正直全然自信が無かったので、誰もしてくれないかと・・・
書き貯めはここまでです。
亀更新じゃなくて、ウサギ投稿にしようかな?
ガッと投稿してちょっとブランク、みたいな
各話5000字目指してますが、意外と長い。
でも話は遅々として進まない。
空は暗い。教会までの道には街灯があるが、この古びた教会の周りには存在しないのだ。
いや、あるにはあるが点灯していない。電力の供給が行われていないのだろう。
俺たちは教会のすぐ近くにある雑木林の中に身を潜めている。
「ここが一番教会の様子をうかがえる。・・・どうした?」
兵藤が顔を青ざめさせて胸を押さえている。息も荒い。
「さっきから気分が悪い。なんていうか、背筋が寒くなる感じだ」
「悪魔だからじゃないのか?堕天使が占拠しているとはいえここは神の領域だろ?」
アーシアを送ってきていた時もしんどそうだったし、この調子じゃ兵藤と初詣とかにいくのはもう無理かな?
「それもあるけどね、それだけじゃないみたいだ」
木場が隣に来て自分も腕をさする。
「というと?他になんかあんのか?結界とか」
「いや、教会の中からかなり強い気配を感じる。堕天使があの中にいるんだ。あいつらの気配は独特だから間違いないよ」
「へえ」
俺は何も感じないがな。悪魔には感じられるのだろう。
ずずっ
コーヒーをすする。
「・・・・なんでお前はそんなもん持ってんだよ!カセットコンロもどっから出してきた!?」
「飲むか?ちゃんとドリッパーでいれた俺のオリジナルブレンドだ」
予備のマグカップを三つ持ってくる。
「お砂糖とミルクはありますか?」
塔城がマグを受け取る。
「あるにはあるが、カフェオレもあるぞ?」
「じゃあそれでお願いします」
「僕は紅茶がいいかな。レモンはあるかい?」
木場も隣に座り込む。
「あるぜ。ティーカップじゃないからうまく入るかどうかしらんが」
「なんで二人とも普通に受け入れてんの!?ここカフェじゃないよ!?雑木林だよ!?」
兵藤が何やらわめいている。
「うるさいぞ兵藤。向こうに気付かれる」
「先輩、うるさいです」
「兵藤君、静かにね」
「くそう、畜生!!」
声を押し殺して泣き崩れる。情緒不安定か?
「青江、俺にも入れろ!!ミルクコーヒーをノンシュガーで!」
「あいよ」
四人分入れるとちょうどポットのお湯はなくなった。
「それにしてもずいぶんとたくさん持ち込んでいるんだね」
俺がほかに何かないかあさっていると木場が訪ねてくる。
「まあな。しばらくここで暮らしてたんだ。いやでも揃うさ・・・・っと。クッキーがあったけどたべ『いります』」
塔城がこちらが言い終える前に返事をした。
「ほらよ」
「ありがとうございます」
両手に持ってカリカリかじり始める。小動物みたいでなでたくなってくるな。虎徹に相通ずるものをかんじる。
「ここで暮らしてたって、まさか行方不明になってずっとか!?」
「そうなるな。公園で水浴びくらいはしてたんだが基本的には一日中ここにいたな。・・・もしかして俺臭かったりする?」
「いえ、大丈夫です」
塔城がフォローしてくれる。
良かった、体臭ってのは自分じゃ気付かないから。
むしろ自分で分かるほど匂う時はよっぽどだ。
「俺は学校でどんな扱いになってる?死んだことになってんのか?」
ずっと気になっていたことを兵藤に尋ねてみる。
「いや、そんなに長い期間じゃないからそこまでは。ああでも元浜と松田、あと桐生は心配してた」
おお、俺にもそんなやつが。くっ!ちょっと感動しちまったぜ。
「やくざの情婦に手をだして東京湾に沈されたんじゃないかって」
自分がふだんどう見られてるかよくわかる。
まあ、気に入った女だったらやくざとか気にせず奪うだろうが・・・。
四人で頭を突き合わせて見取り図を眺める。
「聖堂の他に宿舎。怪しいのは聖堂だろうね」
と、木場は図の聖堂を指さす。
「まあ、如何にもって感じだな」
「うん。この手の『はぐれ悪魔祓い』はね、大抵聖堂の地下なんかで怪しげな儀式を行うものなんだよ」
「自分たちを見捨てた神への冒涜に酔いしれる、か・・・。けっ、みみっちい。小学生の悪口ノートかよ」
誰でもあるんじゃないか?ノートの端に『しねしねしねしね』って書いたりとか。
「君が言うと、ほんとにくだらなく聞こえるよ。・・・入り口から聖堂まで目と鼻の先。肝心なのはアーシアさんのいる場所の確認と待ち受けているであろう刺客の排除だね」
確かに地下室うんぬんは『はぐれの一般論』だ。アーシアが本当にそこにいるという保証はない。
それにあそこには確実にフリードがいる。木場と塔城の実力は知らないが、少なくとも兵藤一人では絶対に勝てないだろう。
他のエクソシストもあのレベルなら・・・・。
「行こう。木場、小猫ちゃん、そして青江。絶対アーシアを連れて帰るぞ!!」
全員を見回して拳を握りしめる兵藤。さっきまで死ぬ覚悟だった奴が、調子のいいやつめ。
「くくく・・・ああ、いこうぜヒーロー」
バン!!
勢いよく教会の扉を開き、中に突入する。
聖堂内は蝋燭に照らされており意外と明るい。
一見普通の聖堂だが、磔にされた聖人の彫刻に首がない。
無残に破壊された頭部は祭壇に飾られている。
「来たな、悪魔どもめ」
聖堂内には十人ほどのエクソシスト達がいた。全員同じ神父服に身を包み同じ覆面をしている。フリードとはえらい違いだ。
「見るからにモブなんだが・・・。ショッ○ーかっての」
「ふん、減らず口もそこまでだ。切り刻んでくれる」
ブオンという音を立てて神父全員が光の剣やら銃をかまえる。
「じゃあ、お互いの健闘を祈って」
木場が腰に佩いた剣を抜刀する。
「・・・・いきます」
「プロモーション・『戦車』!!」
こちらも全員戦闘態勢に入る。戦闘開始だ。
「俺から行くぜ?」
そう宣言すると、俺は敵の集団に向かって駆け出す。目標はさっき敵側の音頭を取った奴だ。
「なめるなぁ!!」
奴は横なぎに剣を振ってくる・・・が、遅い。
即座に身をかがめやり過ごす。振り終えた直後は隙だらけだ、フリードのように銃を使ってくることもない。
腕を伸ばして頭を掴む。そしてそのまま聖堂内の長椅子の角に叩きつけた。
ごしゃり
相手の後頭部に角がめり込む。
「死因は角ですってか?」
「おのれ!!」
バン、バン!!
呆然としていた他の奴らが銃を撃ってくる。
銃の相手は初めて、ずっと日本にいたから実物を見るのも初めてだ。
「おわっ、あぶね!」
頭のすぐ横を弾丸がかすめる。
躱すなんてできるわけないからさっき殺った奴を盾にして銃弾を防ぐ。そのまま近くの銃持ちの目の前まで突き進み、
「ほらよ」
死体を押し付ける。
「なっ!?」
押し付けられた奴はつい銃撃を止め受け取ってしまう。
「かわりにこれ、もらうぜ?」
相手の手からすんなりと銃を奪う。
くるりと持ち替えて奪った銃のグリップで顔面を殴った。
「二人目」
銃撃はやんでいた。あたりを見回すと木場達も戦っている。
おわ、搭乗のやつ長椅子引っこ抜いてぶん回してら。あの小さい体のどこにそんな力があるのか。
木場もすげえ、なんだよあのスピード。目で追えねえ。
戦闘技能で負けているつもりはないが、やはり悪魔の基礎能力は別次元だな。
兵藤は・・・・まだスタート地点でオロオロしている。
責めるつもりは無い。ついこないだまでふっつーの高校生だったんだ、むしろグレモリーの言うとうり俺が異常なのだろう。
「さて」
手に握った銃を手近な剣持ちに向ける。
「くっ」
「あばよ」
引き金を引く。
銃弾は相手に向かっ・・・・。
かちり
「・・・・・・」
「・・・・・・」
あれ?
ぶんぶん
銃を振ってみる。
もう一回引き金を引いてみる。かちかち
「・・・・・・」
「・・・・・・」
銃口を覗いてみる。うん、弾丸はあるっぽい。
引き金を引く。かちかちかち
「・・・・・・」
「・・・・・・」
がんがん
しゃがんで床に叩きつける。
かちかちかちかちかちかちかちかちかちかちかちかち
「・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・なあ、木場ぁ」
「っと、何だい?・・はあっ!青江君」
戦いながら律儀に返事をする木場。
「奪った銃から弾が出ないんだが」
「安全装置が掛かってるんじゃないかい?」
「安全装置?」
さっき殴った時にかかったのか?
「どれだ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・わからん。」
銃の横には文字が刻んである。で・・ざーといーぐる?デザート・イーグルか。
よし。
「くらえぇぇぇぇっッ!!!俺の、デザァァートォッ・イーグルッッ!!!」
使えない銃をそのまま敵にむかってシュウゥゥゥゥット!!超・エキサイティン!!!
「ぐはっ」
「ふっ、他愛無い」
「ぎゃあああ!!」
左手で神父の一人の指を掴み、指をへし折る。
怯んだ隙に首元の喉仏を右手の人差し指、中指、親指の三本で掴み思いきり引き抜いた。
「四人目」
「ふんっ!!」
右足で踏み込む際に震脚の要領で足の甲を踏み砕く。
相手の足を縫い付けたまま右肘で顎を打ち上げ、曲げていた右腕を伸ばし、がら空きの胴体に逆手持ちしたナイフを下から突き立てた。
「五人目」
十人ほど、正確には十八人いた神父は全滅した。
「なんでえ、全然じゃねえか。フリードくらい強いかと思ってたぜ」
俺は五人倒した。
「悪魔祓いをそんなふうに言える君が恐ろしいよ」
木場は七人。
「なあ、俺要らないんじゃないか?一人も倒してないんだけど」
兵藤は・・・・ゼロ。
「・・・・・先輩、役立たず」
「小猫ちゃん!?」
塔城が六人だ。
全員無事だ。後はアーシアを探すだけ―――
「すんんんんんんばらしい!!あの人数を瞬殺とは!!まあ、数だけの雑魚ばっかだったけどんね♪」
なわけないよな。
「ハハハ、てめえらアーシアたんを助けに来たんだろ?俺の仕事もね!邪魔することなわけよ!だけどォ、お前!そこのオマエ!」
こちらを指差してくるフリード。
「俺?」
「そうそうチミチミ!ボクちん君のことが忘れらんないの!ほら、俺、メチャつおいから悪魔なんて初見でちょんぱなわけですよ!それが俺の生きる道でした!でも同時に飽きてきてたの、そこにオマエ!もう悪魔に媚び売るビッチなんてどうでもいいの!殺し合おう?そんで俺の剣とお前の心臓がフォーリンラブすんの!興奮しない!?するよね?ってことで死ィィィィねえええええ!!」
「おい!アーシアはどこだ!」
「ああ?邪魔すんなよ。そこの祭壇裏から地下に行けるって。ねえもういいっしょ、もっかい言うよ。邪魔すんな!!!」
あっさりと秘密をばらすフリード。おいおい、こいつ守備に回らせたの絶対まちがいだって。
フリードは今度こそ俺に向かって駆けて来る。
他の三人なんてアウトオブ眼中だ。
ギィン!!
「僕たちのことも忘れてもらっては困るよ」
木場が飛び出してフリードの剣を受け止める。
ギャリギャリと耳障りな音と火花を散らし鍔競り合いする二人。
フリードの剣ってジェダイの騎士が持ってそうなのに物理なんだな。
「・・・・潰れて」
塔城も担いでいた長椅子をフリード目がけて投げつける。
「っちィ!!」
流石にこの二人に囲まれてはフリードもヤバいのだろう。舌打ちをしながら後ろに飛びずさる。
「お前を殺すのも魅力的だが、こっちにも優先順位というものがある」
こいつとは後で殺り合うこともできるが、アーシアの救出は一刻を争う。儀式は既に始まっているはずだ。
「・・・・ちぇー。俺もさっすがにこの面子は無理ですわ。はいはい、今日のところはこれで引きますよ」
いじけて小石を蹴っ飛ばすジェスチャーをするフリード。
「けど、次あったら絶対殺すかんね!そこんとこシクヨロ!えーっと、名前なんだっけ?」
「青江秀介」
「そんじゃシューちゃん!!絶対殺しに来っから、毎日首は磨いててね♪そんじゃ、ばーいちゃ♪」
そう言ってフリードは缶のようなものを投げる。
カッ!!
強烈な光が俺たちの目をくらます。
目を開いたときには既にヤツの姿は無かった。
あれが閃光弾ってやつか。逃げ足も一級品だな。引き際もわきまえている。狂ったように見えてなかなか冷静な行動だ。
「・・・・あいつ、秘密ゲロりに来ただけだったな・・・」
兵藤がぼそりと呟く。
確かにな。
フリードが去った後、俺たちはまだ息のある神父どもを拘束していた。
俺は止めをさしてもいいが、木場達が始めてしまった。
幸いそんなに時間はかからず、全員縛り終えた時
「みんな、気を付けて!!すぐ近くに堕天使がいる!!」
気配を感じたのか木場がそう叫んだ。
「最初からいた奴とは違うのか?」
「うん、相変わらず地下からも気配がする。多分増援だ」
「なんだって!?」
「・・・・・」
まずいな、いまもう一人の相手をしていては時間がかかりすぎる。
だが無視して進んで後ろから挟撃されるのも避けたいところだ。
どうするべきか・・・
コツコツ
聖堂の出入り口の方から足音が聞こえてくる。
「ほう?なにやら騒がしいと思って来てみれば、悪魔が神聖な教会に何の用だ?」
入り口から姿を現したのはトレンチコートを羽織り、同色の帽子を被った男だった。
「おっ、お前は!!」
兵藤が男を指差し驚愕の声を上げる。
「・・・知ってんのか?」
「知ってるも何も・・・こいつに俺は殺されたんだ」
なんだと?・・・なるほど、つまりこいつが夕麻の言っていた仲間の堕天使なのだろう。
たしかドーナシークとか言ったか。
「お初にお目にかかる悪魔ども。わが名は堕天使ドーナシーク、お『ふざけんな!!』」
「お前らアーシアに何するつもりだ!」
「・・・・紳士の名乗りを妨げるとは、やはり下賤な悪魔か」
ため息をついて小馬鹿にした様に肩をすくめる。
そして兵藤を見つけると
「ん?小僧、お前はあの時の・・・だが気配は悪魔のもの。そうか、あのあと転生したのだな。それにしては力を感じない」
「くうぅぅぅっ!!馬鹿にしやがって!俺だってなあ!!」
歯を食いしばり、涙を流す兵藤。
「フン、なんだ結局不安要素でも何でも無かったではないか。とんだ無駄手間だったな」
「・・・・時間がありません。どうしますか?」
塔城が顔は奴に向けたまま俺に尋ねてくる。
「そうだな・・・・木場、下のやつとこいつどっちが強い?」
「多分下だね。恐らくこいつよりも数段強い」
そうか、なら決まりだな。
「よし、お前ら三人さっさと下に向かえ。こいつは俺に任せろ」
「「「なっ!?」」」
「ほう?」
「何言ってんだよ青江!」
「そうだよ青江君。もう一人より弱いといっても相手は堕天使。さっきの神父なんかとはケタが違う。あまり舐めない方がいい」
「・・・・先輩もバカですか?」
おーおー、言いたい放題言ってくれちゃって。寄ってたかっていじめですか?
「バカはお前らだ。俺たちには時間がない。地下にはまだ神父たちもいるだろう。そしてこいつ以上の堕天使がいる。戦力の分散は当然、この分け方がベストだ」
「でも!!お前は俺たちとは違う、人間なんだぞ!?」
「・・・・わかったよ」
「木場!?」
「兵藤君、彼の言うことももっともだ。僕たちの目的は何だい?」
「それはっ」
「兵藤。おまえはアーシアの友達で、友達を助けるために主に逆らったんだ。覚悟を決めたんだろう?何があっても、どんな手を使っても助け出すと」
「・・・・・」
「行って来いよヒーロー。囚われのお姫様は目と鼻の先だぜ?」
「・・・ああ、そうだな、そうだったよ。俺はアーシアを助けると決めたんだった。・・・サンキュー、青江!!」
そう言って兵藤は祭壇に向かって駆けだす。
「ふふ、青江君。帰ったら僕と模擬戦をやってくれないかい?」
そう言って木場も俺の横を駆け抜ける。
「いいね、愉しそうだ」
三人は祭壇にむかう。
塔城が持ち前の怪力で祭壇ごと隠し扉を床から引っぺがし、順番に中に入ってゆく。
「先輩」
「あん?」
声に振り向くと、穴から顔を半分だけ覗かせた塔城と目が合った。
「スイーツの件、お忘れなく」
それだけ言い残すと、そのまま穴の中へと消えていってしまう。
「へっ」
何作ろうかねえ?