赤龍帝と青いヤツ   作:ニッカリ

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やった------!!お気に入り100突破!!

今回はこのテンションで書きました。
どっか駄目なとこあったら言ってください。





第十二話

「生徒会?」

「そうです。リアスから聞いてないのですか?」

 

向かいに座った生徒会長、たしか支取蒼那だったか。

俺の出した紅茶を優雅に飲んでいる。

グレモリーの仕草とダブるってことはこれが上品な飲み方なのだろう。

グレモリーからは何も聞かされていないな。

ここでその名が出るってことは・・・

 

「まさか、廃部か?」

「違います。そうですね・・・支取家、いえシトリー家はグレモリー家やフェニックス家と並ぶと言えば分かりますか?」

 

その名は・・・つまりこいつは

 

「お前も悪魔って事か」

「名乗りましょう。駒王学園生徒会長並びに上級悪魔貴族シトリー家次期当主ソーナ・シトリーです」

 

居住まいを正し、こちらを真っ直ぐ見つめて名乗る。

 

「・・・・その貴族様がここに何の用だ。ここには留守番しかいない」

「私は貴方に用があって来たのです。リアスがオカルト研究部に人間を入部させたと聞きました。神器を持っているから保護すると」

「グレモリー先輩とは仲がいいのか?」

「幼馴染です。公私ともに今現在でも交流があり、この学園も夜はグレモリー、昼はシトリーに役割を分担して管理しています」

 

なるほどね。そういうことか。

つまり生徒会役員もこのオカルト研究会と同じ悪魔集団だと。

みんな、聞いてくれ!!この学校は既に悪魔に占拠されていたんだ!!

な、なんだってー。

 

「クククク」

「どうしたのですか?」

「いや、何でもない」

 

お互いに一息ついて一口紅茶を飲む。

さりげなくクッキーを前に滑らせると「ありがとうございます」と言って齧った。

物を食べる女子は可愛い。眼福眼福。

 

「単刀直入にいいます。生徒会に入りませんか?私の眷属として」

「オッケー」

「・・・即答ですか」

 

グレモリーからは掛け持ちしていいって言われてるし、敵になるってわけでもなさそうだ。

 

「俺の値段は兵士一個だそうだ。お買い得だぜ?」

「眷属になるという事は人間ではなくなるという事です。ご家族やご友人とは流れる時間が大きく異なるという事を本当に理解しているのですか?」

「俺は天涯孤独だし、友人も人外の方が多い。構わんさ」

 

俺の真意を伺うかのように目をじっと覗き込んでくる。

 

「本当にいいのですね?」

「ああ」

 

彼女は分かっているのだろう。

眷属にするという事はこれから何千年もの時間を共に過ごし、主として責任を持つことであると。

 

「おっと、大事なことを聞き忘れてたわ。あんたに目標なんかはあるのか?ただ貴族としてふんぞり返ってる奴に興味は無いぜ?」

 

彼女はほんの少し驚いた顔をすると

 

「はい、あります。とても大きく、とても困難な目標が」

 

さっきまでの切れ者の雰囲気ではなく、挑むかのような表情でそう言った。

 

「ならいい」

「内容は聞かないのですか?」

「アンタのその表情で十分だ。中身は眷属になってからのお楽しみってことで」

 

内容はぶっちゃけどうでもいい。

俺自身に目標みたいなものは無い。

誰かの夢を手伝うのもまた一興だろう。

悪魔の人生は長い。

悪魔化の切っ掛けとして、そして当面の目標となるなら一石二鳥だ。

いざとなったらはぐれになってもいいしな。

 

「・・・・分かりました。では―――」

「待ってくれ。悪魔化ってのは死者にもできるんだよな?」

「ええ。厳密には転生ですから」

「実際の悪魔化は少し待ってもらえないか?・・・そうだな、グレモリー先輩のレーティングゲームが終わるまで」

「こちらは構いませんが・・・。何かするつもりですか?」

 

警戒しているな。目つきが鋭くなった。

 

「なあ、アンタはこの縁談に賛成か?」

「・・・・上級悪魔の新生児の価値は計り知れません。私自身も彼女と似た様な境遇です。これが貴族として生まれた者の宿命と割り切るべきだと理解しています。・・・ただ―――」

「ただ?」

「友人としては気に食わないですね」

「クククククク、やっぱアンタいいわ。眷属となるのは約束しよう。だが、タイミングは俺に決めさせてくれ」

「いいでしょう。では明日、生徒会役員の紹介をします。明日の放課後、生徒会室に来てください」

「わかった」

 

話はそれきり途絶え、二人そろって紅茶とクッキーを齧る。

外では部活をしている連中の掛け声が響いている。

お互い無言だが、気まずい訳では無い。

ゆったりした時間が流れてゆく。

 

「では、私はこれで」

 

紅茶がなくなると、彼女は立ち上がり扉に向かった。

俺も立ち上がり、彼女を先導したのち扉を開けてやる。

 

「それでは明日、お待ちしています」

「あいよ」

 

バタン

 

扉が閉じてまた室内は俺一人となる。

 

「生徒会、ねえ・・・」

 

いつものフカフカソファーに転がり天井を眺める。

夕麻にはなんて説明しようかな?

すっかり俺の部屋に馴染んでいるが彼女は堕天使。

俺が悪魔になればどんな反応をするのだろう・・・

 

「・・・眠い」

 

さっきの会長との間に流れた空気がまだ残っている。

そいつは初夏のぽかぽかした陽気と相まって俺を眠りへといざなうのだった。

・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

「なあ、青江。俺たち付き合うことになったんだ」

 

目の前の兵藤が木場の肩を抱いて言う。

 

「は?な、なんで?」

「合宿中、一緒にお風呂に入ってたらさ、こいつがあんまり綺麗でさぁ。・・・つい、我慢できなくて襲っちまった」

 

そう言って爽やかに笑う兵藤。

 

「イッセーさん。わ、私イッセーさんのことが好きです!!・・・だからっ」

 

アーシアが涙目で兵藤に告白する。

兵藤は驚愕に目を見開いた。

だが、悲しそうな顔で

 

「ごめん、アーシア。気持ちはすっごく嬉しい。でも、俺が本当に愛してるのは――――こいつなんだ」

 

そう言った。

 

「っっっ」

 

泣き崩れ、おえつを漏らすアーシア。

兵藤はそれを悲しそうにじっと見つめていたが、ふと俺の方に向き直り

 

「青江は俺たちの事、祝福してくれるだろ?」

 

そう言って爽やかな笑顔で―――――

 

 

 

 

 

 

「死ィィィィィィィィィねェェェェェェェェェッッッ!!!!!!!!!!」

 

慌てて飛び起きる。

 

「おのれ兵藤!!俺の木場をぉぉぉぉおおおお!!おのれおのれおのれおのれオノレオノレオノレおの・・・・・・夢か」

 

どうやらあのまま眠っていたらしい。

じっとりとした冷や汗で体が気持ち悪い。

あたりを見回すと、外は既に真っ暗。

あれから夜まで眠っていたらしい。

それにしてもあの夢――――

 

「人生最大の悪夢だ」

 

ここまで恐怖したのはいつ以来か・・・

 

「遅くなっちまったな・・・。夕麻に連絡しとかないと」

 

ケータイを取り出して、夕麻に遅くなる旨を連絡する。

メールを送信し終わった後、ふと――

 

「まさか本当に・・・まさかな。いや、もしかすると俺の秘められた予知夢能力が開花したということも・・」

 

カチャリ

 

焦燥感に駆られて木場に電話を掛ける。

プルルルルルル・・・ガチャ

おお、つながった。

山籠もりじゃなかったっけ?

さすがLTE。

 

「もしもし、木場祐斗です。どうしたんだい?青江君」

「いや、しばらく会ってないからどうしてるのかなと思って」

「こっちは順調に修行しているよ」

「・・・・兵藤と何かあったりしたか?」

「兵藤君?彼も修行を頑張っているよ。昨日の晩は女湯を覗こうとして朱乃さんに電撃、小猫ちゃんに怪力でやっつけられていたけどね」

 

よかった。姫島も塔城も木場も、俺の癒しは大丈夫そうだ。

それから修行の内容や、兵藤の覗き失敗談について会話した。

 

 

 

 

 

 

「悪かったな。こんな時間に電話して」

「いいよ、もう寝るところだったし、久しぶりに君の声が聴けてよかったよ」

 

ぐはっ

こいつはどこまで俺を弄ぶんだ。

 

「じゃあ、切るわ。おやすみ」

「うん。おやすみなさい」

 

ピッ

電話を切って懐にしまう。

 

「・・・・・・・帰るか」

 

部室の鍵を閉めて廊下に出る。

・・・ん?

一番奥の教室から青白い光が漏れている。

 

「まさか幽霊か?」

 

悪魔がいる世界だ。

幽霊がいないという方が無理があるというもの。

足音を忍ばせて教室に近寄る。

 

「この光のちらつきは・・・パソコン?」

 

どうやらこの教室には黒いカーテンが引かれているらしく、中の様子は伺えない。

だが、カーテンの隙間から漏れる光はパソコンの様に思える。

この旧校舎にあるのはグレモリーのオカルト研究部だけのはずだ。

 

「やっぱ誰かいるな」

 

扉の前に立ち、ドアノブに手をかける。

 

ガチャリ

 

「誰かいるのか?」

「イヤァァァァァァァァァァッッ!!」

 

部屋の中からとんでもない絶叫が聞こえてきた。

女?

気にせず中に踏み入ると、パソコンが中央に置かれていて、コードなどが乱雑に絡まっている。

部屋の印象は女の子の部屋。

ぬいぐるみなんかも飾られていて、中央には・・・

 

「棺桶?」

「ヒィィィィィィィィッ、だ、誰ですかぁぁぁっ!!?」

 

部屋の隅には金髪と赤い双眸をした人形みたいに端正な顔立ちの美少女がいた。

 

「・・・・・こっちが聞きてえよ」

「ゴメンナサイごめんなさいごめんなさい」

 

美少女に歩み寄る。

近くで見ると本当に整った顔立ちをしている。

 

「こ、ここには誰も来ないはずじゃ・・・あっ、夜だから封印が!!どうしようどうしようどうしよう」

 

延々と取り乱した様子で叫んでいる。

 

「うるさい」

 

ゴツン

あんまりにもうるさかったのでついつい手が出てしまった。

 

「ひっ、ひっくひっく・・・うううううううう」

 

息を押し殺しておえつを漏らす美少女。

ああ、ゾクゾクする。

 

「おい、お前」

「ぐす、ひっく」

「ちっ」

 

彼女の顎を掴んでこちらを向け、息のかかる様な距離から目を覗き込む。

 

「お前はだれだ?」

「ううう、いやぁぁぁぁぁッ」

 

相手は目を見開いて絶叫――――

・・・・・・・・・・

・・・・。

あり?

目の前にいたあの子がいない。

声のする方を見れば部屋の隅でぶるぶる震えていた。

 

あ・・・ありのまま今起こったことを話すぜ!

俺はあの子の目の前に立ち、その顔を覗き込んでいたと思ったら、いつの間にか逃げられていた

頭がどうにかなりそうだった・・・

催眠術だとか超スピードだとかそんなチャチなもんじゃねえ

もっと恐ろしい物の片鱗を味わったぜ・・・

 

・・・・・・・・・っと、軽くポルナレってしまったぜ。

だがどういう事だ?

何かされたのは間違いない。

 

「お前、なにをした?」

「怒らないで!怒らないで!ぶたないでくださぁぁぁぁいッ!!」

 

美少女はまだ叫び続けている。

 

「ぶたねえよ」

「さっきぶったじゃないですかぁぁぁぁ!!」

 

そういやそうだった。

 

「もうぶたない、ぶたないから」

「しんじられませぇェェェん!!」

「うるせえ!!あんましつこいとはっ倒すぞ!!」

「ふっ、ぐす・・・・ずびびび」

 

ようやく泣き止んだな。

涙と鼻水でべとべとだ。

 

「ほら、これで拭け」

 

ハンカチで投げ渡す。

 

「ずび、ちーーーん」

 

鼻かみやがった。

ティッシュじゃねえ、ハンカチだぞ?

アメリカ人もよくやるが俺はこれが大嫌いだ。

はあ・・・なんにしてもまずは対話だ。

どうもこいつは俺が近寄るとひどく怯える。

少し距離を離した所から話しかけよう。

俺は彼女とは正反対の隅に腰を下ろした。

 

「で?もっかい聞くぞ?お前は誰っ・・てまずは自分か」

 

自己紹介は自分から。これ社会の常識です。

 

「俺はこの旧校舎にあるオカルト研究会の者だ。名前は青江秀介」

「おか、ると?じゃああなたも先輩の・・・」

 

あなた『も』?

もしかしてこいつ・・・

 

「お前は悪魔なのか?」

「は、はいぃぃぃぃ。も、もしかしてあなたもリアス先輩の・・・・?」

「いや、俺は人間だ。・・・お前、さっきの神器か?」

「っ!?ぐす、そうですぅ」

「すげえな。瞬間移動・・じゃないな。時間停止か?」

「凄くなんてないっ!!ぼ、僕はこんな神器いらない!!こ、これは僕の意志とは無関係に発動する・・・僕のいう事聞いてくれないんだ!!!」

 

突然彼女は怒りと共に絶叫する。

神器が暴走している?

そんなことも起こりうるのか。

神器は魂と半ば同化した存在だ。もしも暴走するとすれば・・・・所持者の感情か。

 

「感情が昂ぶると暴走するんだな?」

「ど、どうしてそれを!?」

「考えりゃ分かる。俺も神器持ちだからな」

「え・・・・」

 

目をぱちくりとさせてこちらを見る、が目が合うと直ぐにうつむいてしまう。

 

「神器って・・」

「ふむ。・・・・どんなものなのかグレモリー先輩にも言ってないんだがな。俺の神器は。自分の受けた致命傷、それを作った攻撃を再現する。ダメージを与えるんじゃない、あくまで再現。極論、メガ粒子砲で半身消し飛ばされても生きていれば撃ち返せる・・・が、外せばそれまでだ。しかも発動の際、痛みも再現されるんだぜ?ハズレだろ?」

「そんなっ・・。使ったことあるんですか?」

「ある。こないだ堕天使の槍をな」

「・・・・・」

「だからお前の神器が羨ましい」

「そんな事言わないでよっ!!みんな停まっちゃうんです!怖いでしょ?気持ち悪いでしょ?僕だってイヤだっ!!と、友達を、仲間を止めたくないよ・・・。大切な人の止まった顔を見るのはもう嫌だ!!もういいんですっ。僕はずっとこの部屋に一人でいますからぁ!!」

 

そう、うつむいたまま叫んだ。

 

「人を止めてしまうのが怖い。だからこの部屋に閉じこもる。人と会わないように・・・か」

「怖いんです・・・。いつか自分の力が全部停めちゃうんじゃないかって・・・・。ぼ、僕一人残してみんな停まっちゃうんじゃないかって!!」

「・・・・・」

 

それっきり黙って再び泣き始めてしまった。

しばらく室内に泣き声が響く。

 

「なるだろうな」

「え?」

 

弾かれたように顔を上げ、こちらを向く。

 

「なるって言ってんだよ。このままいけば、おまえは十中八九周りのものを全て停めてしまうだろう」

「そんなっ!!どうしてそんな事分かるんですか!?」

「お前はまだ若い。これからますます力は増すだろう。だが、神器をコントロールする『お前の精神』は惰弱なまま。当然だ、こんな部屋に閉じこもってるんだからな」

 

精神は他人とのかかわり合いで成長する。

悪魔だろうが、人間だろうが猿だろうが変わらない。

 

「そんな、そんな嘘だっ!!」

「嘘じゃねえよ。お前も薄々分かってんだろ?認めたくないだけで。・・・現実を見ろ」

 

カチカチカチ

彼女は自らを抱きしめて歯を鳴らす。

 

「っじゃあ、僕は、生まれてきたらいけなかったんだ・・」

 

あ?

 

こいつ、なんてった?

 

「お父さんもお母さんも、なんで僕を生んじゃったの?なんですぐに殺してくれなかったの?もう生きていたくない!!ずっとずっと死にたかった!!」

 

ガツンッ!!

最速で彼女に接近し、首を掴んで壁に叩きつける。

 

「かっ、は・・・」

「苦しいか?・・・いいだろう。そんなに死にたいのなら俺が殺してやる」

「・・・・っ!?」

 

彼女は目を限界まで見開いた。

 

「抵抗するなよ?お前の望んだことだ」

「・・かっ・・・ひゅ・・・」

 

首を絞めている腕に力を込める。

確実に殺せるように。だが、首を折る事はしない。ただじっくりと締め付ける。

 

「・・・・・・」

「周りの音が遠くなってゆくだろう?死は終わりじゃない。死は停止だ。他者の記憶の中でお前は今のまま止まる。終わったわけじゃないから色あせない。ただ、脚色された『お前じゃない誰か』として残り続ける」

 

だらりと腕から力が抜ける。

 

「よかったな?誰も止めたくなかったんだろ?願いは永劫叶う。・・・・代償として、お前だけ停止しろ」

 

見開き、もはやどこを向いているか分からない瞳から、涙が一筋落ちる。

 

バサッ

 

次の瞬間、彼女の体は無数の蝙蝠に変わる。

そのまま俺の手からすり抜けた蝙蝠たちは俺の足元に集い、また人の形をとった。

 

「げほっ、ごほ、げぇェェェェ。・・ごほ、嫌だ、死にたくない。おえ・・・みんなと一緒にいだい・・」

 

吐しゃ物を吐き出しながらも生きたいと訴える。

 

俺はゆっくりと彼女に歩み寄り―――

 

「やればできるじゃないか」

 

しっかりとその華奢な体を抱きしめた。

 

「お前は生きたいか?」

「じにだぐない。僕は、僕は」

 

背中をゆっくりと撫で摩る。

 

「お前は生きることを選んだ。異論は認めん。俺の手から逃れたんだ。死にたいと願ったお前はここで死んだ。ここにいるのは生きたいと願うお前だ」

 

今の俺が十歳の時に生まれたように、さっきまでのこいつは死んだ。

死にたいという願いの成就を拒絶して、生きたいと願った。

 

「いいか、よく聞け。確かに今のままのお前では神器の暴走は起きるだろう。予防するにはお前を殺すのが一番だ」

「・・・・・・」

「だが、今のお前は死にたくない」

「・・・・・・」

「生きるためにはどうするべきか?簡単だ。神器を従わせろ」

「・・・・・・どう、やって?」

「外に出ろ。神器とは所持者の精神によりいくらでも変化する。禁手化がいい例だ」

 

俺の神器はあのすべてを失った日に禁手化した。

あの時の俺の欲望を反映したかの様な形に。

 

「最初は何度も周りを停めるだろう。だが、今はまだ取り返しがつくレベルだ。今しかない」

「でも・・」

「俺が手伝ってやる」

「え・・・」

 

ようやく俺と目を合わせた。

じっとその目を見つめて言う。

 

「ここまで傷つけたんだ。責任はとるさ。一緒にいて、お前を強くしてやる」

「ほん・・・とう?」

「ああ」

「どこにもいかない?気味悪がらない?一人にしない?」

「ああ、約束だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「すう、すう・・・・」

 

背中に背負った彼女はあの後、泣き疲れてねむってしまった。

あの部屋に一人にする訳にもいかないし、お互いゲロまみれだ。

とりあえず、部屋に連れ帰って夕麻に洗わせよう。

 

「美少女をお持ち帰りなんて、夕麻になんて言おう?・・・あ、悪魔化についてもあったんだ。・・・胃が痛い」

 

 

 

 

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