のぞみのグダグダぐ~たライフ   作:てんつゆ

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すいすいのノゾミヒメ

「やった~~~~~。今回も新記録でたぁ!!!!」

 

 のぞみは今、テレビを見ながら朝ごはんを食べていた。

 テレビの中では今週も記録を塗り替えたゲーミング大納言が、eスポーツソルジャーのインタビューに受け答えをしてる。

 

 あの事があってからの大納言の調子はずっと絶好調で、最近はずっと自己記録を更新し続けてるんだ。

 このまま本当に世界記録を出しちゃうかもしれないよ。

 

「これはのぞみも、うかうかしてられませんなぁ~」

 

 それからのぞみは、お皿に乗ってる唐揚げを1個取ってからモンエナで流し込む。

 

「ぷはぁ~。やっぱり揚げ物と炭酸のコンボは最高だよ!」

  

 よぉ~し。

 最強コンボが美味しすぎるから、もいっこ唐揚げも~らいっと。

 

 …………けど、ここでのぞみは重大な事実に気が付いてしまったのだっ。

 

「ああっ!? おかずばっか食べてたせいで、ご飯がかなり残ってる!?」

 

 これは結構緊急事態かもしれない。

 

「う~ん。流石にご飯だけだと飽きちゃうよ……」

 

 大納言との特訓でおにぎりを沢山食べすぎたせいか、お米にちょっと飽きちゃったのかも。

 

「――――まいっか。残しちゃおっと」

 

 のぞみはおかずを全部食べてから、お茶碗に半分くらいご飯が残った状態で片付けようとすると―――――。

 

「こらあああああああああああっ!」

 

 謎の声と同時に、突然部屋の中に白い煙が部屋の中に立ち込めちゃったよ。

 

「けほっ……けほっ……。も~、いったい何が起こったの?」

 

 煙が晴れると、そこにはのぞみが知らない人が立ってた。

 昔の人が着てる感じの袴姿で、手には竹箒を持ってる。

 

「って、誰!? ここはのぞみの家なんだけど!!」

「今はそんな事など、どうでよいわ! お前、今さっき米を粗末にしたじゃろ?」

「え~。のぞみはそんな事――――」

 

 ふと目線を下げると、のぞみの手にははお米が半分くらい残ったお茶碗があった。

 

「……ちょっとしちゃってるかも」

「まったく。お前は米を作るのがどれだけ大変か、わかっとらんのか?」

「え~。そんな事いわれても、のぞみお米とか作った事ないしぃ~」

「だったらせめて残さず食わんかー」

「おかずが無いから無理! それに、お米だけ食べても美味しくないじゃん!!」

 

 のぞみが言い切ると、謎の来訪者の怒りを買っちゃったみたいで…………。

 

「――――ほぅ? つまり、美味い米なら食えるって事じゃな?」

「そんなのあるの~? のぞみ、お米は全部同じ味にしか思えないんだけど」

「全然違うわ! ――――これは1から米作りの大変さを教えたほうがいいかもしれんな」

「のぞみはこれからごんすけと遊ぶ予定があるんだけど」

「にゃん!」

 

 名前を呼ばれて遊んでもらえると思ったごんすけが、とことこ歩いて来てのぞみの頭に飛び乗った。

 

「そんな事しるかー! こうなったら問答無用じゃーーーー!!」

 

 謎の人が竹箒を掲げると、ボワンとまた真っ白な煙が部屋の中に立ち込めた。

 てか、さっきより煙が多くて目の前が真っ白で何も見えなくなっちゃってるよ!?

 

「にゃ!?」

 

 ビックリしたごんすけがのぞみの頭からずり落ちて、必死にのぞみにしがみついてきた。

 のぞみも両手でしっかりとごんすけを抱きとめる。

 

 しばらく真っ白な世界に閉じ込めれてたけど、ちょっとずつ煙が晴れてきた。

 

「も~。今日は煙のバーゲンセールだよ……」

 

 ――――そして。

 煙が完全に晴れると。

 

「えっ!?」

 

 のぞみの前には凄く大きな田んぼが広がってた。

 

「ど、どこなの。ここは!?」

 

 周りを見回してみたけど、いくら記憶を辿っても全く見覚えが無い場所だった。

 田んぼの向こうには大っきい山がいっぱいそびえ立ってて、それ以上先の様子が全然わかんない。

 

 のぞみの大好きな大型ホビーショップやコンビニどころか、近代的な建物自体が何処にも見当たら無い。

 後ろを見ると今にも壊れそうな感じの、ボロボロのわらぶき屋根の家が1軒だけちょこんと建ってた。

 

「…………なんだか江戸時代に来たみいだよ」

 

 抱いてるごんすけを地面に降ろして。

 

「どうしよっか?」

「……にゃん」

 

 みたいな感じで顔を見合わせてると。

 

「ここは、豊穣の国じゃ」

 

 と、突然のぞみ達の後ろから、聞き覚えのある声が聞こえてきた。

 

「……え?」

 

 後ろを振り返ると、のぞみの家に突然現れた人が現れた。

 

「お主には、ここで米作りの大変さを体験してもらう」

 

 羽衣みたいなのを付けて浮いていて、空からのぞみの事を見下ろしてる。

 てか、なんか体中から偉そうオーラをビンビン出してる感じがするよ。

 

「ちょっとー。なんで、のぞみがそんな事しないといけないの?」

「そんなの米を粗末にしたからに決まっておるだろうがーーーー!!!!」

 

 うぐっ。

 相手の勢いに負けそうになちゃったけど、のぞみだって負けないよっ!

 

「え~。めんどいからやだ! のぞみ、帰る!」

「ほう? では、どうやって帰る気だ?」

「…………そ、それは」

 

 電車の駅まで行けば何とかなると思うけど、見た感じそんなのはどこにも無い。

 それに突然すぎて携帯デバイスも持ってないから、友達に連絡どころか現在位置の把握すら出来ないよ。

 

「なに。心配せずとも、ちゃんとやればすぐに帰してやるといっておろうが」

「…………本当に?」

「本当じゃ」

 

 う~ん。

 確かに歩き回って帰り道を探すより、言うことを聞いて帰してもらった方がいいかもしれないよ。

 

 それに、歩いて帰れる距離なのかもわかんないし!

 

「わかったよ。のぞみ頑張る!」

 

 てか、他に選択肢は無さそうだし。

 

「よし。そうと決まったら、ついて来るがいい」

 

 そう言って歩き出した後を、のぞみとごんすけは同じ速さでついていく。

 

「…………てか、いったい誰なの?」

 

 のぞみは疑問に思った事を聞いてみた。

 なんか変な力を持ってるみたいだし、普通の人じゃ無いんだろうけど。

 

「わしか?」

 

 偉そうな人は足を止めて振り向いたから、のぞみ達も足を止める。

 

「わしは、この豊穣の国で米作りを任されている者。人々はわしを米仙人と呼ぶ」

「米仙人!? …………って、まんまじゃん!」

「本当にそう呼ばれるんじゃから仕方ないじゃろ!」

「のぞみの名前は六道のぞみだよ。――――で、こっちはごんすけ」

「にゃ~ん」

「ほ~。なかなか良い名じゃな」

「ふっふっふ~。のぞみもかなり気に入ってるからねぇ~」

 

 そんな感じで自己紹介も住んだら、米仙人はまた歩き出した。

 そんでもって、しばらく歩いたら遠くに見えてたオンボロな家の前に辿り着いたよ。

 

 

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