伝説の超鬼殺隊員   作:ツキリョー

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第二十一話です。ものすごく間が空いてしまってすみませんでした。これだけかかったのに出来は「この始末☆」の内容ですが、こんな小説でも最後まで読んで頂けると嬉しいです。


遊郭の巣食う鬼!上弦の陸"堕姫"!

炭治郎達はそれぞれ、"ときと屋""荻本屋""京極屋"の三店に分かれてそれぞれの潜入調査をしていた。

 

炭治郎side

 

炭治郎は"ときと屋"にいるが、天元が施した不細工な化粧のせいで貰い手がおらず、雑用の仕事を淡々とこなしていた。

 

遊女「炭子ちゃん、ちょっとあれ運んでくれる?人手が足りてないみたいで・・」

 

炭子(炭治郎)「分かりました!鯉夏花魁の部屋ですね。すぐ運びます。」

 

遊女「炭子ちゃんよく働くねぇ、白粉をとったら額に傷があったもんだから昨日は女将さんが烈火の如く怒っていたけど・・」

 

炭子(炭治郎)「はい!働かせてもらえてよかったです。」

 

炭治郎は本来、遊郭に売られた女性として働いているはずである。しかし全集中常中をしているため、自分の背丈よりも高く積んである荷物二個分をそれぞれの手で持ち上げて運ぶという周りから見たら異常なことが起きていた。

 

遊女1「何か・・力・・強くない?」

 

遊女2「強っ。」

 

周りの遊女達が力強いことをひそひそと話しているが本人はそれに全く気づかず、荷物を鯉夏花魁の部屋に運んできた。そこでは、別の女性達が噂話しをしていた。彼女達は炭治郎よりも全然年下であるため、炭治郎も敬語は使わなかった。

 

遊女3「京極屋の女の人が窓から落ちて死んじゃったんだって、怖いね気をつけようね。」ひそひそ

 

遊女4「最近は"足抜け"していなくなる姐さんも多いしね、怖いね。」

 

炭子(炭治郎)「"足抜け"って何?」ヒョイ

 

遊女3「えーっ!炭ちゃん知らないのぉ?」

 

遊女4「すごい荷物だね!」

 

炭子(炭治郎)「鯉夏花魁への贈り物だよ。」

 

遊女3「"足抜け"っていうのはねぇ、借金を返さずにここから逃げることだよ。見つかったらひどいんだよ。」

 

炭子(炭治郎)「そうなんだ・・」

 

遊女4「好きな男の人と逃げきれる人もいるんだけどね。こないだだって須磨花魁が・・」

 

炭子(炭治郎)「!」(須磨!宇髄さんの奥さんだ・・)

 

?「噂話しはよしなさい。」

 

部屋の襖を開いて現れたのは一際美しい女性だった。彼女こそが鯉夏花魁である。

 

鯉夏「本当に逃げきれたかなんて・・誰にもわからないのよ。」

 

遊女3「はーい。」

 

鯉夏「運んでくれたのね、ありがとう。おいで。」

 

炭子(炭治郎)「はい。」

 

鯉夏花魁についていくと、荷物を運んだ礼として飴玉を数個プレゼントしたのだ。それを見ていた炭治郎よりも年下の遊女二人は羨ましがって鯉夏を囲んでいた。

 

遊女3「わっちも欲しい!」トテトテ

遊女4「花魁花魁。」トテトテ

 

鯉夏「だめよ、先刻食べたでしょう。」

 

炭治郎は、もらった飴玉よりも須磨の行方のほうが気になっているため鯉夏に質問していた。

 

炭子(炭治郎)「あの・・"須磨"花魁は足抜けしたんですか?」

 

鯉夏「!どうしてそんなことを聞くんだい?」

 

炭子(炭治郎)(警戒されてる。うまく聞かないと、須磨さんのことを・・)「ええと・・」

 

須磨のことを聞かれた鯉夏は、炭治郎を怪訝の表情で見る。それを見た炭治郎は警戒されていることに気づき、怪しまれないように咄嗟に嘘をついた。

 

炭子(炭治郎)「須磨花魁は私の・・私の・・姉なんです。」ギョン

 

鯉夏・遊女3・遊女4「!」ビクッ

 

しかし、正直者の炭治郎は嘘をつく時に普通の顔が出来ず、とても酷く歪んでしまうのだ。

 

鯉夏「姉さんに続いてあなたも遊郭に売られてきたの?」

 

炭子(炭治郎)「は・・はい、姉とはずっと手紙のやりとりをしていましたが、足抜けするような人ではないはずで・・」

 

鯉夏「そうだったの・・」

 

炭子(炭治郎)「・・・・」フウ

 

鯉夏「確かに私も須磨ちゃんが足抜けするとは思えなかった。しっかりした子だったもの。男の人にのぼせている素振りもなかったのに、だけど日記が見つかっていて・・それには足抜けするって書いてあったそうなの。捕まったという話しも聞かないから逃げきれていればいいんだけど・・」

 

炭子(炭治郎)("足抜け"・・これは鬼にとってかなり都合がいい。人がいなくなっても遊郭から逃亡したと思われるだけ。日記は恐らく偽装だ。どうか無事でいてほしい・・必ず助け出すから・・須磨さん・・!!)

 

鯉夏の話を聞いた炭治郎は、天元の嫁がまだ無事なことを祈りつつ、絶対に助けると決意するのだった。

 

伊之助side

 

一方"荻本屋"にいる伊之助は天元にされたメイクを落とし、着物を着て鬼の情報収集をしていた。廊下を歩いていると、遊女達が立ち話しているところを見つけた。

 

遊女「まきをさん、大丈夫かしらね?部屋に閉じ籠もって出てこないけど・・具合が悪いって言ったきりで病院にも行かないし、そろそろ女将さんに引きずり出されちゃうわよ。私今ご飯持っていってあげたのよ。とりあえず部屋の前に置いてきたけどさ。」

 

猪子(伊之助)("まきを"!宇髄の嫁だ。やっと名前を聞けたぜ。具合が悪い・・それだけで連絡が途切れるか?行ってみるか。さっきの女はこっちから来たな・・暑い!脱ぎたいぜ脱ぎたいぜ!!こんなもん着てたら感覚が鈍って仕方ねぇ!!)

 

伊之助は美女に間違えられるほど顔は整っているが、地声は成人男性のように低く、裏声も本当に裏返ってしまい、女性らしい声を出せなかった。その為、天元からは"お前は声が低いから絶対しゃべるなよ。裏声も下っ手クソだからすぐ男だってバレるぞマジで。"と釘を刺されていたのだ。伊之助にとって建物のなかで暮らしたり、着物を着る生活は拷問に近かった。喋れないと情報の収集にも難儀する。なかなか進展がなかったため、伊之助のストレスは溜まりにたまっていた。

一方、伊之助の見つける対象になっている天元の嫁の一人まきをは遊郭を巣食っている上弦の陸"堕姫"の血鬼術で尚且つ分身である帯に身動きを取れなくされ、拷問を受けていた。

 

堕姫(分身)「さぁさ、答えてごらん。お前は誰にこの手紙を出していたの?何だったかお前の名は。ああそうだ"まきを"だ。答えるんだよ"まきを"!」

 

まきを(情報を・・伝えなくては、他の二人とも連絡が取れなくなってる。何とか外へ・・早く・・あの人の所へ・・天元様・・)

 

堕姫(分身)「また誰か来るわね。"荻本屋"はお節介の多いこと。騒いだらお前の臓物を捻り潰すからね。」

 

まきを「ぐっ・・」ギシッ

 

伊之助の気配を感じ取った堕姫は、まきをを帯ごと天井裏へと連れていった。

 

猪子(伊之助)(妙だな、妙な感じだ。今はまずい状況なのか?わからねぇ・・あの部屋・・"まきを"の部屋。ぬめっとした気持ち悪ィ感じはするが・・)ダッ

 

伊之助は慎重に考えるよりも大胆に行動する方が得意だった。そのため、このときも慎重には考えず大胆に攻めこむことにした。だが、伊之助が扉を開くとそこはもうすでに窓がないのに風通しがいい傷だらけの部屋になっていた。

 

 

猪子(伊之助)(風・・窓も空いてねぇのに・・天井裏!!やっぱり鬼だ!!今は昼間だから上に逃げたな!)

 

天井裏から強い鬼の気配を感じた伊之助は、部屋の前にあった料理の乗った丼を思いっきり叩きつけた。

 

猪子(伊之助)「おいコラ!バレてんぞ!!」ゴン パリン

 

バタバタバタバタ ギシギシギシギシ

 

猪子(伊之助)「逃がさねえぞ!!」

 

触覚が優れている伊之助にとって、至近距離なら姿が見えなくてもどこにいるかは手に取るように分かることだった。天井裏を逃げる鬼を伊之助は追いかける。

 

猪子(伊之助)(どこに行く!?どこに逃げる!?天井から壁を伝って移動するか?よし、その瞬間に壁をぶん殴って引きずり出す!!)

 

バタバタバタバタ

 

伊之助は全速力で突き当たりまで来ると、壁を殴り壊そうと拳を振り上げる。しかし

 

「おおっ、可愛いのがいるじゃないか!」ヒョイ

 

猪子(伊之助)「!」ゴッ! バキッ!

 

「キャーッ!!」

「殴っちゃった・・!!」

 

目の前に男性客が現れ、その人を殴り飛ばす形で終わってしまったのだ。

 

猪子(伊之助)(クソッしくじった!!下に逃げてる!!)

 

すぐに切り替えるも鬼の逃げ足は速く、伊之助も懸命に追いかけはしたが見失ってしまった。

 

猪子(伊之助)「見失なったァァクソッタレぇぇ!!邪魔が入ったせいだ・・!!」ギリギリギリギリ

 

善逸side

 

京極屋で働く善逸は、廊下をてくてくと歩きながら物思いに耽っていた。

 

善子(善逸)(なんか俺自分を見失ってた・・俺は宇髄さんの奥さん"雛鶴"さんを捜すんだったよ。三味線と琴の腕を上げたってどうしようもないだろうよ。)

 

善逸は女装した三人のなかで一番不細工であり、この京極屋には雑用という条件付きで働かせてもらうことになったのだ。そして宇髄を見返そうと闇雲に三味線と琴の演奏をしたら、その腕を買われて今は雑用ではない働き手となっていたのだ。

 

善子(善逸)(でもなぁどうしよ。ずっと聞き耳立ててるんだけど雛鶴さんの情報ないぞ。死人が出てしまったからかな?皆くらいし口が重いな。)

 

「アレとってアレ!」

「もうお腹空いたわ。」

「帯がないのよ。」

「髪結いさん来た?」

「早くしなよ。」

「ひっく・・ひっく・・ぐすん・・」

 

善子(善逸)「!」(ひっくひっくぐすん!?)

 

話し声の中にひとつだけ聞こえる泣き声を、善逸は聞き逃さなかった。部屋の場所をすぐに特定し、その部屋の方へ向かった。

 

善子(善逸)「一大事だ、女の子が泣いてる。」

 

善逸が部屋を覗き込むと、そこには破れ外されている障子や床に転がっている湯飲み、鞄、座布団、肘掛けなど様々なものが散乱している中の真ん中で顔を覆って泣いている遊女の姿があった。

 

善子(善逸)「ちょっ・・めちゃくちゃなんだけどどうしたの?この部屋。」

 

「!」

 

女の子は善逸の声に反応して振り返る。善逸は女の子の顔を見るとさらに驚く。なぜなら女の子の顔は傷だらけだったのだ。

 

善子(善逸)「えっけっ喧嘩!?喧嘩した!?大丈夫!?」

 

女の子は善逸の姿を見ると先程よりも大きく泣き出してしまった。それを見た善逸は狼狽えて必死に慰めの言葉を掛けた。

 

善子(善逸)「ごめん!ごめんね!君を怒ったわけじゃ・・ないのよ!!ごめんね!何か困っているなら・・!」

 

そこに音もなく現れた一人の女性、眉をひそめ、顔中に血管を浮かび上がらせて不愉快そうに善逸を見下ろしていた。この女性は蕨姫花魁だが、それはあくまで表向きの名である。裏の名は堕姫という上弦の陸の十二鬼月である。"まきを"の方は帯の姿の分身であったがこっちは本体である。善逸は音で鬼だということを感知していた。堕姫は不愉快な表情を隠そうともせずに善逸に問いかける。

 

堕姫「アンタ人の部屋で何してんの?」

 

善子(善逸)(鬼の音だ!今後ろにいるのは鬼だ・・人間の"音"じゃない・・声をかけられる直前まで全く気づかなかった・・こんなことある?これ上・・上弦の鬼じゃないの?音やばいんだけど、静かすぎて逆に怖いんだけど・・)ドクンドクン

 

堕姫「オイ、耳が聞こえないのかい?」

 

鬼の音で全く反応を見せない善逸に、堕姫は自分の言葉を無視したと思い、さらに不快そうに眉をひそめていた。そこに助け船を出すかのように泣いてる女の子の同期と思われる別の女の子二人が怯えて震えながら堕姫に説明する。

 

「わ・・蕨姫花魁・・その人は昨日か一昨日に入ったばかりだから・・」ガタガタ ガタガタ

 

堕姫「は?だったら何なの?」

 

凄みを効かせて一蹴する堕姫に襖にしがみついていた女の子二人は、腰が抜けて床にへたりこんでしまった。それを気配で感じた善逸は、何とか勇気を振り絞って声を出した。

 

善子(善逸)「勝手に入ってすみません!部屋がめちゃくちゃだったし、あの子が泣いていたので・・」

 

堕姫「不細工だねお前、気色悪い・・死んだ方がいいんじゃない?何だいその頭の色!目立ちたいのかい?」

 

善子(善逸)「・・・」ボーゼン

 

堕姫の心ない言葉に、善逸はさっきまで出していた冷や汗とはまた違う汗を出して絶句していた。そして不意に堕姫がしゃがみこむ

 

「!」ビクッ

 

堕姫「部屋は確かにめちゃくちゃのままだね。片付けるように言ってたんだけど。」ギッ

 

「ギャア!」

 

堕姫は女の子の耳を掴むとそのまま無理矢理上へと引っ張り上げた。激痛が走る女の子は悲鳴を上げる。

 

堕姫「五月蝿い!!ギャアじゃないよ部屋を片付けな!」

 

「ごめんなさいごめんなさい・・!すぐにやります許してください・・!」ミチッ

 

涙を流して泣きながら謝る女の子だが、それでも堕姫は容赦せずに耳を離さない。女の子の耳から血が流れて来たとき、堕姫の腕を善逸が掴んだ。

 

堕姫「・・・・何?」

 

善子(善逸)「手、放してください!」

 

しかし、そのまま堕姫は鬼の力で振り払い、善逸はすごい勢いで反対側の部屋の壁に叩きつけられ、そのまま失神した。

 

堕姫「気安く触るんじゃないよ、のぼせ腐りやがってこのガキが!躾がいるようだねお前は。きつい躾が。」

 

「蕨姫花魁・・!!」バタバタ

 

善逸を投げ飛ばした直後に一人の男性が堕姫のもとへと慌ててやって来る。この男性は京極屋の店長である。店長は堕姫に土下座して頼み込む。

 

「この通りだ頼む!!勘弁してやってくれ!もうすぐ店の時間だ客が来る・・!!俺がきつく叱っておくからどうか今は・・どうか俺の顔を立ててくれ・・」バッ

 

堕姫は店長の土下座に気を良くしたのか、さっきまでの表情とはうってかわって穏やかな笑みを浮かべた。

 

堕姫「旦那さん、顔を上げておくれ。私の方こそご免なさいね。最近ちょっと気に触ることが多くって、入って来たばかりの子につらく当たりすぎたね。手当てしてやって頂戴。」

 

店長に微笑んでそう告げると再び不快そうな表情に戻り、女の子二人に指示を出す。

 

堕姫「仕度するからさっさと片付けな。」

 

「はっ・・はい・・!!」

「はい・・」

 

「人を呼べ!!早く片付けろ!蕨姫花魁の気に触ることをするんじゃねぇ!!」

 

堕姫と店長の指示に女の子や他の遊女達があわただしく行動しているなか、堕姫は善逸の方をじっと見ていた。

 

堕姫(あのガキ・・この感触からすると軽症だね。失神はしているけれども。受け身を取りやがった!一般人じゃない。鬼殺隊なんだろう、でも柱のような実力はない。)

 

堕姫は善逸が鬼殺隊の一員だと分かると、姿見に写った自分を見つけながら邪悪な笑みを浮かべた。

 

堕姫「ククッフフフッ・・少し時間がかかったけどうまく釣れてきたわね。どんどんいらっしゃい、皆殺して喰ってあげる。」

 

スパン!

 

?「いい加減にして頂戴。」

 

堕姫「あら?お三津じゃない。いい加減にしてって何を?」

 

堕姫の部屋の襖を開いて現れたのは、先ほど現れた"京極屋"店長の奥さんである"お三津"である。堕姫を咎めに来たのだ。

 

お三津「うちから怪我人や足抜け、自殺する子を出すのをだよ。自殺した子はアンタが虐め殺したもんだろう蕨姫。」

 

堕姫「酷いこと言うわね女将さん。私の味方をしてくれないの?私の癪に障るような子が悪いとは思わないの?それに私にはもうすぐ客人が来るから、説教なら終わってから聞くわよ。」

 

お三津「・・今まで随分目を瞑ってきたけど、度を越してるんだよアンタは・・庇いきれない。」

 

堕姫「しつこいわね。誰の稼ぎでこの店がこれだけ大きくなったと思ってんだ婆。」

 

お三津「・・・・ずっと昔、アタシがまだ子供の頃、聞いたことがあるのよ茶屋のお婆さんに。物忘れが酷くなってだけど、ある花魁の話をした・・ものすごい別嬪だったけどものすごい性悪で、お婆さんが子供の時と中年の時にそういう花魁を見たって、その花魁は"姫"って言葉を好んで使って・・気にくわないことがあると、首を傾けて下から睨めつけてくる独特の癖があったって、アンタ・・何者なんだい?アンタもしかして!人間じゃないっ・・!」

 

バッ

 

堕姫はお三津がいい終えると同時に、人間の目に見えないような速度で花街の上空へと連れ出したのだった。

 

ブロリーside

 

ブロリーはいくつもの遊郭を廻っていたが、鬼の情報どころかこの花街に住む人達とろくに会話できていないのだ。つい先ほどの店に入ったときもそうだった、『スーパーサイヤ人』の形態になっているブロリーが店に入っただけで皆逃げ出したり、顔を赤らめて呂律が回らない花魁もいたのだ。

 

ケール(ブロリー)(何なんだぁ?何故どいつもこいつも俺が話しかけようとしただけで逃げる?逃げ出さないやつも何故うまく話すことが出来なくなるんだ?イライラするな・・!本当はこの花街を破壊し尽くしてやりたいところだが、炭治郎達がいる手前、荒っぽいことは出来ぬぅ。仕方ない、善逸が働いている京極屋に行くか。・・んん?)

 

今ブロリーは、善逸が働いている店である"京極屋"の手前まで来ていたのだ。そこまで来てふと空を見上げると、上の方に浮いている人影が二つあった。お三津と堕姫である。堕姫から鬼の気配を感じたブロリーは、どのような行動に出るのか見ているのであった。

堕姫は蕨姫花魁の姿から、露出が激しい服装に身を包み、目に上弦と陸の文字が入っている本来の姿になると、鋭い爪が生えている手でお三津の体を掴んで宙に浮いていたのだ。

 

堕姫「そういうことはね、気づいたところで黙っておくのが"賢い生き方"というものなんだよ。今まで皆そうして生きてきた。お前は私が思っていたよりずっとずうっと頭が悪かったようだねぇ。残念だよ"お三津"。そんなに怯えなくとも大丈夫さ、干からびた年寄りの肉は不味いんだよ。醜悪で汚いものを私は絶対食べたりしない。お前はグシャッと転落死、さよならお三津。」

お三津「やめっ・・」

 

お三津の静止を無視した堕姫はそのまま手を離し、お三津の体は重力にしたがって真っ逆さまに落ちていった。それを見た堕姫はお三津の死を確信したのか家の屋根を伝って京極屋へと戻っていった。

 

ブロリー「!」バッ ガシッ ヒョイ

 

お三津「!」

 

しかし、結果としてお三津は死ぬことはなかった。その理由は、地面に叩きつけられる前にブロリーが宙に浮いて抱えて助け出したからだった。そしてゆっくりと地面に降りるとお三津もおろした。彼女は助かったと知るや否や地面にへたりこみ、泣きながらブロリーにお礼を言った。

 

ブロリー「大丈夫か?」

 

お三津「たっ・・助けてくださってありがとうございます!ありがとうございます!」ペコペコ

 

ブロリー「それだけ元気なら大丈夫のようだな。助けた代わりとは言わないが、ひとつ聞きたいことがある。」

 

お三津「はい・・!はい・・!アタシに知っていることであれば何でも答えます!」

 

ブロリー「それなら聞くが、お前を落としたやつは何者なんだ?あいつからは人間の気配がしなかったんだが?」

 

お三津「・・・アタシもつい先ほどまでは人間だと信じて疑いませんでした。でも、今殺されかけたことでそれは違うと分かりました・・蕨姫は人間ではありません・・!アタシが子供の時から花魁として京極屋にいる化け物です・・!」

 

ブロリー「そうか。そいつの特徴は分かるか?そしてそいつはどこへ行った?」

 

お三津「・・蕨姫は、普段は着物を着ていましたが・・化け物の姿になったら、露出が激しい花柄のタイツと服を着ていて・・確か上弦という文字と陸という文字が両目に刻まれていました・・蕨姫はおそらく京極屋に戻ったかと。」

 

ブロリー「そうか。お前の情報はなかなか有益なものだったぞ。感謝する。俺はもう行く。」

 

お三津「お礼を言うのはこちらの方です!助けていただいて本当にありがとうございました!ケールさん!」ペコ

 

ケール(ブロリー)「・・どこでその名を知った?」

 

お三津「様々なお店で噂になってますよ。金髪で緑色の目をした色男が色んな店で遊郭や花魁達を虜にしているって、助けられて一目みてから確信してましたよ!」

 

ケール(ブロリー)「・・ケールと言うのは偽名だ。俺の本当の名はブロリーだ。」ビュオオ

 

お三津「ブロリーさん・・本当にありがとうございました!」ペコ

 

お三津は何度もブロリーに向かって頭を下げ、ブロリーは堕姫が戻った京極屋の窓へと飛んでいったのだ。

一方、お三津を完全に殺したと思っている堕姫は、京極屋の自分の部屋へと戻っていた。

 

堕姫「!!」

 

無惨「調子はどうだ?」

 

堕姫「無惨様・・!!///」

 

そこには一人の男性客がいた。ズボンが白で上が黒のスーツ姿で白いハット帽を被っていた。この男は鬼の始祖である鬼舞辻無惨である。機嫌がいいのか穏やかな笑みを浮かべていた。

 

無惨「随分人間を喰ったようだな。猗窩座がやられてからこの四ヶ月あまりで以前よりもさらに力が増している。良いことだ。」

 

堕姫「はっ!」

 

無惨の言葉に堕姫はすぐに頭を垂れて平伏する。上弦の鬼も例外ではなく、無惨は絶対的な主なのである。

 

無惨「しかし、油断をするな。うまくことが進んでいる時程足は掬われやすい。」

 

堕姫「承知致しました。」

 

無惨「鬼殺隊でも手練れの者・・柱などはすぐに此方が鬼だと看破する。しかし此方からは柱程実力の有る者以外人間など、視ただけでは殆ど違いがわからない。血の種類や病気、遺伝子など人間に判らないことは判別できるが・・"堕姫"」

 

堕姫「はい・・!はい!無惨様!!///」

 

無惨「私はお前に期待してるんだ。お前は誰よりも美しい。そして強い柱を七人葬った、これからももっともっと強くなる、残酷になる、特別な鬼だ。」

 

堕姫「無惨様・・!///」

 

堕姫は無惨に両頬に手を添えられ、とても心地良さそうに目を細めていた。しかし、そのとき

 

「デヤァッ!!」ドカァッ! ガッシャーン!

 

無惨・堕姫「!!?」

 

無惨と堕姫が突然吹っ飛んだ襖に驚きその方を見ると、そこには『スーパーサイヤ人』ではなく『伝説のスーパーサイヤ人』の形態へと変身したブロリーの姿があった。無惨は大量の冷や汗をかき、堕姫は顔中に血管を浮かび上がらせて不快そうに睨み付けた。ブロリーは無惨にその白眼を向けた。

 

ブロリー「!・・鬼舞辻無惨。」

 

無惨「・・・堕姫。」

 

堕姫「はい、無惨様。」

 

無惨「奴を葬る役割をお前に託そう。もし、その男の頸を持って帰って来たならば、私が直々に極上の褒美をくれてやろう。」

 

その言葉に堕姫は一瞬目を見開き、そして笑みを浮かべ頬を赤らめて返事をする。

 

堕姫「はい・・!はい!無惨様!!///必ずや、御期待に答えて見せます!///」

 

無惨「私の期待を裏切ってくれるなよ?鳴女!」

 

ベベン

 

無惨が叫ぶと琵琶の音が鳴り、その後ろに襖が出現する。無惨はそこに入ると、襖が閉じる。無惨は京極屋から無限城へと帰ったのだ。

そしてその場に残った堕姫は、再び不快そうな鋭い視線をブロリーに飛ばした。

 

堕姫「お前・・!私とあの方の至福の一時を邪魔しやがって!覚悟は出来てるんだろうね?」ゴゴゴ

 

ブロリー「フン!覚悟などするまでもない。それにしても鬼舞辻無惨。あいつは俺の姿を見たらそそくさと姿を消したな。所詮奴は、この俺に恐れを成して逃げ出す臆病者なのだ。」

 

堕姫「!!あの方を侮辱するとは!万死に値する!」

 

無惨を侮辱された堕姫は血管を浮かび上がらせて怒り狂い、血鬼術の帯をゆらゆらと揺らして威嚇する。

 

ブロリー「本当のことだろう?それにお前もそんな格好で美しい女になったつもりか?その程度で禰豆子やしのぶ達と対等になったと思うなよ?醜女のクズめ。」

 

ブロリーの更なる煽りに堕姫は青筋をいくつも浮かべて睨み付けていた。

 

堕姫「・・・今まで鬼狩りの柱を七人葬ってきたけど、私をここまで本気で怒らせたのはお前が初めてだよ。相当死にたいようだね。いいわよ、お望み通り残酷に殺して喰ってあげる!」

 

ブロリー「さぁ来い!ここがお前の死に場所だぁ!」ゴゴゴゴゴ

 

遂に遊郭を巣食っている鬼を見つけたブロリー。鬼舞辻無惨には逃げられたものの、目の前の上弦の陸を相手に臨戦態勢をとるのだった。




遊郭編本当に難しい。ようやく書けました。ブロリー達が遊郭に来るのと、お三津の生存と無惨が遊郭に来るのを同日としました。次回は戦闘回になると思いますので頑張って書きたいと思います。それではまた次回。
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