のぞみのグダグダぐ~たライフ   作:てんつゆ

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RTA編

「のぞみ~。私はもう行くから、後は頼んだわよ」

「いてら~」

 

 のぞみはベッドの中で、ちょうど今からお出かけするお姉ちゃんを見送った。

 お姉ちゃんは凄く厳しくて、本当なら後ちょっとしたらベッドから叩き起こされるんだけど、今日は違う。

 

 何故なら今日のお姉ちゃんは部活で夜まで帰って来ないからっ!

 だから今日はお昼までぐっすり寝る事だって出来るんだ。

 

 それに昨日は夜遅くまでゲームをやってたから、まだまだ寝たり無いくらいだよ。

 

 そのままのぞみはベッドという名のお城で幸せに暮らしていたんだけど、その平和を脅かすモノが突然現れた。

 

 ピピピピピ。

 

「うるさいなぁ…………」

 

 部屋中に鳴り響くアラーム音。

 籠城を決め込むのぞみだけど、流石にずっとこの攻撃を受けるのはきついかも。

 

「まあ切ってからまた寝ればいっか」

 

 時計のボタンを押してアラームを解除すると、ピタリと音が止まった。

 

「ふっふっふ~。これでのぞみの勝利ぃ~」

 

 のぞみはもっかいベッドに入ろうとしたんだけど、その時ふと時間が目に入ってきた。

 時計の針は2個とも丁度一番上で重なっていて、という事はつまり――――。

 

「もうお昼じゃん!?」

 

 なんとビックリ。

 お昼まで寝ようと思ってたのに、もうお昼になってるなんて!?

 

 流石に今から寝たらお昼ごはんが食べられなくなっちゃうから、仕方なく起きる事にするよ。

 

「ふぁあああ」

 

 大きくあくびをしてから洗面所に行って、軽く水洗い。

 パチャンと冷たい水を顔にかける事で、眠気を吹き飛ばす!

 …………まあ顔をあらっても、まだちょっとだけ眠いんだけど。

 

 冷蔵庫を開けるとラップのかかった焼きそばが入ってて、お姉ちゃんの文字で残さず食べなさいよ! って書いてあった。

 

「う~ん。のぞみは出前でいいのにぃ~」

 

 まあ残したらもったいないから、ちゃんと食べるんだけどね。

 

 焼きそばを冷蔵庫から取り出したのぞみは、そのまま電子レンジの中に入れて温めボタンを。

 

「うおおおおおお! スイッチオ~ン!」

 

 と気合を入れたスイッチングをして、焼きそばが温まるまで待つ事にしたよ!

 

 レンジが鳴るまでどうしよっかな~。

 って思っていると、空になったエサ箱をはっけ~ん!

 このままだとごんすけがお腹ペコペコになっちゃうから、これは一刻も早く補充してあげないといけませんなぁ~。 

 

「お姉ちゃ~ん。ごんすけのご飯が空だよ~!」

 

 ………………。

 

「あれ? 返事が……ってそう言えば出かけてるんだったよ!?」

 

 よ~し。

 ここはのぞみがごんすけに新しいご飯を用意してあげないとだねっ!

 

「え~と。確かこの辺に――――」 

 

 食器棚の下の扉を開けてゴソゴソ探すと、猫の絵がついた袋を見つけたよ。

 

「ふっふっふ~。のぞみの宝探しスキルレベル99(自称)があれば、これくらい余裕!」

 

 見つけた事が嬉しくて、そのまま袋を掲げてポーズを取ってみたりした。

 

 よしっ。満足したし、ごんすけに早くご飯をあげないと。

 

「ごんすけ~。ご飯だよ~」

 

 袋をシャカシャカ振って、ごんすけを呼んでみたんだけど――――。

 

 …………あれ?

 ごんすけはどこにも出かけてないはずなのに、返事がない?

 

「う~ん。どこかで寝てるのかなぁ~」

 

 ごんすけは隠れるのが得意だから隙間に潜り込んで寝てたりすると、流石にのぞみでも探すのはちょっと大変かもしれない。

 

「まあいいや。ご飯だけ入れとこ」

 

 見つからないからとりあえずご飯を補充して水を新しいのに変えると、丁度レンジの音が鳴って、何かが温め終わった事を教えてくれた。

 

「あっ!? そう言えば焼きそば温めてたの忘れてたよ!?」

 

 急いでレンジを開けると、いい感じにホカホカになった焼きそばが出来上がってた。

 

「タララ~ン。のぞみはあったか焼きそばを手に入れたぁ!」

 

 てな訳で、ちょっと遅めの朝ごはんターイム!

 

「いただきま~す」

 

 海外出張中のお父さんとお母さんの代わりに家事をしているだけあって、お姉ちゃんのご飯は凄く美味しい。

 

 だけど1つだけ難点があって……。

 

「また野菜が沢山入ってる……。のぞみ野菜あんまり好きじゃなのにぃ~」

 

 厳しいお姉ちゃんはのぞみに野菜を食べさせるために、沢山の策略を練ってくるのだ。

 しかも食べずに捨てたら本気で怒られるから、のぞみに退路無しっ!

 

「にゃわ~ん」

 

 のぞみが観念して野菜たっぷり焼きそばを食べ始めると、どこからかトコトコと子猫が歩いてきた。

 この茶トラの子猫はのぞみの大好きな友達で、名前はごんすけ。

 

「はいは~い。ごんすけのご飯はあっちですよ~」

「にゃ~ん」

 

 好奇心の強いごんすけは、のぞみのご飯が気になってるみたい。

 

「も~、ごんすけはこれ食べれないでしょ!」

「にゃん?」

 

 はっ!?

 もしかしてごんすけは、のぞみの野菜を食べたがってるのかも!

 

「野菜食べる?」

 

 お皿を見せると、ごんすけはこれは自分のご飯じゃないからいらない! みたいな感じでプイっと興味無さそうに、自分のご飯が入ってるエサ箱に向かって歩いていっちゃった。

 

「う~ん。やっぱり自分のご飯じゃないと食べないかぁ~」

 

 ごんすけは幸せそうにカリカリをかじってる。

 ごんすけがは残さず全部食べてるのに、飼い主ののぞみが全部食べないのはちょっとやるせない気持ちになるから、がんばって野菜も残さず完食!

 

 お皿を片付けながら時計を見ると、あとちょっとで13時になりそうだった。

 

「あっ!? 早くしないと始まっちゃうよ!?」

 

 のぞみはダッシュでテレビのリモコンの置いてある場所まで走ってから、いつものチャンネルを選択!

 それから、いくつかコマーシャルが流れた後で――――。

 

「だいなご~~ん!」

 

 うおおおおおおっ!

 今日ものぞみの大好きなテレビ番組「激烈!大納言!!」が始まったよ!

 

「だ~~~~いなご~~~ん!!!!」

 

 いつもみたいに、のぞみはモニターの向こうにいる大納言に負けじと全力フルパワーで挨拶を返す。

 

「さあ今日も大納言の時間でおじゃる。良い子の皆。マロと一緒に踊るでおじゃ!!」

「いえ~い!」

 

 すぐにオープニング映像の「大納言体操」が始まったから、テレビ前のスペースで立ち上がり、のぞみも一緒にレッツダンシング!

 

「1、2、3、4。大納言」

 

 よ~し!

 今日もテレビに合わせて歌も歌っちゃうよぉ~!

 

「いち! にっ! さん! しっ! 大納言!!」

「にゃお~~~ん」

「おお~!? ごんすけもやる気だねぇ~」 

 

 ごんすけものぞみの頭に飛び乗って一緒にテレビを見てくれるみたい。

 

 そんなわけで、ごんすけと一緒にオープニングを楽しんだら、ついに本編開始!

 ちなみにこの番組は、MCの大納言が毎週いろんなゲームにチャレンジして、新記録を出すって番組だよ。

 

「今日のゲームは何かな~。のぞみワクワクが止まらないよ」

 

 いつもテレビを見ながら飲んでいるエナジードリンクの缶を開けると、プシュと心地よい炭酸の音が聞こえてきた。

 

「では、さっそく。ドリンクチャージ!!」

 

 eスポーツと言えばエナジードリンク!

 だからのぞみはeスポーツの番組を見る時は必ずモンエナを飲むって決めてるんだ。

 本当はポテチも欲しいんだけど、お姉ちゃんに怒られるからポテチは特別な時だけ。

 

 テレビ画面では大きな扉が開き、そこから派手なマントをつけた人物が登場してきた。

 何を隠そうこの人が、のぞみが憧れている大納言なんです!

 

「さあ、今回やるゲームは…………これっ! ダンジョン99でおじゃる!!」

「…………え!?」

 

 タイトルを聞いた瞬間、ピキーンと嫌な感覚がのぞみの中を突き抜けた。

 ダンジョン99はダンジョンに潜って1階から99階まで進んでいくゲームで、そのクリアタイムを競うゲーム。

 放送初期の頃は月に1回は新記録が出て、のぞみは記録が出る度にモンエナとポテチで大納言祝勝会をやってたんだよ!

 

 ――――けど、もう1年以上このゲームで新記録は出てないんだ。

 そのせいか、最初は毎回やってたこのゲームも最近は月に1回やるかどうかになっちゃった。

 

 まあ今は代わりにいろんなゲームの記録にチャレンジしてるから、それはそれで面白いんだけどね。

 

「けど、大納言なら。大納言なら絶対やってくれるはずっ!」

 

 それからのぞみは今回こそは一年ぶりの新記録が出てくれるように必死に画面だけを見つめて、応援する事にしたんだ。

 そして、ドリンクを飲む事すら忘れるような緊張感に包まれながら、大納言のゲームチャレンジが始まったよ。

 

 

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