伝説の超鬼殺隊員   作:ツキリョー

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第十一話です。何とかゴールデンウィーク期間に投稿できた・・こんな小説ですが、最後まで読んでくださると嬉しいです。それでは本編どうぞ


ブロリー激怒!!遂に覚醒!伝説のスーパーサイヤ人!!

那田蜘蛛山。炭治郎と累が死闘を繰り広げていた。一方その頃、累の指示により他の鬼殺の隊員を殺しに向かっている姉蜘蛛鬼は、自分の失態を後悔していた。

 

姉蜘蛛鬼(しくじった、しくじった!私だけは今までしくじったことなかったのに!家族ごっこを・・!!)

 

蜘蛛鬼の家族とはいえ、血の繋がりが無ければ知り合い等でもない他人同士の寄せ集めだったのだ。いつか殺しに来るであろう鬼狩りに怯え、仲間を欲しがっていた。この一族が使える能力は全て累のものであり、家族になることを交換条件に分けてもらったのだ。そして下弦の伍である累は、鬼舞辻無惨のお気に入りでもあった為、多少の勝手な行為も許されていた。累の要求に従わなければ地獄のような仕打ちを受けるため、姉蜘蛛鬼は自分が良ければいいと考えていた。母蜘蛛鬼と兄蜘蛛鬼が殺された後、姉蜘蛛鬼は自身が殺られない為に、父蜘蛛鬼を炭治郎達に仕向けたのだ。その後累と二人で逃げる事を提案したが、それが累の逆鱗に触れたことで糸で顔を斬られ現在に至る。

 

姉鬼「!!見つけたわ・・!」

 

遂に姉蜘蛛鬼が鬼殺隊の隊員を一人見つけた、それは炭治郎達の大事な仲間である一人の村田だった。姉蜘蛛鬼は自身の力になった血鬼術を発動する。

 

村田「!!」(鬼!!)

 

姉蜘蛛鬼「溶解の繭!」

 

村田「・・!!」

 

彼女の手から出された糸は村田を糸の中に閉じ込めると、糸の間から怪しい液体が溢れ、瞬く間に繭の中は満たされた。村田は必死になって糸を斬ろうとするが、その糸はビクともしなかった。

 

姉蜘蛛鬼「無駄よ、切れやしない。私の糸束はね、柔らかいけど硬いのよ。まず溶解液が邪魔な服を溶かす。それからあんたの番よ。すぐにドロドロになってあたしの食事になる。」

 

村田を閉じ込めたことにより、勝ち誇ったように能力を自慢する姉蜘蛛鬼、しかしその背後に蟲柱の胡蝶しのぶが音もなく現れた。

 

しのぶ「わぁ!凄いですね。掌から糸を出しているんですか?こんばんは、今日は月が綺麗ですね。」

姉鬼「!!」バッ

 

姉蜘蛛鬼は即座にしのぶから離れ、溶解液が出る糸でしのぶを閉じ込めようとするものの、しのぶは蝶の如く速く美しく舞って糸を全く触れずに避けながら近づいていく。

 

姉蜘蛛鬼(!!繭糸を少しも触れずに避けている!)

 

しのぶ「私と仲良くするつもりは、無いみたいですね。」ゴゴゴゴ

姉蜘蛛鬼「!!」ゾワッ

 

姉蜘蛛鬼は、しのぶに獲物を見るような目で見られ、本能的に自分の死がすぐ近くにきていることを感じた。

 

姉蜘蛛鬼「待って!!待ってお願い!!私は無理矢理従わされてるの!!助けて!!逆らったら体に巻きついてる糸でバラバラに刻まれる!!」

 

しのぶは姉蜘蛛鬼の言い分に、口元に人差し指を当てて少し考えるしぐさをすると、やがて口を開いた。

 

しのぶ「そうなんですか?それは痛ましい。可哀想に。助けてあげます。仲良くしましょう。協力してください。」

 

姉蜘蛛鬼「!?た、助けてくれるの?」

 

しのぶ「はい。でも、仲良くするためにはいくつか聞くことがあります。可愛いお嬢さん、あなたは何人殺しましたか?」

 

しのぶが殺した人数を聞くと、姉蜘蛛鬼は涙を流しながら答えた。

 

姉蜘蛛鬼「・・・・五人。でも命令されて仕方なかったのよ。」ポロポロ

 

しかし、しのぶは笑顔を浮かべたまま姉蜘蛛鬼の答えを否定する。それでも姉蜘蛛鬼はしらを切り通そうとした。

 

しのぶ「嘘は吐かなくて大丈夫ですよ。わかってますから。さっきうちの隊員を繭にした術さばき、見事でした。八十人は喰っていますよね?」ニコッ

 

姉蜘蛛鬼「・・喰ってないわ、そんなに。殺したのは五人よ。」

 

しのぶ「私は西の方から来ましたよ。お嬢さん、西です。山の西側では大量に繭がぶら下がっているのを見てきました。中に捕らわれていた人々は液状に溶けて全滅。その場所だけでも繭玉は十四個ありました。十四人死んでるんです。私は怒っているのではないですよ。確認しているだけ、正確な数を。」

 

淡々と語っていくしのぶに、姉蜘蛛鬼はだんだんと苛立ちが募っていき、不機嫌な声で聞く。

 

姉蜘蛛鬼「・・確認してどうすんのよ。」イライラ

 

しのぶ「お嬢さんは正しく罰を受けて生まれ変わるのです。そうすれば私たちは仲良しになれます。」

 

姉蜘蛛鬼「罰?」

 

しのぶ「人の命を奪っておいてなんの罰もないなら、殺された人が報われません。人を殺した分だけ私がお嬢さんを拷問します。目玉をほじくりだしたり、お腹を切って内臓を引き摺り出したり、その痛み苦しみを耐え抜いたとき、あなたの罪は許される。一緒に頑張りましょう。大丈夫!お嬢さんは鬼ですから死んだりしませんし、後遺症も残りません!」ニコニコ

 

笑顔とは裏腹にえげつない内容を伝えるしのぶに、姉蜘蛛鬼は顔を青ざめさせながら狂ったように繭糸で攻撃した。

 

姉蜘蛛鬼「冗談じゃないわよ!!死ね!クソ女!!」ドバッ

 

しのぶ「蟲の呼吸・蝶ノ舞・戯れ。」

 

しかし、スピードではしのぶの方が圧倒的に上であり、呼吸を使った剣擊で姉蜘蛛鬼の全身を刀で刺した。それは、姉蜘蛛鬼の目には見えないほど速かった。

 

しのぶ「仲良くするのは無理なようですね。残念残念。」

 

姉蜘蛛鬼(見っ見えなかった・・!!でも頸は斬られてない。体が小さくて腕力がないから頸を斬れないんだわ!これなら勝てる・・)

 

頸を斬れないことを知った姉蜘蛛鬼は余裕の表情を浮かべる。だが、余裕と生涯はここで終えた。しのぶの使う毒が全身に回ったのだ。

 

ドクン!

姉蜘蛛鬼「・・!?ゴフッ・・!!」ドサッ

 

姉蜘蛛鬼が倒れたのを見て自身の勝利を確信すると、しのぶは刀を器用に振り回しながら自己紹介をした。

 

しのぶ「鬼殺隊・蟲柱胡蝶しのぶ。私は柱の中で唯一鬼の頸が斬れない剣士ですが、鬼を殺せる毒を作ったちょっと凄い人なんですよ。」

 

姉蜘蛛鬼はすでに息絶えているためしのぶの紹介を聞いてるはずもなく、なんの反応も示さなかった。その事に紹介が終わってからようやく気づいたしのぶは、軽く丸めた手を自分の頭に軽くコツンと当てた。

 

しのぶ「ああ、失礼しました。死んでいるからもう聞こえていませんね。うっかりです。」

 

その後、繭糸に刀を刺すことで、閉じ込められた村田を助け出して安否を確認した。

 

しのぶ「大丈夫ですか?」

 

村田「ゲホッゴホッガハッ!だっ大丈夫です。ゴホッ鬼には、止めを刺さなくていいのですか?」

 

しのぶ「藤の花の毒で殺したんです。もう死んでいるのであのまま腐ります。私は薬学に精通しているんですよ。服が溶けただけで体は殆ど無傷ですね。よかったです。」

 

しのぶの言うとおり、体は五体満足で無事だったのだが、服が溶かされて素っ裸だったのだ。村田は男としての何かを失ったと思い、顔を真っ青にして力なくしおれた。

 

一方、累の頸を撥ね飛ばした炭治郎は、地面に着地すると倒れこんで動けなくなっていた。その原因は、水の呼吸からヒノカミ神楽の呼吸に急に切り替えたことによる反動だった。そして糸が焼き切れたことで地面に倒れている禰豆子を見て、そちらにいこうと匍匐前進しながら少しずつ進んだ。

 

炭治郎(勝った・・父さんが助けてくれた・・身体中に激痛が走ってる・・呼吸を乱発しすぎたせいか?早く回復しなければ・・俺はまだ戦わなければならない。伊之助とブロリーさんの元へ早く向かうんだ。禰豆子、大丈夫か・・)

 

しかし、気絶している禰豆子の元へ向かっている途中絶望することが起こってしまった。なんと累の体は灰にならず、傷が回復していってるのだ。手から頸が繋がっている糸を引っ張ると、頸と胴体が繋がれた。

 

炭治郎(!!血の匂いが濃くなった!死んでないのか?頸を斬ったのに!)

 

累「僕に勝ったと思ったの?可哀想に、哀れな妄想をして幸せだった?僕は自分の糸で頸を斬ったんだよ。お前に頸を斬られる前に。もういい、お前も妹も殺してやる。こんなに腹が立ったのは久しぶりだよ。」

 

炭治郎(立て!!早く立て!!呼吸を整えろ!急げ早く!!)

 

自分を鼓舞し無理矢理体を動かそうとするが、炭治郎の体は言うことを聞かず、なかなか進まない。なんとか禰豆子の元にたどり着くも、そうしている間に炭治郎と累との距離はどんどん縮まっていき、遂に累は炭治郎に追い付いてしまった。

 

累「そもそも何でお前は燃えてないのかな?僕と僕の糸だけ燃えたよね。妹の力なのか知らないが苛々させてくれてありがとう。何の未練もなくお前たちを刻めるよ。」

 

炭治郎(正しい呼吸なら、疲弊していても関係ない。早く、急ぐんだ!禰豆子を守らないと・・!)

 

累「血鬼術・殺目篭!」

 

累の血鬼術で、炭治郎と禰豆子を囲むように糸が現れる。やがてそれが二人の体の目と鼻の先にまできたとき、炭治郎は自身の死を悟り、彼の頭を様々な想いが駆け抜けた。

 

炭治郎(ああ・・もう腕が上がらない・・俺はまだ、死ぬわけにはいかないのに・・善逸や伊之助のところに・・助けにいかないといけないのに・・禰豆子を人間に戻してないのに・・何もできないままここで殺されるなんて・・禰豆子を幸せにしてやれないなんて、俺は本当にダメな長男だ・・善逸、伊之助、助けられなくてごめんな・・禰豆子・・人間に戻せられなくてごめんな・・そしてブロリーさん・・勇気を振り絞って、辛い過去を話してくれて、大事な仲間になってくれたのに・・また貴方を・・一人にしてしまって・・ごめんなさい・・)

 

炭治郎は禰豆子を抱き締めながら、自分に来るであろう痛みと衝撃に備えるため強く目を瞑る。そしてとうとう、二人に累の血鬼術が当たり、身体をバラバラに―

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ブチブチ!

 

―刻まれることはなかった。確かに何かが引きちぎれる音がしたのだが、炭治郎と禰豆子の体は無傷だったのだ。

 

炭治郎(・・・・。おかしいな・・なかなか血の匂いやバラバラにされる痛みが来ない・・一瞬すぎて痛みすら感じないのか?いや、そうじゃない。俺の前に誰かが来た匂い?一体誰が・・?)

 

炭治郎は自身に襲いかかってくる痛みや衝撃がなかなか来ないことを疑問に思い、恐る恐る目を開ける。禰豆子も誰かの気配を察したのか、目を覚ました。そして左右を見ると、先ほどの累の糸がバラバラに千切れて散乱していた。そして前を見ると、そこには

 

炭治郎「・・・・え?ブ・・ブロリーさん!?ど、どうしてここに!?」

禰豆子「んー!」

 

目の前にいたのはブロリーだった。その姿を見て炭治郎は一瞬で理解する。ブロリーが累の糸をバラバラにして自分が助けられたことに。そして累は炭治郎達を殺そうと刻むために出した糸が、第三者によって引き千切られたものなので当然面白いはずもなく、不機嫌になりながら声をかける。

 

累「お前は誰?邪魔をするならお前も刻むよ?」

 

炭治郎「ブロリーさん!お願いします!禰豆子を連れて逃げてください!殺されるのは俺だけで大丈夫ですから・・!」

ブロリー「・・・・」

 

しかし、ブロリーは炭治郎の声にも累の問いかけにも反応せず、ただ黙ったまま青筋を立てて累を睨み付けていた。ブロリーはかなり怒っているのだ。それもそのはずである。炭治郎と禰豆子を見つけたと思いきや、あと少し自分が駆けつけるのが遅ければ二人はサイコロステーキの如く刻まれていたのだから。その状況に瞬時に気づいたブロリーは、累と炭治郎達の間合いに入り、なんと手刀で糸を刻んだのだ。

ブロリーは、両手に握り拳を作ると力を込めながらやや上を向くと、自身の気を目一杯解放した。

 

ブロリー「・・はあああああぁぁぁぁ!!!」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!

 

炭治郎「!!地震か!?」

禰豆子「ムー!」

累「!!」

 

ブロリー自身を囲うようにあふれ出た気は、周囲の空気を地震の如く揺らし、やがて突風のように当たり一面に吹き付けられ、炭治郎は禰豆子を抱えながら吹き飛ばされないように地面に伏せ、累も同じく吹き飛ばされないように足に力を込めて踏ん張る。突風のようなものが治まると、当たり一面の空間が緑色に染まっており、その場にいる者はまるで別世界に来たような感覚に襲われた。

 

炭治郎「!?これは!?」

禰豆子「!!」

累「!?」

 

だが、それも突如終わりが訪れた。緑色のエフェクトはブロリーのいた場所に収束していき、空間が元の色合いに戻るとそこには別人のような姿のブロリーがいた。黒髪から緑がかった金髪へと変わり、元々あった筋肉質の体は更に大きく筋肉が膨れ上がり、身長も三メートルを超えるほどの大きさになっていた。そして恐怖の象徴とも言える白眼と、全身を包む禍々しい気がその異次元レベルの力の差を物語っていた。この姿こそがかつて南の銀河を破壊し尽くし、悪魔と呼ばれたブロリーの真の姿、『伝説のスーパーサイヤ人』である。しばらくして空気の揺れが治まると、ブロリーは累を指差した。

 

ブロリー「炭治郎と禰豆子を殺そうとしたクズ。まずお前から血祭りに上げてやる。」

 

累「・・姿が変わって鬼の気配がより強くなった・・ねぇ君、僕の家族にならない?」

 

ブロリー「家族だと・・?」

炭治郎・禰豆子「「!?」」

 

なんと累はブロリーに自身の家族にならないかと提案してきたのだ。これにはブロリーだけではなく、炭治郎と禰豆子も驚いた。あろうことか累は交換条件まで出してきた。

 

累「君は、見たところ凄く強い力を持っているから、僕の兄さんにぴったりなんだよね。それにそこの二人とも本物の絆で結ばれている。その絆も欲しいと思ったんだよ。君が素直に僕の兄になるなら、そこの二人は殺さずに見逃してあげるよ。どうだい?」

 

ブロリー「フン、俺に偽物の絆などいらぬぅ!!俺は大事な仲間の炭治郎や禰豆子と共にお前を倒す!!」

 

累「そう、じゃあもういい。僕達の絆を偽物呼ばわりしたお前は一息では殺さないよ。じわじわ痛め付けた後で刻んでやるから。」

 

ブロリー「その程度のパワーで俺を倒せると思っていたのか?お前だけは簡単には死なさんぞ。」

累「できるものならやってみな。」

 

累は一見、伝説のスーパーサイヤ人になったブロリーの前で余裕そうに大口を叩いているが、実は足元を見ると小刻みに震えているのだ。覚醒した時に発生した禍々しい気は炭治郎や禰豆子だけではなく累にまでひしひしと伝わっていた。その気配に累の本能は戦わずに逃げろと警告しているのだ。その事に気づいた累は驚きを隠せずにいた。

 

累(!?体がすくんで・・上手く動かない!?こんな鬼狩り如きに怯えてると言うのか・・?僕は十二鬼月なんだぞ・・!あの方に認められた異能の力を持つ十二体の配下の一人だぞ!それなのに、僕が怯えてる!?そんなはずはない!こいつもすぐに刻んでやる。)

 

しかし、累がそう思うより先にブロリーに殴り飛ばされる。

 

ブロリー「デヤァッ!!」ドカッ

累「ぐはっ!?」

 

少し怯むも累はすぐに体制を立て直し、ブロリーに血鬼術を使う。

 

累「血鬼術・殺目篭!」バッ

炭治郎「!!ブロリーさん!」

 

しかし、累の血鬼術はブロリーの体に当たるものの、傷ひとつ付けることができず、刻まれたのは糸の方だった。

 

ブロリー「なんなんだぁ?今のはぁ?」

累「!!チィッ!血鬼術・刻糸牢!」

 

だが、血鬼術を変えてもブロリーには通用せず、どんなに当てても糸が刻まれるだけだった。そして累の技の合間をぬって距離を詰めると、ラリアットを決めてそのまま上空に蹴りとばす。

 

ブロリー「フハハハ!!はぁっ!」バキッドカッ!

累「がはっ!!」

 

炭治郎は禰豆子の肩を借りて、ブロリーの一方的な戦いの様子を見ていた。そしてそこに、ブロリーの後を追ってきた義勇がやってくる。

 

炭治郎「やっぱりブロリーさんはすごいなぁ・・!」

禰豆子「ムー!」キラキラ✨

 

義勇「炭治郎。」

 

炭治郎「!!貴方は・・!確か、冨岡さん!」

禰豆子「んー。」

 

義勇「炭治郎、(あれ)なんだ?」

 

義勇の言葉が足りないものの視線がブロリーの方を向き、心なしか引きつったような顔をしていることから、その戦いぶりの事を言ってるのだと理解する。

 

炭治郎「彼はブロリーさんです、俺の大事な仲間です。」

 

義勇「(彼は)サイヤ人か?」

 

炭治郎「!!よくご存じで!」

 

義勇「(お館様から)聞いた。(彼には)手を出すなと言われた。(鬼の気配とは)少し違う。」

 

三人が話している間にも一方的な戦いは続いており、ブロリーに散々痛め付けられた累は片膝をついて肩で息をしていた。

 

累「・・くそっ!」

 

ブロリー「フフフ!よく頑張ったがとうとう終わりの時が来たようだなぁ。」

 

累「・・!!悪魔だ・・僕の邪魔ばかりする屑め!血鬼術・刻糸輪転!」

 

ブロリー「無駄なことを・・今楽にしてやる!!破壊の呼吸!拾の型!ギガンティックミーティア!」ポウ ガシッ ポーピー

 

ブロリーの技は掌サイズの気弾だったが、手から放たれた瞬間何十倍何百倍の大きさに膨れあがりながら累の技とぶつかり合う。だが、拮抗することなく打ち破り、そのまま累を飲み込んだ。

―その直前、累の視界に入ったのは炭治郎と禰豆子が支え合う姿だった。それを見て更に、累の憎悪が激しく増していた。

 

累(くそっくそっ・・殺す殺す!あの兄妹は必ず・・殺す!!)

 

しかし、憎悪と同時に脳裏にあることがよみがえってきていた。それは鬼の家族を作ったとき、人間の頃の記憶を取り戻そうとしている昔の自分の姿だ。累は生まれつき体が弱く、歩くことさえ呼吸困難に陥ってしまう程であった。ある日鬼舞辻無惨が現れ、鬼になることで強い体を手に入れることができた。だが、累の両親は喜ぶことはなかった。累が人間を喰わなければいけなかったからだ。

 

「何てことをしたんだ!累・・!!」

 

当時は人間を喰った累を殺そうとした両親。そのときの累は、自分と親の絆が偽物だと思って殺したのだ。しかし、父も母も最期は累を丈夫に産めなかったことの後悔と、罪を共に背負って責任を果たそうとする親としての努めの言葉を言って、この世を去って行ったのだ。このときの累は本物の絆を自分の手で切ってしまったことに初めて気づいた。絶望しているなか、無惨は同時の累にこんな言葉をかけた。

 

無惨「全ては、お前を受け入れなかった親が悪いのだ。己の強さを誇れ。」

 

全てを失った累は無惨の言葉にすがる他なかった。親が恋しいあまり偽りの家族を作った。それでも自分が一番強い理由から、誰も庇えないうえ守れないのだ。そのため虚しさが止まず、自分が何をしたいのかも忘れていた。しかし、ブロリーの技に当たった瞬間、累ははっきりと思い出す。自分の両親に謝りたかったのだ。

 

累「でも・・山ほど人を殺した僕は・・地獄に行くよね・・父さんと母さんと・・同じところへは・・行けないよね・・」

 

その時、累に手を差しのべたのは両親の幻であった。二人は優しく声をかける。

 

「一緒に行くよ、地獄でも。父さんと母さんは累と同じところに行くよ。」

 

累「ごめんなさい!全部僕が悪かったよ!ごめんなさい・・!ごめんなさい・・!」ドッカーン デデーン☆

 

累は人間の姿に戻りつつ両親に泣きついて、両親は優しく抱き止めた。累の心からの謝罪を最期に、緑のエフェクトに包まれていった。―ブロリーの技『ギガンティックミーティア』に完全に飲み込まれたのだ。そしてそのままブロリーの技は大爆発を起こし、累の体は跡形もなく消えて着物だけが宙を舞って炭治郎の前に落下した。

 

炭治郎(小さな体から抱えきれない程の大きな悲しみの匂いがする・・)

 

炭治郎は残った累の着物に両手を合わせて冥福を祈った。そこに義勇が足で着物を踏みつけて炭治郎に厳しい言葉をかけた。

 

義勇「人を喰った鬼に情けをかけるな。子供の姿をしていても関係ない。何十年何百年生きている醜い化け物だ。」

 

炭治郎「殺された人たちの無念を晴らすため、これ以上被害を出さないため・・勿論俺は容赦なく鬼の頸に刃を振るいます。だけど、鬼であることに苦しみ、自らの行いを悔いている者を踏みつけにはしない。鬼は人間だったんだから、足をどけてください。醜い化け物なんかじゃない。悲しい生き物だ。」

 

義勇「お前って奴は・・」

 

義勇が何かを言いかけたとき、ブロリーが三人の前に戻ってきた。

 

ブロリー「炭治郎、大丈夫か?」

 

炭治郎「ブロリーさん、俺は大丈夫です。ありがとうございました!」

禰豆子「ムー!」

 

ブロリーの安否の確認に、炭治郎も禰豆子も笑顔で無事を伝えた。それに安堵したのか、ブロリーは通常形態に戻ると義勇の方を見る。

 

ブロリー「誰だぁ?」

 

炭治郎「この方は冨岡さんです。俺と禰豆子をこの鬼殺隊へ導いてくれたんです。」

 

義勇「・・冨岡義勇。(炭治郎たちが)お世話になっている。(貴方は)サイヤ人か?」

 

ブロリー「ブロリーです・・。何故貴様は俺がサイヤ人だと知っている?」

 

ブロリーは自分の種族を教えていないはずなのにも関わらず、サイヤ人と当てた義勇に対して眼光を鋭くした。

 

義勇「(お館様に)聞いたからだ。(俺は貴方を)殺す気はない。」

 

炭治郎「ブロリーさん。冨岡さんも殺す気はないみたいです。なのでそこまで警戒しなくても大丈夫ですよ。」

 

ブロリー「・・炭治郎がそこまで言うなら信じる。」

 

ブロリーが義勇への警戒が解けたと同時に禰豆子がブロリーへと抱きついた。

 

禰豆子「ムー!」ぎゅっ

 

ブロリー「禰豆子。抱っこですかぁ?」ひょい

 

ブロリーは軽々と禰豆子をお姫様抱っこして、お互いに微笑み合っていた。その光景を見て、義勇は最初に炭治郎達と山で出会ったときのことを思い出していた。しかし、それは突如として終わる。何者かが炭治郎達に近づき、気配を察知した義勇は刀を振り、ブロリーは禰豆子を抱えながら後ろへ跳んで、何者かから距離をとった。

 

しのぶ「あら?どうして邪魔するんです冨岡さん。鬼とは仲良く出来ないって言ってたくせに、何なんでしょうか?そんなだからみんなに嫌われるんですよ。」

 

その正体は、刃が切っ先にしかない独特な刀を持っているしのぶであった。しのぶは刀を義勇達に向ける。

 

しのぶ「さぁ冨岡さん。どいてくださいね。」

 

義勇「俺は嫌われてない。」

炭治郎・しのぶ・ブロリー「!!」

 

しのぶの要件に対し、全く違う答えを返した義勇。その答えに炭治郎、ブロリー、しのぶが反応する。

 

しのぶ「あぁそれ・・すみません。嫌われている自覚が無かったんですね。余計なことをいってしまって申し訳ないです。」

義勇「!!」

 

しのぶの言葉に今度は義勇が反応し、炭治郎は冷や汗をかいていた。

 

しのぶ「坊や。」

炭治郎「はっはい!」

 

しのぶ「坊やの後ろの二人は鬼ですよ。危ないですから離れてください。」

 

炭治郎「違います!いや違わないけど・・俺の妹と仲間です!」

 

しのぶは禰豆子とブロリーの事を鬼だと言っていたが、炭治郎は妹と仲間と答える。だが

 

しのぶ「まぁそうなのですか。可哀想に、ではー・・苦しまないように優しい毒で殺してあげましょうね。」

 

なんとしのぶは、禰豆子とブロリーを優しい毒で殺すと宣言したのだ。その表情は冷たく、炭治郎は恐怖で震えるのを必死に我慢していた。しかし、ここで禰豆子を抱えたブロリーが一歩前に出た。

 

ブロリー「誰だお前は?死にたいのか?」

 

しのぶ「あぁ・・そういえば名乗っていませんでしたね。胡蝶しのぶ、鬼殺隊の蟲柱です。そして、今から貴方を冥土に送る者です。私の毒で優しく殺してあげます。」

 

ブロリー「毒だと?フハハハハハ!!ハハハハハハ!!毒如きでこの俺を殺せるとでも思っているのか?可愛くないクズめ。」

 

ブロリーの言葉にしのぶは反応し、青筋を立てて言葉を返す。

 

しのぶ「それは私のことを言っているのですか?それと私では貴方に勝てないと言いたいのですか?」

 

しかし、しのぶが聞き返したときには、ブロリーはもうしのぶの方を見ていなかった。甘えてくる禰豆子に夢中になっていた。それを見たしのぶの怒りは更に高まった。

 

禰豆子「ムー。///」

ブロリー「フハハハ!禰豆子は甘えん坊です。カワイイ!」

 

しのぶ「・・無視ですか。いい度胸してますね~。」

 

ブロリーが禰豆子から視線を戻すと、再びしのぶの方を見る。そして再び言葉を放つ。

 

ブロリー「なんだ、まだいたのか?大人しく帰っていれば無視されずに済んだものを。流石ムシケラと誉めてやりたい所だぁ!」

 

完全に最初からいなかったかのような扱いを受けたしのぶは我慢の限界に達し、ブロリーに襲いかかった。しかし、ブロリーは禰豆子を抱えたまま楽々回避した。

 

しのぶ「坊やの大事な仲間と聞いたので、優しい毒で殺してあげようかと思いましたが気が変わりました。やっぱり貴方だけは絶対に許しません。私の毒で心置きなく殺します。」

 

ブロリー「フン!こいつはいい。やってみろ!」

 

笑顔だが目が笑っておらず冷たい表情で、しのぶは再びブロリーに刺突しようとしたが、ブロリーの前に義勇が出て刃を弾き、そのまま組み合いになる。

 

しのぶ「冨岡さん?鬼を斬りに行くための私の攻撃は正当ですから、違反にはならないと思いますけど。冨岡さんのこれは隊律違反です。鬼殺の妨害ですからね、どういうつもりですか?」

 

義勇「胡蝶、(彼は)サイヤ人だ。(鬼とは違う気配が)わからないのか?(殺しては)いけない。」

 

しのぶ「何言ってるんです?どこをどう見ても鬼じゃないですか。そんな適当な事を言ってるからみんなに嫌われるんですよ。」

 

義勇「俺は嫌われてない。」

 

義勇としのぶが組み合っている間に、ブロリーは禰豆子をゆっくりと降ろす。禰豆子と炭治郎は不思議そうにブロリーを見たが、本人は斜め上の方向を見る。

 

ブロリー「誰だ?こっちに向かってくる気を感じる。」

炭治郎「!!」

 

ブロリーの言葉に反応した炭治郎と禰豆子も同じ方向を見る、その二人につられるように義勇としのぶも斜め上の方向を向いた。そこには一人の少女が木の枝の上に立っていた。しのぶと同じ蝶の髪飾りをつけていて、隊服に白い羽織を着ていた。名前は栗花落カナヲであり、胡蝶しのぶの継子である。しのぶはカナヲのことを見ると提案する。

 

しのぶ「カナヲ、丁度いいところに来ましたね。二人で後ろにいる鬼二人を倒しましょう。」

 

しのぶの提案にカナヲは日輪刀を抜き、ブロリーに襲いかかる。しのぶも義勇の拘束を解くと、独特の刀で同じように襲いかかった。しかし、カナヲとしのぶの日輪刀をブロリーは素手で受け止めた。

 

ブロリー「フン!こんなもの!」ガシッ

 

カナヲ(!!素手で刀を・・!)

 

しのぶ「なっなんで・・!?」

 

素手で刀を受け止めたことにカナヲは内心で驚き、しのぶは動揺していた。二人の疑問に答えるように義勇が口を開く。

 

義勇「(彼は十二鬼月の)血鬼術(さえ)効かなかった。刀を止める(ことくらい)簡単だ。(それに)鬼ではない。」

 

炭治郎「ブロリーさんは鬼ではありません!サイヤ人です!人を喰ったりはしません!」

 

しのぶ「坊やまで・・どうしましょう。」

 

カナヲ「・・・・」

 

義勇やしのぶ、そして炭治郎の口論を聞いていたカナヲは、懐から表裏とかかれた一枚の硬貨を取り出すと弾いた。出た目は表であり、それを見たカナヲは刀をしまうとブロリーの前まで駆け寄る。

 

しのぶ「?カナヲ?」

 

カナヲ「貴方、鬼じゃない・・確か、最終選別で鬼を全滅させた人・・」

しのぶ・義勇「!?」

 

鬼を全滅させたとカナヲのとんでもない情報に、義勇としのぶは驚きを隠せなかった。その時、鎹鴉が騒がしく飛び回った。

 

鎹鴉「伝令!!伝令!!カァァ!伝令アリ!!炭治郎・禰豆子両名ヲ拘束!本部へ連レ帰ルベシ!!炭治郎及ビ鬼ノ禰豆子!拘束シ本部へ連レ帰レ!!炭治郎!市松模様ノ羽織、額二傷アリ!竹ヲ噛ンダ鬼禰豆子!!」

 

鎹鴉の伝令にカナヲは禰豆子と視線を合わせる。

 

カナヲ「あなた禰豆子?」

 

炭治郎は疲労と怪我で気絶すると、ブロリーが背負う。そして義勇がブロリーに声をかける。

 

義勇「(これから炭治郎達と共に)本部の産屋敷へ向かう。(貴方も)同行願う。」

 

ブロリー「はい・・」

 

ブロリーは承諾し、炭治郎を背負い禰豆子が入った箱を片手で抱えて義勇、しのぶ、カナヲの三人についていった。

 

てくてく、てくてく

 

とことこ、とことこ

 

ギュピ、ギュピ、ギュピ、ギュピ

 

義勇・しのぶ(何の音だ?/何の音なのでしょう?)

 

一人だけ全く違う足音に、二人は疑問に思いながらも歩いていく。六人は那田蜘蛛山をあとにして、産屋敷へ向かうのだった。




今回で那田蜘蛛山編は終わりです。遂に伝説形態が登場しました。他にも様々な形態が登場する予定です。それではまた次回。
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