伝説の超鬼殺隊員   作:ツキリョー

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第二十二話です。久しぶりに一万文字を超えました。相変わらず駄文ですが、最後まで読んでくださると嬉しいです。


遊郭で燃え尽きろ!!熱戦!烈戦!超激戦!前編

ブロリーが堕姫と遭遇し、戦いの火蓋が切って落とされようとしていた。一方でとある家の屋根。炭治郎達は集まって情報交換をしていた。

 

猪子(伊之助)「だーかーら!俺んとこに鬼がいんだよ!こういう奴がいるんだって!こういうのが!!」グワッ

 

炭子(炭治郎)「いや・・うんそれはあの・・ちょっと待ってくれ。」

 

猪子(伊之助)「こうか!?これならわかるか!?」クキッ

 

炭子(炭治郎)「そろそろ宇髄さんと善逸定期連絡に来ると思うから・・」

 

猪子(伊之助)「こうなんだよ!俺にはわかってんだよ!」

 

炭子(炭治郎)「うんうん・・」

 

伊之助は炭治郎に荻本屋に鬼がいることを伝えようとしていたが、擬音があまりにも多いため炭治郎にはいまいち伝わってなかった。

 

天元「善逸は来ない。」

 

炭治郎・伊之助「「!!」」

 

そのとき、天元が目に光を映していない状態で音もなく現れた。急に姿を現したため、二人は驚いて肩を震わせた。

 

猪子(伊之助)(コイツ・・やる奴だぜ。音がしねぇ・・風が揺らぎすらしなかった・・)

 

炭子(炭治郎)「善逸が来ないってどういうことですか?」

 

伊之助は天元の気配もなく現れたことに警戒し、天元は炭治郎のには答えず、暗い表情のまま淡々と語った。

 

天元「お前達には悪いことをしたと思ってる。俺は嫁を助けたいが為にいくつもの判断を間違えた。善逸は今行方知れずだ。昨夜から連絡が途絶えてる。お前らはもう"花街"から出ろ、階級が低すぎる。ここにいる鬼が"上弦"だった場合対処できない。消息を絶った者は死んだと見なす。あとは俺一人で動く。」

 

炭子(炭治郎)「いいえ宇髄さん!俺たちは・・!!」

 

天元は炭治郎の"上弦の鬼だろうと戦う"と続くはずだった言葉を遮り、指示を出した。

 

天元「恥じるな、生きてる奴が勝ちなんだ。機会を見誤るんじゃない。」

 

天元がそう言ったのを最後にこの場から姿を消そうとしたとき、鎹鴉が飛んできて炭治郎達の周りを旋回する。

 

「カァー!!カァー!!破壊柱ブロリー!!上弦ノ陸、ソシテ鬼舞辻無惨ト遭遇!!ナオ鬼舞辻無惨ハ逃ゲタ模様!!現在上弦ノ陸ト交戦中!!音柱宇髄天元及ビ竈門炭治郎・嘴平伊之助ハ大至急援護二向カエー!!カァー!!カァー!!」

 

天元・炭治郎・伊之助「「「!!」」」

 

炭治郎達は鴉の鬼舞辻無惨と遭遇したという情報に驚いたが、上弦の鬼と戦っていると聞いてそれどころではなかった。

 

天元「・・やはり上弦の鬼だったか。俺の読み通りだ。お前ら、地味な報告会はここまでだ。援護に行くぞ。ブロリーはド派手に強えから殺られることはねぇだろうが、それでも向かうぞ。支度は急げよ?」フッ

 

天元はそれだけ言うと、再び音もなく姿を消した。そしてその場に残されてるのは二人だけになった。

 

猪子(伊之助)「俺達もすぐに行くぞ!」

 

炭子(炭治郎)「そうだな!でも少し待っててくれ!あと少しで俺のいる店も調べ終わるから。」

 

猪子(伊之助)「何でだよ!ブロッコリーの所に行くんだから今から動けっつーの!!頭悪ィなテメーはホントに!!」ムギュウ

 

炭子(炭治郎)「イタタタ!はなひてふれ!」

 

炭治郎の言葉に激昂した伊之助は、青筋をたてて炭治郎の頬を摘まみ引っ張った。炭治郎は痛みを感じながらもそれを否定した。そしてなんとか離してもらえた炭治郎は頬を擦りながら説明する。

 

炭子(炭治郎)「建物の中に通路があるんじゃないかと思うんだよ。」

 

猪子(伊之助)「通路?」

 

炭子(炭治郎)「そうだ、しかも店に出入りしてないということは、鬼は中で働いている者の可能性が高い。鬼が店で働いていたり、巧妙に人間のふりをしていればいるほど、人を殺すのには慎重になる。バレないように。」

 

猪子(伊之助)「そうか・・殺人の後始末には手間が掛かる。血痕は簡単に消せねぇしな。」

 

炭子(炭治郎)「それに今ブロリーさんが上弦の陸と戦っているのなら、善逸も宇髄さんの奥さんたちも、その通路のどこかに閉じ込められてるだけだと思う。まだ皆生きてるつもりで行動する。必ず助け出す。伊之助にもそのつもりで行動して欲しい。そして絶対に死なないで欲しい。それでいいか?」

 

猪子(伊之助)「・・・・お前が言ったことは全部な、今俺が言おうとしてたことだぜ!!」

 

炭治郎の出した案で合意した二人は、そのまま残りの店を調べるために一度解散するのだった。

 

炭治郎side

 

客人を向かえるために準備をしていた鯉夏花魁は、優しい笑みを浮かべながら遊女二人に声をかけた。

 

鯉夏「もう支度はいいから御飯を食べておいで。」

 

「「はーい。」」

 

御飯を食べることを許された遊女二人は、楽しそうに笑いあいながら小走りで部屋を出ていった。それと入れ替わるようにして部屋に入ってきたのは、元の鬼殺隊の格好をした炭治郎である。

 

炭治郎「鯉夏さん。不躾に申し訳ありません。俺は"ときと屋"を出ます。お世話になった間の食事代などを旦那さんに渡していただけませんか?」スッ

 

炭治郎はそう言うと、床にお金の入った封筒を差し出した。鯉夏は炭治郎の姿に驚く。

 

鯉夏「炭ちゃん・・その格好は・・」

 

炭治郎「訳あって女性の姿でしたが俺は男なんです。」

 

鯉夏「あっそれは知ってるわ。見ればわかるし・・声も。」

 

鯉夏は最初から炭治郎が男だということを見破っていたのだ。その事を今知って衝撃を受けた炭治郎は、すっとんきょうな声を出すことしかできなかった。

 

炭治郎「・・・・えっ?」

 

鯉夏「男の子だっていうのは最初からわかっていたの。何してるのかなって思ってはいたんだけど・・」

 

炭治郎(・・・・まさかバレていたとは・・)

 

心の中で既にバレていたことを相当気にしている炭治郎をよそに、鯉夏は話を続ける。

 

鯉夏「事情があるのよね?須磨ちゃんを心配してたのは本当よね?」

 

炭治郎「はい!それは勿論です!嘘ではありません!いなくなった人たちは必ず助け出します。」

 

鯉夏「・・・・鬼の仕業よね?」

 

炭治郎「!!知ってるんですか!?」

 

鯉夏「"京極屋"の女将さんが鬼に殺されかけたらしいの。それを金髪と金の首飾りを着けた色男が、地面に叩きつけられる直前で助け出したって噂になってるわ。」

 

炭治郎(ブロリーさんだ!)

 

鯉夏の話を聞いて、炭治郎はその特徴から女将さんを助けたのはブロリーであることをすぐに悟った。そしてやっぱりすごいと改めて実感した。

 

鯉夏「炭ちゃん、いなくなった人を助けるって言ってくれてありがとう。少し安心できたわ。私ね・・明日にはこの街を出ていくのよ。」

 

炭治郎「そうなんですか!!それは嬉しいことですね。」

 

鯉夏の朗報を聞いた炭治郎は、まるで自分の事のように喜び、純粋な笑みを浮かべた。

 

鯉夏「こんな私でも奥さんにしてくれる人がいて・・今本当に幸せなの。でも・・だからこそ残していく皆のことが心配でたまらなかった。嫌な感じのする出来事があっても私には調べる術すらない・・」

 

炭治郎「それは当然です。どうか気にしないで、笑顔でいてください。」

 

鯉夏は自分の無力さに嘆き、炭治郎は気にせず幸せになってほしいと励ました。

 

鯉夏「・・私はあなたにもいなくなってほしくないのよ、炭ちゃん。でもあなたは鬼狩り様・・仕事を妨げるわけにはいかないわ。私には何もできないけど、それでもあなたのご武運を祈ってるわ。頑張ってね。」ニコッ

 

炭治郎「はい!ありがとうございます!」ペコ

 

鯉夏の応援を受けた炭治郎は、一礼してから部屋を出ていったのだった。

 

伊之助side

 

一方、荻本屋で待っている伊之助は、炭治郎がなかなか来ないことに痺れを切らしていた。

 

伊之助「遅いぜ!!こっちは準備出来てるっつーのに来る気配がしねぇぜ!!惣一郎の馬鹿野郎が!!俺は動き出す!!猪突猛進をこの胸に!!」グッ ズギョム バキーン

 

伊之助は低く屈むと脅威の脚力を使った大跳躍で、天井を突き破って顔を出して叫ぶ。

 

伊之助「ねずみ共!!刀だ!!」

 

天井裏の奥から、刀を一本ずつ持ってきている二匹のマッチョなねずみが伊之助へと近づいてきた。このねずみ達は天元の使いで"忍獣ムキムキねずみ"である。特別な訓練を受けていて知能が高く、力も強いため一匹で刀一本を持ち上げられるのだ。伊之助は刀を取ると、頭に猪の被り物を被って動き出した。

 

伊之助「行くぜ鬼退治!!猪突猛進!!」

 

そのまま荻本屋の外へと行った。そこでちょうど炭治郎と合流して、ブロリーと堕姫が戦っている所へと移動した。

 

炭治郎「伊之助!」

 

伊之助「!権八郎遅えぞ!俺一人で動くところだったぜ!」

 

炭治郎「ごめん!今からブロリーさんの所へ行こう!」

 

伊之助「指図するな!だがわかった!」

 

しかし、一人の遊女が伊之助の本来の姿を怯えて震えながら見ていたことには全く気づかないのであった。

 

天元side

 

音柱の天元は、善逸と雛鶴が行方不明になった京極屋へ行き、店長の喉元に小刀を突きつけて愚問していた。

 

天元「善子と雛鶴はどうした?簡潔に答えろ。問い返すことは許さない。」チャキ

 

店長は逆らえば殺されると本能的に悟り、冷や汗を流しながら正直に二人の行方を教えた。

 

「・・善子は消えた・・雛鶴は病気になって切見世へ・・」

 

天元「・・心当たりのあることを全て話せ。怪しいのは誰だ?信用して言え、そいつは必ず俺が殺す。」

 

店長は自分の妻が先ほど助けられた情報を持っていたため、それを天元に伝えた。

 

「・・お三津が言っていた・・怪しいのは蕨姫という花魁だ。日の当たらない北側の部屋にいる・・!!」

 

天元は善逸と雛鶴と鬼の居場所を聞き出すと、風のごとく音もなく消え、北側の部屋へと移動した。しかし、そこは既にもぬけの殻であった。

 

天元(いない。ブロリーとド派手に戦っていやがるのか。雛鶴もまだ生きていれば鬼の情報を持っているはずだ。もしブロリーが鬼を倒せていなくても、夜明けには鬼もここに戻るはずだ。必ず俺の手でカタをつける。)

 

天元は鎹鴉からブロリーが上弦の陸と戦っていると聞かされているが、天元はブロリーのことを心配していなかった。それは勝とうが負けようががどうでもいいということではなく、ブロリーなら絶対に上弦の陸に勝てると確信しているからである。それほどまでに天元はブロリーのことを信用しているのだ。そして天元は、切見世と呼ばれる最下級の女郎屋へと到着し、雛鶴に解毒薬を飲ませるのだった。

 

雛鶴「天元様。私には構わずもう行ってくださいませ・・鬼が暴れています・・」

 

天元「本当に大丈夫だな?」

 

雛鶴「はい・・お役に立てず申し訳ありません。」

 

天元の妻の一人である雛鶴は、蕨姫花魁が鬼だと気づいていたが、堕姫も雛鶴の動きを怪しんでいたために、うまく身動きがとれなくなっていたのだ。わざと毒を飲み、病に罹ったふりをして"京極屋"から出ようとしたが、別れ際に蕨姫花魁に分身の帯を渡されたのだ。何か起きた場合、即座に雛鶴を始末できるように監視、及び殺害を目的とした行動であった。しかし、その帯は天元が持っていた小刀によって壁に刺され、雛鶴を救出したのだった。

 

天元「いいや、よくやってくれた。お前はもう何もしなくていい。解毒薬が効いたら吉原を出ろ。わかったな?」ギュッ

 

雛鶴「・・はい。」

 

雛鶴が了承の返事をすると天元は優しく、そしてキツく妻を抱き締めるのだった。そして天元が外に出ると、ちょうどそこへ炭治郎と伊之助が合流した。

 

炭治郎・伊之助「宇髄さん!/祭の神!今来たぜ!」

 

天元「!炭治郎!伊之助!お前らもブロリーの援護へド派手に向かうぞ!」

 

炭治郎・伊之助「はい!/おう!」

 

三人はブロリーが戦っている場所まで走っていくが、ふと天元と伊之助の足が止まる。

 

天元「!地面の下からも派手に鬼の気配がするぞ!」

 

伊之助「祭の神もか!今俺も同じ事を言おうとしたぜ!」

 

天元「伊之助もか!炭治郎!俺と伊之助はここから下へ行く!お前はブロリーの所へ向かえ!」

 

炭治郎「えっ!ですが・・!!」

 

天元「いいから行け!ブロリーは強えから殺られることはねぇだろうが、それでもあいつは今一人で戦っているんだぞ!万が一の事だってあるんだ!早くしろ!間に合わなくなっても知らんぞ!」

 

炭治郎「!はい!」ダッ

 

炭治郎は地上を走ってブロリーの援護へと向かい、それを見届けた天元は自分の包丁のような大きく鋭い日輪刀を振り上げると地面へと技を放った。

 

天元「音の呼吸!壱の型!轟!!!」ドォォォン!!

 

伊之助「グワハハハ猪突猛進!!誰も俺を止められねぇ!!」バッ

 

天元「あっ!伊之助テメェ待ちやがれ!!」バッ

 

地面に大きな穴を開けると下には広い空洞があり、中には沢山の人間を閉じ込めた帯が縦横無尽に広がっていた。

 

伊之助(人間柄の布?なんだこりゃ?いや、この感触・・・・生きてる人間だ。女の腹巻きの中に捕まえた人間を閉じ込めとくのか。それで好きな時に出して喰うんだ。)「ん?」

 

伊之助がふと隣をみると、そこには帯に閉じ込められながら鼻提灯を作って爆睡している善逸の姿があった。

 

伊之助「何してんだコイツ・・」

 

伊之助はそんな善逸を呆れた表情で見ていた。そして天元もやってくる。

 

天元「!まきを!!須磨!!今出すぞ!」バッ

 

天元は帯に閉じ込められてる二人の嫁を見つけて、体を傷つけないように切り離した。それだけでなく、縦横無尽に広がっていた帯も一瞬にして刻み、閉じ込められてた人を助け出した。

 

堕姫(分身)「お前たちは何をしてるんだよ?他所様の食糧庫に入りやがって汚いね。」

 

伊之助・天元「「!!」」

 

伊之助と天元が声のした方へ向くと、帯に目や口がついている堕姫の分身である帯がぐねぐねと動いていた。

 

伊之助(何だこの蚯蚓、キモッ!!蚯蚓ってどうやって倒すんだっけ?小便かけるんだっけ?)

 

伊之助は山で培った知識を思い出そうとするが、それは間違った方法である。堕姫の分身はふと天元の方を見ると、気配と先ほどの動きで柱だと察した。

 

堕姫(分身)(この気配!!柱!!)

 

そして帯から出されたことにより、元の人の姿に戻ったまきをと須磨は、天元の姿を見つけた。

 

まきを「天元様・・」

 

天元「まきを、須磨、遅れて悪かったな。こっからはド派手に行くぜ!!」

 

天元が来た安心感からか、須磨は泣き出し、まきをは呆然とするのだった。

そして帯を全て片付けた天元は二人の頭をポンポンと軽く叩いた。

 

天元「派手にやってたようだな。流石俺の女房だ。」

 

須磨は天元に誉められたことで更に声を出して大泣きするのであった。そこへ伊之助が青筋をたてながら天元に怒鳴り付けた。

 

伊之助「オイィィ!!祭りの神テメェ!!蚯蚓帯共が穴から散って逃げたぞ!!」

 

天元「うるっせぇぇ!!捕まってた奴ら皆助けたんだからいいだろうが!!まずは俺を崇め讃えろ!!話はそれからだ!!」

 

天元は家族との感動の再会を邪魔されたせいか、同じく青筋をたてて伊之助に怒鳴り返していた。そこへまきをが二人にドン引きしながらも天元に助言するのだった。

 

まきを「天元様、早く追わないと被害が拡大しますよ・・」

 

天元「野郎共追うぞ!ついて来い!さっさとしろ!」

 

天元は先刻自分で開けた大穴から飛び出すと、建物の屋根に飛び移り、とんでもない速さで駆けていった。

 

天元「どけどけェ!!宇髄様のお通りだ!!ワハハハハハ!!」

 

伊之助「くそォ!速ェ!!」

 

その速さについて行けない伊之助は、汗だくになりながらも天元との実力差に悔しさを覚えるのだった。

 

ブロリーside

 

堕姫と対峙しているブロリーは、一方的な力で堕姫を押していた。

 

ドガガガガガ!!

 

堕姫「ギャアアッ!!くっ・・調子に乗るんじゃないわよ!!不細工の分際で!!」

 

ブロリー「その程度のパワーで俺を倒せると思っていたのか?上弦の鬼だとわかって少しは楽しめそうだと思ったが、この程度の雑魚だったとは・・興ざめだ。」

 

堕姫「・・私を馬鹿にしたわね?お前は確実に殺す!!」ギュルギュルギュルギュル!!

 

それは驚きの光景だった。なんと、先程天元によって切り裂かれた分身の帯が、堕姫の本体の中へと入っていくのだ。

 

ブロリー(帯がムシケラの体の中に入っていってる!?気持ちわリーです・・)

 

全ての帯が入りきると、髪の色が黒から銀へと変わり、顔に花の模様ができていた。これが堕姫の真の姿なのである。

 

堕姫「花街を支配するために分裂していた私の体、ひとつに戻ったらその速度や力は比じゃないのよ。お前は私をここまで本気で怒らせたんだ。なぶり殺しにしないと気が済まないわ!」ゴゴゴゴゴ

 

ブロリー「フハハハハハハハハハ!!雑魚帯のパワーをいくら吸収したとて、この俺を超えることは出来ぬぅ!!」ゴゴゴゴゴ

 

堕姫とブロリーはお互いに力を高めあい、攻撃するべく地面を蹴った。

 

堕姫「血鬼術!八重帯斬り!」ピュンピュンピュン!!

 

堕姫は帯を何重にもクロスさせてブロリーを切り刻もうとするがそれでも傷をつけることは出来ずに帯が弾かれる。

 

ガキーンガキーンガキーン!

 

堕姫「!!」

 

ブロリー「破壊の呼吸!拾壱の型!ギガンティックハンマー!」ドゴォ!!

 

堕姫「ガァッ!?」

 

ブロリーは堕姫にラリアットを決めると、そのまま蹴り飛ばしてから顔面を掴んで地面に叩きつける。

 

バキッ ガシッ!

 

ブロリー「死ぬがいい!!」ズザザザー!!

 

堕姫「ギャアアッ!!」

 

そしてそのまま持ち上げると、ピクリとも動けない堕姫を空中に放り投げた。堕姫は受け身も取れずに地面に落下する。それと同時に炭治郎が到着した。

 

炭治郎「ブロリーさん!大丈夫ですか!?」

 

ブロリー「炭治郎、ようやく来たのか。待ちくたびれて先にムシケラを血祭りにあげていたところだぁ。」

 

炭治郎がブロリーの指差した方向を見ると、そこには満身創痍になりながらもなんとか立ち上がり、全身に傷を作りながらブロリー達を睨み付けている堕姫の姿があった。

 

堕姫「アンタ・・よくもやったわね!私の体に傷を作りやがって!万死に値する!」

 

ブロリー「クズがぁ・・まだ生きていたのか。大人しく殺されていれば痛い目に遭わずにすんだものを。」

 

堕姫は怒りでブロリーしか見えていないようであったが、炭治郎の姿が目に入ってから、少しだけ冷静さを取り戻していた。

 

堕姫「?もう一人鬼狩りの子がいるわね。そう、柱じゃない奴は要らないのよ、わかる?私は汚い年寄りと不細工を喰べないし。それに比べてあの力、そして闘気、アンタは柱のようね。結構な肉体美、いいね。喰べごたえがありそうね。よかった。あの方に喜んでいただけるわ・・」

 

炭治郎(なんて禍々しい匂いだ。喉の奥が痺れて痛い。でも伊之助たちの方に宇髄さんがいるのか?だったら安心だ・・)

 

「おい!!何をしてるんだお前たち!!」

 

炭治郎・ブロリー「「!!」」

 

突如として聞こえてきた大声に炭治郎たちがみてみると、一人の店の店長が出てた。炭治郎たちと堕姫の戦いの騒ぎで外へと出てしまっていたのだ。

 

「人の店の前で揉め事起こすんじゃねぇぞ!!」

 

堕姫「・・うるさいわね。」

 

炭治郎「だめだ!!下がってください!!建物から出るな!!!」

 

炭治郎が大声で注意喚起するも時すでに遅し、堕姫は建物ごと切り裂く帯の攻撃で店長の手首を切り落としたのだった。

 

「グッアアッ・・グアアアアッ・・アアッ・・」

 

店長が呻き声をあげると共に、堕姫の攻撃を受けた建物が大きな音をたてて崩れ落ちた。胴体が真っ二つになった花魁や首を切断された男性など、目を覆いたくなるような惨状に一瞬にしてなってしまったのだ。

 

「ギャアアアアッ!!」

「イヤアアアアッ!!」

 

花街のあちらこちらから絶叫が聞こえてくる。炭治郎はせめて後ろの男性だけでも助けようと、応急処置の方法を伝える。

 

炭治郎「落ち着いて、あ・・貴方は助かります。腕を・・紐で縛って・・」

 

「・・・・」

 

男性にそう言う炭治郎だったが、本人も斬られて血が噴き出しているだけではなく、そこから更に毒も入ってしまった為に大量の汗をかいていた。それを見た堕姫は口に弧を描き、その場から去ろうとしたが

 

炭治郎「!待て、許さ・・ないぞ・・こんなことをしておいて。」

 

堕姫「何?まだ何か言ってるの?もういいわよ不細工。醜い人間に生きてる価値なんて無いんだから、仲良くみんなで死に腐れろ。」

 

堕姫は心底うざそうに炭治郎を一蹴すると、再び種を返してどこかへ行こうとする。しかし

 

ブロリー「どこへ行くんだぁ?」ゴゴゴゴゴ

 

堕姫「!!・・チッ邪魔ね。」

 

ブロリー「炭治郎たちをこんな目に遇わせておいて、生きて帰れると思うなよ?」ゴゴゴゴゴ

 

ブロリーは『伝説のスーパーサイヤ人』の形態で青筋を浮かべていた。それもそのはずである。ブロリーが心の底から信頼できるはじめての仲間を毒付けにされたのだ。怒るのも当然である。

 

堕姫「うるさいわね。アンタが怒っているように私も怒っているのよ。私の体に付けた傷、未だに再生しないじゃない。アンタは柱で私と互角の実力があるようだけど、それでも私に勝つなんて無理な話よ。私にはまだ切り札があるのよ。」

 

堕姫の勝利宣言をブロリーは聞いていた。そして一度俯いたかと思うと、悪魔のように笑った。

 

ブロリー「・・フフフフフ!!フハハハハハハ!!フハハハハハハ!!」

 

堕姫「・・何が可笑しいの?」

 

いきなりブロリーに見下されるように笑われた堕姫は不快感を隠そうともせずに眉間に皺をよせて尋ねた。

 

ブロリー「フハハハハハハ!!貴様、何か勘違いをしていないかぁ?いつ俺がお前相手に全力を出してると言ったんだぁ?」

 

堕姫「・・見栄を張ってんじゃないわよ!!血鬼術!八重帯斬り!」ピュンピュンピュン!

 

ブロリー「雑魚が・・何をしても無駄だ。」バッ!

 

ブロリーは帯の合間を縫って血鬼術を綺麗に避けると、堕姫の鳩尾に拳を叩き込んでから顔面を蹴り飛ばした。そして攻撃を受けた堕姫は顔と腹を抑えて蹲った。

 

ブロリー「デヤァッ!!」ドゴォ! バキッ!

 

堕姫「ギャアアッ!!」

 

ブロリー「フン、見栄を張るなって言って襲いかかってきたのは貴様だろう?どうした?この程度でもう終わりか?俺はまだ100の1も力を出してないぞ。」

 

堕姫「!!」

 

ブロリーの衝撃の事実に堕姫は戸惑いを隠せなかった。今の攻撃で、力を全く出してない上に自分には重すぎる程のダメージが入ったことを本能的に悟ったのだ。

 

堕姫(は?これで100の1未満?・・何なのよ・・何なのよ!!コイツのこの力は!!私の血鬼術を使った攻撃は全く効かないのに、コイツの力はほんの少しで私に致命傷を与える!こんなの反則よ!・・まっまさか・・こいつ・・こいつが・・!)

 

堕姫はブロリーが特徴的な見た目なのと、圧倒的すぎる力を前にしてとあることを思い出していた。それは約四ヶ月前に"猗窩座が殺されたことによって開かれた無限城での会議"だった。

自分達の主である鬼舞辻無惨が自分よりも圧倒的に強いと恐れ、徹底的に警戒している一人の鬼狩り、上裸で金の首飾りを着けている禍々しい気を常時放っている柱の一人、ブロリーという名を持つ鬼の気配に似ている鬼殺隊の隊員が現れてから、無惨が異様にピリつくようになったのだ。堕姫は今、無惨が最も危険視している者と対峙していたのだ。

 

堕姫「お前が・・あの方が言っていた鬼狩り、ブロリーか!?」

 

ブロリー「フフフ!正解だ、よく当てたと誉めてやりたいところだぁ!」

 

堕姫がブロリーの事を当てた直後、堕姫の頚元に迫る一本の足による蹴りが当たった。

 

バキッ!

 

堕姫「!ガァッ!」ゴトン!

 

炭治郎「禰豆子!お前・・!」

 

その正体は禰豆子だった。彼女もブロリーと同じように、兄である炭治郎を毒付けにされたことに怒っているのだ。

 

禰豆子「ヴーーーッ!!ヴーーーッ!!」

 

禰豆子は唸りながら堕姫がぶっ飛んで行った方を睨み付ける。しかし、堕姫も上弦である。瞬く間に禰豆子につけられた傷が瞬く間に再生していき、遂には"禰豆子に傷つけられた部分だけ"何事もなかったかのように無傷になっていた。

 

堕姫「よくもやったわね!アンタ・・そう、アンタ!アンタなのね!!あの方が言ってたのはアンタなのね!!」

 

堕姫は再び少し前の記憶を思い出していた。ブロリーが部屋を蹴破る前に無惨に頭を撫でられていた堕姫は、自分の支配を逃れたという理由で禰豆子の抹殺を命令していたのだ。

 

堕姫「ええ勿論。なぶり殺して差し上げます!お望みのままに・・!!」

 

禰豆子は立ち上がると、再び堕姫の顔面に蹴りをいれようとする。

 

堕姫(同じ手は何度も食わないわよ!!蹴るしか脳が無いのか!!)「雑魚鬼が!!」ザシュ!

 

禰豆子「!!」

 

炭治郎「禰豆子!!」

 

堕姫の帯が一瞬の後に禰豆子の胴体を真っ二つに切断してしまったのだ。それを見た炭治郎の怒りは限界点を超えた。

 

炭治郎「妹を傷つける奴は!!上弦だろうがなんだろうが許さない!!」ビキビキ

 

炭治郎は呼吸を止めて堕姫の右足を切断した。血涙を流しながら、表情を変えずに口を開く。

 

炭治郎「失われた命は回帰しない。二度と戻らない。生身の者は、鬼のようにはいかない。なぜ奪う?なぜ命を踏みつけにする?」

 

このときの堕姫は体に流れている鬼舞辻の細胞によって、炭治郎がかつての無惨の天敵、"継国縁壱"と重なって見えていた。

 

堕姫(これは私じゃない、私の記憶じゃない。細胞だ。無惨様の細胞の記憶・・)

 

炭治郎「人間だったろうお前も。かつては。痛みや苦しみにもがいて涙を流していたはずだ。」

 

ドゴォ

 

堕姫は炭治郎の話を無理矢理遮る為に地面を思いっきり殴り付けてクレーターを起こした。

 

堕姫「ごちゃごちゃごちゃごちゃ五月蝿いわね。昔のことなんか覚えちゃいないわ。私は今鬼なんだから関係ないわよ。鬼は老いない。食うために金も必要ない。病気にならない。死なない。何も失わない。そして美しく強い鬼は、何をしてもいいのよ・・!!」

 

炭治郎「わかった。もういい。」ゴゴゴゴゴ

 

炭治郎は般若のような形相を浮かべると、そのまま堕姫に向かっていった。

 

堕姫「血鬼術!八重帯斬り!」ピュンピュンピュン!

 

堕姫は先程さんざんブロリーに向けて使った血鬼術を今度は炭治郎に向かって放った。しかし

 

炭治郎「ヒノカミ神楽!灼骨炎陽!」ガガガガ!

 

炭治郎が帯を切り裂きながら堕姫との間合いに入って頚に刀を振るうが

 

堕姫「アンタなんかに私の頚が斬れるわけ無いでしょ・・!!!」

 

堕姫は胴体と頭を帯でくっつけることによって斬られることを防いでいたのだ。その事に気づいた炭治郎は一旦距離をとって再び堕姫に向かっていこうとするが

 

ブロリー「炭治郎!!息をしろ!!死ぬぞ!!」

 

炭治郎「!!」ゴホッゴホッゴホッ

 

炭治郎の命の危機を感じたブロリーは炭治郎に思いっきり叫び、その声で我に返った炭治郎は息を止めていた反動で咳き込んでいた。

 

ブロリー「炭治郎、よく頑張ったと誉めてやりたいところだぁ!今度は俺の番だ。」

 

ブロリーは気を高ぶらせて片手に気弾を作り、それを堕姫に投げつけようとするが

 

禰豆子「ム゛ーーーー!!!」ポーヒー ドカーン!

 

堕姫「きゃあっ!?」

 

ブロリー・炭治郎「「!!」」

 

ブロリーが緑色の気弾で攻撃する前に、ブロリーとは別の桃色の気弾が飛んできて堕姫に命中したのだ。ブロリー程の威力はないが、それでも彼以外から気弾が飛んでくるとは誰も予想できずに驚いていた。桃色の気弾が飛んできた方を見ると、そこには禰豆子が野球の投手のように何かを投げ終えたような構えをとっていた。そう、気弾を投げつけたのは禰豆子である。堕姫と炭治郎は信じられないものを見たような目で禰豆子を見ていた。そしてブロリーが三人の気持ちを代弁するかのように禰豆子に聞いた。

 

ブロリー「・・禰豆子、何故お前が、イレイザーキャノンを撃てるのだ?」

 

口枷をしているため喋れない禰豆子はそのままブロリーの隣に立って堕姫を睨み付けるのだった。




戦闘があまりにも長いので兄が出てくるのはもう少しあとになりそうです。そして禰豆子が新たな力に目覚めました。ブロリーとの接点が少しでもあればいいと思ってこうさせていただきました。それではまた次回。
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