伝説の超鬼殺隊員   作:ツキリョー

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第二十八話です。この『伝説の超鬼殺隊員』は連載を初めて無事に一周年を向かえることが出来ました!これも普段楽しみにしてくださる皆様のお陰です!完結を目指してめげずに頑張っていきたいと思います。これからも応援よろしくお願いいたします!それでは本編どうぞ。


上弦の鬼襲来!玉壺と半天狗!

炭治郎が縁壱零式に一撃を入れることが出来てから数日後。見違えるかのような成長を遂げた炭治郎は、ブロリーと小鉄が見ている前で縁壱零式と互角以上の戦いぶりを繰り広げていた。

 

炭治郎(よし!!よし!!わかるぞ動きが!!前よりもずっとよくわかる!!体力も戻ってついていけてる!!)

 

ブロリー「ほう、やはり強くなったな炭治郎。流石俺の弟子と誉めてやりたいところだぁ!」

 

縁壱零式の攻撃を掻い潜って上空へと飛び上がった炭治郎は、隙が出来た人形の頚を狙って刀を振るのだが。

 

炭治郎(よし!!入る!!渾身の一撃・・あっ・・でも、壊れたら・・)

 

優しさがここでも出て、わずかコンマ数秒の時間帯だが戸惑った炭治郎に小鉄の激励が入った。

 

小鉄「斬ってー!!!壊れてもいい!!絶対俺が直すから!!」

 

その声を聞いた炭治郎は、刀を振り抜いて縁壱零式に渾身の一撃を入れた。しかし、無理な体制で入れた為に受け身が取れずに地面に尾てい骨を打ち付けてうずくまった。

 

ドスン

炭治郎「アイダッ!」ズキズキ

 

ブロリー「炭治郎!」ダッ

 

小鉄「大丈夫ですか!!」

 

炭治郎「いててて・・ごめん、借りた刀折れちゃった。」

 

小鉄「いいんですよそんなの!・・あっ!?」

 

炭治郎「!?」

ブロリー「なんだぁ?」

 

縁壱零式が音を立てて崩れだし、中から古くて丈夫そうな年期の入った刀が出てきたのだ。

 

炭治郎「なんか出た!!小鉄君なんか出た!!何コレ!」

 

小鉄「いやいやいや!わからないです俺も!なんでしょうかこれ!!少なくとも三百年以上前の刀ですよね!」

 

炭治郎「そうだよねこれ・・やばいねどうする!?」はぁっはぁっ

 

小鉄「興奮が治まりませんね!!」はぁっはぁっ

 

炭治郎と小鉄の二人は相当興奮しているのか、顔が真っ赤に染まって息が荒くなっていた

 

ブロリー「何を言ってる?これはからくり人形から炭治郎へのプレゼントだ!ハーーッハハハハハ!!!」

 

炭治郎「ぷれぜんと?」

 

ブロリー「贈り物って意味だ。」

 

小鉄「そうですよ!これ炭治郎さん貰っていいんじゃないでしょうか!もももも貰ってください是非!!」

 

炭治郎「ややややや駄目でしょ!?今まで蓄積された剣戟があって偶々俺の時に人形壊れただけだろうしそんな!!」

 

小鉄「炭治郎さんちょうど刀が打って貰えず困ってたでしょ?いいですよ!持ち主の俺が言うんだし!」

 

炭治郎「そんなそんな君そんな!」

 

小鉄「戦国の世の時代の鉄はすごく質がいいんです!貰っちゃいなよ!」

 

炭治郎「いいの!?いいの!?」

 

一人冷静でいるブロリーとは異なり、興奮が抑えきれずに遂には組体操まで始めてしまう始末の二人。少し刀を見てみることにした。

 

小鉄「ちょっと抜いてみます!?」

 

炭治郎「そうだね!見たいよね!」

 

いざ柄と鞘を掴んで抜いてみると・・・・中からは錆びだらけの古い刃が出てきた。

 

炭治郎・小鉄((錆びてる・・・・))

 

ブロリー「なんだ?錆びてるではないか。所詮ボロはボロなのだ・・」

 

ブロリーも少し期待していたのか、批判的な口調とは裏腹にトーンは落ちぎみだったことで、かなり落ち込んでいることがわかった。

 

小鉄「いや当然ですよね三百年とか・・誰も手入れしてないし知らなかったし・・すみません、ぬか喜びさせて・・」

 

炭治郎「大丈夫!!全然気にしてないよ。」ダバーッ

 

ブロリー「炭治郎・・すごい量の涙だぞ?」

 

口ではそう言ってるが、炭治郎の瞳から光が消えて涙が滝のごとく流れてるのを見て、小鉄は更に慌てた。

 

小鉄「うわあああ炭治郎さん!!炭治郎さ・・ごめんね!!」

 

ズンズンズン

 

小鉄「!?」

炭治郎「何だ?」

 

茂みから現れたのは最後に会った時とはうって変わり、筋骨隆々になった鋼鐵塚である。

 

炭治郎「うわあああ!!誰!?鋼鐵塚さん!?」

 

鋼鐵塚「話は聞かせてもらった・・後は・・任せろ・・」コオオオオ

 

小鉄「何を任せるの!?」

 

まるで全集中の呼吸みたいな呼吸音をならして刀を持っていこうとする為、三人は揉めた。

 

炭治郎「放してください!ちょっ・・何で持っていこうとするんです!?」

 

鋼鐵塚「俺に・・任せろ・・」

炭治郎「いやこれ小鉄君のですから!!」

鋼鐵塚「任せるんだ・・」

 

小鉄「説明してくださいよ鋼鐵塚さん!」

鋼鐵塚「任せろ・・」

小鉄「いや・・!!だから何を!?」

 

鋼鐵塚の短気な性格がここでも出て、二人を力ずくで強引に振り払った。

 

鋼鐵塚「俺に任せろって言ってるだろうが!!」ブオン ギュルルル

 

炭治郎「うわあああ大人のすることじゃない!!」

 

ブロリー(二人を振り払ったな。こいつ一人で下弦のムシケラ程度なら倒せるんじゃないか?)

 

二人が乱闘している横で呑気にそんなことを思うブロリー。すると鉄穴森が現れて鋼鐵塚の脇をくすぐった。

 

鉄穴森「少年達よ、鋼鐵塚さんの急所は脇です。ここを狙うのです。」コチョコチョ

 

鋼鐵塚「ひゃひゃひゃひゃひゃ!」グターッ

 

くすぐりに耐えきれなかった鋼鐵塚は地面に倒れたが、四人はそれを無視して会話を続けた。

 

炭治郎「あっ鉄穴森さん!!ご無沙汰してます!」

 

ブロリー「久しぶリーです・・」

 

鉄穴森「お久しぶり炭治郎君、ブロリーさん。鋼鐵塚さんはくすぐられるとしばしグッタリしますので、私から説明しましょ。鋼鐵塚さんを許してやってくださいね。山籠もりで修行していたんですよ。」コクコク

 

炭治郎「修行?」

 

ブロリー「何を鍛えていたんだぁ?」

 

鉄穴森「研磨術を磨いていたんですよ。特に炭治郎君、君を死なせないようもっと強い刀を作るために、素直に言わないけどね。」

 

鋼鐵塚が意識を失ってる間小鉄は小石をぶつけていたが、炭治郎と鉄穴森は夢中で話し合いをしており、ブロリーは小鉄の行動に気づいていたが特に咎めることも止めることもなく静観していた。

 

炭治郎「俺のため・・」ホワワーン

 

鉄穴森「君はずっと鋼鐵塚さんに刀をお願いしてるでしょう?嬉しかったんだと思いますよ。この人剣士さんに嫌われて担当外れることが多かったから。」

 

炭治郎「そうなんですか?」

 

小鉄「人づきあい下手すぎなんですよねこの方。だから未だに嫁の来手もないんですよね。」ズバッ

 

ブロリー「こいつは俺より年上だろう?だがなんだか餓鬼っぽいと言うか、本能の赴くままに動いてると言うか、そんな感じだな。」

 

小鉄「あっブロリーさんもそう思いますか?俺もそう思います。」

 

話し合いをしているうちに、鋼鐵塚が目を覚まして地面から跳ねて飛び起きた。

 

鉄穴森「あっ復活しましたね。」

 

鋼鐵塚「この錆びた刀は俺が預かる。鋼鐵塚家に伝わる日輪刀研磨術で見事磨き上げてしんぜよう。」

 

小鉄「じゃあ始めからそう言えばいいじゃないですか一言。信頼関係もないのに任せろ任せろって、バカの一つ覚えみたいに・・」ハァ・・

 

鋼鐵塚「チィッ!」ギリギリギリギリ

 

小鉄「わきわき!わきです!」

 

小鉄の毒舌にぶちギレた鋼鐵塚はそのまま小鉄の首を締め上げ、他の二人がそれを慌てて止めるのだった。

翌日の夜、今現在屋敷には炭治郎とブロリーがいてお菓子を食べながら雑談をしていた。

 

炭治郎「師範、鋼鐵塚さん大丈夫だと思いますか?」

 

ブロリー「あの体を見ただろう?簡単にくたばる程柔ではないと言いたいところだが、俺に未来予知は出来ないからな。こればかりはわからんとしか言いようがないな。」

 

炭治郎「そうですよね。刀の研磨が終わるまで三日三晩かかるらしいので研ぎ終わるのは明後日になると言ってましたが。すごく過酷みたいですよ?死んじゃった人もいるって・・心配ですよね。」

 

ブロリー「確かあいつからは絶対に覗きに来るなと言われてたな。たが、どうしても心配で気になると言うのなら見に行ってもいいのではないか?」

 

炭治郎「できれば俺もそうしたいんですけど・・やっぱり言われたことは守らないといけないと思いますし・・玄弥はどう思う?」

 

玄弥「いや知るかよ!!ってかなんでお前らここにいるんだよ!!出てけ!友達みたいな顔して喋ってんじゃねーよ!!」

 

炭治郎「えっ!?俺達友達じゃないの?」

 

玄弥「違うに決まってんだろうが!!てめぇは俺の腕を折ったんだからな!!忘れたとは言わせねぇ!!」

 

炭治郎「あれは女の子を殴った玄弥が全面的に悪いし仕方ないよ。」

 

玄弥「下の名前で呼ぶんじゃねぇ!!!」

 

ブロリー「不死川玄弥と言ったか?そう言えばまだ俺のことを言ってなかったな。俺はブロリー、破壊柱だ。」

 

玄弥「・・破壊柱様・・初めまして・・不死川玄弥と言います。」

 

ブロリー「そんなにかしこまらなくてもいいだろう。あの時は炭治郎が済まなかった。許してやってはくれないか?」

 

炭治郎「えっ!?師範!?なんで俺が悪い事をしたことになってるんですか!?」

 

ブロリー「炭治郎、少し黙ってろ。」バッ

炭治郎「ムグーッ」フガフガ

 

ブロリーの言ったことに炭治郎がすかさず抗議の声をあげようとするが、ブロリーに口を塞がれてフガフガと息をするしかできなかった。

 

玄弥「いえ。あの時は少し俺も熱くなりすぎました。騒ぎを起こしてしまってすみませんでした。」

 

ブロリー「そんな律儀にしなくてもいい。炭治郎に接するようにすれば大丈夫だ。」

 

玄弥(いや出来るわけないだろ!俺だってアンタに対してこんな態度したくねーよ!でもここは階級重視の組織なんだよ!そもそもなんでアンタこんなに短い期間で柱になってんだよ!羨ましすぎるんだよ!俺も早く柱になって兄貴に謝りたいのに!)

 

ブロリーは言いたいことを全部いい終えたのか、炭治郎の口を放した。すると炭治郎はすかさず煎餅を差し出した。

 

炭治郎「このお煎餅おいしいよ。食べる?」

 

玄弥「クソが!!いらねーっての消えろ!!」バリン

 

玄弥は炭治郎が差し出した煎餅を叩き割った。その時、炭治郎があることに気づいた。

 

炭治郎「あれ・・?歯が。抜けてなかったっけ前歯・・温泉で。」

 

炭治郎の指摘に途端に静止した玄弥は、しばらく黙り込んだ後やがて重そうに口を動かした。

 

玄弥「お前の見間違いだろ。」

 

炭治郎「見間違いじゃないよ。歯とってあるから。」ホラ

 

ブロリー「へぁっ!?」

 

玄弥「何でとってんだよ!気持ち悪ィ奴だなテメェは!!」

 

本当に炭治郎の掌には玄弥の前歯が乗っていた。それを見たブロリーと玄弥は気色悪そうに顔をしかめた。

 

炭治郎「いや、だって落とし物だし返そうかと。」

 

ブロリー「炭治郎・・それは流石に気持ち悪いぞ・・」

 

玄弥「破壊柱様の言うとおりだろ!正気じゃねぇだろ!捨てろや!!」キッショ!!

 

炭治郎の不可解な行動に、一刻も早く視界から排除したくなった玄弥は炭治郎を無理矢理追い出した。

 

玄弥「出てけ!!」

 

炭治郎が部屋の外へ閉め出されたのを見て、ブロリーも部屋から出たのだった。

 

炭治郎「なんであんなにずっと怒ってるんだろう?やっぱりお腹空いてるのかなあ?」

 

ブロリー「それだけは違うと思うぞ。」

 

炭治郎の盛大な勘違いをブロリーは指摘するのだった。

その頃、一人のひょっとこの面をつけた刀鍛治の里の住人が、温泉から出て坂を下って来ていた。

 

「ちょっとのんびり長湯しすぎたな。明日も早朝から作業だってのに・・ん?」

 

坂の先で見つけたもの、それは花柄の模様が入った壺である。しかし道のど真ん中に置いてあった為、それをどかそうと手を伸ばす。

 

「壺?あぶねぇなあ。誰だ?こんなところに壺なんか置いて・・」

 

ギュルン!

 

その時、頭から壺に引きずり込まれ、バキバキと骨が砕ける音が響き渡った。住人の体が完全に壺の中に収まるとゴトゴトと壺が揺れ、やがて原形を留めていない肉塊が出てきた。さっきの住人である。ひょっとこの面と着物でかろうじて身元がわかるほどに悲惨なものになっていた。そして壺から出てきた鬼、それは上弦の伍・玉壺である。

 

玉壺「不味い不味い、やはり山の中の刀鍛治の肉など喰えたものではないわ。だがそれもまたいい・・しかしここを潰せば鬼狩り共をヒョッ、確実に弱体化させられる。」

 

そしてもう一体、屋敷の屋根の上でガタガタと震える老人鬼の姿があった。上弦の肆・半天狗である。

 

半天狗「急がねば・・急がねば・・玉壺のおかげで里は見つかった。けれどもあの御方はお怒りじゃ・・早う早う皆殺しにせねば・・あの御方に楯突く者共を・・!!」

 

半天狗も玉壺も、刀鍛治の里を潰すべく行動を始めるのだった。

一方屋敷中では、熟睡中の炭治郎達三人に、近づく影があった。無一郎である。ブロリーは誰かが来た気配を感じて起き上がったが炭治郎と禰豆子は寝たままであった。

 

ブロリー「無一郎か・・何のようだ?」

 

無一郎「鉄穴森っていう刀鍛治知らない?」

 

ブロリー「鉄穴森か・・悪いがどこにいるかは知らんな。」

 

無一郎「そう・・」

 

無一郎は眠ってる炭治郎を見ると鼻をつまんだ。突然のことに驚いた炭治郎は飛び起きた。

 

ふぎゅ

炭治郎「んがっ。」

 

無一郎「鉄穴森っていう刀鍛治知らない?」

 

炭治郎「わあ時透君。今俺の鼻つまんだ?」

 

無一郎「つまんだ。反応が鈍すぎると思う。この人でさえ僕の気配に気づいて目を覚ましたのに。」

 

炭治郎「いやいや!敵意があれば気づきますよそんな。」やだもう

 

無一郎「まあ敵意を持って鼻はつままないけど。」

 

無一郎「鉄穴森は僕の新しい刀鍛治。鋼鐵塚はどこにいるの?」

 

炭治郎「一緒に探そうか?」

 

ブロリー「炭治郎達が行くなら俺も行こう。」

 

無一郎「・・・・なんでそんなに人を構うの?君達には君達のやるべきことがあるんじゃないの?」

 

炭治郎「人のためにすることは結局、巡り巡って自分のためにもなっているものだし、俺達も行こうと思ってたからちょうどいいんだよ。」

 

ブロリー「俺も昔はお前と同じ考えだったが、炭治郎や禰豆子が教えてくれたのだ。自分のことをするために人のためになることをしろとな。」

 

無一郎「えっ?」

 

無一郎は理解できないと言わんばかりに炭治郎達に聞いていたが、返ってきた答えを聞いて両目を少し見開いて驚いた。

 

無一郎「何?今なんて言ったの?今、今・・」

 

炭治郎「へっ?ちょうどいいよって。」

 

その時、今まで眠っていた禰豆子が目を覚まして勢い良く飛び起き、額が炭治郎の顎にぶつかった。

 

禰豆子「ムー!」ガバッ ゴッ

 

炭治郎「イデッ!」

 

禰豆子はしばらく両腕を伸ばしてから振り回し元気だとアピールしていたが、ブロリーに気づくとそのまま抱きついた。

 

禰豆子「ムーんー♪」ギュッ

 

ブロリー「フハハハ!禰豆子おはようです。」ポンポン

 

炭治郎「禰豆子!!起きたかー。一緒に鋼鐵塚さんとこ行こう。」いてて

 

無一郎「・・・・その子何かすごく変な生き物だな。」

 

炭治郎「えっ!変ですか?」

 

無一郎「うん、すごく変だよ。なんだろう?うまく言えない。僕は前にもその子と会ってる?前もそうだったのかな?何だろう?」

 

無一郎は腕を組んで首をかしげて考えた。そんな無一郎を見た禰豆子も真似して腕を組んで首をかしげていた。

 

炭治郎(あっしまった。珠世さんの猫戻ってるかな?また禰豆子の血の変化を調べてもらってるんだった。時透君がいる前じゃ出てこないよな・・)

 

ブロリー(禰豆子、真似事は楽しいか?それよりも向こうから誰かが来ているな、何処のどいつだ?)

 

無一郎と炭治郎とブロリーはこの時、襖の奥から誰かが来ている気配を感じた。三人同時に襖の方を見る。

 

炭治郎「んっ?誰か来てます?」

無一郎「そうだね。」

 

そして襖がゆっくりと開き中に入ってきたのは・・・・匍匐前進している半天狗だった。

 

半天狗「ヒィィィィィ・・」ぬらり

 

この時、三人にとって衝撃的だったのはその気配のとぼけ方の巧さだった。炭治郎は元より無一郎とブロリーでさえ目視するまで鬼と見抜けなかったのだ。裏返っているのか目に数字があるのか確認できなかったが、上弦の鬼であることには間違いない。この間瞬き一度にも満たない時間で無一郎と炭治郎は刀を抜き、ブロリーは金髪碧眼の『スーパーサイヤ人』形態になって拳に力を込めて戦闘体勢に入った。誰よりも早く動いたのは、霞柱の無一郎だった。

 

無一郎「霞の呼吸・肆の型。移流斬り。」フッ

 

半天狗「ヒィィィ!!」ドタバタ

 

無一郎が目に見えないほどの速さで半天狗に斬りかかるが、半天狗は更に早く天井にしがみついてガタガタと震えていた。

 

炭治郎・ブロリー「「!!」」

 

無一郎(速い・・仕留められなかった。)

 

半天狗「やめてくれえ・・いぢめないでくれぇ・・痛いぃいい。」

 

炭治郎(気後れするな!!大勢人を殺している鬼だ!!そうでなきゃ柱の攻撃を避けられない!)

 

炭治郎が持っている刀は鋼鐵塚が打った刀である。体力も回復しているため、呼び出しがあればすぐに行けるように準備していたようだ。

 

炭治郎「ヒノカミ神楽!陽華突!」ドン!

 

半天狗「ヒィィィ!」ドタン

 

しかし半天狗は炭治郎の攻撃さえも避けて今度は床に落ちる。それを待っていたかのようにブロリーが半天狗を殴り飛ばした。

 

ブロリー「デヤァッ!!」ドゴォ!

 

半天狗「ギャアアッ!」

 

ブロリーに殴り飛ばされた先に禰豆子がいて続けざまに腹を蹴り飛ばされて床を転がった。

 

禰豆子「ん゛ーっ!!」ドゴッ

 

半天狗「ギャアアッ!」

 

禰豆子が蹴ったときの姿はかつて遊郭で暴走しかけたときのものであったため、それに慌てた炭治郎が叫んだ。

 

炭治郎「禰豆子!!その姿になるな!!」

 

ザン!!

 

炭治郎が禰豆子を気にしているうちに、無一郎が半天狗の頚を斬った。

 

半天狗「ヒィィィ斬られたああ。」

 

炭治郎「きっ・・」(斬った!!頚を!!速い・・!!でも。)

 

ブロリー(コイツが上弦のムシケラならこの程度で死ぬはずがない!何か起こるはずだ。)

 

遊郭で上弦と戦ったことがある炭治郎とブロリーは、上弦の鬼はただ頚を斬っただけでは倒せないとわかっており、何か起こることを懸念していた。そしてそれは現実のものとなった。

 

炭治郎「時透君油断しないで!!」

 

無一郎「!」

 

半天狗の頚を斬ったものの頭と体は灰になることはなく、逆に再生したのだ。頭からは体が生え、体からは頭が生えたのだ。そして手に持っている物も異なり、片方の鬼の手には大きな紅葉のような扇・もう片方の鬼は錫杖を持っていた。

 

炭治郎(分裂!!一方には頭が生えもう一方には体ができた・・!!)「後ろは俺が!!」

 

無一郎が扇を持つ半天狗、炭治郎が錫杖を持つ半天狗に斬りかかる。

 

フオッ ビュオオオオ!! バギャン!!

 

ブロリー「へぁっ!?炭治郎!禰豆子!無一郎!」ガシッ

 

扇を持つ鬼・"可楽"が軽く振っただけでものすごい爆風がふき、屋敷の壁を破壊してそこから炭治郎達三人は投げ出されそうになった。しかしこの爆風を受けても微動だにしなかったブロリーが、右手で炭治郎の手首を掴んでいる禰豆子の反対の手を掴み、左手で無一郎の腕を掴んでいた為に吹き飛ばされるのを阻止することが出来た。

 

可楽「カカカッ!楽しいのう。豆粒が飛びそうになるのを抑えよった。なぁ積怒。」

 

可楽は喜怒哀楽のうち楽の感情を持つ半天狗の分身だった。"積怒"と呼ばれた錫杖を持つ鬼は、怒の感情を持つ同じ分身だ。可楽に話を振られた積怒は、ビキビキと血管を浮かび上がらせて答える。

 

積怒「何も楽しくはない。儂はただひたすら腹立たしい。可楽・・お前と混ざっていたことも。」

 

可楽「そうかい。離れられてよかったのう。」

 

炭治郎(また頚を同時に斬らなきゃ駄目なのか!?)チャキ

 

炭治郎が刀を構え直すと、積怒は錫杖を地面について雷を放った。しかしブロリーが三人の前に飛び出す。

 

ブロリー「はぁっ!!」ゴオオオオ

 

炭治郎「師範!」

 

無一郎「!・・ブロリー・・さん・・」

 

ブロリーは即座にバリアを張って三人を雷攻撃から守った。その時、炭治郎は屋根の上に玄弥がいるのを見つけた。その手には銃が握られていて積怒と可楽の頚に狙いを定めて連射した。

 

ドドン!

 

炭治郎「!?」

 

銃弾は積怒の頚を撥ね飛ばすが、可楽の頚は撥ね飛ばされずに掠れて肉を少し抉る形で終わった。

 

炭治郎(何だあの武器は・・!!銃か!?日輪刀と同じ匂いがする。)

 

玄弥(一匹仕留め損ねた!)

 

可楽「おおおお!!これは楽しい!面白い!初めて喰らった感触の攻撃だ。」

 

可楽は頚を狙われてるのに心底愉快そうに銃に撃たれたことに感服していた。玄弥が止めに斬りはなそうと日輪刀を抜いて斬りかかるが、違和感に気づいた炭治郎が止めようとした。

 

炭治郎「玄弥駄目だ!!どんなに強い鬼でもこの鬼は倒せない!!斬ったら斬っただけ分裂する!若返ってる!!強くなるんだ!!頚を斬らせるのはわざとだ!!」

 

炭治郎の言葉通り、可楽や積怒はわざと玄弥に頚を斬らせていた。その二体からも更に分裂して再生していた。普通急所を狙えばいくら鬼とはいえども死に物狂いで意地でもそこを守ろうとする。しかし半天狗は、頚を守るどころかわざと頚を見せつけるように大きな隙をさらしているのだ。

 

炭治郎(この鬼は頚を斬られることに頓着していない!つまり頚は急所じゃない!!四体に分裂・・再生が早い!!どこが一番早く治る?急所は必ずあるはずだ探せ!!見極めろ!!何か・・)グンッ

 

禰豆子「うーー!!!」バッ

 

炭治郎は何かに引っ張られ、空を飛んだ。禰豆子がさせないと手を伸ばすが届かなかった。炭治郎を引っ張ったもの、それは分裂した翼を持つ鬼、喜の感情を持つ"空喜"である。鳥のような鋭い足が炭治郎の足首を掴んで飛んでいたのだ。

 

空喜「カカカッ!喜ばしいのう、分かれるのは久方振りじゃ!」

 

炭治郎(この鬼は飛んでる!!能力が四人とも違うんだ!)

 

空喜は高度をどんどん上げていくが、更に早くブロリーが先回りして腕組みして待ち構えていた。

 

ブロリー「行かせると思っていたのか?デヤァッ!!」ドゴォ!

 

空喜「ぬぉっ!?」

 

両腕を組んで勢い良く振り下ろして空喜の背中に直撃する。その衝撃で炭治郎を離してしまうが、ブロリーが炭治郎を抱えて救出した。

 

炭治郎「うわぁ!?」

 

ブロリー「フン!」ガシッ

 

炭治郎「!師範!ありがとうございます!」

 

空喜「ふふんやるのう。これはなかなか喜ばしいぞ。」

 

ブロリー「喜ばしい、確かにそうかもな。お前は上弦の肆だ今まで雑魚鬼ばかりだったから少しは楽しめそうだ。」

 

空喜「そうかい。ならば存分に楽しむがよい。血鬼術・狂鳴!」キイイイイン

 

空喜は口から超音波のようなものをブロリーに向かって放つ。それを見たブロリーはニヤリと口角を上げた。

 

ブロリー「無駄だ。破壊の呼吸・玖の型。スローイングブラスター!」ポウ ドーン

 

空中で二つの技がぶつかり合って爆発し、煙が周りを覆った。その隙に炭治郎が叫んだ。

 

炭治郎「禰豆子!俺は大丈夫だ!玄弥を手助けする・・!?」

 

ブロリー「何ィ!」

 

炭治郎は叫んでいる途中で言葉を失った。その原因は禰豆子達がいるところにあった。空喜と共に出てきた十文字槍を持つもう一体の鬼、哀の感情を持つ"哀絶"がその武器で玄弥の腹を貫いていたからである。

 

哀絶「哀しい程弱い。」ザシュ!

 

玄弥「ガッハッ・・」ゴボッ

 

炭治郎「玄弥ーーっ!!!禰豆子助けろ!!玄弥を助けろ!!頼む!!急げ!!」

 

禰豆子「うーーっ!!」(血鬼術・イレイザーキャノン!)ポーヒー ドカーン

 

禰豆子は遊郭で上弦の陸と戦った際に修得したピンク色のイレイザーキャノンを哀絶にぶつけるが、ブロリー程の威力はないため哀絶を少しよろけさせる形で終わってしまった。しかし、それでも玄弥と引き離すことはできた。

 

哀絶「ぬぅ・・娘よ、邪魔をするな。哀しくなる。」

 

積怒「何をしているのだ馬鹿者が!腹立たしい!儂がやるどけ!」ザン!

 

禰豆子「う゛ーーっ!?」バリバリバリバリ

 

炭治郎「禰豆子!!やめろーーっ!!」

 

積怒の持つ錫杖が禰豆子を突き刺すと、雷が起きて禰豆子の体が感電する。それを見た炭治郎はビキリと青筋を立てて地面に降りたブロリーから降りると斬りかかる。

 

炭治郎「ヒノカミ神楽!円舞!」ガキン

 

積怒「チィッ!小賢しい・・!腹立たしい腹立たしい・・!」ガキン

 

積怒の錫杖と炭治郎の日輪刀が交差して激しい火花を散らす。お互いに動けない状態で二人の下腹部にブロリーが突撃し、そして積怒をラリアットで引き離した。

 

ブロリー「フン!」ガッ バッ

 

積怒「ぬぉ!?次から次へと邪魔者が・・!腹立たしい・・!」

 

ブロリー「クズがぁ・・!」

 

ブロリーは禰豆子が雷で攻撃されたことに怒り、両手に握り拳を体に引き寄せて更に気を高めた。

 

ブロリー「はあああぁぁぁ!!」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

 

そしてブロリーの体から緑色の光が出て、周囲が緑色のエフェクトに包まれるとやがてブロリーの元に戻った。ブロリーは悪魔の白眼と緑がかった金髪に膨れ上がった筋肉の『伝説のスーパーサイヤ人』に覚醒して四体の半天狗を睨み付ける。

 

ブロリー「禰豆子を殺そうとしたクズ共がぁ・・!貴様ら全員血祭りに上げてやる!」

 

ブロリーは四体に指差すと力強く言い、臨戦態勢をとるのだった。




おそらく今後は原作大幅カットになってしまうと思います。それでも大丈夫な方は応援してくださると嬉しいです。それではまた次回。
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