人機重唱シンフォギア―Sinfonia×Rize―   作:ブレイアッ

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前回のあらすじ
どこか一般人離れした身体能力を見せる主人公、彩夢。でもノイズに触れたら即死だよ!
必死に戦った末に手に入れたのはゼロワンの力。
さあ、どうなる第2話!


2話『ゼロワンを受け継いだ者』

 

「変身ッ!」

 

《飛び上がライズ! ライジングホッパー!》

《A jump to the sky turns to a rider kick.》

 

 

「姿が……変わった……ッ!」

 

 ゼロワンへと変身した彩夢は、自分の両手を見る。

 黒いグローブに覆われた手、グッと握りしめれば、全身に力が滾る。

 

「っ!」

 

 ドリル状に変形し、突撃してくるノイズ。

 顔面めがけて飛んでくるそれを、咄嗟に両手をクロスさせてガードする。

 

「ノイズに触れたのに、手が炭化しない! これならッ!」

 

 前に跳躍。一瞬でノイズとの距離を詰め、水平に凪ぎ払うように蹴りを放つ。

 

「うわっ、と、と!」

 

 しかし、蹴りはすり抜け、空振りに終わった。

 衛星ゼアと直結した頭脳にノイズのその能力の情報が伝えられる。

 

「これが、位相差障壁……!」

 

 異なる世界に己の存在を跨がせることでこちらの世界への存在比率を下げ、500の攻撃を限りなく0に近く減衰させて攻撃を無効化させるノイズ最強の盾。

 これを突破するには位相差障壁の緩む攻撃の瞬間を狙うか、減衰されても問題ない程の強大な力による攻撃をぶつける他ない。

 

「殴るより強い蹴るで効かないとなると、何か武器……うぉっ!」

 

 ドライバーの中心部にあるリング、正確にはその中心にあるバッタが顔を覗かせる照射形成機(ビームエクイッパー)より多次元3Dプリントを可能とするモデリングビームが宙に照射され、アタッシュケース型のアイテムを構築する。

 

《Attache case opens to release the sharpest of blade!》

 

「こいつを使えって事か!」

 

《ブレードライズ!》

 

 構築されたのは、アタッシュケース状態から黄色いラインの走る片刃の剣へと変形するゼロワンの武器、アタッシュカリバー。

 トリガーを引き、エネルギーを込めた刃を横一文字に振り抜いて目の前のノイズを深く切り裂く。

 

「なっ、マジか!?」

 

 しかし、炭素と崩すには至らなかった。

 破壊力が足りず、ノイズの傷が再生していく。

 

 ノイズには炭素転換と位相差障壁の他に、厄介かつあまり知られていない能力がもう1つある。

 それが再生能力。生半可な攻撃では位相差障壁を緩めていないノイズにダメージを与えられてもすぐにゼロにされる。

 相対すれば基本的に殺されるこの世界では反撃することが稀だ。そして反撃したとしても位相差障壁にほとんど無力化される。

 故に今の人類にとって、ノイズに再生能力があろうが無かろうが関係無いのだが、ことノイズに生半可なダメージを与えられるゼロワンだと話が変わる。

 

 目の前のノイズを切り裂く。深い切り傷を与えたものの倒すには至らない。

 背後から奇襲を仕掛けてきたノイズを振り向きざまに切り裂く。今度は炭素と崩れ落ちた。

 

「位相差障壁の度合いによって再生されるか倒せるか、ダメージが変わるのか……!

 でも再生中は動きが止まる。ダメージをゼロにされても隙は出来るって事だ!」

 

 意識を両足に集中。エネルギーがライジングホッパーのライダモデルの足の形を取り、それを一気に爆発させて跳躍。

 床を蹴り、壁を蹴り、天井を蹴る。室内という環境を十全に使いこなし、四方八方を立体的に跳び回り、すれ違いざまにノイズを切り裂いていく。

 すべてのノイズを切り裂き、しかし倒しきれずにノイズの再生が始まる。

 

「この瞬間ッ!」

 

 それこそが狙い。

 ドライバーからキーを引き抜き、閉じてアタッシュカリバーに装填する。

 

《Progrise key confirmed. Ready to utilize.》

「こいつでッ!」

 

《Grasshopper's ability!》

 

 黄色い光のラインが宙を走り、刃にエネルギーが集中。

 

「どうだッ!」

 

 横一閃、振り抜き、回転。

 ゼロワンを中心に同心円状に黄色いエネルギーの刃が飛び、再生途中で動けないノイズを切り裂いていく。

 

《ライジングカバンストラッシュ!》

 

 切り裂かれたノイズはそのすべてが炭素と崩れ落ち、ついに彩夢を追い詰めていたノイズを一掃した。

 

「はぁーっ……っ、しゃぁッ!」

 

 息を大きく吐き、拳を握る。

 震える手は、勝利の喜びか、遅れて来た恐怖か。

 

「そうだ、立花ッ!」

 

 この力ならノイズと戦える。

 この姿なら響達を助けられる。

 

 ゼロワンは、響の元へ行こうと廃ビルから飛び出した。

 

 

 カチャ。

 

 

「動くなッ!」

 

「──ッ!?」

 

 飛び出したゼロワンを迎えたのは、無数の銃口。

 

「なっ、レイダー!? 特異災害対策機動部一課が、何で……」

 

 それを構えるのは、インベイディングホースシュークラブレイダー。通称『バトルレイダー』。もしくは単に『レイダー』と呼ばれる者達だ。

 

 

 『レイダー』

 

 

 23年前の2020年、『ZAIAエンタープライズジャパン』という会社が、当時の社長である天津垓の主導で開発した兵装、レイドライザーとプログライズキーによって人間が「実装」した姿。

 仮面ライダーの敵として、平和を乱す存在として現れたレイダーだったが、ここ数年で「レイドライザーとプログライズキーのみ」という携行性の高さで、あらゆる通常兵器を上回る点が着目され、対ノイズ用兵装としてノイズを相手にする特異災害対策機動部一課に配備されるようになった。

 

 ノイズの炭素転換は無効化出来ず、触れれば終わりなことに変わりは無いが、強化された身体能力は生身のそれを凌駕し、回避という形で生存能力を高めている。そして、マギア同様、位相差障壁を抜ける程の攻撃によってノイズの撃破率も高い。

 今では、ノイズの脅威から平和を守る存在として、人々から認識されている。

 

 

 そんなレイダー達が、ゼロワンに銃口を向けている。

 バトルレイダーは、廃ビルを背にするゼロワンを要と見て扇形に展開し、取り囲む。

 

「お前は何者だ! 何故ゼロワンに変身出来る!」

 

 鋭く通る声でゼロワンに問いかけたのは、40代くらいの生身の女性。

 レディーススーツの上に防弾チョッキを身に纏い、白髪が混じった黒髪のボブヘアー、口元のホクロが特徴的な彼女が銃を構える様は、恐ろしく堂に入っている。

 

「それは、ゼロワンは! ()()()()()()()()()()()()()ッ!」

 

 彼女の名は『刃唯阿』。かつて仮面ライダーバルキリーとして様々な戦いに挑んだ仮面ライダーの1人。

 

 ゼロワンは、彩夢は彼女を知っていた。

 

「刃……先生……?」

 

 震えた声でその名を口にする。

 

「その呼び方……! まさか、彩夢……なのか……?」

 

 唯阿が銃口を下げたのを見て、ゼロワンはドライバーからプログライズキーを引き抜き、変身を解除する。

 

「刃女史、彼を知っているのですか?」

 

 隊長格であろう肩の一部が赤いバトルレイダーに問われ、唯阿は口を開いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「彼は、飛電彩夢。3年前に亡くなった飛電或人の──息子だ」

 

 

 

 

 




刃唯阿(47)

他にノイズいるのに何でレイダーがこんなとこにいるのかって言うと、シンフォギアが出撃してるからです。
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