伝説の超鬼殺隊員   作:ツキリョー

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第十三話です。今回はヒロイン候補が出てきます。こんな小説ですが、最後まで読んでくれたら嬉しいです。


リハビリの機能回復訓練!全集中常中を取得せよ!前編

禰豆子を巡った柱合会議を終え、ブロリーは禰豆子の入った箱を背負って、炭治郎を背負っている隠(男)と道案内をしている隠(女)と共にしのぶの屋敷である蝶屋敷へとついていた。柱になったブロリーは本来屋敷を建てることができるが、建設するまでに期間があるため、その間は蝶屋敷で過ごすことになったのだ。

 

隠(女)「破壊柱様。こちらが蝶屋敷でございます。」

 

ブロリー「貴様は何故そんなに俺にぺこぺこしてくるんだ?」

 

隠(女)「いえ!?貴方のような柱の方と私如きのものは身分が違いますゆえ、慕わせていただきます。」

 

ブロリー「そうですかぁ・・」

 

隠(男)「お前自分で歩けよな。」

 

炭治郎「すみません。ほんともう体中痛くて痛くて・・」

 

隠(男)「お爺さんかよ。」

 

蝶屋敷の庭にはいると、カナヲが様々な模様の蝶と戯れていた。それを見つけた隠達はカナヲに声をかける。

 

隠(女)「あれはえーっとそうだ。」

 

隠(男)「継子の方だ。お名前は栗花落カナヲ様だ。」

 

炭治郎「継子?継子って何ですか?」(最終選別の時の子だ。)

 

隠(男)「継子ってのは柱が育てる隊士だよ。相当才能がないと選ばれない。女の子なのにすげぇよなあ。」

 

隠(女)「胡蝶様の申し付けにより参りました。お屋敷に上がってもよろしいですか?」

 

カナヲ「・・・・」ニコニコ

 

しかし、いくら聞いてもカナヲはニコニコと笑みを浮かべているだけで一言も喋らず、隠(女)は困惑していた。するとそのとき

 

「どなたですか!!」

 

隠(男)・炭治郎「!!」ビクーッ

ブロリー「へぁっ!?」

 

急に後ろから大声が聞こえ、ブロリー達が驚きながら振り返るとそこには黒い髪を青い蝶の髪飾りで頭部の二ヵ所にとめた少女、神崎アオイが荷物の取っ手を体の前で両手で持ちながら気の強そうな表情で聞いてきていた。

 

隠(男)「いえっあの・・胡蝶様に・・」

 

アオイ「"隠"の方ですか?怪我人ですね。こちらへどうぞ。」

 

アオイに付いていき、屋敷の中に入ると病室から善逸の騒ぎ声が聞こえてきており、近くにいるこの屋敷で働いている三人の少女の一人、寺内きよを困らせていた。

 

善逸「五回!?五回も飲むの?一日に!?三か月間飲み続けるのこの薬!?これ飲んだら飯食えないよ!すげぇ苦いんだけど辛いんだけど!というか薬飲むだけで俺の腕と足治るわけ!?ほんと!?」

 

きよ「静かにしてください~。」

 

善逸「もっと説明して誰か!一回でも飲み損ねたらどうなるの!?ねぇ!」

 

アオイ「まだ騒いでるあの人・・」

 

炭治郎「善逸・・!!」

 

ブロリー「あいつは何故騒いでいるんだぁ?」

 

アオイ「静かになさってください!!説明は何度もしましたでしょう!いい加減にしないと縛りますからね!」ガミガミ

 

アオイの怒鳴り声に善逸は完全に怯え、布団を頭から被ってうずくまっていた。そしてアオイときよが病床室から出ていくと、炭治郎が善逸に話しかける。

 

炭治郎「善逸!大丈夫か!?怪我したのか!?」

 

善逸「た、炭治郎・・ブロリーさん・・うわあぁ炭治郎聞いてくれよーっ!臭い蜘蛛に刺されるし毒ですごい痛かったんだよ―っ!さっきからあの女の子にガミガミ怒られるし最悪だよーっ!」

 

アオイ「・・」ギロッ

 

善逸「!!」ビクッ

 

善逸は愚痴をぶちまけるとアオイに睨まれて再び怯えていた。

 

炭治郎「伊之助は?村田さんは見なかったか?」

 

隠(男)「ちょっと離れろよ・・俺関係ない・・」

 

善逸「村田って人は知らないけど、伊之助なら隣にいるよ。」

 

炭治郎とブロリーが視線を向けると、そこには意気消沈している伊之助がいた。あまりにも静かだったので二人とも気づくことができなかったのだ。

 

炭治郎「あっ本当だ!思いっきりいた!!気づかなかった!」

 

ブロリー「何故伊之助はこんなに静かなんだ?いつもは騒がしいのだが。」

 

伊之助が落ち込んでいる原因はブロリーの圧倒的な力と絶対に追い付けない程の実力差なのだが、当の本人は自分が元凶だと気づいておらず不思議に思っていた。

 

炭治郎「伊之助!!無事で良かった・・!!ごめんな助けにいけなくて・・!!」

 

伊之助「・・イイヨ、気ニシナイデ。」

 

炭治郎は伊之助の姿を確認すると、生きていたという安堵と助けられなかった罪悪感から涙を流していた。しかし、伊之助からでた声はガラガラに枯れており、炭治郎が伊之助を本人ではなくそっくりさんだと疑う程だった。

 

炭治郎(!?声が・・伊之助・・か!?)

 

善逸「なんか喉潰れてるらしいよ。」

 

炭治郎「えーっ!?」

 

善逸「詳しいことよくわかんないけど首をこうガッとやられたらしくてそのときに声帯がやられて喉がえらいことに。落ち込んでんのかすごい丸くなってて滅茶苦茶面白いんだよな。ウィッヒヒッ。」

 

炭治郎「なんで急にそんな気持ち悪い笑い方するんだ?どうした?」

 

善逸が炭治郎に伊之助の経緯を伝え終えると同時に、アオイと実弥を背負った隠、そしてしのぶが慌ただしく病室に入り、実弥を空いているベッドに寝かせると、三人は退室していった。その後しばらくすると、しのぶが青筋を浮かべながら笑顔でブロリーに近づいていき、ブロリーに同行を促す。

 

しのぶ「ブロリーさん?これから少し私達の鍛練に付き合ってくださいませんか?」ゴゴゴゴゴ

 

ブロリー「?」

 

自分が呼ばれることに心当たりが全くないブロリーは、疑問に思いながらもしのぶについていった。そして、しのぶから怒りの匂いを感じ取った炭治郎は、まるで目の前に般若がいるような錯覚を覚え、顔を青ざめさせてガタガタと震えていたのだった。同じように音を感じ取った善逸に至っては頭から毛布をかぶり、身を守ろうとしていた。

 

ブロリーside

 

しのぶに言われるままついていき、ついた部屋は訓練場と呼ばれる一際広い部屋だった。入り口のすぐ近くにはアオイが待ち構えており、ブロリーが部屋の中に入るなりいきなり説明を始める。

 

アオイ「ここは私達が普段の鍛練に使っている訓練場です。貴方はこれからしのぶ様の計らいにより私達の鍛練に付き合っていただきます。まずあちらをご覧ください。あの子達が体をほぐします。」

 

ブロリーが顔を向けた方向には、きよの他に、中原すみ、高田なほの三人の少女がいて、那田蜘蛛山の負傷から割りとすぐに回復した一般隊士が体を思いっきり揉みほぐされて激痛のあまり悲鳴をあげていた。

 

アオイ「それから反射訓練。湯飲みの中には薬湯が入っています。お互いに薬湯をかけ合うのですが、湯飲みを持ち上げる前に相手から湯飲みを押さえられた場合は湯飲みを動かせません。」

 

次に紹介した所はテーブルの上にお湯が入った大量の湯飲みが置かれており、すでにカナヲが一般隊士を相手に素早い動きで圧倒していた。一般隊士はずぶ濡れになり、近くにあった手拭いで顔を拭いていた。

 

アオイ「最後に全身訓練です。端的に言えば鬼ごっこですね。私アオイとあちらのカナヲがお相手です。」

 

訓練の内容はこれから参加する者のやる気を削ぐような過酷なものばかりだがブロリーは表情一つ変えずにアオイに質問する。

 

ブロリー「ちょっといいか?」

 

アオイ「?何かわからないことでも?」

 

ブロリー「全員カワイイ!」

 

アオイ・なほ・すみ・きよ「「!?///」」

 

ブロリー「それと俺はどれからやれば良い?」

 

アオイ「・・ゴホン。まずはあちらで柔軟をして体をほぐします。行って下さい。」

 

ブロリー「わかった。」

 

ブロリーはおとなしく三人の少女がいる場所へ向かう、同時に一般隊士のほぐしが終わり、目の前にいたブロリーに同情の声をかけた。

 

「・・貴方も大変ですね。この訓練凄くきつくて痛いですから・・まぁ頑張ってください・・」

 

一般隊士は目が死んでおり、重い足を引きずりながら次の鍛練場へと歩いていった。そしてブロリーの順番が回ってきた。

 

なほ・すみ・きよ「「「私達がほぐすのでうつ伏せになってください。」」」

 

ブロリー「はい・・」

 

言われるままブロリーはうつ伏せになると、なほとすみは動かないようにブロリーの足を抑え、きよはブロリーの両腕を掴むとそのまま後ろに思いっきり伸ばすが

 

きよ「んんー!」グググッ

 

ブロリー「・・・・」

 

アオイ・しのぶ「・・・・」

 

なんとブロリーの体が大きすぎて伸ばしきれてないのだ。当の本人は全く表情を変えない。それを見てアオイは交代を告げた。

 

アオイ「・・やっぱり私がやります。きよ、変わってください。」

 

きよ「・・ごめんなさい。」

 

アオイ「大丈夫です。」

 

きよに変わってアオイがブロリーの両腕を掴むと同じように思いっきり後ろに伸ばす。すると、今度はブロリーの体は伸びきるが、

 

アオイ「フンッ!」グググッ

 

ブロリー「・・・・」

 

それでもブロリーは悲鳴をあげるどころか苦悶の表情すら浮かべることはなかった。理由は単純、きつくないのだ。サイヤ人は戦うことに特化した戦闘民族である。そのため運動神経が普通の人間と比べても桁違いで体も非常に柔らかいのだ。ブロリーもその例に漏れず体が柔らかいため、本人にとっても苦痛に感じることはなかった。

 

そして、柔軟を終えると次は反射訓練場へと場所を移した。視線を向けると、先ほどの一般隊士がカナヲと勝負をしていた。だが、カナヲはすでに全集中の呼吸を常にやり続ける『全集中常中』を取得しているため、反応からお湯をかけるスピードまで全てが桁外れであり、一般隊士は手も足も出ずにずぶ濡れになっていた。

 

アオイ「次は貴方の番です。カナヲの反対側に座ってください。」

 

ブロリー「はい・・」

 

アオイ「では、私が『はい!』と言うのでその合図でスタートです。それでは・・はい!」

 

ブロリー「・・っ!」バシャッ

 

しのぶ・アオイ「・・・・」

 

ブロリーは反応を全く見せずにカナヲにお湯を勢いよくかけられるが、手拭いで拭いたあとのブロリーの口元は笑っていた。

 

ブロリー「なるほどな・・なかなかのスピードだ。だが、すでに見切った。」

 

アオイ・しのぶ「「・・っ!」」

 

ブロリー「もう一回頼む。」

 

アオイ「ではもう一度・・はい!」

 

ババババババッ!

 

アオイ・しのぶ「!?」

 

アオイとしのぶは驚くが、それも当然である。なんと二回目ですでにカナヲと互角の反射速度で対等に戦っているのだ。それどころか、徐々にカナヲを押し始めていた。

 

カナヲ「・・っ!」バッ

 

ブロリー「・・ゴクゴク」

 

ドテッ/

 

少しの間攻防が続くと、ブロリーの湯飲みがカナヲの抑える手よりも早く抜け、ブロリーはそのまま薬湯を飲み、しのぶとアオイは盛大にずっこけていた。

 

ブロリー「・・まずい。」

 

しのぶ「それはまずいはずですよ。本来飲み物では無いんですから。」

 

アオイ「薬湯を飲む人は始めて見ましたよ・・」

 

ブロリー「だが、俺の勝ちのようだな。」

 

カナヲ「・・・・」ポカーン

 

アオイ「そっそれでは、次の訓練に参ります。」

 

アオイの掛け声でしのぶとカナヲが立ち上がり、次の訓練へと歩いていった。ブロリーも三人の後をついていった。

 

アオイ「最後は全身訓練の鬼ごっこです。ルールは単純でこの部屋を縦横無尽に逃げ回る私達を捕まえてください。まず私アオイがお相手です。」

 

ブロリー「一つ聞きたい。」

 

アオイ「?何かわからないことでも?」

 

ブロリー「何をしてもいいんだな?」

 

アオイ「はい。武器を使わなければ鬼ごっこと同じルールに添う形になります。」

 

ブロリー「わかった。」

 

確認をとったブロリーはニヤリと笑い、アオイとの鬼ごっこが始まった。しかし、始まってから三秒も満たないうちに

 

ブロリー「捕まえたぞ。」ガシッ

 

アオイ「!!なっなんで・・」

 

なんとブロリーがアオイの右腕を掴んで捕らえていたのだ。勝負はあまりにも一瞬すぎて、アオイは動揺を隠せなかった。しのぶも流石にこれには驚き、カナヲも心なしか若干目を大きく見開いているように見えた。そして勝負に負けたアオイは悔しそうに下がっていき、入れ替えにカナヲがやってきた。

 

アオイ「・・次の相手はカナヲです。」

 

しのぶ「カナヲ、行ってきてください。」

 

カナヲ「・・・・」

 

カナヲは何を言っても無反応だったが、言うことは聞いているのでしっかりと指示はわかっていた。二人にエールを送られながらブロリーの真正面に立つとニコニコと微笑みを浮かべていた。

 

ブロリー「よろしく頼む。」

 

カナヲ「・・・・」ニコニコ

 

ブロリー「・・・・」

 

カナヲ「・・・・」ニコニコ

 

しのぶ「カナヲ、挨拶はしっかりと返すべきですよ。」

 

しのぶに促されるとカナヲは懐から銅貨を取り出すと弾き、自分の手の甲の上で止める。出た目は裏であり、それを確認するとカナヲがブロリーに返した。

 

カナヲ「よろしくお願いします。」

 

ブロリー「はい・・」

 

アオイ「それでは、始め!」

 

アオイの掛け声と共に鬼ごっこが始まった。しかし、そのわずか五秒後

 

ブロリー「デヤァッ!」ガシッ

 

カナヲ「!!」

 

しのぶ・アオイ「「・・えっ?」」

 

カナヲは口をわずかに開いて驚きを隠せない様子だったが、端から見ていたしのぶとアオイは勝負が一瞬で決まった理由を見つけていた。

 

しのぶ「彼・・空を・・飛んでますね。」

 

アオイ「空中を・・飛んでる!?」

 

そう。ブロリーは空を飛んでいたのだ。元々サイヤ人で舞空術を身につけていたブロリーは自在に飛ぶことができるのだ。いくら全集中常中を取得して高く跳び跳ねることができても、ブロリーにとっては自分の下位互換でしかなく、空中は彼の独壇場であった。

こうしてアオイとカナヲの鍛練に付き合った形による勝負はほとんどがブロリーの勝利で終わったのだった。

 

しのぶ「最後は私が相手です!」

 

ブロリー「わかった。」

 

だが、自分の継子や血が繋がっていなくてもかけがえの無い家族が軽くあしらわれるのが気に食わなかったのか、最後にしのぶ自らが鍛練という名の勝負を買って出たのだ。

 

しのぶ「反射訓練で勝負です!ブロリーさん、私はカナヲみたいに頭に乗せたりしないでくださいね。遠慮なくかけてください。」

 

ブロリー「はい・・」

 

アオイ「それでは、始め!」

 

ババババババッ

 

アオイの掛け声により二人の勝負が始まったのだが、ブロリーは先ほどのカナヲとの戦いですでに学習しており、しのぶのことを徐々に押していた。そして

 

ブロリー「デヤァッ!」バッ

 

しのぶ「!!」バシャッ

 

勝負が決まり、しのぶの言葉を鵜呑みにしていたブロリーは盛大に薬湯をぶっかけ、しのぶの全身はびしょ濡れになってしまった。しのぶは笑顔で青筋を浮かべながらブロリーを見ていたが、やがて立ち上がると、ブロリーの前に瓢箪を置いて炭治郎達がいる病床へと歩いていった。

 

炭治郎side

 

ブロリーがしのぶ達に連れられて約一時間、一向に帰ってくる気配はない。怒りの匂いを漂わせながら連れていかれた為、炭治郎はブロリーを心配していた。

 

炭治郎(ブロリーさん・・大丈夫かな・・?傷つけられたりしてないかな・・?)

 

炭治郎が心配している中、病床にやってきたのはブロリーを連れていったしのぶ本人であった。しかし一時間前の姿とは違い、しのぶの全身はずぶ濡れになっていた。そして炭治郎の前にやって来ると、笑顔で青筋を浮かべて怒りの匂いを更に濃くして炭治郎に聞いた。

 

しのぶ「竈門炭治郎君。私の今の気持ちをどこにぶつければいいですかね?」ゴゴゴゴゴ

 

炭治郎は先ほどよりも更に怒っていることがわかり、怯えた表情をしながらガタガタと震えていた。隣で寝ていた善逸もしのぶの怒りの音で目を覚まし、炭治郎と同じように震えていた。だが、そこへ救世主が現れた。

 

蜜璃「しのぶちゃーん。」

 

しのぶ「あら、甘露寺さん。何故蝶屋敷にいるんですか?」

 

蜜璃「あのね、ブロリーさんの様子が気になって来ちゃった。・・しのぶちゃんなんでずぶ濡れなの?」

 

しのぶ「それがですね。彼を相手に鍛練をしたら返り討ちにされてこのザマですよ。」

 

蜜璃「あらあら・・それにしても、しのぶちゃんにスピードで勝つなんて凄いね。ブロリーさんは何処にいるの?」

 

しのぶ「彼ならまだ訓練場にいますよ。ちょうど瓢箪を彼に渡したので今はアオイから説明を受けていると思います。」

 

蜜璃「わかったわ。私訓練場に行ってきますね~。」

 

蜜璃は陽気にブロリーがいる訓練場へと向かった。そして怒りを完全にへし折られてしまったしのぶは、ため息をつきながら再び炭治郎に向き合った。

 

しのぶ「先ほどはごめんなさい。八つ当たりな行為をしてしまって・・ですがまだ一隊士であった彼が柱を殺そうとした。それがどれだけ罪深いことかわかりますか?」

 

炭治郎「はい。ブロリーさんがすみませんでした!」ペコッ

 

優しく注意するしのぶに炭治郎は頭を下げて謝罪する。それを見たしのぶはクスリと苦笑する。

 

しのぶ「謝罪なら私ではなく彼にするべきじゃないですか?」

 

炭治郎「えっ?」

 

しのぶが指差す方向に顔を向けると、いつの間にか目を覚ました実弥が青筋を浮かべながら一点を見つめており、まるで"近づいたら殺すぞ!"と言わんばかりの怒りのオーラを放っていた。

 

炭治郎「あの人にも謝罪しなきゃ・・」

 

しのぶ「頑張ってくださいね。」

 

炭治郎はそのオーラに怯みながらも実弥の所に向かい、炭治郎の姿が視界に入った実弥は案の定怒鳴り付けた。

 

実弥「竈門ォ!!あのサイヤ人はどこ行ったァ!!」

 

炭治郎「ブロリーさんがすみませんでしたーっ!!」ドゲザー

 

実弥「!?・・ッ!」

 

炭治郎「本当にごめんなさい!!彼には俺から厳しく言っておきます!!とんだ御無礼を本当にすみませんでしたーっ!!」

 

実弥「・・チッ!あいつに次はねぇと伝えとけェ!」

 

炭治郎「はっはい!ありがとうございます!」

 

流石の実弥も土下座をされてはとても怒れるような雰囲気では無くなってしまい、炭治郎に厳重注意をするだけでとりあえず修めることにした。

 

実弥「胡蝶妹ォ。あの後何があったァ?」

 

しのぶ「不死川さん。実は・・」

 

しのぶ説明中・・

 

実弥「なんだとォ!?あいつが柱になったァ!?」

 

しのぶ「お館様がおっしゃるにはすでに彼は階級が甲だったことと、十二鬼月を一体倒した実績もあって柱になる条件は揃っていたみたいです。」

 

実弥「・・オイ、竈門ォ。あいつについでで伝えとけェ。俺はテメェを柱だと認めねェってなァ。」

 

しのぶ「それと不死川さん。禰豆子さんが人を喰うか喰わないかを証明する為に少し付き合ってください。」

 

しのぶは鬼になった禰豆子を善良な鬼か悪い鬼なのかを見極めるための準備に入り、それが終わるまで炭治郎と実弥は禰豆子が人を喰うか喰わないかを口論しているのだった。

 

ブロリーside

 

しのぶに瓢箪を目の前に置かれ、何をするのかわからないブロリーは瓢箪を手にとって四方八方から見ていた。

 

ブロリー「なんなんだぁ?これは?」

 

きよ「あのぅ、ブロリーさん。」

 

ブロリー「んん?なんだぁ?」

 

後ろから声が聞こえてきたので、ブロリーが振り返るとそこにはなほ、すみ、きよの三人が、もじもじして少し怯えながら話しかけてきていた。自分に怯えてるとわかったブロリーはしゃがみこんで視線を合わせた。

 

ブロリー「お前達はここで働いている少女たちか。カワイイ!」

 

ブロリーは三人の頭を撫でると、三人がパアアと嬉しそうな表情になる。そしてきよはそのまま説明を続ける。

 

きよ「瓢箪に息を吹いて破裂させるってことだと思います。」

 

ブロリー「何故そんなことをするんだぁ?瓢箪を吹く修行か?」

 

きよ「えっと、全集中の呼吸を四六時中やるための鍛練だそうです。」

 

ブロリー「?そんなことできる奴がいるのか?」

 

きよ「はい!柱の皆さんやカナヲさんができます。それが出来るのと出来ないのでは天地ほどの差があるそうです。」

 

ブロリー「そうですかぁ・・試しに吹いてみても良いですかぁ?」

 

きよ「はい!良いですよ!」

 

ブロリー「・・・・フッ!」ミシミシミシバリン!

 

きよ、すみ、なほ「「!?」」

 

なんとブロリーは軽く息を吹いただけで瓢箪を粉々に破裂させてしまったのだ、これには三人も驚きを隠せないみたいだ。

 

すみ「すごい!」

なほ「初めてやって出来たのを見たのは初めて!」

きよ「ブロリーさん!すごいです!簡単に破裂させてしまうなんて!もしかしてすでに全集中の呼吸を四六時中やっておられますか?」

 

ブロリー「!?俺はもうそれができているのか?」シイイイイ

 

実はきよの予想通り、ブロリーはすでに全集中常中を取得していたのだ。ブロリーはサイヤ人なので元の力もずば抜けているが、その他に脅威的な学習能力も併せ持っており、彼がその気になればどんな技でもたちまち取得できてしまうのだ。

 

ブロリー「そういえばお前達の名前を聞いてなかったな。」

 

きよ「そうでしたね。寺内きよです。」

すみ「中原すみです。」

なほ「高田なほです。」

 

ブロリー「すみ、きよ、なほか。カワイイ!俺はブロリーです。」

 

きよ「よろしくお願いします!」

 

ブロリー「はい・・それときよ達のおかげで俺は全集中の呼吸を四六時中やることが出来るようになった。ありがとう。」

 

ブロリーのお礼には三人とも顔を綻ばせていた。そして三人と別れたブロリーは炭治郎達がいる病床へと歩いていった。そして歩いている途中で恋柱の蜜璃と出会った。

 

蜜璃「ブロリーさん!」

 

ブロリー「んん?蜜璃ですかぁ?なんでここにいるんだ?」

 

蜜璃「貴方の様子が気になって来ちゃった。貴方星を壊せるほどのすごい力を持ってたんですねすごく格好いいです///それをあの子を庇うために使ってるなんて素敵!///」キュン

 

ブロリー「俺は炭治郎と禰豆子に助けられたからな。あの二人がいない世の中など俺には価値がない。命を懸けてでも庇うYO。」

 

蜜璃「素晴らしい愛ですね。素敵!あっそういえばしのぶちゃんが禰豆子ちゃんが人を襲わない為の証明を行うって言ってましたよ。」

 

ブロリー「そうですかぁ。教えてくれたことに礼を言うぞ。ありがとう。蜜璃はカワイイ!」

 

蜜璃「えっ!?ありがとうございます!どこが可愛いですか?」

 

ブロリー「髪の色だぁ。ピンク色カワイイ!」

 

蜜璃「髪の毛が素敵なんて言われたの初めてです!ブロリーさんもそのムキムキの体すごく格好いいですよ!」

 

ブロリー「フハハハハハ!!ありがとう。それじゃ俺はもう行くYO。」

 

蜜璃「はい!いってらっしゃいませ。」

 

ブロリーは再び炭治郎達がいる病床へと向かった。それを見届けた蜜璃は一人になると物思いに耽っていた。

 

蜜璃(ブロリーさんに誉めてもらっちゃった♪すごく嬉しい♪それにしてもブロリーさんを見ていると他の人よりもドキドキするの。私、彼に恋しているのかな?今度二人でどこかに出掛けたいなぁ。)

 

蜜璃は顔を赤らめ、両手で顔を覆った。そして禰豆子のことも気になった為、ブロリーの後を追っていった。

 

炭治郎side

 

しのぶが病床を出てから数分間炭治郎と実弥は口論を続けていた。

 

炭治郎「禰豆子は人を喰いません!これまでも喰ったことはないしこれからも喰うなんて絶対にあり得ません!お館様もそうおっしゃってた!」

 

実弥「お館様が頷いたからと言って俺が認めるわけじゃねェ!鬼なんて信用できるかよォ!これからも喰わない保証はどうやって証明するつもりなんだァ!?」

 

しのぶ「炭治郎君に不死川さん。ここは病床ですよ?もう少し静かにお願いします。」

 

証明の準備から戻ってきたしのぶが持っていたのは試験管であった。

 

しのぶ「さて、炭治郎君。禰豆子さんに命を懸ける者が四人いたとしても物的証明ができなければ誰も信用できません。なので今から行うその証明に禰豆子さんを連れて参加してくださいね。」

 

炭治郎「はい!」

 

しのぶ「それでは不死川さん。こちらの試験管に血を流し込んでください。」

 

実弥「わーったよォ。」

 

言われた通り実弥は試験管に血を入れると、炭治郎は禰豆子を連れてきて、しのぶは病床に差す日光を遮り、何故か実弥は日輪刀を構えていた。

 

炭治郎「しのぶさん。禰豆子を連れてきました。」

 

禰豆子「ムー。」

 

しのぶ「不死川さん?何故日輪刀を構えているんですか?」

 

実弥「俺は鬼を信用してねェ。その鬼が俺の血にかぶりつくか、俺が人を襲わねェ証明が出来なかったと判断したら即行で滅殺する。」

 

炭治郎「そんなことはさせない!!禰豆子は絶対に人を襲わない!!」

 

しのぶは血が入った試験管を禰豆子に近づけると、禰豆子が反応を見せて涎を垂らしていた。それだけではなく、実弥が更に自分の腕を傷つけ近づけると、稀血の匂いをもろに嗅ぎ、フラフラと実弥へと近づいていった。

 

禰豆子「フーッ・・フーッ・・」フラフラ

 

実弥「どうだァ?欲しいんだろォ?」

 

炭治郎「禰豆子!」

 

足が止まらない禰豆子に実弥は勝ち誇ったような笑みを浮かべるが、そこへ救世主が現れた。ブロリーが病床へと入ってきたのだ。

 

禰豆子「!!・・ム。」プイ トテテテ

 

気配を感じ取った禰豆子は横目でブロリーの姿を見つけると、実弥の稀血そっちのけでブロリーに向かって走っていき、抱きついたのだ。

 

禰豆子「ムー♪」ムギュッ

 

ブロリー「禰豆子?なんだぁ?」ナデナデ

 

禰豆子「ムーんー♪///」トロン

 

ブロリー「フハハハ!なんだかよくわからないが、禰豆子カワイイ!」

 

蜜璃(禰豆子ちゃんブロリーさんに思いっきり甘えてる!!可愛い!///)

 

しのぶ「あらあら、禰豆子さんは不死川さんの稀血よりもブロリーさんの方が好きみたいですね。鬼の本能を抑えて理性を保つなんて、感心感心。」

 

実弥「・・チッ!」ガタッ

 

実弥は舌打ちをすると乱暴にベッドから立ち上がり、自分の日輪刀を持って蝶屋敷の出入口まで行くと、その直前で炭治郎の方を振り返る。そして一言呟いた。

 

実弥「俺は認めねぇ・・!」

 

それだけを言い残すと、蝶屋敷を出て自分の屋敷へと帰ってしまった。炭治郎達はしばらくポカンとした表情をしていたが、我に帰ると再びしのぶが仕切りだした。

 

しのぶ「・・ゴホン!それではこれで禰豆子さんが人を襲わないという証明ができましたね。私は禰豆子さんを鬼殺隊の一員として認めます!」ニコッ!

 

炭治郎「しのぶさん・・!ありがとうございます!ありがとうございます!」ペコペコ

 

人を襲わない証明がされて否定する理由がなくなったしのぶは、素直に禰豆子のことを認めた。柱の一人に認められたと実感した炭治郎は泣きながらお礼を言い、何度も頭を下げるのだった。

 

そしてその夜。全集中の呼吸を四六時中行う『全集中常中』を取得したブロリーは蝶屋敷の屋根の上に座り、ずっと全集中常中を続けていた。そこにしのぶがやってきた。

 

ブロリー「・・・・」シイイイ

 

しのぶ「頑張ってますね。」

 

ブロリー「ヘアッ!?」

 

しのぶ「ふふっごめんなさい。驚かせるつもりはなかったんですけど。」

 

ブロリー「お前は・・しのぶと言ったか?」

 

しのぶ「はい。蟲柱、胡蝶しのぶでございます。ブロリーさん、柱の就任おめでとうございます!これからもよろしくお願いします、破壊柱さん。」

 

ブロリー「・・ありがとう。・・それと、済まなかった。」

 

しのぶ「?なんで謝るんですか?」

 

ブロリー「山で会ったとき、お前を可愛くないクズって言ったことだ。禰豆子を殺そうとする奴が許せなくて思ってないことを言った。済まなかった。」

 

しのぶ「ああ、その事ですか。もういいですよ、もう気にしてません。それに私の方こそごめんなさい。禰豆子さんを殺そうとしてしまったことと、八つ当たりで鍛練に無理矢理付き合わせてしまったことを。」

 

ブロリー「もういい。なんだかんだ言ってしのぶは禰豆子のことを認めてくれた。それだけで充分だ。」

 

しのぶ「そう言って頂けると助かります。」

 

ブロリー「・・ところで何故ここへ来た?」

 

しのぶ「・・えっ?」

 

ブロリー「しのぶはいつも笑顔だが、今俺の隣に来るまでは禍々しい気を感じた。昔の俺のような嫉妬や怒りや悲しみが混じったような複雑な気だった。」

 

しのぶ「・・そうですね。禰豆子さんの存在は公認となりましたが、鬼殺隊の隊員は鬼に家族や大切なものを奪われた復讐心でなる方がほとんどなんです。体の一番深いところに鬼に対するどうしようもない嫌悪感がある。他の柱達もきっと同じようなものです。」

 

ブロリー「・・しのぶ、嘘はつかなくていい。」

 

しのぶ「!!」

 

ブロリー「しのぶが持っていた禍々しい感情はムシケラに向けられたものではない。奴らに対する嫌悪感は本当かもしれんが、少なくともその気はムシケラではなく、まるで俺に向けられているようだった。」

 

しのぶ「・・ばれてしまいましたか。貴方の言うとおりです。私は貴方に嫉妬しています。私が何故毒を使うかわかりますか?」

 

ブロリー「いいや、知らん。ムシケラの弱点を突く戦いかたをするためではないのか?」

 

ブロリーの問いにしのぶはゆっくりと首を横に振り、悲しそうな表情でブロリーに解き明かす。

 

しのぶ「私が毒を使う理由は、私が非力だからですよ・・私にはかつて姉がいた。両親を殺されてから、姉と二人で悲しむ人たちを助ける決意をして鬼殺隊に入ろうとしました。でも最終選別では、生まれつき体が小さかったこともあり、腕力が足りずに呼吸を使っても鬼の頸を斬ることが出来なかった・・それどころか刀が折れてしまって、結局私は七日間逃げ隠れて生き延びることしか出来なかった・・」

 

しのぶが暗く悲しそうに自分の過去を話しているのをブロリーは声を出さずに静かに聞いていた。

 

しのぶ「それでも合格の条件は満たしましたが、私は力がなくて鬼を殺せない・・何度も周りの隊士達から脱退しろと言われるほど私は落ちこぼれでした・・姉が私を継子に無理矢理選んでくれたおかげでなんとか脱退は免れたんです・・それから私は研究時間を費やしてようやく下弦の鬼ならなんとか殺せるほどの毒を作り出すことに成功したんです。なので私は頸を斬らない隊士になりたくてなったわけではないのです。」

 

そこまで言うとしのぶの気が変わり、今度はブロリーへの嫉妬と逆恨みの感情になった。

 

ブロリー「!!」

 

しのぶ「なのに貴方は、日輪刀を使わずに自身の力で鬼を殺せる。跡形もなく始末できる。おまけに最終選別では鬼を全滅させた。同じ鬼殺隊の柱のはずなのに・・私の後輩のはずなのに・・なんなのですかこの差は?不公平にも程があると思いませんか?それに貴方は一人で鬼舞辻を倒せる力を持っているとお館様から聞きました。それはすなわち、上弦の鬼も敵ではないということです。私の姉は上弦の弐に惨殺された。貴方が悪くないことはわかっています。でもどうしても思ってしまうんです。貴方がもう少し早く鬼殺隊に入ってくれたら、姉は死なずにすんだんじゃないかって・・!うぐっ・・う゛ああああ!!ーーああーー!」

 

そして遂にしのぶは姉が惨殺された時の事を思い出したのか、顔を覆って泣き出してしまった。ブロリーはそんなしのぶの頭を優しく撫でた。突然のことに驚きつつも、今はブロリーに身を委ねることにしたしのぶは、そのままブロリーに抱きついて泣き続けた。

数十分後、しのぶは恥ずかしさで顔が真っ赤になっていた。

 

しのぶ「先ほどはすみませんでした。私もまだまだ感情が制御できていないことがわかったので、精進の必要がありますね。」

 

ブロリー「・・いいのではないか?」

 

しのぶ「えっ?」

 

ブロリー「ずっと我慢していても辛いだけだ。たまには感情のままに従ってもいいと思うぞ。」

 

しのぶ「・・ブロリーさんは優しくて強いのですね。どうしてそんなに強くいられるんですか?」

 

ブロリー「・・俺は優しくない。俺は前まで本能のまま破壊してきた悪魔だ。」

 

しのぶ「そういうのは素直に受けとるべきですよ。でも貴方のおかげでだいぶ気持ちが楽になりました。ありがとうございました。・・貴方の前では少し素直になれそうな気がします。それでは頑張って下さいね。」

 

ブロリー「はい・・」

 

しのぶは屋根の下へと降りていき、ブロリーは引き続き全集中常中の練習をした。そして完全にマスターしたブロリーは蝶屋敷の中に入り、炭治郎達の様子を見に行くのだった。




機能回復訓練編は長いので前編と後編に分けさせていただきます。おそらく後編は文字数が少なくなると思われます。それではまた次回。
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