山岳ゾーンで“滑落した登山客の救助”を想定した訓練を終えて、次の内容に移るべく倒壊ゾーンに移動した緑谷 出久は不安を抱かずにはいられなかった。
訓練内容は震災直後の都市部にヒーローが駆け付けたという設定で、十七名は被災者役として隠れて救助を待ち、ヒーロー側に選ばれた四名が捜索及び救助を行うものである。
残りの授業時間内でヒーロー役を回さなければならない都合上、隠れるのに二分と捜索・救助に八分の合計十分という短い時間しか与えられず、どれだけ迅速に行動できるかが鍵となる訓練だ。
訓練内容の難しさもさることながら、不安の原因は自身と同じく選ばれたヒーロー側にあった。
選ばれたのは緑谷に麗日、それと爆豪と峰田。
爆豪は誰にでも憎まれ口を聞いて一筋縄にはいかず、特に緑谷が関わるとより気性が特に荒くなって団体行動が取り辛くなる。
ここまでなら良かったのだが、彼は欲望に忠実過ぎて暴走しかねない面を持っている。
無事に終われば良いけどと不安を胸に抱いていると、13号より訓練の説明を受けながらもその視線は蛙吹や芦戸などの女生徒の
「被害者を運ぶ際に胸や臀部に触れてしまった場合、なにか罪に当たるか否か」
「君に限ってアウトだよ。峰田君」
「罪に問われなくとも訴えられる事はあるらしいぞ。そして無罪になったとしても訴えられた事実というのは残る。将来ヒーローという注目を浴びる仕事に就くならそう言ったのは響くぞ。なにせ初対面の人を判断するのには完全なマイナスであり、多くの人は内容より最初は
「…はい。すみませんでした」
さすがに黙って入れずに注意をしたが、思いのほか低い声が出てしまった。
続くように携帯を片手に淡々と告げる扇動の言葉も相まって、なにかしらする前であるが峰田は深々と頭を下げて謝った。
これで落ち着いてくれるかなと一つの懸念が晴れると、もう一つの懸念が訓練開始直後に現れる。
「俺に付いて来いカス共!!」
スタート合図がされるや否や、爆破を用いて爆豪は飛んで行った。
自分勝手な言動に峰田が憤慨して、聞こえないのを良い事に文句を叫ぶ。
確かに自分勝手な行動だけども
山岳ゾーンでの救助訓練でも13号先生に言われたが、救助というのは時間との勝負。
なら爆豪の機動力は大きな力となり、強弱の調整が出来る破壊力に高い判断力は迅速な救助に向いている。
連携をとる事も大事であるも、そちらばかりに偏ってしまえば彼の長所を間違いなく殺す事になる。
ここで思考を
悩んだり不安に駆られていたって、訓練時間を無駄にして捜索活動に支障が出るばかり。
「じゃあ声の届く範囲で散って捜索しよう!」
今は目の前の訓練に集中。
特にむーくん辺りは捻くれた隠れ方をしてそうなので、探し出すのに苦労しそうだし…。
苦笑いを浮かべた緑谷は少しでも多く見つけようと駆け出す。
目を凝らして辺りを見渡しながら声掛けをしていると何処からか助けを求める声が返って来た。
声の方へ向かっている途中、同じく声を聴いた峰田と合流して被災者役の尾白を発見した。
ただ尾白は落とし穴のように瓦礫の中に出来たちょっとした空間に居る為、助けに言った場合は出る事が出来ない。
そこで転がっていた鉄パイプに峰田の個性である吸着力の高いボールをくっ付け、さらに瓦礫をくっ付ける事で簡易梯子を制作する。
普通に立って助けを求める様子から怪我はなく動けると判断して、梯子を降ろして自力で昇って貰う事に。
「よく思いつくよな」
「昔からヒーローの個性活用を考えるのが癖になっちゃって」
素直に褒められたのを受け取り、微笑んでいると
疑問符を浮かべながら振り向くと、少し離れたビルが砂煙に包まれている。
「なんだアレ?」
「分からないけど…行ってみよう」
もしかしたら何かしらの事故が起きたのかも知れない。
尾白を救出するとそのまま音の発生源であるビル周辺に向かい、当初とは異なる不安にぶつかる事になってしまった…。
少し急いで現場に到着した先に居たのは困惑する麗日と被災者側の耳郎と飯田。
それとガスマスクで顔は見えないがガタイの良い男性…。
誰だと言う疑問より先にその手に持つ
「轟君に…むーくん!?」
「ヴィラン!?なんでここに…」
左右それぞれに扇動と轟が首根っこを掴まれてぐったりとしている…。
信じ難く信じたくない光景に唖然とする。
あの二人を相手にして傷一つ見受けられないヴィランはかなりの脅威だ。
それも襲撃時より潜んでいたというなら
どちらにしても状況は最悪。
相澤も13号も怪我が癒えておらず、戦えるような状態ではない。
戦うか逃げるかという選択肢があるのなら、逃げて救援を呼ぶのが正解なのだろう。
だが、扇動が
「皆さん逃げて下さい!入り口へ早く!」
「逃がしゃしないさ。全員まとめて―――死に晒せぇえええええええ!!!」
事態を知った13号が慌てるように叫ぶも、ヴィランの方が動きが早かった。
思いっきり地面を踏みつけると大きな揺れと共に視界を覆い切るほどの粉塵が舞い、晴れるとヴィランを中心にクレーターが出来上がり、周辺のビルや瓦礫が積み上がって巨大な壁が形成された。
「誰一人逃がさんぞ!!」
力強く余裕を持った声色と見せつけられた力に対峙していた皆が息を呑む。
例外一人を除いて…。
「勝手に
爆発音を連続で響かせながら猛スピードで爆豪がヴィランに
当たり前だがそれだけの爆音と罵声を浴びせた事から気付かれ、振り返り様にヴィランは
しかし寸前で爆豪は軌道をずらして、本来の目標であった扇動を掴む手に爆破を喰らわせた。
痛みと衝撃から手が緩み、立て続けて
掴みが緩んだ上の爆破によって扇動はヴィランの手から離れ地面を転がった。
「かっちゃん!?」
「逃げてぇ奴は逃げてろ!こいつは俺がぶっ潰す!!」
「人質諸共に攻撃か。ヒーローを目指す者には到底思えんなぁ」
「うるせぇよクソヴィランが!!アイツは俺がぶっ倒す予定だったんだよ…なぁに勝手にやってくれてんだ、オイ!!」
爆豪は恐ろしい形相で猛攻を仕掛けるも、圧倒的な実力差があるのか扇動が居なくなった事で自由になった片手一つで簡単にいなされてしまっている。
突然の出来事に驚いてしまった緑谷だが、考え直してみるとこれもまた間違った行動ではないと理解出来た。
八百万や耳郎が襲撃時に味わったように、人質が一度でも通じると理解させてしまっては後手に回るしかない。
どれだけ迅速に人質を救出するかが大事となる。
広範囲への威力から少なくとも弱くはないと判断した爆豪は、無傷での救出をあっさりと切り捨てて、多少の怪我をしても人質が居ても無駄であると知らしめ、救出を同時に行うように行動したのだ。
無個性である程度生活を知っている間柄ゆえに、コスチュームがただのファッションではなく防御面にも優れたものだと判断出来たし、サポートアイテムの幾らかが消火などで使える物から耐熱性も備わっていると予想出来た事もあって、手荒な救出劇を行う判断が出来た。。
…まぁ、自身が倒すべき目標と定めていただけに、他の誰かに負けた事への八つ当たりはあっただろうけど…。
「痛いだろうが!!」
実力差はあれども
振るわれたその一撃を見切って回避し、背後に回り込んで大きな爆発を起こして爆豪は、反動を利用して一度飯田の近くまで後退する。
「オイ!棒立ちしているだけの
「――ッ、君はどうしてそう憎まれ口ばかり!!」
戦う気がないなら避難しろ。
気絶しているのか動かない奴を救助しろ。
口にはしないが爆豪は相手との力量の差を理解しながら勝機を探り、周りが居るからこそ退けないし引く気も無い。
意図を察する事は出来たが言い方があるだろうと反感は抱かずにいられない。
…が、爆豪のそんな考えは真っ向から否定された。
「おいおい爆豪!その辺の奴らってのはねぇんじゃねぇのか?」
「一年A組21人!」
「全員一応ヒーロー志望なんだけど!」
切島の言葉に続くように咆え、誰一人欠ける事無く闘志をその目に宿してヴィランと対峙した。
数の差こそ得たけれど、ヴィランには余裕があるのが雰囲気で伺える。
「随分勇ましいな。しかし…ふん!!」
拳の一振りで地面を抉り、大量の瓦礫が雨のように降り注ぐ。
迎撃するは青山の“ネビルレーザー”。
光線が多くの瓦礫を切り裂いては砕き、撃ち漏らしを切島と砂藤が殴って壊す。
同時に耳郎は衝撃波を伴う音波がヴィランに襲い掛かり、瀬呂の肘から伸ばされたテープと八百万が創造した大砲より捕縛ネットが発射されて身動きを封じた。
この期を逃すまいと駆け出したのは緑谷だけでなく、飯田や障子や常闇などが轟救出とヴィランの拘束を行おうと駆け出した。
「まさか全員で挑んで来るとはな…だが!!」
腕力だけでテープと捕縛ネットを用意に引き千切り、自由になった腕が振るわれて風圧で駆けだした緑谷達は呆気なく吹き飛ばされた。
ヴィランへの攻撃と轟の救出は失敗した。
けれど攻撃で注意が逸れた隙に
これで多少はやり易くなった。
「攻撃で気が逸れている間に一人を救出したか。中々やるな。しかしその程度で俺は―――ッ!?」
どういう訳かこちらの行動がお気に召したように悦に入ったヴィランに、爆豪が背後より爆発を浴びせる。
爆豪は爆豪なりに出来る事を行う。
旗色が悪かろうが決して諦めず、考えながら
―――そう、爆豪は全力を出し切っていない。
戦闘訓練で見せたビルを大きく壊した大火力の爆破をまだ放っていない。
戦う前から訓練も込みで汗を掻いており、すでに十分な量は両手の小手に蓄積されている。
しかしながら撃つことは出来ない。
あれほどの大火力ならヴィランにダメージを与える事が叶うだろうが、同時に人質にされている轟までもその攻撃を受けてしまう。
「轟さんを救出しないといけませんわね」
「八百万さん。
「問題ありませんわ。まだまだ余裕はあります」
同じ考えを抱いていた八百万の一言に頷き、問いかけながら緑谷は思考を巡らす。
轟を助け出す策がない訳ではない。
それとヴィランを
自分が個性を使い熟し、出力を上げれて扱えたのなら良かった。
しかし訓練を受けて二日と短い期間ではものに出来ず、さらに個性の出力を上げて良い程肉体の強化も至っていない。
だから皆の協力と
緑谷達は扇動が設けた優先事項を元に強化鍛錬しているが、それだけで終わる筈がなかった。
一人一人に“自主的に”と言う事で課題を放り投げていたのだ。
まずは強力過ぎる個性を制御する事が第一の緑谷には、鍛錬での模擬戦を振り返って扇動が行った技術や戦い方を分析して、まずは知識としてものにする事。
思考能力と技術を優先している八百万には、創造する度に脂質を消費するので徹底したコスト管理が出来るように、自分の限界と創造物のコストを定めたり、コスト管理の
切島は筋力とスタミナによる硬化と持続時間の強化に並行して、全身力んで無駄にスタミナを消費させ続けるのではなくオン・オフを切り替えるみたく瞬時に硬化出来るようにする事などなど。
まだ八百万のコストに余裕があるのなら大丈夫と考え、振り返ってその場の全員の顔を見渡す。
「
まだまだやる気に溢れているA組の面々は集まり、緑谷の作戦に聞いて早速動き出す。
こちらの動きを感づかれないように青山や耳郎などの遠距離攻撃可能な面々が、戦い続けている爆豪を援護しながら注意を引き、瓦礫に寄る攻撃が行われたのなら腕力や格闘戦に自信のある切島や尾白達が瓦礫を砕いて護る。
八百万は個性を使用して特殊な砲弾を作り、峰田や飯田が要である仕掛けを用意し、芦戸や葉隠は意識の無い扇動に習ったばかりの応急治療を施し、緑谷は麗日と蛙吹と共にタイミングを見計る。
「さすがに疲れて来たな。そろそろ終わらせるとしよう」
「笑わせんな。まだまだこれからだ!!」
どれだけ挑もうと焦る様子も無く、余裕を持ち続けたヴィランは、幕を下ろそうと戦い続けて疲弊し始めている爆豪に意識を集中した。
それを…その瞬間を待っていた緑谷は見逃す事無く駆け出した。
「麗日さん!蛙吹さん!!」
「梅雨ちゃんと―――呼んで!!」
全速力で駆けだした緑谷を麗日が個性で浮かし、蛙吹が舌で捉えてぶつかり合おうとするヴィランと爆豪の間に放り投げた。
爆豪の爆破を正面から受けたヴィランは、視野に入れてなかった緑谷の奇襲に対応仕切れなかった。
飛んで行った緑谷は峰田のボールを掴んでおり、通り様に轟のコスチュームにボールをくっ付け、固定された轟をそのまま救出する事に成功。
「爆発のタイミングで!?」
ようやく見せた焦り。
そこにヴィランの頭上を
振り返って砲弾を警戒するも、今すぐ警戒すべきは緑谷であった。
救出と同時に麗日に個性を解かれた緑谷は着地すると、振り返って人差し指と
腕で個性を使った場合、対人で無意識に制御されてしまえば威力不足。
自損してしまったのなら万が一の場合には動けないだろう。
だから自損しても動ける指での個性発動。
それも一撃だけでなく二連撃を想定した攻撃。
扇動曰く、とある
さすがにそんな事は出来ないが、一発だけ放つよりは二連続で放った方が伝える衝撃は加算され、作戦はより成功率を上げる。
「―――
親指から弾くように伸びた人差し指より凄まじい集約された風圧が放たれ、代償として指は赤紫に染まって血を垂らす。
風圧は砂を巻き上げながらヴィランへと進み、さすがに片手で受ける訳にはいかずに両腕で防ぎきった。
やはりというかこれだけでは駄目だったかとすぐに二発目の中指を弾く。
一撃目で受け止めたために身動きの取れないヴィランに連続で二発目が叩き込まれる。
ただその二発目は衝撃だけでなく、頭上で炸裂した八百万の特殊砲弾が撒き散らした黒い粉を纏い、直撃したヴィランの周囲を黒い粉で満たした。
「クッ…なんだこれは?粉?」
「以前扇動さんに教えて貰いましたの。
「黒色火薬!?―――ッ!!」
「しねぇええええええ!!」
八百万が口にした黒色火薬と緑谷達がやろうとしている事を見抜いた爆豪は、躊躇う事無く小手のピンを引き抜いた。
戦闘訓練で放たれた大火力に加え、八百万がばら撒いた黒色火薬に引火した爆発は、攻撃の悉くを防いでいたヴィランを容易に吹き飛ばした。
そして吹き飛ばされた先には峰田の個性のボールがくっ付けられた大きな瓦礫が…。
ベタンと勢いよくぶつかったヴィランは全く身動きが取れなくなり、今度こそ完全に拘束することに成功したのだ。
「デク君。やったね!」
「お見事よ緑谷ちゃん」
「皆のおかげだよ。それに…」
打ち合わせも無くこちらのやろうとしている事を把握して、ヴィランが仕掛けに突っ込むように調整して爆破を放ってくれた。
やっぱりかっちゃんは凄い人だと思いながら緑谷は視線を向ける。
当の爆豪は凶悪な笑みを浮かべ、掌をバチバチと小さな爆破を起こしながら身動きの取れないヴィランへと歩み寄る。
「う、動けん」
「止めだ。クソヴィラン!!」
「ちょ…ちょっと待って。わたし……私は―――――――私がきてた!!」
「「「「オールマイト!?」」」」」
無理やり顔を瓦礫より引きはがすとガスマスクがすっぽ抜け、誰もが知っているオールマイトの顔が現れた。
驚きが隠せない皆の前でオールマイトは高らかに笑いだす。
「なぁーはっはっはっはっはっ。この前にあんなことがあったばっかりだし、サプライズ的にヴィランが出た際の救助訓練をと思ってね。いやぁ、予想以上に動きがテキパキしてて、さすが雄……えっ?」
能天気に笑っていたオールマイトは自身が置かれている立場に驚き困惑した。
周囲を見渡せば教え子の大半が般若のような顔と怒気を振り撒いて取り囲んでいるのだ。
ようやく理解して口を噤み、冷や汗を垂らして一言。
「あの…その……なんか………すみませんでした…」
「「「「やり過ぎなんだよオールマイト!!!!」」」」
そのまま非難を浴びながら成す術も袋叩きにされる
参加せずに眺めていた緑谷に先ほど救出された轟がムクリと立ち上がり、ゆっくりと近づいて来た事に気が付いた。
「轟君!」
「あぁ!?テメェもこのクソサプライズ共犯か!!」
「…悪かった」
「って言う事は!」
轟はオールマイト扮するヴィランに襲われはしたが、即座にネタ晴らしされて協力を要請されていた。
ヴィランそのものがオールマイトに寄る嘘で、やられていたと思っていた轟も一枚噛んでいたとなると、当然もう一人のやられ役である扇動も…。
苛立ちを募らせた爆豪と一緒に視線を向けた緑谷は、既に立ち上がりオールマイト同様に取り囲まれている扇動を目撃した。
「酷いよ扇動くんまで!!」
「いや、悪かったって。13号先生に頼まれて仕方なく……」
「なぁにが頼まれて仕方なくよ!ペイント弾まで使ってノリノリじゃない!!」
「扇動さん。物事には限度というものがありますのよ!!」
怪我の具合や容態を確認する為に仮面を脱がされた扇動の後頭部には、べったりと血がついているように見える事から、負傷した役として自身でペイント弾を撃ったのだろう。
リアリティの演出としては間違ってないけど、やられたと思って心配した身としては責められても仕方ないと思う。
参加させられた側だったので袋叩きにはされてはいないが、あまりに非難が殺到していて爆豪も割り込む気が
「ごめんて。本気じゃなかったんだ」
「本気でなかったとしても緑谷君は指を負傷しております!これは学校としては非常に不味い事では!!」
「もう駄目ですからねオールマイト!ねぇ、デク君」
話を振られた緑谷は怒りよりも安堵の方が大きく、その場にぺたりと座り込んで笑みを浮かべた。
「サプライズで良かったぁ」
人差し指と中指は痛むが、そんなのが気にならない程に安堵に包まれる。
緑谷の心の底からの言葉に、ほんわかして“らしい”と微笑を零す。
「…緑谷少年」
「緑谷少年――じゃあねぇんだよ!!」
釣られてオールマイトもほんわかするも、この騒動の主犯にそんな事を許されない。
再び集中砲火を浴びる平和の象徴なのであった…。
ちなみにオールマイトのサプライズに協力した13号は、救助訓練終了後に後悔していた。
オールマイトから“突発的に出現したヴィランへの対応”を想定した訓練内容を聞かされ、必ずまとめ役を担うであろう扇動が居ては何人かは己の意思ではなく、言われるがまま任せてしまうだろう。
ゆえに扇動にサプライズ側に回って貰おうと山岳ゾーンで呼び止めたのだが、思いのほか非難を浴びている様子に悪いと思い謝りに行くと、「貸し一つですよ」と薄っすらと嗤いながら告げられてしまった。
なにやら作ってはいけない相手に貸しを作ってしまったようで、同じく前もって内容を聞かされていた相澤に助けを求めるも、「…俺は知らん」の一言で切り捨てられたのであった…。
便所に土間の土、オッパイーヌの硫黄、木炭、三役そろうと黒色火薬(たまぐすり)である
【DRIFTERS ドリフターズ】織田前右府信長より