感想も少しづつ増えていてニヤニヤしています。
・・・・評価付けてくれてもいいのよ?
別キャラ視点も入れた方がいいのかな?
教会での戦いから一夜明けた。
あの後夕麻を連れて帰った俺は事の顛末を知らない。
夕麻の話によると、彼女に賛同した堕天使は三人。
俺が殺したドーナシーク、そしてカラ・・・カラなんとかとミッテルトだったか。
残りの二人は女だったそうだが、グレモリーに殺されていたらしい。
もう命を狙われることもないだろう。
夕麻を倒したのはなんと兵藤だったそうだ。
夕麻は『なぜ負けたのか、未だに分からない』と憎々し気に言っていた。
そうそう、あいつの事はレイナーレでなく夕麻と呼ぶことにした。
ずっと夕麻って心の中で呼んでたし、この名前は俺しか知らない。
レイナーレが呼び辛いってのもあるがな。
「おっはようございま~っす」
グレモリーの部室に入室する。
「ぶごっふ!!」
優雅に朝のティータイムを楽しんでいたらしいグレモリーは紅茶にむせてしまった。
せき込みながらもハンカチを出して口元を拭いている。
「けほっ、・・・・・でたわね、青江秀介」
「人を妖怪みたいに言うんじゃない」
失礼なやっちゃ。
「・・・ふう。真面目な話をしましょう」
身だしなみを整えたグレモリーは真剣な顔つきをする。
制服の茶色い染みはご愛嬌だ。
彼女はこちらをじっと見つめている。
「・・・・生きていたのね」
「あ?」
「イッセー達から話は聞いているわ。堕天使の足止めをしてくれたそうね?昨晩は姿を見せないからみんな死んだと思っているわよ?」
「あ~。その、なんだ。ちょっと野暮用がな」
「交戦していた堕天使はどうしたの?」
「殺した」
「っ」
グレモリーの表情が硬くなる。
「どうやって・・・っていうのは馬鹿な質問ね。あなたは神器を持っているんだもの。でも人間のまま堕天使を余裕で倒すなんて、あなたの神器相当な代物みたいね」
あのめんどくさい神器を使うのがどれだけ大変だと思っている。
それを神器のおかげみたいな言い方しやがって。
結局頼ってしまったからなんも言えねえじゃねえか。
むかむか
「余裕なんかねえよ。ボロボロになっての辛勝だったんだぜ?」
「それでも倒したという事実が・・・・・・・・待って、じゃあどうしてあなたはそんなにピンピンしているの?」
・・・・・・・・しまったあああああああああぁぁぁぁぁぁ!!
ついうっかり、ついうっかり・・・・!!!
「そういえば、アーシア・アルジェントの神器が戻って来たわね。あれが無ければ彼女を転生させられなかったからラッキーと思っていたけど・・・。私たち堕天使を一人取り逃がしているのよねえ?そいつが彼女の神器を奪って行ったはずなんだけど」
「・・・・・・・」
アーシアを転生?
・・・・・・そういうことか。
癒しの力が帰ったのは本来の持ち主の魂に引かれたからか。
アーシアは生きてるんだな。
なんだ、結局ハッピーエンドなんじゃないか。やるなあ、兵藤。
だが、ここで夕麻のことがバレるのはまずい。
グレモリーの視線が一層厳しくなった。
冷汗が止まらない。脇汗だいじょぶかな?
「まさか貴方――――」
「そいつも俺が殺した。ボロボロだったんでな。適当に痛めつけて傷を治させた後、さっくりと殺ったぜ」
「ずいぶんと容赦ないのね?」
「そりゃな。あの腹の傷やった奴だったんだぜ?容赦する理由が見つからん」
嘘はつかないです。僕は正直ですから。
「・・・・・分かったわ。この件はここまで。私の眷属の手助けをしてくれたこと、感謝するわ」
そう言って俺に頭を下げる。
「ふふん、苦しゅうない」
「・・・・・・・・」
ガチャリ
部室の扉が開いて兵藤が入室してくる。
「おはようございます、部長。やっぱりあお・・・え・・・は??」
「よう。先にお邪魔してるぜ」
「・・・・・・」
「どうした?今日は一段と間抜け面だな」
「・・・・・・・で、出たーーーーーーーーー!!!悪霊退散、悪霊退散!!青江、お前の犠牲は無駄にはしない!!アーシアと仲良くやっていくから!!安心して成仏してくれ!俺を呪うな!!!」
「おい」
どいつもこいつも妖怪扱いしやがって。
「俺はれっきとした人間だ」
「・・・・・マジで?」
「足あんだろうが」
「貴方たち、漫才は後でやってもらえる?イッセー、昨日の傷は大丈夫かしら?」
「あ、はい。例の治療パワーで完治です」
得意げに足を叩く。
「青江も傷、無いんだな。やっぱすげえよ。お前」
「鍛え方が違うんだよ」
「相手は堕天使だったんだろ?俺なんか手も足も出ずに殺されたよ。」
「まあ、『強い』っちゃ強かったんだが・・・・・そうだな、『つまらんかった』」
そう、確かに強かったがフリードの時の様な高揚感は無かった。
フリードは纏わりつく様な殺意と悪意を感じたんが・・・。
ドーナシークは自己顕示欲ってのかなあ、よくわからんがつまらんかった。
「そうだ、部長。悪魔の駒って余ってないんですか?」
「どうしたの?」
「いや、青江を眷属にしないのかなあと。人間なのに堕天使倒すなんて悪魔化すれば凄いと思うんですけど」
「「・・・・・」」
グレモリーと顔を見合わせる。
「ためしてみる?」
「・・・・そうだな」
悪魔化に忌避感は無い。
人間では無くなるが、俺が俺である事に変わりはない。
もーまんたいだ。
「じっとしていて頂戴」
そう言ってグレモリーは懐から駒を取り出した。
そして俺に二つの駒をかざしてくる。
「・・・・・あら?これは・・・・」
「だめなのか?」
「いえ、可能よ。というか余裕過ぎるくらいよ」
余裕過ぎる?
「私に残っている駒は騎士と戦車。チェスではね、女王は兵士九つ分、騎士と戦車は兵士三つ分って言われているの。悪魔の駒にもおいてもそれは同様。転生者が有能ならそれだけ駒の消費も大きいわ。勿論、駒との相性もあるのだけれど・・・それでね、彼を転生させるには兵士一個で十分みたいなのよ」
それは俺が無能ってことなのか?そうなんだな?
「つまりは勿体ないってことなんだな?」
「えっと、その・・・まあ、そういうことになるのかしら・・・ね?」
「あれ?なら俺と同じ兵士でいいじゃないですか」
兵藤が不思議そうに質問する。
「さっき言ったでしょう?私にはもう騎士と戦車しか残ってないって」
「じゃあ、俺にも先輩兵士がいるって事ですか?」
「違うわイッセー。私があなたを転生させるときに使った駒はね、兵士八つなのよ。だから私の兵士は貴方だけ」
八つ!?兵士の全部じゃねえか!
お、俺の価値は兵藤の八分の一なのか!?
「貴方の宿す『神滅具』、赤龍帝の籠手の価値を考えればこれでも安いくらいだわ。『紅髪の滅殺姫』と『赤龍帝の籠手』。紅と赤、相性バッチリね。言ったでしょう?貴方は強くなれる。頑張りなさい」
「部長・・・」
感無量です!!って顔で感動している兵藤。
「これはお呪いよ」
そう言ってグレモリーは兵藤の額に口づけする。
「俺、帰っていいかな?」
新手のいじめだよ。
「シュースケさん!?」
肩を落として二人を眺めていると名前を呼ばれた。
「・・・アーシア?」
「無事だったんですね!?・・・・・・よかったぁ。・・・・・よかった、ぐす、よがっだでずぅぅ」
あ~あ~、涙と鼻水でぐちゃぐちゃになってんじゃねえか。
顔をハンカチで拭いてやる。
おや?彼女が片手に持っているのはうちの・・・
「ぐす・・・・ちーーーん!!」
「アーシア、その制服・・・・」
「どうしたんだ?青江、・・・それってうちの学園の制服じゃん!!部長!?もしかして・・・」
兵藤がグレモリーに尋ねる。
「そうよ、彼女にはうちの学園に編入してもらうことにしたわ」
「マジで!?よかったな!アーシア。俺の友達、たくさん紹介してやるからなっ!アーシアなら一杯友達できるって!!」
アーシアの手を握って振り回す兵藤。
「よかったな」
俺もアーシアに声をかけてやる。
「はい!!皆さんのおかげです!これも主のお導きに違いありません!主よ、感謝します」
手を合わせて祈りのポーズをするアーシア。
だが・・・・
「あうっ!」
「どうした?」
「・・・頭痛がします」
「当り前よ。悪魔が神に祈ればダメージくらい受けるわ」
うむ。当然だな。
それにしてもアーシアの信仰心は凄いな。
はぐれエクソシストの『悪口ノート』とは大違いだ。
「うう、そうでした。私、悪魔になっちゃったんでした。神様に顔向けできません」
複雑そうな顔をするアーシア。
だが―――
「「後悔しているのか(かしら)?」」
俺とグレモリーが同時に尋ねる。
「いいえっ!!」
そうやって笑う彼女の笑顔には以前の陰りは微塵も感じられなかった。
四人で談笑していると木場、姫島、塔城の三人が入室してきた。
「おはよう。やっぱり無事だったんだね、青江君」
「驚かないんだな」
「うん、信じてたからね」
そう言って爽やかに微笑む木場。
ずっきゅーん
・・・・なんか、いろいろ気にするのやーめた。
そうだよ、俺は自分のやりたいようにやる。
気に障るものは全て潰す。
立ちはだかるものはことごとく踏み潰す。
俺はそうやって生きてゆく。
「ごきげんよう。あら、みんな揃いましたわね?」
「おはようございます先輩スイーツは『ここに』」
息もつかずにあいさつからスイーツについて尋ねてくる塔城。
俺は左手に持っていた箱を差し出す。
「・・・確かに」
「中身はマカロンだ。全員分ある。姫島先輩、紅茶でも入れてくれ」
「はい。わかりましたわ」
みんなでテーブルに着き、食べ始める。
グレモリーの作ってきたケーキも加わって本格的なパーティーになった。
「っ!?美味しいわ。店でも出せるレベルね」
「本当に、ほっぺたが落ちてしまいますわ」
「すごいです、シュースケさん!!」
「・・・・見事です。すばらしい」
「お前って、ホントに器用だよなぁ」
マカロンはみんなには好評だったようで、手放しに褒めてくれる。
最初は節約と暇つぶしの料理だったが、今では趣味と化している。
称賛されて悪い気はしない。
「気に入ってもらえて何よりだ」
それから余興として兵藤がドラゴン波を、俺が南京玉すだれを披露して場を盛り上げた。
「ただいま」
自分の部屋に帰宅する。
「あら、お帰りなさい」
顔に黒い羽根がぶつかる。
ダイニングのソファーに座った夕麻が翼を広げてテレビを見ていた。
翼から離れた羽が散乱している。
膝の上には虎徹をのせて背を撫でている。
部屋に入れたのかよ・・・まあいいけど。
「羽が散らかっているんだが・・・」
「後で片付けるわよ」
「頼んでいたことはやってくれたのか?」
「洗濯物は取り込んでるわ。あと、掃除機ってのの使い方教えてくれない?」
「後でな。今日はちょっと疲れた」
「お風呂わいてるわよ?」
そう言って彼女は風呂場の方を指差す。
「・・・・・」
「どうしたのよ、じっと見つめて」
「いや、ここまでやってくれるなんて意外だったから」
「退屈なのよ。迂闊に外に出られないし・・・」
「そうか」
夕麻の隣に腰を下ろす。
テレビでは韓流ドラマがやっていた。
やはり、内容は一昔前の少女漫画みたいだ。
主人公の女性が、付き合っているイケメンの、親が決めた許嫁と修羅場っている。
今の日本のドラマが難しすぎるから、年配の人は韓流の分かりやすさに惹かれるのかもな。
「・・・・おい、羽引っ込めろ。テレビが見えん。邪魔だ」
「もう、せっかくいいところなのに」
そう言いながらも渋々羽を仕舞う。
「そうだ、学園で余ったケーキ貰って来たんだ。食うか?」
「もらうわ」
「ちょっと待ってろ。今包丁持ってくる」
「いいわよ。ちょっと貸して」
そう言って俺からケーキを奪うと―――
ブオン
手のひらに小型の光を作り切ってしまう。
「便利だな」
「消せば洗う必要もないし、切れ味も抜群よ」
「知ってる。腹で味わったからな」
二人でぼーっとテレビを見ながらケーキをつまむ。
「そういえばな、今日アーシアが転校してきた」
「っ」
「悪魔に転生したそうでな。神器も戻っていたよ」
「・・・・そう」
「ああ」
いろいろ複雑なのだろう。
「晩御飯、冷蔵庫にあるモンでカレーにするけどいいよな?」
嫌だって言っても作るが。
「甘口にしてよ」
「俺は辛口派だ。安心しろ、卵やらリンゴやら蜂蜜やら、甘くする方法はいくらでもある」
「ならいいわ」
「なぁ~~~お」
虎徹が伸びをして立ち上がる。
「虎徹にずいぶん懐かれたな。こいつ人見知り激しいんだぜ?」
「虎徹?この猫の事?この子メスよ」
「・・・・・なんだと?」
「洗濯物干してたらベランダに入って来たの。すり寄って来たからこの家で飼ってるのかと思って」
それどころではない。虎徹がメスだと?
どうしよう、名前を変えるべきか?
「虎徹、おまえは虎徹で満足か?」
「何わけわかんない事言ってるのよ。あ、そうそうこれ」
そう言ってソファーに転がっていた剣の柄を渡してくる。
「なんだ?」
「私の光の力、強めに込めておいたから。はぐれ達の持ってたやつより強いはずよ」
「へぇ。サンキュー。有難くもらっとくわ」
収納しやすい武器が手に入ったのは嬉しい。
銃も拾って来ていたが、日本で持ち歩くわけにもいかない。
ドラマは彼氏のお母さんが乱入してきたところで終わった。
「んじゃ、そろそろカレー作り始めっかな」
俺は今日の晩御飯の準備に取り掛かるのだった。
修正しました。
三人→四人