーベキュー、参加してけよ!」

 

「この後バーベキューやるんですか?」

 

「親御さんから聞いてなかったのか?今日はバーベキューして、一日中騒いで、ウチに泊まってけばいいって!」

 

「イェーイ!! お泊りー!!」

 

 …ホップが優しいのはゲームをやってたときから知っていたが、そこまでしてもらっていいんだろうか。

 …まぁいいか!

 

「じゃあ、今日はおじゃまします!」

 

「ふぁいびー!」

 

 

 

 …楽しい時間はあっという間に過ぎて、夜が深まっていった。

 そろそろ寝なさいとホップのお母さんに怒られ、女子はダンデの部屋で、男子はホップの部屋で寝ることになった。

 …ホップとどっちがベッドを使うかで譲り合った結果、なぜかホップの部屋で二人で雑魚寝することになったが。

 ホップはもうすっかり夢の中に入っていったようだ。

 

 日中は次々にいろんな出来事が起こって上手く現実逃避できていたが、こうなると自分の置かれた状況が重くのしかかる。

 自分は一体どこにいるのか。自分は一体これからどうすればいいのか。答えの出せない問題が頭の中をぐるぐるしていた、そんな時、突然肩を揺すられた。

 

「ねえねえ、アカシヤ君、起きて。」

 

「ん…?エビネさん?どうしたの…?」

 

「なんか、ポケモンの鳴き声?みたいなの聞こえない?」

 

 ポケモンの鳴き声?…耳を傾けてみると、確かに。狼のような鳴き声が聞こえた。

 …狼のような鳴き声?それってまさか…。

 

「森の方角から聞こえる…。まるで誰かを呼んでるみたい…。

 …アタシ、ちょっと行ってくる…!」

 

「えっ、ちょっと、エビネさん!?」

 

 言うなりすぐさま走り出すエビネ、もちろん自分はそれを追う。部屋を出て、家を出て、エビネを追って走る。

 

「まってよエビネさん!俺も、行くから…!」

 

「…声が近くなった?森の奥にいるの…?」

 

 …謎のポケモンの声を聞き、自分達は"まどろみの森"へと足を踏み入れるのだった。




リーグカード No.227 ユウリ
5年前に ジムチャレンジを 制覇し
無敵と言われた 前チャンピオンを 倒した
ガラルの ニューヒロイン。
普段は 何の変哲もない 女の子だが
バトル中は 余裕すら感じさせる
堂々とした 振る舞いを見せる。 
そのギャップが とくに 
若いファンの心を掴んで離さない。
また 大のカレー好きとしても 有名で
放っておくと 一日三食 カレーを食べるため
相棒の インテレオン達が 必死に 止めるらしい…。
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