のぞみのグダグダぐ~たライフ   作:てんつゆ

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第17話

 

 

 ――――いつの間にか米仙人は家の中に帰っていったみたいで、もうここにはのぞみ1人だけになってた。

 

「にゃ~ん」

「あれ?」

 

 足元から聞こえた猫の鳴き声に気がつくと、ごんすけがのぞみの足に顔をスリスリしながら火を見つめてた。

 ごんすけはコタツが大好きだから、暖かい火の前に来たかったのかな?

 

「じゃあ後で一緒にお風呂に入ろっか?」

「にゃん!」

 

 ――――それからのぞみは頑張って火を起こし続けて、なんとか普段入ってるくらいの温度のお風呂が出来あがった気がした。

 

「…………えっと。こんなもんかな?」

 

 試しに手をお風呂の中に突っ込んでみると、家で入ってるのよりちょっとだけぬるめだけど、流石にこれ以上火起こしを続けるのもめんどいし、まあこんな感じでいっか。

 

「じゃあ、ごんすけのお風呂を作ろっと」

 

 その辺に転がってた風呂桶の中にお風呂のお湯をちょこっと入れて、ごんすけ専用ミニ露天風呂の完成っ!

 

「これでよしっと。じゃあ入れてあげるからね~」

「にゃ~ん」

 

 ごんすけを持ち上げてから風呂桶の中にポチョンと入れると、風呂桶の大きさはごんすけより一回り大きい感じで、ちょうど体全体が湯につかれそうな感じになってるよ。

 

 ふっふっふ~。何を隠そう、ごんすけはかなり珍しいお風呂大好きにゃんこなのだっ!!!!

 

 ごんすけは風呂桶に持たれるように座って、リラックスするようにお風呂を楽しみ始めた。

 

「よ~し。次はのぞみの番だねっ!」

 

 のぞみは服を脱ぎ捨ててから、速攻で浴槽にダーーイブ!

 

 ザッバーーーンって中のお湯がちょっとだけこぼれちゃったけど、今日はかなり疲れてるからゆっくり入るなんて面倒な事はしないのだっ!!

 

「ふぅ~。あったまるねぇ~」

 

 上を見上げると、もうお星さまが見えるくらい真っ暗になってた。

 ちゃんぷんと両手でお湯をすくって顔を洗うと、思わずため息がでちゃうくらい気持ちよかったよ。

 

 ――――それからのぞみはしばらく夜空を見上げながら、お風呂の中でまったりとしていると、米仙人が何か布みたいなのを持ってやってきた。

 

「お~い。着替えを持ってきてやったぞ~」

「ありがと~。じゃあ、とりあえずその辺に置いといてよ」

 

 米仙人は着物とお風呂から出た後に、体を拭く手ぬぐいをお風呂の横に置いた。

 

「そう言えば。それって誰の服なの?」

「ん? わしの古着じゃが、まあ体型も似てるし多分着れるじゃろ」

「ふ~ん。そうなんだぁ~」

 

 服を置いた米仙人はそのまますぐに家に戻っていっちゃった。

 

「にゃおん」

 

 もうお風呂に満足したのか、ごんすけが一足先にミニ露天風呂の外に出た。

 

「もうでるの? じゃあ、のぞみも一緒に出よっかな」

 

 ごんすけに続いてのぞみもお風呂から上がって、手ぬぐいで体を拭いてから米仙人が持ってきた着替えに袖を通す。

 

「お~。ピッタリだよ!?」

 

 仙人の古着って事は、あれを着たらのぞみも不思議な力が使えるようになるかも!

 これはちょっと期待してもいいかもしれないねぇ~。 

 

「にゃ~ん」

 

 鳴き声の方を見ると、びしょびしょのままのごんすけが、のぞみを見つめてきた。

 

「あっ!? ごめん。ごんすけもちゃんと拭いてあげないといけなかったよ」

 

 手ぬぐいを絞って水気を切ってから、ごんすけの体をぐしぐしと拭いてあげる。

 

「よしっ。こんな感じかな?」 

 

 家の中がびちょびちょにならない程度に拭き終わってから頭を撫でると、ちょっとだけ背伸びをしてのぞみの顔に頭をスリスリしてきた。

 

「ん? もしかして、久しぶりにスリスリ対決する?」 

「にゃん!」

「ふっふっふ~。のぞみも負けないよっ!!」

 

 のぞみもごんすけに負けないくらいスリスリし返した。

 

 あぁ~。

 この瞬間はすっごく和むよぉ~。

 

「お~い。そろそろ風呂から出たらどうだ~」

 

 スリスリ対決をしてたら、なんかかなり白熱しちゃったみたいで、時間が経ったからなのか米仙人がやってきた。

 

「…………って、お主らは何をやってるんじゃ?」

「スリスリ対決だよっ!」

「にゃん!」

「あ~。それは良かったな」

「ちなみに今の所はごんすけがちょっとだけ有利だから、のぞみも負けてられないよ!」

「なら続きは家の中でやってくれんか? そろそろわしも風呂に入ろうと思ったのでな」

「えっ!? 仙人でもお風呂に入るの?」

「当然じゃ! だいたい入らなかったら、風呂釜なんてあるわけ無いじゃろ」

「そう言えば、そうだったよ」

「ほれ。わかったら、すぐにそこをどいてくれんか」

「わかったよ。じゃあ行こっか、ごんすけ」

「にゃわん!」

 

 のぞみ達がどくと、米仙人はお風呂の中に手を突っ込んで温度を確かめた。

 

「ちと、ぬるいが…………まあ時間も遅いし、今回はこのまま入るとするかのう」

「……あ」

 

 のぞみが火起こしを面倒がってぬるめのお風呂にして、それから結構時間がかかってるから、ちょっとどころじゃないかもしれないよ。

 

 このまま入ったら風邪を引いちゃうかも!

 

「ちょっと待っててよ」

 

 のぞみは薪置場まで走って何個か薪を抱えて持ってきた。

 

「すぐに温めるから待ってて」

「別にそんな事しなくとも、わしの…………いや、ではお主にお願いする事にしようかのう」

「まかせてよ!」

 

 のぞみは、まだかすかに残ってる火が消えないように注意しながら薪を釜戸に入れて、火吹き竹で息を吹きかけた。

 

 そうしてしばらくすると火が燃え広がっていって、さっき入れた薪にも火が付いて炎の勢いが増していったよ。

 

「――――うむ。そろそろ良さそうじゃな。では入らせてもらおうかの」

「うん。入ってよ」

 

 米仙人は服を脱いでお風呂に入ったんだけど、のぞみは米仙人が脱いだ服にちょっと土がついてるのを発見したんだ。

 

「あれ? なんで土がついてるの?」

 

 今日、田んぼで石拾いとかをしたのは、のぞみだけのはずなのに。

 

「わしにも用があるといったじゃろ? なに、お主には関係のない事だから、気にせんでいいぞ」

「え~。のぞみ凄く気になるんだけど!」

「関係ないと言っておるじゃろ! それより、湯がぬるくなっとるぞ。もっと火を強くせんか!」

「は~い」

 

 う~ん。

 これは、これ以上聞いても教えてくれそうに無いかもしれないよ…………。

 まあ、のぞみに関係無いって言ってるし、なら別に無理に聞かなくてもいっか。

 

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