伝説の超鬼殺隊員   作:ツキリョー

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第二十七話です。なんとか三週間間が空くより前に投稿できて安心している主です。相変わらずこんな小説ですが、最後まで読んでくれると嬉しいです。


霞柱・時透無一郎登場!炭治郎命がけの修行!

刀鍛治の里に到着したその翌日、炭治郎とブロリーは蜜璃が言っていた秘密の武器を探しに木々が覆い茂る林へと来ていた。

 

炭治郎「甘露寺さんの言ってた武器って何ですかね?」

 

禰豆子「うー。」

 

ブロリー「やはり刀ではないか?俺は必要ないが、お前達はムシケラ共を倒すには必須の物だろう。日輪刀を探し出すと考えるのが普通だと思うが。」

 

炭治郎「師範もそう思いますか?俺も刀じゃないかなと思ってたんです。埋まってたりするんですかね?宝探しみたいでわくわくしますね。」

 

ブロリー「そうだな。たまにはこういう事も悪くない。今日は武器を見つけ出す。ついてこい、お前達!」

 

炭治郎/禰豆子「はい!/ムー!」

 

だが、炭治郎達の目的はそれだけではない。鋼鐵塚を探し出すことも視野にいれなければいけないのだ。炭治郎は得意の鼻で匂いを嗅ごうともしたが、体力が万全ではないのと温泉の硫黄の匂いが強いためあまり機能しないのだ。

 

炭治郎「すごくいいところだけど温泉の匂いが強いなぁ。うーん。体力が万全じゃないのも鼻が利きにくい原因だ。鋼鐵塚さんを早く見つけたいんだが・・」

 

ブロリー「ここに住んでいる奴らでも見つけるのに手こずっているんだ。里の形も把握していない俺達が見つけるのは容易ではないだろう。」

 

炭治郎「ですよね・・ん?」

 

炭治郎が見つけたものは、ひょっとこの面を着けた刀鍛治の里の子供"小鉄"と鬼殺隊の霞柱である"時透無一郎"の二人だ。どうやら揉め事をしているようだった。

 

炭治郎「あれ?確か柱の・・何て言ってたっけしのぶさん・・そうだ。霞柱、時透無一郎だったはず。」

 

小鉄「どっか行けよ!!何があっても鍵は渡さない!使い方も絶対教えねぇからな!!」ギャー

 

炭治郎(何だろう?もしかして揉めてるのかな?どうしよう・・盗み聞きは良くない。だけど揉め事だったら仲裁しないと!)

 

ブロリー「なにしてんだ?あの餓鬼と小僧は?」

 

一方的に捲し立てられている無一郎はゆっくりと右手をあげると、そのまま手刀を小鉄の首にぶつけて転ばせる。そのまま小鉄の胸倉を掴むと、締め上げた。

 

無一郎「・・・・」グググ

 

小鉄「ぐ・・うぐ・・」

 

それを見た炭治郎は思わず飛び出し、ブロリーも後を追って飛んでいく。

 

炭治郎「やめろーっ!!何してるんだ!!手を放せ!!」ガシィ

 

無一郎「声がとてもうるさい・・誰?」

 

炭治郎「子供相手に何してるんだ・・!!手を・・ぐっ」(びくともしない!!)

 

炭治郎は無一郎の片手を全く動かせないことに驚きを隠せない。無一郎の体は炭治郎よりも小さく、筋肉量も炭治郎より少ないのだ。なのにも関わらず炭治郎が全力で手を放させようとしているのに、本人は涼しい顔でうざそうにしていた。

 

無一郎「君が手を放しなよ。」グッ

 

無一郎が空いているもう片方の手で炭治郎の鳩尾に肘をいれようとしたが、その前にブロリーが無一郎の腕を掴んで止める。

 

ブロリー「やめろ。何炭治郎に手を出そうとしているんだ小僧?」

 

炭治郎「!師範!」(見えなかった・・!この子の肘の動きが・・!師範が止めてくれなかったら、俺は鳩尾を討たれて悶絶していた・・!)

 

無一郎「貴方は確か・・お館様を助けてくれた人・・誰だっけ?思い出せないや・・同じ柱だってことは覚えてるけど・・」

 

ブロリー「ブロリー、破壊柱だ。手を退かせ。」バッ

 

ブロリーは無一郎の肘を乱暴に払う。無一郎は炭治郎を見ると、光が灯ってない目で蔑んだ。

 

無一郎「君、すごく弱いね。よく鬼殺隊に入れたな・・貴方もよくこんな人を継子にしたね。」

 

ブロリー「何だと?」

 

無一郎「その人、僕の肘の動きを目で追うことすら出来てなかったよ。貴方が止めていなかったら今頃地面に蹲って悶絶してたよ?この程度の動きにもついてこれないような人をなんで継子にしたの?継子ならもう少し有能な人にした方がいいと思う。」

 

ブロリー「炭治郎を侮辱するな小僧。助太刀こそはしたが、上弦の頚を斬ったのは炭治郎だ。耀哉から聞いたぞ、上弦を倒したのは百年ぶりだとな。俺は炭治郎を弟子にしたことに後悔はない。上弦と遭遇してすらいない分際で分かったように言うな。」

 

炭治郎は無一郎に言われたことに抗議しようとしたが、その前にブロリーが無一郎に言ったことが嬉しかったらしくて純粋な笑みを浮かべた。しかし、無一郎は耀哉が呼び捨てにされたことに怒りを覚えていた。

 

無一郎「・・貴方お館様に慕う気あるの?なんでお館様を呼び捨てにしてんの?鬼殺隊の最高司令のお館様に忠誠を誓うのは当然のことだよ。そんなこともわからないの?」

 

ブロリー「そんな下らんことわかる必要もない。それに呼び捨ては耀哉公認だ。お前如きに指図される筋合いはない。」

 

無一郎「・・・・!」

 

無一郎は自分の手を見るとそこには小鉄の羽織のみ残っており、本人は炭治郎によって少し離れたところに引き離されたことがわかった。

 

炭治郎「大丈夫?」

 

無一郎(とられた・・)

 

小鉄「はっはなせよ!」ドンッ

 

炭治郎「目が回っているだろう?危ないよ。」

 

小鉄「あっち行け!!」

 

小鉄は炭治郎を突き飛ばしてから暴れ、何かを守るように震えながら断固として拒否の意思を示した。

 

小鉄「だ、誰にも鍵は渡さない。拷問されたって絶対に!"あれ"はもう次で壊れる!!」

 

無一郎「拷問の訓練受けてるの?大人だってほとんど耐えられないのに君は無理だよ。度を超えて頭が悪い子みたいだね。壊れるから何?また作ったら?君がくだらないことをぐだぐだぐだぐだ言ってる間に、何人死ぬと思ってるわけ?」

 

無一郎は炭治郎と小鉄を見下すかのように冷たい視線でそう言いはなった。無一郎は人にあまり配慮しない合理主義なのだ。

 

炭治郎「!?」

 

無一郎「柱の邪魔をするって言うのはそういうことだよ。柱の時間と君たちの時間は全く価値が違う。少し考えればわかるよね?刀鍛治は戦えない、人の命を救えない、武器を作るしか脳がないから。ほら、鍵。自分の立場を弁えて行動しなよ。赤ん坊じゃないんだから。」

 

パァン

 

無一郎は手を差し出し、小鉄は恐怖で震えていた。炭治郎は、そんな無一郎の手を叩いた。

 

小鉄「!!」

 

無一郎「何してるの?」

 

炭治郎「こう・・なんかこう・・すごく嫌!!何だろう、配慮かなぁ!?配慮が欠けていて残酷です!!」

 

無一郎「この程度が残酷?君・・「正しいです!!」

 

炭治郎は無一郎の言葉を遮ってから自身の言葉だけでは伝えきれずに、身振り手振り動かして言った。

 

炭治郎「あなたの言ってることは概ね正しいんだろうけど!間違ってないんだろうけど!刀鍛治は重要で大事な仕事です!剣士とは別の凄い技術を持った人たちだ!だって実際刀を打ってもらえなかったら俺達何もできないですよね?剣士と刀鍛治はお互いがお互いを必要としています!戦っているのはどちらも同じです!俺達はそれぞれの場所で日々戦って・・「悪いけど。」

 

今度は無一郎が炭治郎の言葉を遮り、心底うざそうに顔をしかめた。

 

無一郎「くだらない話に付き合ってる暇ないんだよね。」ガシッ

 

無一郎は炭治郎の頚目掛けて手刀を当てようとしたが、その前にブロリーが再び無一郎の腕を掴んで止めた。

 

無一郎「・・貴方まで何してるの?」

 

ブロリー「お前こそ何してる?炭治郎に手を出すなと言っただろう。言葉の意味すらわからないのか小僧。」

 

無一郎「貴方も柱でしょ?その子達に時間をかける暇があるなら一体でも鬼を狩ったらどうなの?」

 

ブロリー「それは貴様にも全く同じことが言えるのではないか、こんなところで何してる?」

 

無一郎「人形で修行するために来たんだよ。なのにその子がぐだぐだくだらないことを言ってるから時間の無駄になってるの。」

 

ブロリー「要は修行がしたいんだろう?ならば俺が相手になってやる。」

 

炭治郎「!!?師範!?」

 

無一郎「・・どういうこと?」

 

ブロリーの唐突な修行の相手宣言は、炭治郎だけではなく無一郎本人までもを驚かせたらしい。実際に無一郎は少し目を開いて考えが追い付いていないようだった。

 

ブロリー「人形よりも意思を持った俺と戦う方がいい修行になるだろう。俺はムシケラにも刀ではなく素手で戦うからな。お前も組手として戦えば時間の無駄にはならないのではないか?」

 

無一郎「・・わかった。いいよそれで。でも真剣で貴方を殺す気でいくし、一瞬で終わるから。」

 

ブロリー「フフフ!そうこなくっちゃ面白くない。」

 

炭治郎「師範!駄目ですよ!隊員同士の斬り合いは隊律違反です!どうか考え直してください!」

 

ブロリー「炭治郎、これは柱同士の修行だ。隊律違反ではない。安心しろ。」

 

無一郎「いつまで君は僕の邪魔をすれば気が済むの?そろそろいい加減にしてよ。」

 

ブロリーと無一郎は、歩いて木々を抜けて少し開けたところへ来ると、片方は日輪刀を構えてもう片方は拳を握りしめて臨戦態勢を取った。

一方の炭治郎はブロリー達を心配そうに見ていたが、とりあえず目の前の小鉄も心配だったためそっちを優先することにした。

 

炭治郎「大丈夫だった?なんか俺事情も知らないでゴチャゴチャ言っちゃったけどよかったのかな・・」

 

小鉄「いえそんな!嬉しかったです!見ず知らずの俺を庇ってくれて・・ありがとうございました。」ペコス

 

炭治郎「いやいや、役に立てず・・そうだ、結局人形の鍵ってなんのことだったの?」

 

小鉄「からくり人形です。」

 

炭治郎「んっ?からくり人形?」

 

小鉄「はい、俺の先祖が作ったもので百八つの動きができます。」

 

炭治郎「へぇー!!すごいね!!」わー!!

 

小鉄「人間を凌駕する力があるので戦闘訓練に利用してるんです。」

 

炭治郎「そうか、彼は訓練のためにそれを・・」

 

小鉄「はい・・だけど老朽化が進んで壊れそうなんです。」

 

ガキィン!

 

二人が話し合っていると金属の衝突音が響いた。

 

炭治郎「わぁ!師範!?」

 

小鉄「さっきの人達がもう・・こっちです。」

 

二人が音のする方へ行くとそこには真剣で斬りかかっている無一郎と、素手で『スーパーサイヤ人』形態になっているブロリーが高笑いしながら組手を行っていた。

 

ブロリー「フハハハハハ!!」ドカドカドカドカ

 

無一郎「・・っ・・」ギャギャギャギャ

 

無一郎は柱なのでブロリーに斬りかかるスピードも反射神経も常人を凌駕する程の才能の持ち主なのだが、一方のブロリーはかつて宇宙を破壊してきた"伝説のスーパーサイヤ人"である。既に上弦の鬼を二体も倒していて、耀哉からも鬼殺隊歴代最強の隊士と太鼓判を押されているのだ。そんなブロリーに柱がたった一人で挑めば、結果は火を見るよりも明らかである。今無一郎は完全にブロリーに圧されていたのだ。でも炭治郎はなんとかブロリーの動きについていけている無一郎を感心していた。

 

炭治郎「あの人・・凄いなぁ。俺とそんなに年も違わないのに柱で・・才能があって・・」

 

「ソリャア当然ヨ!!アノ子ハ"日ノ呼吸"ノ使イ手ノ子孫ダカラネ!」

 

炭治郎「!?」

 

炭治郎達が突然の声に驚いて後ろを振り返ると、一羽の雌の鎹鴉が大威張りで得意気に語っていた。

 

鎹鴉「アノ子ハ天才ナノヨ!!アンタ達トハ次元ガ違ウノヨ!ホホホホ!!!」

 

炭治郎「時透君の鴉かい?日の呼吸って"始まりの呼吸"の・・あの子はそんなにすごい人なのか・・でも日の呼吸じゃないんだね使うの・・それと今師範に圧されてるけど・・」

 

鎹鴉「!!ウルサイワヨ!!黙ンナサイヨ!!アンタノ師範ガオカシイノヨ!!目ン玉ホジクルワヨ!!」グイーッ

炭治郎「ア゛ーーッ!」

 

日の呼吸を無一郎が使えないと言うことは鎹鴉にとって禁句だったのか、思いっきり炭治郎の頬を摘まんで引っ張った。そんなことをしている内に、ブロリーと無一郎の組手に決着がつきそうになっていた。

 

ブロリー「デヤァッ!!」ガッ

 

無一郎「っ!」ズザザーッ

 

ブロリーがラリアットを決めて無一郎は後ろに吹き飛ばされるが、すぐさま体制を再び整えて呼吸を使おうとする。

 

無一郎「霞の呼吸・・「遅い!」!!」

 

無一郎が呼吸の構えをとるも、既に視界からブロリーは消えていた。そして真後ろから声が聞こえて無一郎は本能的に距離をとろうとする。

 

ブロリー「フン!」ドン!

 

無一郎「!!・・」バタッ

 

しかし、無一郎が動くよりもブロリーが手刀を決める方が早かった。もろに受けた無一郎はそのまま地面に倒れて気絶した。それを確認したブロリーは無一郎を抱えて炭治郎達の元へと移動した。

 

炭治郎「師範!終わったんですか?」

 

ブロリー「あぁ、終わった。中々楽しい時間だったぞ。気絶はさせたが傷つけたわけではないから隊律違反にはならないだろう。」

 

炭治郎「そうですか・・時透君!起きて!時透君!」ゆさゆさ

 

無一郎「・・・・」パチッ

 

炭治郎が無一郎の肩を揺すると無一郎が目を覚ましてゆっくりと起き上がった。少しぼんやりとしていたがやがて歩きだし、炭治郎達がつけていくと小鉄が言っていたからくり人形があった。

 

炭治郎「あれって・・!?」

 

無一郎はそのからくり人形が持っていた刀を取ると、自分の腰部分に刺した。そしてそのままブロリーの前へと行った。

 

炭治郎「えっ?」

 

小鉄「・・・・!」

 

無一郎「貴方との組手いい修行になったよ。また修行したくなったら声かけるから戦ってね。」

 

ブロリー「いいだろう。いつでも相手になってやる。」

 

炭治郎「えっと修行は?」

 

無一郎「終わった・・いい修行だったよ。誰だっけ・・?あ、そうか。俺の刀折れちゃったからこの刀貰って行くね。」

 

小鉄「・・!!」ザッ

 

炭治郎「あっ、待って!うわっ!!」ガシャッ

 

無一郎は折れた刀を炭治郎に投げつけた。

 

無一郎「それ処分しといて。」スタスタ

 

それだけを言うと無一郎は去っていき、彼の肩に止まった雌の鎹鴉は炭治郎を見下していた。

 

炭治郎(悪意の匂いがしない・・わざとやってるわけじゃないんだろうな・・でもなぁ・・)

 

炭治郎とブロリーは無一郎の背中が見えなくなるまで見送り、今度は小鉄を探しに林を駆けた。

 

炭治郎(いた!)

 

ブロリー(炭治郎はあいつを探してたのか。)

 

小鉄がいたのはからくり人形の前だった。刀を抜き取られた手を見ていたのだ。炭治郎は話題を変えるために小鉄に聞いた。

 

炭治郎「これは?」

 

小鉄「・・これが俺の祖先が作った戦闘用からくり人形"縁壱零式"です。」

 

炭治郎(知ってる俺・・見覚えがあるあの顔。)「手が・・六本あるのはなんで?」

 

小鉄「腕ですか?父の話によると・・あの人形の原型となったのは実在した剣士だったらしいんですけど。腕を六本にしなければ、その剣士の動きを再現できなかったからだそうです。」

 

炭治郎「その剣士って誰?どこで何してた人?」

 

小鉄「すみません。俺もあまり詳しくは・・戦国の世の話なので。」

 

炭治郎「せっ戦国!?そんな・・三百年以上昔なんだ?そんな長い間壊れてないのあの人形?」

 

小鉄「凄い技術で今の俺達も追いつかないんです。壊れてしまったらもう直せない・・親父が急に死んじゃって兄弟もいない。俺がちゃんとやらなきゃいけないのに、刀にもからくりにも才能ないから・・俺のせいで・・」

 

炭治郎「それであんなに・・そうか、そうか・・」

 

ブロリー「ふざけるな!何が才能がないだ!何が俺のせいだ!実行する前から決めつけてどうする!なら技術をあげろ!」

 

炭治郎「!し、師範!?」

 

小鉄「そんな事言われても・・自分で自分が駄目な奴だってわかるもん。」

 

ブロリー「そんな理由で貴様は諦めるのか?言い訳をして逃げるつもりか?実行しないまま決めつけてどうする!生き物はやろうと思えばなんだって出来るんだ!」

 

小鉄「でも・・俺の技術ではどんなに頑張っても祖先の技術には追いつかない・・」

 

ブロリー「お前一人が駄目なら他の奴らと協力すればいいだろう!幸い俺も炭治郎も新しい刀が出来上がるまではここにいる!いくらでも手伝ってやる!」

 

炭治郎「師範・・そうだよ俺達に出来ることがあれば手伝うよ、人形のこと。諦めちゃ駄目だ!君には未来がある。十年後二十年後の自分のためにも今頑張らないと。今できないこともいつか出来るようになるから。」

 

小鉄「・・っ!」

 

炭治郎「それに自分にできなくても必ず他の誰かが引き継いでくれる。次に繋ぐための努力をしなきゃ駄目だ。君にできなくても君の子供や孫なら出来るかもしれないだろう?俺は鬼舞辻無惨を倒したいと思っているけれど、鬼になった妹を助けたいと思っているけれど。」

 

小鉄「!!」

 

炭治郎「志半ばで死ぬかもしれない。」

 

小鉄「・・・・」

 

炭治郎「でも必ず誰かがやり遂げてくれると信じてる。俺達が・・繋いで貰った命で上弦の鬼を倒したように、俺達が繋いだ命が必ず鬼舞辻を倒してくれるはず。だから、一緒に頑張ろう!!」

 

小鉄「・・うんっ・・!」グスッ

 

小鉄は炭治郎とブロリーの渇と励ましで心を打たれ、涙を流しながらうなずいた。

 

小鉄「俺、決心つけるよ。もし人形が壊れたとしても、里のみんなで協力してまた作って見せるよ。」

 

ブロリー「その意気だ。フハハハハハ!!」

 

炭治郎「そういえばまだ自己紹介してなかったね。俺炭治郎。こっちは俺の師範のブロリーさん。」

 

ブロリー「ブロリー、破壊柱だ。」

 

小鉄「俺小鉄です。柱の方だったんですか!?・・でも貴方はあの澄ました顔の糞ガキと違って優しいですね。」

 

ブロリー「澄ました顔の糞ガキ?」

 

炭治郎「師範、多分時透君のことだと思います。」

 

小鉄「はい!先程はありがとうございました!あの糞ガキをコテンパンにしてくれて。あれ、かなりスッキリしました!」

 

ブロリー「そういうつもりでやった訳ではないのだがな。だが、あれでも俺の全力には程遠い。奴もまだまだってことだ。フハハハハハ!!」

 

炭治郎「師範が相手だったら誰も勝てないと思います。」

 

小鉄「炭治郎さん!」

 

炭治郎「?」

 

小鉄「炭治郎さんもこれで修行してブロリーさん並みに強くなってください。そして奴にこう言うんです。その程度か?ゴミカスが、髪長すぎなんだよ切れ昆布頭、チビ、不細工の短足、切腹しろ恥知らず。」キュピーン

 

ブロリー「物騒だなコイツ・・」

 

炭治郎「いや・・!!小鉄さん!?それはちょっと・・!!」

 

小鉄「打ち首、獄門の方がいいですかね?」

 

炭治郎「いや違う!そこまでは言えない!!」

 

小鉄「言うんです!!」

炭治郎「いや!!」

 

ブロリー(この餓鬼・・一昔の俺と同じように恨みを根に持つ奴だったか・・)

 

小鉄の言葉通りに炭治郎は縁壱零式を使って修行を始めたのだが、このからくり人形は柱以上の動きが出来るのだ。そのため

 

ギュルルルル ブオン ドゴッ!

 

炭治郎「わあああああ!!!」グッハ!!

 

柱でもなければ体力も万全でもない炭治郎が到底叶うはずがなく、縁壱零式の回転に吹き飛ばされて地面を転がった。

 

小鉄「炭治郎さん!」

 

炭治郎「死んでしまう!!腕六本はきつい!!」

 

小鉄「立ってください!この程度で死んでるようじゃカスですよ!頑張ってください!もう一度言います!顔あげて!!」

 

小鉄は動けない炭治郎の隊服を無理矢理引っ張って立たせようとする。ついでに性格が変わったように刺々しい言葉を放つようになった。

 

小鉄「癖で動いてるんですよ炭治郎さんアナタ。相手の動きを見てから判断して動いてるんじゃないんだ。だから駄目なんですよわかります?要は基礎がなってない、よく生きてこられましたね鬼殺隊で。ギリギリですよ全てが。俺はアナタの弱いところを徹底的に叩きますから俺の言ったことが出来るようになるまで食べ物あげませんから。」

 

炭治郎「はい・・」

 

ブロリー(なんて奴だ・・!まるで悪魔だ・・だが、悪魔は俺だぁ!!)

 

小鉄は元々毒舌である。父を亡くしたためにションボリして毒舌も鳴りを潜めていたが、時透襲来によって完全復活したのだ。さらに小鉄は分析が十八番である。しかし、優れた分析力のせいで自分の技術力の低さを正確に捉えてしまい絶望していた。つまり雲取山で義勇が炭治郎に叱責したように、怒りを突き動かす原動力に変えたのだ。

 

小鉄「からくりには、首の後ろの鍵を回す以外でも動きの型を変えられるんです。」

 

炭治郎「ほー?」

 

ブロリー「なんなんだぁそれは?」

 

小鉄「寄木細工の秘密箱ってご存じです?」

 

炭治郎「ああ知ってる。妹の花子が持ってたなぁ。」

 

小鉄が懐から取り出した小さい箱は炭治郎にとっては懐かしく馴染み深い物であったが、ブロリーにとっては初めてみるものだったので性能から何からまでさっぱりわかっていなかった。

 

ブロリー「なんだ?その小さい物は?」

 

炭治郎「これは小さい箱の中に様々な細工がしてあって正しい手順で動かさないと決して開けられない箱なんです。」

 

ブロリー「ほう。」

 

小鉄「それと同じでこの人形の場合。手首と指を回す数によって回数を決められるから、刀鍛治が剣士の弱点をつく動きを組んで戦わせる。そうでないと本当に意味のある訓練にならないんですよ。拷問の訓練を受けてなくてもな、嫌いな奴には死んでも教えねぇよ。」ヒヒヒヒヒ

 

つまりからくりは持ち主と二人三脚であり、無一郎が使おうが使わなかろうが、どっちにしても時間の無駄だったのだ。設定を終えたからくり人形を前にしたブロリーが突然言った。

 

ブロリー「今からコイツと俺が戦おう。」

 

炭治郎・小鉄「「師範!?/ブロリーさん!?」」

 

ブロリー「炭治郎が修行をしているところを見て俺もやりたくなった。」

 

小鉄「駄目ですよ!貴方のような実力者が戦ってしまったら、からくり人形が間違いなく壊れます!」

 

ブロリー「お前はさっき強い決意を、これが壊れたら再び直す目標を立てていなかったか?」

 

小鉄「・・・・」

 

ブロリー「・・だが、今ここで壊して炭治郎の修行の妨げになることも喜ばしくないな。だから俺は攻撃しないでひたすら避け続ける。それならいいだろう?」

 

小鉄「・・まあそれなら。」

 

ブロリー「フフフ!そう来なくっちゃ面白くない。さぁ来い!ここがお前の死に場所だぁ!!」

 

ギュルルルルル!ブオンブオン ヒョイヒョイ

 

ブロリーは縁壱零式の六本もある腕をものともせずに、腕を組んだままものすごい早さで避けていた。これにはブロリーの実力を知る炭治郎も、縁壱零式の持ち主である小鉄も驚きを隠せない。

 

小鉄「すごい!こんなに至近距離でからくりの攻撃を避け続けられる人なんて見たことないよ!」

 

炭治郎「やっぱり師範は流石だなぁ。俺が手も足もでないからくり人形を相手にまだ余裕すらありそう。このまま攻撃に転じたらそのまま人形が壊れてしまいそうだ。」

 

ブロリー「その程度のスピードで俺を斬れると思っているのか?」

 

その後もブロリーは淡々と飄々と避け続け、結局一時間の間に一撃も喰らうことなく修行を終えた。

 

ブロリー「こんなものか。次は炭治郎の番だな。」

 

炭治郎「はい!頑張ります!」

 

ブロリーが試しに縁壱零式で訓練してから炭治郎に変わったが、やはりブロリー並みの動きは出来ず、更には小鉄の素人の指導によって食べ物一口水一滴すら飲めない状態で一日を終えた。

次の日、徹夜で指導され続ける炭治郎の元に昨晩ぐっすりと寝たブロリーが来ていた。ブロリーはかなりやつれている炭治郎を見て様子が可笑しいと思った。

 

小鉄「炭治郎さん全然駄目です!言われたことが出来てません!」

 

炭治郎「あああああ・・!」

 

ブロリー「・・おい。」

 

小鉄「あっブロリーさん!おはようございます!」

 

炭治郎「おっおはようございます・・」

 

ブロリー「・・小鉄、これは一体どういうことだ?」

 

小鉄「昨日からずっと炭治郎さんをからくり人形で修行してるんですよ。でも炭治郎さん動きが悪くなってるんです。」

 

炭治郎「水を・・」

小鉄「ダメ!!」

炭治郎「水だけ・・」

小鉄「ダメ!!」

 

ブロリー「・・おい小鉄。貴様まさか水すら炭治郎に飲ませてないわけではあるまいな?」

 

小鉄「飲ませてません!炭治郎さんが言われたことが出来るようになるまで飯抜きです!」

 

ブロリー「・・炭治郎、柱命令だ。水だけ飲んで寝ろ。」

 

炭治郎「師範・・!?」グイッ ゴクゴク

 

ブロリーは炭治郎の口に持ってきていた湯呑みを押し付けると、中に入った水を飲ませた。

 

小鉄「えっ!?ちょ・・何を勝手なことしてるんですか!甘やかしてしまっては強くなりません!」

 

ブロリー「甘やかしではない。これは修行ではなく拷問だ。こんなことをしていたら炭治郎が死ぬ。これ以上体に負荷をかけても今までの動きを忘れてかえって弱くなるだけだ。炭治郎の修行を厳しくすることには別に構わないが、拷問することは許さん。強くなるならまず体力を万全にしろ。もう一度言う、これは柱命令だ。今すぐ寝ろ。」

 

それだけ言うとブロリーは屋敷の中に去っていった。残された二人はお互いなにも言えない気まずい空気になってしまった。先に沈黙を破ったのは小鉄だった。

 

小鉄「あの・・炭治郎さんごめんなさい!俺、人に指導したこと無くて何も知らなくて・・!」

 

炭治郎「いいよ、小鉄君は悪くないよ。未熟な俺が悪いんだ。俺が弱いのがいけないんだから・・」

 

柱の命令は、一般隊士如きでは絶対に逆らえない。炭治郎はブロリーと小鉄に罪悪感を感じながら屋敷に戻って朝方ながら布団の中に入って意識を落としたのだった。

その後、炭治郎は悪夢を見ていた。自身が霊体になって三途の川を渡りかけている夢である。炭治郎の体は絶食による栄養不足と不眠、長時間に渡る激しい訓練のせいで死ぬ間際と勘違いを起こした影響である。夢の中の炭治郎は霊体であるにも関わらず非常に重く感じ、ついに川の中へと落ちてしまった。川の中は暗く重かったが、なにやら温かい。人の手に揉まれているような心地よさがあった。水底に何か光るものがあり、炭治郎はそれを取りに行って掴むと、意識が急浮上した。そして炭治郎は目を覚ました。

 

炭治郎「っ!!」パチッ

 

視界に入ってきたのはこの時代の主に屋敷にある木製の部屋で、見慣れた光景に炭治郎は安堵した。

 

炭治郎「夢か・・危うく禰豆子達を置いていくところだったよ・・でもこの感覚、夢の中のものと全く一緒だ。今なら・・!」

 

炭治郎は布団から起き上がって屋敷を飛び出すと、縁壱零式がある場所まで駆けていった。そこには既にブロリーが縁壱零式を使って小鉄とのマンツーマンの修行を受けていた。

 

小鉄「その調子ですブロリーさん!」

 

ブロリー「フハハハハハ!!」ヒョイヒョイ

 

ちょうどこちらも修行を終えたらしく、引き上げようとしたときに炭治郎と目があった。

 

小鉄「あっ炭治郎さん!」

 

炭治郎「師範!!」

 

ブロリー「炭治郎、何しにきた?」

 

炭治郎「今から縁壱零式で修行させてください!」

 

ブロリー「駄目だ。今のお前はろくに喰っていなければ寝てもいない。修行したところでいらぬ怪我をするだけだ。」

 

炭治郎「お願いします!今なら何かわかる気がするんです!今までと違う感覚があるんです!なのでお願いします!少しだけでいいので!」ペコーッ

 

ブロリー「・・チッ!わかった。だが、少しの間だけだぞ?これで怪我をしたら一月の間俺との鍛練を禁止にする。」

 

炭治郎「!・・わかりました。ありがとうございます!」

 

ブロリーは炭治郎の熱意に折れて、縁壱零式で修行することを許可したのだった。生まれて初めての弟子なので妙に甘いのである。そして許可を貰った炭治郎は、早速刀を借りて斬りかかっていた。

 

炭治郎(やっぱり匂いが違う!隙の糸とは違う匂い。)

 

"左側頭部 首 右胸 左脇腹 右腿 右肩"

 

炭治郎(来る!!)ヒョイッ パガッ

 

炭治郎は、死の淵から回復したことで動作予知能力を修得したのだ。そのお陰で縁壱零式の狙っている位置が手に取るようにわかり、対策がとれるようになっていた。そして弱々しいながら一撃を入れることが出来たのだ。この別人のような動きには、ブロリーも小鉄も驚きを隠せない。

 

ブロリー「!?なんなんだあれは!?炭治郎なのか!?」

 

小鉄「炭治郎さん!すごい!まるで別人みたいだ!一撃入りましたね!ショボすぎて人形びくともしてないですけど!食べ物あげましょう!!」

 

炭治郎「おにぎりと梅干し!!お茶は高級玉露で!!」ゼイハア

 

地面に倒れて動けない炭治郎に小鉄がリクエスト通りの物を持ってくると、炭治郎は涙を流しながらかぶりついていた。満腹になってその日の修行を終えた炭治郎は、ブロリーに夢の中のことから日中に至るまでの全てを話した。

 

炭治郎「~~ということがあったんです。」

 

ブロリー「・・炭治郎、死の淵から回復してその力を手に入れたってことは、お前本当はサイヤ人なのではないか?」

 

炭治郎「?俺は人間ですよ!どうしてですか?」

 

ブロリー「サイヤ人は死の淵からよみがえると戦闘力が何倍も増える。今の炭治郎はそれと全く同じだ。」

 

炭治郎「俺は人間です。」

 

ブロリー「サイヤ人だろう。」

 

炭治郎「人間です。」

 

全てを聞いたブロリーは、サイヤ人と全く同じ成長のしかたをした炭治郎をサイヤ人だと思ったが、本人は断固とそれを否定し続けた。この口論は次の食事の時間になるまで続いたのだった。




原作でも動作予知能力を得た炭治郎を見て"これサイヤ人じゃん"と主は本当に思いました笑。そのためにこのような小ネタもいれてみました。それではまた次回。
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