最近忙しくて・・・。
今回はリハビリ、実験もかねてあえて主人公視点を外しました。
あんましうまくいかなかった・・・。
時間軸は適当です。多分オカ研に入っての一か月の間。
今回初登場のキャラたちはそんなに重要ではないです。
一発屋の可能性も?
ジリ―――パンッ!!
目覚まし時計が鳴りはじめると同時に止められる。
止めたのは青江秀介。時計は午前三時を指している。
この日は日曜日、世間一般にもれずこの男も休日である。
「ふああ――」
欠伸をしながらもしっかりとした足取りでベッドからはい出る。
同じベッドに寝ている同居人はまだ目を覚ましていない。
「・・・・・」
しばらく同居人の顔を眺めながら暗闇に目を慣らす。
そしてはだけた布団を掛け直してやってから自身は寝室を後にした。
洗面台でひげを軽く剃って顔を洗った後、歯を磨く。磨いている最中にも洗濯物を分別し、洗濯機を回した。
台所にたどり着いた彼は炊飯器にスイッチを入れて冷蔵庫を開く。
「朝は卵焼きに昨日の煮豆の残り、みそ汁とさば缶、納豆ってとこか。昼は・・・チャーハンの作り置き・・っと、そういや夕麻も料理できるようになってきてたな。材料はあるし自分で作れるか」
そう独り言をつぶやいて、みそ汁の具になるであろうニンジンやらをきざみはじめる。
料理をしながら自分は冷ご飯をレンジで温めたべる。
「包丁もそろそろ研いどくか・・・あ、塩もねえ。二人だと減りが早いな」
・・・見事な主夫である。
「さて、朝食はこんなもんだろ。明日は紙ごみを出す日、風呂とトイレは昨日掃除した・・・よし。そんじゃあ次は鍛錬だな」
そう言って彼はランニングウェアに着替えてまだ白み始めてもいない外へと繰り出す。
~ランニング中~
「ふっ、ふっ・・・」
~型稽古中~
「こぉ~~、ふんっ!」
・・・・これはつまらないのでカット。
鍛錬を終えた秀介は部屋に戻った。
帰る頃、調度に洗濯機が回り終えるのでそれを干す。
そして自分の作った朝食を食べた。
「うむ、今日のみそ汁は会心の出来だな」
食事を終えると、彼は自分の分の洗い物を先に済ませておく。
時計を確認し―――
「・・・そろそろ出るか」
そう言って秀介は再び出かける。―――今度は自転車で。
~5:00~
ざざあぁぁぁん・・・
「海だ」
海である。
「まだ夜は明けてない・・・おけおけ」
持ってきた釣竿を伸ばし、慣れた手つきで糸を結ぶ。
多機能性のライフジャケットを身に着け、餌を取り付け準備万端。
そう、釣りである。釣りにおいて夜明け時というのは『朝マズメ』と呼ばれ特に釣果の期待できる時間の一つと言われている。
「よーう、秀介ェ!今日もやってんなあ」
肌を黒く焼いた大男が隣にどっかりと腰を下ろす。
彼は河内遼という直ぐ近くの漁港で働いている男だ。海の漁師だが、河内遼である。
「・・・・いつも思うんだが、仕事はいいのか?」
「もう一仕事終えて来たんだよ。さっきまで船の上さ」
「魚を船から降ろしたりとかは?」
「終わったから来てんだ。何時から出てると思ってやがる。漁師さんの早起きを舐めんなよ?」
「はいはい・・・何してやがる」
「いや・・・お、あったあった。」
秀介の鞄をあさっていた河内はコーラの缶を見つけると断りもなく開けて飲んでしまう。
「おい」
「いいじゃねえか、二本あんだし。もとからそのつもりだったんだろ?」
「っち」
「お、ビーフジャーキーじゃん。これももらうぜ?」
目ざとく鞄の奥にわざわざ隠していたものまで見つけ出す。
「お前に遠慮という文字は無いのか?」
「お前ェの大層な辞書にゃあ『寛容さ』ってのが載ってんだろ?・・・これうめえな。どこのジャーキーだ?」
「フフン、自家製だ」
得意げになって竿を揺らす。
「相変わらず無駄に器用な奴だ。何かひとつに絞ったりしねえのかよ?」
「絞る必要が無いからな」
「嫌味な奴・・・・。どうせお前の事だ、女に関しても絞るつもりねえだろ?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・さあな」
「けっ、刺されちまえ」
「それはもう経験済みだ」
「あ?なんだって?」
「何でもねえよ」
「ま、俺は真紀ちゃん一筋だがな」
真紀というのは河内の奥さんだ。非常に美人でしかも八歳年下である。
そうとも、この世は不条理でできている。
「・・・瑠璃子ちゃん」
「ギクッ」
「香澄ちゃん、明美ちゃん、涼子さん・・・」
「まて、分かった。俺が悪かった」
「フン」
~12:30~
「まずまずか・・・・」
時刻は正午を回ったころ、秀介は切り上げる様だ。
釣果はそこそこ。あまり釣っても食べきれないし、ご近所へのお裾分けも限度がある。
季節は初夏に差し掛かっており、この時間帯はうだるように熱い。
秀介の格好は――――アロハに短パン、麦わら帽子にビーサンとある意味正装。
河内はとっくの昔に帰っている。これから寝る等とほざいていた。
ちゃっかりジャーキーのお土産も持って帰っていった。
~14:40~
「どうしよう、これからの予定考えて無かったわ」
一旦帰宅し、魚の保存、お裾分けを終えた秀介は暇を持て余していた。
近所の神社の石階段に座ってスマホをいじっている。
「映画でも見るか?・・・・一人で?それも有りか」
どうやら本気で上映時刻を確認しているようだ。
何とも寂しい事を決定しようとしていたその時――
「あら?青江君・・・ですわよね?」
「ん?」
名前を呼ばれて秀介が振り返るとそこには――――巫女さんがいた。
「姫島先輩?その恰好は・・・コスプレ?」
「うふふふ、私の家が神社なのですわ。ですからこれは本物」
「アンタ、悪魔なんじゃ」
「いろいろあるのですわ、いろいろと」
そう言って可愛らしく小首を傾げて唇に人差し指を当てる。
「謎多きお姉さん系美少女悪魔巫女か・・ありだな」
「そうですわ、青江君これからのご予定は?」
ぽむ、と手を胸の前で合わせて彼女はにっこりと尋ねる。
「いや、特に。というか時間を持て余してる」
「それはそれは。どうでしょう、これから私とお茶しませんか?先日、美味しいお茶菓子を知り合いの方から頂きましたの」
「それは願ってもない話だが・・・」
「ではどうぞ、お上がり下さいな」
~13:10~
「お待たせいたしました」
姫島朱乃がお盆にお茶菓子と急須、湯呑をのせて持ってくる。
二人がいるのは姫島家の縁側。
「・・・着替えたんだな」
彼女は既に着替えており、今現在は薄い黄色のブラウスにジーンズとラフな格好だ。
「ええ、境内のお掃除は終わりましたし・・・残念ですか?」
そう言って彼女は秀介に少し体を寄せてからかう。
「いや、普段は制服姿しか見てないから新鮮だ。大人っぽい雰囲気もいいが・・・なんだ、可愛い服も似合うんじゃないか」
「え?あの・・・・・・」
「先輩の私服見た奴なんてそういないんじゃないか?・・・ふむ、日ごろの行いかな?」
「このジゴロめ・・・ですわ」
逆に自分が赤面させられてしまい、俯く。それでも距離を離そうとしないのが年上の意地というもの故か・・・。
「ん?なんか言ったか?」
「何でもありませんわ」
そう言って子供の様に頬を膨らませる彼女など、学園のものには想像もつかないだろう。
「クククク」
「やっぱり聞こえているんじゃありませんの!!」
「前も言ったろ?口説いてるって」
「今日は何をなさっていたのでしょうか?」
「午前中は釣りだな」
「釣り?魚釣りの事でしょうか?」
「ああ、週末は大体な。今度なんか釣ったら・・・いや、やってみるか?釣り。俺で良ければ教えるぜ?」
「・・・・今日はグイグイ来ますわね」
「すまん、ここまで近しく感じたのは初めてだったから浮かれてるのかもしれん。迷惑だったか?」
「いえ、私だって女ですもの。殿方からそう言って頂けるのは素直にうれしいですわ」
「・・・そうか」
「ええ」
会話は途切れ、風が木の葉を揺らす音が唯一の音として二人の間を流れる。
二人は揃ってぼーっと外を眺める。
「ふあ・・・」
秀介が大きな欠伸をする。
「なんだか眠そうですわね」
「釣りのために・・・早起きしたからな・・・・」
「うふふふ、私はお茶を片付けてきます」
「手伝おうか?」
「大丈夫、ここでもう少しゆっくりしていって下さいな」
そう言って姫島は一度退室する。
秀介はというと―――
「・・・・・・・・・」
眠ってしまっていた。
「青江君・・・あらあら」
彼女はそっと跪き、顔を覗き込む。
「眠っている顔は年相応にあどけないですわね」
指で頬をつついたり、髪をいじったりして遊んでいる。
「起きませんわね。・・・いつも気を張っている感じでしたけど」
「んん・・・」
流石にいじりすぎたのか眠ったままの眉間にしわが寄る。
「くす、本当に、嫌ではないんですのよ?」
~17:30~
「まさかあそこまで無防備に眠ってしまうとは」
本当にあのまま数時間眠りこけてしまっていた秀介は未だショボつく目をこすりながら帰路についていた。
「姫島も起こしてくれりゃいいのに・・・、ってかなんか髪の毛が明らかに人為的な造形になってるし・・・」
ボリボリと頭を掻きながら商店街を歩いてゆく。
「あ、塩」
どうやらすっかり忘れていたらしい。
きょろきょろと周りを見渡して
「駄目だ。いったん戻らねえと。コンビニにも置いてあるかもしれんが高いだろうしなぁ」
そう言ってさっきまでの道を引き返すのだった。
~18:15~
「やめてくださいっ!!」
秀介が近道にと路地を通っていると女性の悲鳴が聞こえてきた。
「前にもあったな、こんなん」
SIDE 弓月佳代
どうしよう、どうしよう。
私は今、男の人に追われている。
クラスメイトの子に呼び出されたかと思ったらゾロゾロと出てきた人たちに囲まれてしまった。
私はいじめを受けている。原因は分からない。もしかしたらそんなものないのかもしれない。
今日私をを呼び出したのはいじめグループのリーダーの子。
不安はあった。でも、行かなければ何をされるか分からない。それにもしかしたら一対一で話ができるかも、どうして自分がいじめられなくてはならないのか分かるかもしれない。
そう思った。でも、現実は―――
「はあ、はあ、けほ、」
直線では追いつかれるからと入り組んだ路地に入ったのは失敗だった!!
凄く走りにくいし、何より助けを呼んでも誰にも届かないかもしれない。
恐怖で足がもつれる。休日だったのもあって、走るのに適した靴でもない。
捕まればろくな目に合わないだろう。
男の人たちは血走った目でこちらを見ていたし、本当に何をされるか分からない。
「あう!!」
ついに私は転がっていた酒瓶に躓いて転んでしまった。
誰よ!こんなところに置いたのはっ!?
「みーつけた」
「ひっ」
声に振り向くと既に二人の男に追いつかれていた。
はやく、はやく立ち上がらないとっ!
だが、意思に反して腰が抜けてしまう。
無様に這いつくばって這う様にして男たちから離れる。
砕けたガラス瓶などで切り傷が出来てゆくが、そんな事よりも今から自分に起こる事の方が怖い。
「いや、来ないで!」
「やっと追いついたぜぇ?つっても同じ所ぐるぐる回っただけであんま変わんねえんだけどな?知ってるか?この左の建物の裏がスタートなんだよ」
「そんな・・・」
「待ってな。今仲間呼んでやるから」
そう言って男は電話で私を捕まえた旨を報告し始めた。
駄目だ。もう逃げられない。
目の前が暗くなってゆく感じがする。傷の痛みもだんだん感じ始めてきた。
ガチガチと歯が鳴る。
私に触らないで!
どうすることもできず、せめてと体を丸める。
「うっ、ひっく・・うええ」
涙が止まらない。
今までたまりにたまった恐怖とこれからへの絶望で頭の中はぐちゃぐちゃだ。
「やっと捕まえたんだぁ。あんたらトロくない?」
連絡を受けたのか連中と、私を呼び出した子―――新山美香がやってくる。
「ほんとにいいんだな?」
「いいって言ってんじゃん。お金もあげるし、パパもあたしには甘いのよ」
「どう・・・して?」
「ん?」
「どうしてこんな事を?」
どうして私は虐められるの?どうして今、こんな目にあっているの?
「あははははははは。そっか、気になるよね!どうしてかって?・・・う~ん、なんとなくかな?」
「なん・・・と、なく?」
「うんそうそう。なんての?こんなんあそびじゃん」
そんなくだらない理由で?私は?
「やめてくださいっ!!」
男の一人が私にのしかかり、顔を近づける。
「へえ、いじめられてるって言うからどんなブサイクかと思ったけど結構いけてんじゃん」
そう言ってその男は私の頬をべろりと舐める。
もがいて抵抗するが女の力で男に勝てるはずもない。
男の手が私の服に伸びる。
「もしもーし。お楽しみ中悪いんだが聞いていいか?」
私を襲っている男たちとは反対側からまた一人現れる。
また男の人が増えた・・・。
「なによあんた。まさか、正義ののヒーロー気取り?」
「いや、もしかしたら合意の上でのそういったプレイなのかと・・・。前にそれで恥かいちまった」
「・・・・」
この人は仲間じゃない!?
「助けて!お願い、襲われてるの!」
「そっか、ふむふむ」
そう言って彼は私をじろじろと眺める。
何だろう?
「よし、おっけー」
「おいおい、まさかまじでヒーローのつもりなのかよ?こっちには五人いるんだぜ?大人しくしとけ、おこぼれくらい―――」
男の話は最後まで続かなかった。
顔にキックを受けて吹っ飛んだからだ。
蹴られた男は完全に伸びている。
蹴った男の人―――ううん、よく見れば男の子。私と同じくらい。
彼は私を挟んで四人の男たち、美香と対峙する。
「おいおい、本気かよ?」
男たちが小馬鹿にしたようにせせら笑う。
しかし彼は全く意に介さず、私に歩み寄ると―――
「・・・・立てるか?」
彼は私に歩み寄り、手を差し出してくる。
「あ、ありがとうございます・・・」
「走って逃げろ。俺が来た方を右に折れて直進すれば大通りだ」
彼の手につかまって立ち上がろうとするが、うまく立ち上がれない。
「どうした?まさかくじいたか?」
「腰が・・・ぬけちゃって」
自分の体じゃないみたいに思える。
パアン!!
「ひゃう!」
私は突然彼にお尻を叩かれた。
「な、なにするんですか!?」
「立てたろ?」
「あ・・・・・はい」
「んじゃ、ダッシュでゴーだ」
「は、はい!!」
私は脇目もふらずに駆け出す。
必死だった。彼の事なんて頭になかった。
脇目もふらず、私は駆けだしたのだった。
SIDE OUT
路地裏に男たちのうめき声が満ちる。
「まあ、こんなもんか。後二人・・・」
「な、何なのよアンタ!!」
「待て、美香!こいつやべえ、こいつ駒王の青江だ!」
「はあ?だれよそれ」
「最近やってきて、あっという間にこのあたりの有名グループを根こそぎ叩き潰したっていう『駒王の悪魔』だ!あまりの外道さ、残酷さ、鬼畜具合から一度対峙すれば夢にまで現れるって。噂ではヤクザとも太いパイプをもってるとか」
「何その中二病みたいな名前・・・俺そんなふうに呼ばれてたの?ネーミングも安直すぎるし、改名を要求する!」
実際のところ彼に不良を討伐した覚えはない。
なんかからんでくる集団がいたから返り討ちにしたという位のものである。
だが噂が噂を呼びあいつを倒せばこのあたりのトップだといわれるようになり、名を売ろうとしたバカも現れる始末。
しかし、祓魔師なんて戦闘のプロを叩きのめせる彼に地元の不良が叶う道理はない。
「じゃあなんでその悪魔が正義の味方ごっこしてんのよ!?」
「知らねえよ、俺は逃げる!こんなとこで死んでたまるか!」
最後に残っていた男も逃げ出してしまった。
路地には倒れた男たちと美香のみが残される。
「ちょっと、待ちなさいよ!」
「なあ」
「ひっ、あ、あたしの家は政界に影響があるほどの名家なんだからね!こ、こんなことしてただじゃ済まないわ!アンタは正義の味方じゃなくて犯罪者になるのよ!」
「正義の味方・・・ねえ?はっはっはっは。残念ながらパパの仕事は必要ない」
「はあ?」
「ちょっと二度手間なことがあってイライラしててな?八つ当たりみたいなもんだ。それに助けた子も可愛かったし、好感度あがったと思うし・・・一石二鳥だな」
「なによそれ・・・じゃあ、あたしは見逃してもらえるの?お金なら好きな額言ってよ」
秀介が義憤に駆られて介入したわけではないと分かると、落ち着きを取り戻したのか強気に戻る。
どうやら今までの男と同じく金で何とかなると思ったのだろう。
だが―――
「ふむ、お前もなかなか・・・よし」
「え?きゃあっ!」
突然秀介は美香の事を押し倒す。
「な、何するつもりよ!」
「何って、ヤるんだよ」
「はあ?ふざけないで!離してよ!」
「おお、これで一石三鳥だ」
実に楽しそうに美香の服に手をかける。
「うそよね?冗談でしょう?」
「ククク」
「い、いや・・・・やめてえええええええええええええええっ!」
「はっはっはっはっは」
どうやらあだ名は『悪魔』で問題なさそうである。
~20:30~
「今日はなかなか有意義だったな。写真も撮って脅したしダイジョブだろ。・・・・・・・・・・まさか、あれでMッ娘だったとはなあ」
既に日は暮れており、秀介は蛍光灯に照らされたアパートの階段を上る。
「ただいま~~」
「おかえり。遅かったわね」
エプロンで手を拭いながら同居人―――夕麻と呼ばれる少女があらわれる。
「まあ、ちょっとな」
「ふ~~ん。休日は満喫できたかしら?」
「ああ、ばっちしだ」
「そう。それは何よりね。釣ってきた魚、フライにしたんだけど・・・先にお風呂入る?なんか汗臭いわよ」
そりゃそうである。
「あ、あ~~~~。うん、先に風呂入ろうかな?うん、汗臭いし。そうしよう」
「?」
~21:00~
「あぶねえな。危うくばれるとこだった」
そう言って湯船につかるサイテー野郎。
「ま、今回はセーフってことで。あーあ、明日から学校かあ」
そう言ってだらーっと全身を伸ばす。
この湯船はなかなかに大きく、秀介が部屋を選ぶ際のキーポイントとなったところでもある。
「明日は兵藤の鍛錬に付き合って・・・ああ、姫島になんかお礼しねえとな。塔城へのお菓子は冷蔵庫にあるし、宿題は・・・ないな」
この男ふだんからかなり長風呂であるため、次の日の予定も風呂で立てている。
だがそのほとんども女関係な事に彼自身気付いているのだろうか?
「ねえ、秀介」
「あん?」
脱衣所の方から夕麻が彼に声をかける。
刷りガラス一枚を隔てて洗濯物を分けている夕麻の姿が秀介にも伺えた。
「なんだ、一緒に入るか?」
「・・・・・・・・・・・・・・」
「どうした?」
姿は見えるのに反応が無いことをいぶかしんだ秀介が尋ねる。
「・・・・・ポケットの中からうっすぃーのの包みがでてきたんだけど。カラの」
「あ」
因果応報、天罰覿面、NICEBOAT・・・
SIDE ???
「ただいま」
「どうしたんだ、美香!こんな遅い時間まで、何をやっていた!!」
「ああ、うん」
「パパもママも心配したんだぞ!」
「ああ、うん」
「まさか、男か!?ゆるさんぞ!新山家の長女がどこの馬の骨ともしれん男と!」
「ああ、うん」
「美香?おい、聞いているのか!?」
「うん?パパいたんだ。あたし、今日はこのまま寝るね」
「は?おい、美香!!」
バタン
「・・・・・やだ、まだ体から彼の匂いがする。・・・・・・・はう、秀介さま・・・。」