ブロリーが新たに覚醒した、緑髪が腰にまで伸び、眉毛がなくなって更に禍々しい気を身に纏った姿。この姿が厳しい鍛練と杏寿郎が重傷を負わされた怒りと悲しみにより覚醒した『スーパーサイヤ人3』である。そして覚醒が終わると、猗窩座に視線を向ける
ブロリー「俺が化け物?違う、俺は悪魔だ!」
禰豆子「ムーッ!///」キラキラ✨
猗窩座「・・はははは!!ふはははははは!!なんだお前!目茶苦茶強そうじゃないか!いきなり変身したから吃驚したぞ!このままやっても杏寿郎ではもう相手にならない!お前が俺と戦え!」
猗窩座はそれまで弱いと思っていたブロリーが、突如として闘気が異常なほど高まったことに驚きと興奮を抑えられない。照準を杏寿郎からブロリーへと切り換える。ブロリーもまた、猗窩座に人差し指を向けた。
ブロリー「猗窩座といったな?杏寿郎に重傷を負わせたクズ、血祭りにあげてやる!」
猗窩座「そうだ!俺は猗窩座だ、お前の名をなんという?」
ブロリー「俺はブロリー、破壊柱だ!」
猗窩座「お前も柱だったのか!素晴らしい闘気だ!至高の領域に近い!さっきの無礼は詫びよう!すまなかったな!そしてお前も鬼になれ!鬼になって俺と永遠に戦い続けよう!」
ブロリー「断る!何故わざわざ弱体化しなければならないんだ?俺は俺の力で強くなるだけだぁ!」
猗窩座「そうか、鬼になることが弱体化すると抜かすか。鬼にならないなら殺す!」
ブロリー「さぁ来い!!ここがお前の死に場所だぁ!!」
猗窩座「術式展開!破壊殺・羅針!」ドン!
猗窩座が、人間なら胴体を貫いている程の澤見の力で攻撃し、ブロリーの顎に当てるが
バシィ!
ブロリー「・・・・」ニヤリ
ブロリーは少し上を向かされる形になっただけで、全くダメージが入っていないのだ。上弦の鬼の全力の攻撃を受けているにも関わらず傷一つついていないその光景は、猗窩座は勿論柱の杏寿郎、初めて別の形態を見た伊之助と善逸も混乱していた。
猗窩座「なっ!?・・チィ!!破壊殺・滅式!! 」バシィ! バシィ! バシィ!
ブロリー「なんなんだぁ?今のはぁ?」
杏寿郎「・・上弦の参の鬼の攻撃を受けてるのに傷一つつかないとはよもやよもやだ!もしかしたら百年ぶりの快挙を成し遂げるかもしれんな!!」
伊之助「善一!!権八郎!!俺もあれやりてぇ!!髪が後ろに長くなるやつ!!」
善逸「伊之助!あれはサイヤ人のブロリーさんにしかできないんだよ!あと俺は善逸だ!・・ところで炭治郎、あれなんだ・・?」
炭治郎「知らないよ・・俺も初めて見たよ、ブロリーさんのあの姿。」
禰豆子「んー!///」キラキラ✨
善逸「禰豆子ちゃーん・・ブロリーさんのあの姿が格好いいと思ってるの?」
禰豆子「ム!」コクッ
善逸の問いに禰豆子は力強く頷き、肯定の意を示した。その目は純粋に憧れと尊敬を表していた。一方ブロリーと猗窩座の戦いでは
ブロリー「フン!くだらん。」ドカッ!
猗窩座「!!ガハッ・・!」
ガッシャーン!
ブロリー「雑魚が、俺に敵うと思っていたのか?」
猗窩座「ぐうう・・」
今までずっと猗窩座の攻撃を受け続けるだけだったブロリーは、猗窩座に回し蹴りを一発入れた、それだけで猗窩座は吹っ飛ばされて機関車に叩きつけられたのだ。そして、ゆっくりと猗窩座は苦痛に顔を歪ませながら立ち上がった。『スーパーサイヤ人3』のブロリーは、たった一撃で猗窩座を満身創痍の状態にまで追い込んでしまったのだ。そして、猗窩座はこの状態になって悟った。
猗窩座(俺の全力の攻撃を受けてもビクともしない・・それどころか彼奴の蹴り一発でこの様だ・・!間違いなくこいつは、無惨様より強い・・!)
ブロリー「はあああぁぁぁ!!」ゴゴゴゴゴ
猗窩座「!!」
ブロリーはこの形態になって初めて気を高めた。只でさえ猗窩座とは天地ほどの差があるのに、更に気を高めて力を放出したのだ。猗窩座は強い者と戦うことが大好きで、鬼殺隊の柱を鬼に勧誘して戦友をつくろうとするほどの戦闘狂である。その猗窩座がブロリーとの実力差に戦意を喪失していた。
猗窩座(・・駄目だ・・!勝てない・・!どう足掻いてもこいつは俺では勝てる相手じゃない・・!それに、本能的にわかる・・蹴りを受けたところが全く再生しない・・!次に奴の攻撃を受けたら、確実に殺される・・!どうにかしてここを脱出しなければ・・!)「・・逃げるしかない!」バッ!
ビシュン!シュン!
ブロリー「どこへ行くんだぁ?」ギュピ
猗窩座「!!」
猗窩座は目の前の絶対的な実力差に逃げ出そうとしたが、『スーパーサイヤ人3』の形態はパワーは勿論、スピードも上弦の鬼とは比べられない程になっており、簡単に回り込まれてしまった。
ブロリー「今更怖じ気づいて逃げ出したとて、この俺が逃がすと思っていたのか?」
猗窩座「お前少ししつこいぞ、この化け物め・・!」
ブロリー「俺が化け物?違う、俺は悪魔だ!!ハハハハハハハハハハ!!」
猗窩座「ぬぅぅ・・こうなったらヤケクソだ!破壊殺・終式・青銀乱残光!」ドドドドド!
ブロリー「無駄だ!デヤァッ!!」ガッ!バシッ!
猗窩座の攻撃を受けるも全く通用しないブロリーは、そのままラリアットで遠くまで飛ばす。そして
ブロリー「全集中!破壊の呼吸!拾参の型!ギガンティックオメガ!」ゴォォォーーー!!
猗窩座「!!」
ブロリーは両手を体の前に持っていくと、そこから特大のレーザーのような気功波を放った。猗窩座はブロリーが放った技を前にして、本能的な死を感じていた。その時、猗窩座の脳裏に走馬灯が巡った。
―――猗窩座は元々、人間の頃は狛治という名を持ち、貧しい家庭で生まれた。体が弱く、闘病生活を送っていた彼の父親に薬を持って行くために盗みや暴行などの犯罪行為を繰り返していた。彼は何度も捕まり、奉行所に連れていかれて刑罰を受けていた。
「掏摸の入れ墨はもう両腕に三本線だ。次は手首を切り落とすぞ。」
狛治「ハハ、ハハハ!!斬るなら斬りやがれ!両手首斬られたって足がある!足で掏ってやるよ!どの道、次は捕まらねぇぜ!」
「わずか十一で犯罪を繰り返し、大の男ですら失神する百たたきを受けてこの威勢。お前は鬼子だ。」
鬼子とは親に似ていない、異様な姿で生まれた子供という縁起が悪いという意味だが、当時の狛治はその言葉を受け入れており、言われたところで痛くも痒くもなかった。そして狛治が再び捕まったと知らせを聞き、肉体的にも精神的にも弱っていた彼の父親は自殺してしまった。それが彼にとって何よりも苦痛だった。父親の為なら鞭で滅多うちにされても、骨を折られても耐えられた。
「反省しろ!!真面目に働け!!」
狛治(うるせえ黙れ糞が!金が足りねえんだ、高いんだよ薬は!)
ある日、大人七人を素手で倒したのを見た一人の成人男性が、狛治に拍手して笑いながら近づいていた。この男は慶蔵という武術の道場を経営している人で、その腕もなかなかのものだった。
慶蔵「おーおー、大したもんだ。子供が殺されそうだってんで呼ばれてきてみれば、大人七人を素手で伸しちまってる。お前筋がいいなあ、大人相手に武器も取らず勝つなんてよ、気持ちのいいやつだなあ。俺の道場に来ないか?門下生が誰もいなくてな。」
狛治「うるせえ糞爺!!ぶち殺すぞ!!」
慶蔵「その入れ墨、江戸の罪人だな?江戸で所払いの刑を喰らって、この地まで流れてきたわけか?」
狛治「だったら何だってんだ!!テメェに関係ねぇだろうが!!」
慶蔵「うむ!まずは、生まれ変われ少年!さぁ来い!!」
狛治「くたばれ糞爺!!」バッ!
勝負は一瞬でついた。狛治は慶蔵に一撃も入れることができないまま連続突きを喰らって失神した。そして勝負に負けたということで彼の門下生になると決めた。
慶蔵「いやー頑丈な奴だ、あれだけ殴ったのに半刻もせず目を覚ますとは!俺は慶蔵、素流という素手で戦う武術の道場をやってるんだがな、門下生が一人もいなくてな、便利屋のようなことをして日銭を稼いでいるんだ。お前にまずやってもらいたいのは病身の娘の看病だ。俺は仕事があるもんで任せたい。」
狛治「・・・・」
慶蔵「先日妻が看病疲れで入水自殺してしまって、大変なんだなぁこれが。」
狛治「!!・・・・」
慶蔵「本当に俺が不甲斐ないせいで妻にも娘にも苦労をかける。」
狛治「娘一人の家に罪人の俺を置いてっていいのかよ。」
慶蔵「罪人のお前は先刻ボコボコにしてやっつけたから大丈夫だ!」
そして慶蔵に案内されるまま娘の部屋の前についた。父親である慶蔵の紹介で部屋に入ると、そこには咳き込んでいるが、瞳孔が雪の結晶のような形のした色白の綺麗な女性がいた。彼女は小雪という名を持ち、非常に体が弱かった。
そこから狛治は小雪の看病をするために住み込みで生活していた。小雪は自分のせいで狛治の時間を奪っていると申し訳なさを感じていた。
小雪「いつもごめんね・・私のせいで鍛練もできないし遊びにも行けない・・」
狛治「遊びたいとは思わない昔から。空いた時間にそこらで鍛練しているので気になさらず。」
小雪「でも・・偶には気分転換に・・今夜は花火も上がるそうだから行ってきて・・」
狛治「そうですね。眩暈が治まっていたら背負って橋の手前まで行きましょうか。」
小雪「えっ?・・」
狛治「今日行けなくても来年も再来年も花火は上がるから、そのとき行けばいいですよ。」
小雪「・・・・」しくしく
狛治は当時、会話中によく泣く小雪のことを面倒に思っていた。泣かれるとどうも居心地が悪くなるのを感じていたのだ。
侍でも何でもない慶蔵が大きな土地と道場を持っているのは、老人が山賊に教われているのを助けたところ、老人は素流の技に感動し、継ぐ者がいなかった土地と道場を慶蔵に譲ったからだった。しかし、その土地と道場を自分達のものにしたかった奴等にとっては面白くなく、隣接した剣術道場は度々素流道場に嫌がらせをしていた。その影響で素流の道場に門下生が増えなかったが、狛治は小雪の看病と慶蔵との稽古で徐々に心を開いていった。
数年が経って狛治は十八、小雪は十六になった頃、狛治は素流道場の後継ぎと小雪との婚約で人生がやり直せるかもしれないと本気で思っていた。だがしかし、そんな幸せの日々は突然崩れた。
「誰かが井戸に毒を入れた・・!!慶蔵さんやお前とは直接やりあっても勝てないから、あいつら酷い真似を!惨たらしい・・あんまりだ!!小雪ちゃんまで殺された!!」
剣術道場の誰かが井戸に毒を入れて小雪と慶蔵は毒殺されたのだ。そして再び一人にされた狛治を止める者はもう誰もいなかった。慶蔵と小雪が毒殺されたあと、生き残った狛治は隣接する剣術道場を襲撃し、その道場の六十七名の剣士を殺害した。素手による頭部破壊や内臓破壊、殆んどの遺体は潰されて原型もなくひしゃげた上、体の一部が大きく欠損。顎や脳や目玉、手足、内臓が天井や壁に飛び散って張り付くなど、もはやグロいという言葉が可愛く感じるほどの地獄絵図だった。唯一生き残った女性も正気を失った。あまりにも荒唐無稽な内容に、この記録は三十年ほど経って作り話ということで廃棄された。その帰り道
狛治「・・・・」ゼェゼェ ボタボタ
無惨「鬼を配置した覚えのない場所で、鬼が出たとの大騒ぎ、わざわざ出向いてきてみれば、ただの人間とはな、なんともつまらぬ。」
狛治「どけ、殺す・・ぞ・・」ゴシャッ
狛治は全て言い終わる前に無惨に頭部を破壊され、傷口から大量の血を与えられたのだ。
無惨「十二体程強い鬼を造ろうと思っているんだ。お前は与えられるこの血の量に耐えられるかな?」
狛治「もう・・どうでもいい・・全て・・が・・」
全てがどうでもよく感じていた所を無惨につけこまれ、人間だった頃の記憶を消されて上弦の参、猗窩座が誕生したのだ。
―――猗窩座は人間だった頃の記憶を思いだし、自分を終わらそうとしているブロリーに心の奥底で秘かに感謝した。
猗窩座(勝負はついた、俺の負けだ、見事な力だ。・・ブロリーと言ったな、お前のお陰で俺は人間だったときの大事な記憶を思い出すことができた。あれほど俺の全力の攻撃を受けたのに無傷、更に俺に入れた一撃は致命傷を負わせた。完敗だ、俺がお前に勝つことなど無理な話だった。終わりだ、潔く地獄へ行きたい。最後に礼を言わせてくれ。)「・・ありがとうな。」ゴォォォーーー!!
炭治郎(!?猗窩座から感謝の匂いがする。)
炭治郎は猗窩座が感謝していることに驚いていた。そしてブロリーの技、『ギガンティックオメガ』に飲み込まれていった。猗窩座は薄れていく意識の中、自分の父と師範の慶蔵、そして恋人の小雪と会っていた。
猗窩座「親父・・もう平気か?苦しくねぇか?」
「大丈夫だ狛治。ありがとうなァ・・」
猗窩座「ごめん親父、ごめん・・俺やり直せなかった・・駄目だった・・」
慶蔵「お前がどんなふうになろうが、息子は息子、弟子は弟子。死んでも見捨てない。・・天国には、つれてってやれねぇが。」
猗窩座(師範・・)
小雪「狛治さんありがとう。もう充分です。もういいの、もういいのよ。」
小雪に優しく諭されると猗窩座はもとの姿、狛治の姿に戻っていた、そして小雪を強く抱き締めながら泣きじゃくった。
狛治「ごめん!ごめん!守れなくてごめん!大事なときそばにいなくてごめん!約束を、何一つ守れなかった・・!!許してくれ頼む!許してくれ・・!!」
小雪「私たちの事を思い出してくれて良かった。元の狛治さんに戻ってくれて良かった・・おかえりなさい、あなた・・」
狛治「ただいま親父、戻ったよ。師範、小雪さん。ただいま。」デデーン☆
小雪も狛治を強く抱き締め返し、泣きながら恋人の名前を呼んでいた。そして狛治と小雪の二人を緑色のエフェクトが包んでいった。そして『ギガンティックオメガ』は猗窩座を完全に飲み込むと、そのまま爆発を起こした。猗窩座は影も形もなくなり、彼が着ていた服だけが地面に残った。上弦の参の鬼を倒した瞬間だった。
―――
それを確認したブロリーは通常形態に戻り、杏寿郎や炭治郎の元へ戻った。
杏寿郎「凄い、凄いぞブロリー青年!上弦の参をたった二発の攻撃だけで倒してしまうとはな!よもやよもやだ!俺はそれに対して怪我を負っただけでなにも出来なかった!不甲斐なし!穴があったら入りたい!」
ブロリー「杏寿郎・・すまない。」
杏寿郎「?何故謝るんだ?」
ブロリー「俺がもう少し早くあのムシケラと対峙していたら、お前は怪我を負わずにすんだからだ。杏寿郎が怪我をしなくても勝てる戦いだったんだ。俺が遅れたからだ、本当にすまない・・」
杏寿郎「青年・・俺の左目のことは気にするな。柱ならば、己を犠牲にしてでも盾になろうとすることは当然だ。それに、君は柱になって最初の任務だ、仕方ない事もある。」
ブロリー「・・・・」
杏寿郎「俺は君に感謝しているんだ。あのまま俺が戦い続けていたら間違いなく俺は殺されていた。君が途中で変わってくれたから俺はこうやって今も生きることができる。君には本当に感謝してもしきれないんだ。礼を言わせてくれ。ありがとう!ブロリー青年!俺が怪我したことに負い目を感じているなら、その悔しさを忘れずに今後の任務に務めてくれ。それが今の君にできることだ。」
ブロリー「・・わかった。」
杏寿郎「それから竈門少年。」
炭治郎「はっはい。」
杏寿郎「俺は君の妹を信じる。鬼殺隊の一員として認める。汽車の中であの少女が、身を挺して人間を守るのを見た。命を懸けて鬼と戦い人を守る姿は、誰がなんと言おうと鬼殺隊の一員だ。」
炭治郎「はい・・!ありがとうございます!ありがとうございます!」
炭治郎は義勇としのぶ以外の柱から禰豆子のことを認められたことに感涙していた。それを見て杏寿郎はフッと口元に笑みを浮かべると、伊之助や善逸にも目を向けた。
杏寿郎「竈門少年、猪頭少年、黄色い少年、そしてブロリー青年、ちょうど隠たちが来たようだ。皆怪我がひどいから後は彼らに任せて我々は蝶屋敷へ向かおう!」
炭治郎・善逸・伊之助「はい!/おう!」
杏寿郎「その前にブロリー青年、お館様に報告させてもらうぞ!」
ブロリー「?何をだ?」
杏寿郎「君が上弦の鬼をたった一人で倒したことだ!これは実に鬼殺隊にとって百年ぶりの快挙なのだ!だからお館様に報告せねばならない!ということで、頼んだぞ!」
鎹鴉「マカセロ!」
鎹鴉が、伝言を伝えに産屋敷のところへと一直線に飛んでいった。そして、炭治郎達怪我がひどい者は隠に背負われ、なんともないブロリーだけが自力で帰った。
数日後、炭治郎達の怪我は蝶屋敷で治療され、杏寿郎以外はほぼ完治の状態にまで回復した。
しのぶ「うーん・・はい!もう大丈夫です。皆さんの怪我は治りましたよ。」
善逸「しのぶさん、ありがとうございます~。」デレデレ
炭治郎「ありがとうございます!あの・・煉獄さんは?」
しのぶ「・・煉獄さんは骨や内臓は大分よくなっていますが・・左目はもう・・」
炭治郎「・・そうですか・・」
もう左目は治らないと聞かされて暗い雰囲気になっていたが、それは本人の登場によってすぐに消えた。杏寿郎は左目に包帯を巻いていた。
杏寿郎「竈門少年!怪我は治ったのか?」
炭治郎「煉獄さん!はい、大分よくなりました!もうそろそろ任務にも戻れそうです!」
杏寿郎「うむ!順調に回復しているようで何よりだ!だが、未だに俺の左目のことを引きずっていることには感心しないな!」
炭治郎「えっ?何で知っているんですか?」
杏寿郎「君と胡蝶殿が俺の左目について話しているのをしっかりと聞いていたからだ!こっちは失ったが、まだ右目が残っている!それに俺も今は左目以外は完治している。それだけでも本当にありがたいことだ!」
しのぶ「それはそうと煉獄さん。貴方に重傷を追わせるほどの鬼とは一体なんだったのですか?十二鬼月ですか?」
杏寿郎「うむ!あれは「伝令!伝令!カァーカァー!!」!」
炭治郎「あっ、鎹鴉だ。何かあったのかな?」
善逸「ギャアアアーーー!!何何何!?また指令なの!?イヤアアーーー!!今度こそ俺死ぬ!!」
炭治郎「善逸!!少し落ち着け!鴉が指令しか伝えてくる訳じゃないんだ!」
杏寿郎が上弦の参の話をしようとしたとき、鎹鴉が伝令を伝えるために蝶屋敷の窓から入ってきた。
鎹鴉「明日緊急柱合会議ヲ開ク!柱ノ十名及ビ竈門炭治郎ハ鬼殺隊本部へ集マレ!繰リ返ス!明日緊急柱合会議ヲ開ク!柱ノ十名及ビ竈門炭治郎ハ鬼殺隊本部へ集マレ!カァーカァー!」
伝令を伝え終えた鎹鴉はそのまま再び飛び去っていった。そして杏寿郎やしのぶ達は再び話を切り出した。
杏寿郎「胡蝶殿!俺に重傷を追わせたのは上弦の参だ!」
しのぶ「!?・・上弦の・・参・・ぶっ・・無事で良かったです煉獄さん・・それと上弦の参はどうなったんですか?」
しのぶはいきなり出てきた上弦の鬼の情報に困惑を隠せないでいたが、それよりも上弦の鬼と戦ったと聞いて、杏寿郎が死なずに生還したことに心から安堵した。
杏寿郎「うむ!上弦の参はブロリー青年が滅殺した!柱合会議のときに使ったあの不思議な力と素手でな!青年が攻撃すれば上弦の参に致命傷を与え、しかも攻撃を生身で受けても無傷というあまりにも一方的な戦いぶりだった!」
しのぶ「!?・・そうですか・・彼が・・上弦の参を・・無傷で倒したんですね・・」(彼が上弦の参を・・彼なら・・姉の仇である上弦の弐も倒せますね・・鬼舞辻無惨をも凌ぐ力は本物だったんですね・・喜ばしいことなんでしょうけど・・やっぱり悔しい・・私にもその力が欲しかった・・!!そうすればこの手で上弦の弐をなぶり殺しにできたのに・・!!)
炭治郎(しのぶさんから嫉妬と歓喜が混ぜ合わさった複雑な感情の匂いがする・・今度ブロリーさんに相談しよう。)
杏寿郎はブロリーの強さを自分の事のように嬉しそうに語り、しのぶは上弦の鬼を倒したことへの喜びと圧倒的な力を持つブロリーへの嫉妬を募らせて、笑顔ながら青筋を浮かべて話を聞いていた。その後、炭治郎や杏寿郎達は機能回復訓練に参加し、ブロリーは蝶屋敷の外周で鍛練するのだった。そして何事もなく一日を終えた。
翌日、緊急柱合会議で呼ばれた炭治郎とブロリーは、鬼殺隊本部の産屋敷邸に一緒に向かい、今は屋敷の庭にいた。既に他の柱は集まっており、輝哉の到着を待っていた。
天元「煉獄、お前左目をド派手にやっちまってるじゃねぇか。任務でしくじったのか?」
煉獄「うむ!なかなか相手が強くてな!流石に無傷で帰ることは出来なかった!」
天元「そうか、お前は今後ハンディキャップを背負って戦うことになるんだから派手に気をつけろよ。」
煉獄「もとよりそのつもりだ!」
天元と杏寿郎が話し合ってる隣で実弥は日輪刀を抜き、炭治郎に矛先を向けていた。炭治郎の前には義勇としのぶとブロリーが庇うように立っていた。
しのぶ「不死川さん、何故炭治郎君に日輪刀を向けるのですか?」
実弥「何故だとォ!?何の前触れもなくいきなり柱合会議に呼ばれて竈門とその妹の鬼もいやがるゥ!その鬼が人を襲ったからって理由で呼ばれたとしか考えられねェ!どうせ人を喰ったんだろォ?鬼もろとも斬首だァ!」
義勇「不死川、(禰豆子が人を喰ったって証拠は)あるのか?」
しのぶ「言葉が足りませんよ冨岡さん、そんなんだから皆に嫌われるんですよ?」
義勇「俺は嫌われてない。」
ブロリー「禰豆子は人を喰っていない。ついこの間も無限列車とやらの任務で人を守るために戦っていたんだ。斬首される筋合いはないはずだが?」
実弥「んなこと信じられるかァ!それよりテメェは口出してんじゃねぇよォ!俺はテメェを柱と認めてねぇんだよォ!」
ブロリー「フン!貴様に認められようが認められなかろうが、耀哉からの名を受けた俺はもう破壊柱だ。認めたくなければ認めなければいい。俺も貴様に認められることなどハナから望んでないがな。」
実弥「・・いい度胸だぜェ。ちょっと面貸せやァ!サイヤ人よォ!」
義勇「不死川、(お館様の意思に)背くことになるぞ。」
実弥「テメェは黙ってろ!クソ冨岡ァ!!」
義勇「何故だ。」
実弥と三人の柱が言い争いをしていると、それに気がついた杏寿郎も一歩前に出た。
杏寿郎「不死川!竈門少年の妹は人を喰っていないし喰わない!竈門少女は立派な鬼殺隊の一員だ!」
実弥「煉獄ゥ!どういう風の吹き回しだァ?テメェが鬼の味方になるとはなァ!」
行冥「嗚呼・・鬼に絆された者が増えてしまった・・柱ともあろうものが・・なんと情けなく可哀想だ・・」ジャリジャリ
小芭内「信用しない、信用しない、鬼は人を喰らうものだ。煉獄の言ってることも俺は信じない。」
蜜璃「ブロリーさん、禰豆子ちゃんは人を喰っていないんですよね?」
ブロリー「そうだ、禰豆子は任務では下弦の壱とやらのムシケラから人間を守っていた。どれだけ自分が怪我をしようとな。」
杏寿郎「ブロリー青年の言うとおりだ!竈門少女は怪我をしようが鬼と戦っていたんだ!だから俺は竈門少女を信じることにした!君の師範として太鼓判を押そう甘露寺!」
蜜璃「師範・・私はお館様に言われた時からずっと禰豆子ちゃんを信用していたわ。人を喰っていないならもっと仲良くしたい!」
行冥「南無・・恋柱まで堕ちてしまったか・・なんとも滑稽で可哀想な姿だ・・」ジャリジャリ
実弥「甘露寺よォ・・一体全体どういうつもいだァ?テメェまで鬼を匿うつもりかァ?」
「「お館様のおなりです!」」
柱達が禰豆子のことで言い争いをしていると、かなたとくいなの掛け声により、耀哉が娘達に手を引かれて姿を現した。
耀哉「おはよう皆。今日は急に集まってもらって悪いね。顔ぶれが変わらないことを嬉しく思うよ。」
彼の登場により、他の柱達と炭治郎は地面に片膝をついて頭を垂れる。ブロリーだけは立ったままであり、実弥が無理矢理地面に押さえつけようとしたが、それに気づいてすぐさま避けて距離を取った。押さえつけられなかった実弥は悔しそうにギリッと歯軋りをする。
蜜璃「お館様におかれましても御壮健で何よりです。益々のご多幸を切にお祈り申し上げます。」
耀哉「ありがとう蜜璃。」
実弥(チッ・・サイヤ人のせいでお館様へのご挨拶が出来なかった・・!)
実弥は耀哉に挨拶できなかったことを悔しく思っていたが、すぐさま気持ちを切り換えて質問を切り出した。
実弥「お館様。畏れながら本日はどのようなご用件で柱合会議を開いたのかについてご説明いただきたく存じますがよろしいでしょうか?」
耀哉「そうだね。今日柱合会議を開いたのは、ついこの間の無限列車の任務でブロリーが快挙を成し遂げたからなんだ。炭治郎を呼んだのはそのときの詳細を皆に伝えて貰うためだよ。」
蜜璃「快挙ですか?」
耀哉「そう。ブロリーは実に百十三年ぶりに、上弦の参を倒したんだよ。もちろん、杏寿郎の頑張りもあったけどね。」
柱「!?」
耀哉の告白に、現地で見ていた杏寿郎と事前に知っていたしのぶ以外の柱からは困惑を隠せないでいた。
耀哉「本当によくやった!杏寿郎、炭治郎、善逸、伊之助、そしてブロリー、本当にありがとう!」
耀哉は普段冷静沈着だが、ブロリー達が上弦の鬼を倒したことに興奮を隠しきれずに心底嬉しそうな表情をしていた。驚いていた柱達も徐々に冷静さを取り戻していた。
義勇「・・倒したか。」
蜜璃「ブロリーさん!本当に上弦を倒したんですね!素敵!キュンキュンしちゃう!」
無一郎「ふーん、ちょっと見直したよ。」
天元「上弦を倒したのか!よくやった!この天元様が派手に祝福するぞ!!」
小芭内「そうかそうか、上弦の参を倒したか。実にめでたいことだな、褒めてやる。ちょっとは認めてやってもいい。」ネチネチ
行冥「南無・・百年ぶりに歴史が動いた・・素晴らしいことだ・・よくやった。」ジャリジャリ
実弥「・・チッ」
柱はブロリーが上弦の参を倒したことを理解し、高圧的ではあるが少なからず認めたようだった。そして皆が認めたことに耀哉は安堵の息をついた。
耀哉(もしこの事で皆がブロリーの事を認めなかったときを考慮して炭治郎を呼んでおいたけど、どうやらその必要は無かったみたいだね。)「皆、百年もの間変わらなかった状況が今変わった!これは"兆し"だ!運命が大きく変わり始める!この波紋は広がってゆくだろう。周囲を巻き込んで大きく揺らし、やがてはあの男の元へ届く。皆、これからも鬼の惨殺を引き続き頼むよ。」
柱「「御意。」」
ブロリー「はい・・」
今回の柱合会議で柱達は、上弦の参が倒されたことで更にやってくるであろう脅威に向かってより一層気を引き締めるのだった。
―――一方その頃、無限城では猗窩座を除いた上弦達が集まっていた。上弦の壱・黒死牟、上弦の弐・童磨、上弦の肆・半天狗、上弦の伍・玉壺・上弦の陸・妓夫太郎&堕姫が同じ空間にいた。そして、最初に口を開いたのは上弦の弐である童磨だった。
童磨「あれぇ?猗窩座殿がいない。まだ来てないのかな?」
玉壺「ヒョッ、童磨殿・・お元気そうで何より、私はもしや貴方がやられたのではと心が踊ったのですが・・」
童磨「玉壺も酷いなー。俺は皆心配してたんだぜ。大切な仲間だからな。だぁれも欠けてほしくないんだ俺は。」
半天狗「恐ろしい恐ろしい・・しばらく会わぬ内に玉壺は数も数えられなくなっておる。呼ばれたのは百十三年振りじゃ・・割りきれぬ数字・・不吉な丁奇数!!恐ろしい恐ろしい・・」
童磨「そういえば琵琶の君。黒死牟殿はいないのかい?」
ベベン
鳴女「上弦の壱様は最初にお呼びしました。ずっとそこにいらっしゃいますよ。」
童磨が見渡すと、上弦の壱・黒死牟が和室の真ん中にたたずんでいた。
黒死牟「私は・・ここにいる・・無惨様が・・お見えだ・・」
黒死牟以外の上弦の鬼は、無惨の気配がする方向へ顔を向けると、そこには試験管に液体を入れる無惨の姿があった。
無惨「猗窩座が死んだ。上弦の月が欠けた。」
童磨「猗窩座殿・・死んでしまったのか・・悲しいな・・一番の友人だったのに・・うう・・友の責任は俺にもあります!どのようにお詫びいたしましょう。目玉をほじくりだしましょうか?それとも・・」
無惨「貴様の目玉など必要ない。ブロリーという金の首飾りをつけた男が鬼狩りの柱になってから、私はお前達の存在理由がわからなくなってきた。私の見立てでは猗窩座は少なくとも奴に重傷を与えられるほどの力はあると思っていた。だが奴は更なる進化を遂げた形態になって傷つけることすらかなわなかった。私はもうお前達に期待しない。これから死に物狂いでやった方がいい。私は上弦だからという理由でお前達を甘やかしすぎたようだ。下がれ。」
ベンベンベンベベン!
無惨の掛け声と共に上弦の鬼達はもといた場所へと無理矢理返されていった。そして、鳴女と無惨のみが残った無限城には静寂が訪れ、無惨は物思いに耽っていた。
無惨(おのれブロリーめ・・!なんなのだ・・!なんなのだあの姿は・・!何故更なる進化ができる!?私ですらそんなことは不可能だというのに・・!)
そう。部下達の前でこそ高圧的に振る舞っていたが、無惨はブロリーに対して段々と恐怖心を抱くようになっていた。そして無惨は猗窩座が殺られたときの記憶を見た。ブロリーのギガンティックオメガを喰らう直前のものである。
―――
猗窩座「くっ・・!」
ブロリー「破壊の呼吸!拾参の型!ギガンティックオメガ!」ゴォォォーーー!!」
猗窩座「!!」
―――
無惨「ギャアアアアア!!」バタッ
鳴女「無惨様!?無惨様ーーー!?」
猗窩座の最期の記憶を見た無惨は、ブロリーの最後の技の威力に本能的な死の恐怖を感じて失神した。そして無惨が倒れたのをすぐ近くで見ていた鳴女は動揺し、慌てて意識を失った無惨の介護をするのだった。
はい。今回からスーパーサイヤ人3の登場です。新しく使えるようになった技も出たので今までのと共にまとめておきます。
ブロリー
新形態、スーパーサイヤ人3
全集中の呼吸・・破壊の呼吸
壱~拾の型全て
拾壱の型「ギガンティックハンマー」
拾弐の型「ギガンティックスロー」
拾参の型「ギガンティックオメガ」
今までの呼吸と共に使えるので、技の種類が豊富になりました。今後もこの小説をよろしくお願いいたします。