上弦の肆・半天狗と上弦の伍・玉壺が刀鍛治の里を襲い、ブロリーが『伝説のスーパーサイヤ人』に覚醒した。その姿を見て半天狗の分身はそれぞれの思いを言うのだった。
ブロリー「貴様ら全員!血祭りに上げてやる!」
空喜「カカカッ!喜ばしいのう、姿が変わったのう。儂らを楽しませてくれるのじゃろう?これは喜ばしいのう。」
可楽「カカカッ!楽しいのう楽しいのう。気配までもが大きく変わっておるのう。儂らを失望させてくれるまい。たのしみじゃ。」
積怒「何が喜ばしい!?何が楽しい!?儂らの手間が増えただけではないか!手煩わせおって腹立たしい!」
哀絶「そう怒鳴るな積怒、哀しくなる。只でさえあの御方はお怒りじゃ、仲間割れして自滅することはすごく哀しい。」
四体がそれぞれ思ったことを言ってるうちに、ブロリーはもう目と鼻の先まで来ていた。そして半天狗達を殴り飛ばした。
ブロリー「デヤァッ!!」ドゴォ!バキッ!ドガッ!バコッ!
空喜「ぬぉ!?」
積怒「ぐぉぉ!?」
哀絶「ぬぅ・・!」
可楽「おぉ!?」
殴り飛ばされた四体は屋敷の中から追い出されて、それぞれ別の方向へと吹き飛び、森の中へと落ちていった。
ブロリー「うおおおおおお!!」ビュオオオオ!
ブロリーもまた追い討ちをかけるべく森の中へと飛び込んでいった。炭治郎達は屋敷の中に取り残され、呆然としていたがすぐに我に返った。
炭治郎「やっぱり師範は凄いなぁ。」
無一郎「何してるの?早く追いかけるよ。」
炭治郎「!そうだね時透君!玄弥も!」
玄弥「・・図に乗るなよ・・!あいつらを倒すのは俺だ・・!」
玄弥はそれだけ言うと、誰よりも早く屋敷を飛び出して森の中へと消えていった。それに続くように炭治郎と無一郎、禰豆子も続いた。
無一郎side
森の中へと来た四人は、ブロリーと半天狗達のところへ急いで向かうために駆けていた。その途中、無一郎がなにかに気づいた。
無一郎(ん?)
小鉄「うわあああ!?」
「ギョギョッ」
それは刀をもって逃げ惑う小鉄と、それに襲いかかる魚介類型の化け物だった。これはもう一体の上弦の鬼、玉壺の血鬼術によって生み出されたものであった。
無一郎(子供・・刀鍛治として技術も未熟なはず、助ける優先順位は低い。気配からしてあれは本体ではなく術で生み出されたもの、ここで足を止める理由はない。里全体が襲われているならまず里長、技術や能力の高い者を優先して守らなければ。)
無一郎は無視してブロリーの方へと行こうとしたが、その時脳裏に甦ったのは、炭治郎とブロリーに言われた言葉だった。
炭治郎『人のためにすることは、巡り巡って自分のために』
ブロリー『昔はお前と同じ考えだったが、炭治郎と禰豆子がそう教えてくれたのだ』
無一郎「・・君たち先に行っててくれない?僕はあっちを相手にする。」
炭治郎「時透君!わかった!」ダッ
それを思い出した無一郎は炭治郎達に指示すると、小鉄に迫っていた魚介類型の化け物の腕を切り落として立ちふさがった。
無一路「邪魔になるからさっさと逃げてくれない?」
無一郎に言われた通り小鉄はすぐに近くの物陰に潜んで息を殺し、気配を消した。無一郎は魚介類型の化け物の頚らしきところをいとも容易く斬った。しかし、体は崩れずに再生した。
無一郎(頚と思わしき場所を斬っても体が崩れず再生。じゃあこっちか。)
それでも無一郎は既に頚以外で弱点らしきところを見抜いていた。それは化け物の背中にある大きな壺である。ここを破壊することで倒せると踏んだのだ。
バカッ!
「ヒィィィ!」ボロ・・
無一郎の読み通り背中の壺を破壊すると、化け物は断末魔の叫びを上げて灰になっていった。
無一郎(壺から力を得ていた・・やはり血鬼術で作られたもの。)「!!」
無一郎が冷静に状況を分析していると、小鉄が物陰から飛び出して無一郎に抱きついて号泣した。
小鉄「うわあああ!ありがとう~!!死んだと思った!俺死んだと・・怖かったうわあああ!昆布頭とか言って悪かったよう!ごめんなさい~~!!」わっ
無一郎「昆布頭って僕のこと?」
小鉄「わああん!すみませぇん!嫌いだったんです!」
無一郎は自分が悪口を言われていたことに気づいたが、特に思うことはないのかすぐさま他の戦場へと行こうとした。しかし、今度は小鉄が無一郎の前に立ちふさがって土下座した。
小鉄「待って!!鉄穴森さんも襲われているんです!鋼鐵塚さんが不眠不休の研磨をしてるから・・どうか助けてください!少しでも手を止めてしまうともう駄目なんですどうか・・!!」べたっ
無一郎「・・・・いや僕は・・っ!」ズキン
なにかを言おうとした無一郎を突然頭痛が襲い、かつての記憶が甦ってきた。それは耀哉達産屋敷一族に鬼から保護されたときの記憶だった。
耀哉『混乱しているだろうが、今はとにかく生きることだけ考えなさい。生きてさえいればどうにかなる。失った記憶は必ず戻る。心配いらない。きっかけを見落とさないことだ。ささいなことが始まりとなり、君の頭の中の霞を鮮やかに晴らしてくれるよ。』
無一郎「・・・・」ガバッ
小鉄「!何を・・」
ビュン
小鉄を肩にかついだ無一郎はそのまま全集中の呼吸を使って駆けた。普段の走る速度よりも何倍も早いスピードに思わず小鉄は叫んだ。
小鉄「うわああ!ちょちょ・・!!もうちょっとゆっくりで!!あともうちょっとだけ!!」
無一郎「喋ってると舌を噛むから。」
小鉄「ヒィィィ!」
小鉄の懇願に、無一郎は一切耳を傾けずにそのままの速度で走り抜けていった。
無一郎(これは正しいのかな?こんなことしてたら里全体を守れないんじゃ・・・・いやできる。僕はお館様に認められた。鬼殺隊霞柱!時透無一郎だから!)
無一郎は内心で強い覚悟と気持ちをもって進むのだった。
炭治郎side
一方でブロリーの元へとやってきた炭治郎達は、ちょうどブロリーが半天狗達を地面に叩きつけたり、双方の頭を掴んで打ち付け合わせているところを見た。
ブロリー「ガアアアア!!」ドゴォ! ドゴォ!
哀絶「ぐうう・・!」
積怒「ぐぉぉ!」
ブロリー「はあああ!!」ガシッ ガシッ ドガッ!
空喜「ぬぉ!?」
可楽「がぁっ!?」
ブロリー「もう終わりか?」
四体の半天狗達は、ブロリーの攻撃で体が斬られるわけでもないために分身を増やすことが出来ない。それに加え、ブロリーには血鬼術による攻撃が一切効かないために苦戦を強いられていた。
積怒「攻撃が効かないとは腹立たしい・・!」
可楽「!・・カカカッ!コイツの相手よりもあの小僧共を痛ぶる方が楽しそうだのう。お前と戦っていてもつまらん、もういいぞ。」バッ
空喜「可楽!一人だけ狡いぞ!儂も参加するぞ!」バッ
哀絶「む?さっき刺した小僧もまだ生きておったか。死ねぬとは哀しいのう。今止めをさしてやろう。」バッ
なんと半天狗達は炭治郎達を見つけると、標的をそちらへと切り替えたのだ。しかし、ブロリーがそんなことを許すはずもなくすぐさま間に割ってはいる。
ブロリー「どこへ行くんだぁ?お前達の相手は俺だぁ!破壊の呼吸・捌の型!ブラスターメテオ!うおおおおおお!!」ピュン ピュン ピュン ピュン
空喜「ぬぉ!?チッ!」
積怒「ぬぅ・・!小賢しい・・!」
哀絶「!・・邪魔をするな、哀しくなる。」
可楽「カカカッ!まだ遊び足りないと言うのか。楽しくなるのう。」
ブロリーはあえて"ブラスターメテオ"を半天狗達に当てずに周りを狙うことで身動きを取れなくしたのだ。そうしている間にも炭治郎達が合流した。
炭治郎「師範!」
禰豆子「ムー。」
ブロリー「炭治郎!禰豆子!来たか。玄弥も無事だったみたいだな。」
玄弥「・・ええ、お陰さまで。だがな破壊柱さんよ!そしてテメェら!図に乗るなよ?上弦を倒すのは俺だ。」
ブロリー「は?」
炭治郎「玄弥?一体どうしたと言うんだ?」
炭治郎が聞くと、玄弥は血走った目で炭治郎の肩を掴み、一気に言いはなった。
炭治郎「うわっ!?」ガシッ
玄弥「上弦の参を倒したのは破壊柱さんの力だ!だが、上弦の陸を倒したのはお前の力じゃない!だからお前は柱になっていない!」
炭治郎「あっ!うんそうだよ。俺は柱じゃない。」
玄弥「お前達なんかよりも先に俺が倒す・・破壊柱さんにもすぐに追い付いてやる!!上弦を倒して柱になるのは俺だ!!!」
炭治郎(焦りの匂い・・そうか・・玄弥は師範が次々と残している功績に焦りを感じていたんだな。師範の事情を知っているのは俺だけだ。そうだよな・・玄弥や他の同期達からすれば"なんでこんなにも差があるんだ"と思ってしまうよな・・焦るのも無理はない・・よし!)
可楽「カカカッ!儂らの前で仲間割れとは面白いのう!今が皆殺しにする絶好の機会じゃ!」フッ
今が好機と踏んだ半天狗達は可楽を筆頭にして、それぞれ突風、雷、狂鳴、槍の攻撃を炭治郎達に浴びせようとした。しかし
炭治郎「!しまった!」
玄弥「・・ッ!」
ブロリー「させると思っているのか?はぁっ!」ゴォォォォ
ブロリーはすぐに一歩前に出るとバリアを張り、半天狗達からの攻撃を防いだのだ。炭治郎は玄弥の思いを理解すると早口ではっきりと伝えた。
炭治郎「なるほど!!そうかわかった!!俺と禰豆子と師範で援護する!!四人で頑張ろう!!」
炭治郎は玄弥を思いやってそう言ったが、当の本人はそれどころではなくなっていた。自分が感情のままに炭治郎に言ったことによって、今ブロリーがいなければ全員殺されていたと理解して行動を後悔していたのだ。
玄弥(・・俺のせいだ・・破壊柱さんがいなければ全員殺されていた・・こんなんじゃ柱になれない・・兄貴に謝れない・・)
ブロリー「玄弥!」
玄弥「!」
ブロリー「お前が何に焦っているのかは知らんが、今はムシケラを倒すことだけを考えろ。焦ったり後悔するのはその後だ。」
玄弥「!はい!」
ブロリーの言葉で気持ちを切り替えた玄弥は、先ほど刺された哀絶に向かっていった。玄弥は哀絶、炭治郎と禰豆子は空喜、ブロリーは可楽と積怒を相手した。
ブロリー「デヤァッ!!」バコッ バコッ
積怒「ぐあああ!!この・・!!」
可楽「がぁっ!?チッ・・!!」
可楽と積怒はブロリーに再び殴り飛ばされて、無一郎達がいる方へと吹き飛んでいったのだった。
無一郎side
無一郎は最初に魚介類型の化け物を倒してから、その後も複数の化け物と遭遇し、全て無傷で突破していた。そして小鉄を連れて鉄穴森の所へと来たのだった。
ザン!
「ギィィィ・・」バラ・・
鉄穴森「おおっ時任殿!これはありがたい!瞬きする間に斬っている!」
小鉄「鉄穴森さん!!」
鉄穴森「小鉄少年!!無事で良かった!正直もう死んでると思いましたよ。」
小鉄「!」ピタッ
小鉄は駆けよって鉄穴森に抱きつこうとしたが、鉄穴森の毒舌にショックを受けてガチガチに固まったのだった。そんな小鉄の心情など知らない無一郎は刀の用意を急かした。
無一郎「あなたが鉄穴森という人?俺の刀用意してる?早くだして。」
鉄穴森「おやっ!これは酷い刃こぼれだ!」
無一郎「だから里に来てるんだよ。」
鉄穴森「なるほどなるほど!では刀をお渡ししましょう。」
無一郎はやけに物分かりがいい新しい鍛治に少し困惑していた。少し黙ったあとそれを指摘した。
無一郎「・・・随分話が早いね。」
小鉄「良かったですね、感謝したらいいですよ。」
鉄穴森「炭治郎君とブロリー殿に頼まれていたんですよ、あなたの刀のことを。そしてあなたをわかってやってほしいと。」
無一郎「炭治郎・・そしてブロリーさん・・二人が・・」
鉄穴森「だから私はあなたを最初に担当していた刀鍛治を調べて・・あっそうだ!鋼鐵塚さん!!」
現在三人は鋼鐵塚が作業していると思われる小屋のすぐそばのところにいるのだ。鉄穴森が振り替えると、魚介類型の化け物は居らずにほっと息を吐いた。
鉄穴森「良かった!!魚の化け物はいない!!あの小屋で作業してたんです!中には時透殿の刀もあります!!それを持ってすぐに里長の所へ向かってください!!」
無一郎「いや駄目だ。」
無一郎は小屋に向かって走ろうとした鉄穴森の首根っこを掴み、もう片方の刀を持った手で小鉄を制する。
鉄穴森「げぅっ!?」
小鉄「いってぇ腹立つ!!」
無一郎「来てる。」
「ヒョッ。」ガサッ
無一郎が何かが潜んでいる気配を見つけて制すると、小屋の近くの茂みに置いてあった壺から玉壺が現れる。
玉壺「よくぞ気づいたなあ、さては貴様柱ではないか。そんなにこのあばら屋が大切かえ?こそこそと何をしているのだろうな?ヒョッヒョッ。」
鉄穴森(うーわキッショ!!)ゾワゾワッ
小鉄(キッショ!!うへー絶対独身だよ)
小鉄と鉄穴森は玉壺の見た目の気持ち悪さに吐き気と嫌悪感を持った。しかし、上弦とかかれているためにそれを口にすることはなく黙っていた。
玉壺「ヒョヒョッ、初めまして私は玉壺と申す者。殺す前に・・」
ドガァ! ドゴォ!
玉壺「ヒョッ!?」
無一郎「!!」
小鉄「!」
鉄穴森「!?」
玉壺が何かを言おうとする前に、四人のすぐ近くの木に何かがぶつかった大きな音がした。それはブロリーが吹き飛ばした可楽と積怒だった。
積怒「ぬぅ・・あの御方が言ってたように、実に腹立たしい。」
可楽「カカカッ!こんなに追い詰められたのは初めてじゃ!戦いが楽しいのう!」
玉壺「ヒョッ、これは積怒殿と可楽殿じゃありませんか。吹き飛ばされたのですか?私は胸が高鳴・・ゲフン、心配でなりませぬ。」
積怒「うるさい玉壺!儂らは飛ばされてなどない!」
可楽「あえて喰らってやるのもまた楽しいのう。」
可楽と積怒はまるで手加減したような物言いだったが決してそんなことはなく、全力で戦ったもののブロリーのほんの少しの力だけでここまで飛ばされたのだ。その証拠に可楽は楽しそうにしていたが、その表情は少しひきつっていた。積怒も声を荒げて否定しているところが何よりの証拠となっていた。そして二体を飛ばしてきたブロリーも姿を表した。
ブロリー「フハハハハハ!!無一郎と小鉄達もいたのか。みんな無事みたいで何よリーです。」
無一郎「・・誰だっけ?」
ブロリー「・・ブロリーです。」
鉄穴森「おおっ!ブロリー殿!助かりました。」
小鉄「凄い!姿を変えられたんですね!」
無一郎は柱合裁判でブロリーが『伝説のスーパーサイヤ人』になったことなどすっかり忘れていたので、ブロリーを忘れた訳ではなく、今の姿を見て本当に誰かわからなくなっていたのだ。
玉壺「まぁ可楽殿と積怒殿がそうおっしゃるならそういうことにしておきましょう。さてと、新たな方も現れたことですしもう一度自己紹介から参りましょう。初めまして、私は玉壺と申す者。殺す前に少々よろしいか?」
積怒「チッ!また始まった!コイツは話し出すと長いのだ!無駄な時間を使うことになるのは実に腹立たしい!」
可楽「まぁまぁ積怒、こういったこともまたよかろう。どうせこやつらは皆殺しにするのじゃ。多少は付き合ってやるのもまた楽しいものじゃ。」
玉壺「今宵四方のお客様には是非とも私の作品を見ていただきたい!」
無一郎「作品?何を言ってるのかな。」
玉壺「ではまずこちら!"鍛人の断末魔"で御座います!!」パンパン
玉壺が手を叩くと、もうひとつあった壺の中から刀鍛治の住人五人がぐちゃぐちゃに混ざり合った状態で出てきた。すでに事切れていることが虚ろな目ですぐにわかるほどである。それを玉壺は得意気に説明し始めた。
鉄穴森・小鉄「「!!」」
玉壺「御覧ください!まずはこの手!刀鍛治特有の分厚い豆だらけの汚い手を、あえて!私は前面に押し出しております。」
鉄穴森「金剛寺殿・・鉄尾さん・・鉄池さん・・鋼太郎・・」ブルブル
小鉄「あああ・・鉄広叔父さん・・!!」
そしてこの五人は残酷なことに小鉄と鉄穴森にとって親しい人たちでもあった。大切な人を殺された悲しみで体を震わせたり、涙を流して泣いているのを見た玉壺は更に得意気になった。
玉壺「そう!おっしゃる通り!!この作品は五人の刀鍛治を贅沢に!!ふんだんに使っているのですよ!それほど感動していただけるとは!!更に刀を刺すことにより"鍛人らしさ"を強調しております。このひょっとこの面も無情感や不条理を表現するために残しました。こちらも勿論あえて・・意図してです!そして極めつけはこれ!!このように刀を捻っていただくと・・」グッ
「ギャアアア!!」
小鉄「うわああやめろーーっ!!」
鉄穴森「・・!!」
鍛治の住人の断末魔を聞いて思わず飛び出しそうになった小鉄を鉄穴森は必死に止めた。
玉壺「どうですか?素晴らしいでしょう!断末魔を再現できるのです!!」
ブロリー「クズがぁ・・!」
無一郎「おい、いい加減にしろよクソ野郎が。」ヒュン
無一郎は素早い動きで玉壺の頚を狙うが、玉壺は壺の中に引っ込むと今度は屋敷の屋根の上に置いてある壺から出てくる。
玉壺「まだ作品の説明は終わってない!最後までちゃんと聞かれよ!」
無一郎(壺から壺へ移動できる・・なるほど。)
ブロリー「貴様の話など聞く価値はない!」バギャァ!
ブロリーは玉壺へ拳を振るった。玉壺は再び壺の中に消えるが、拳は綺麗に壺を割ったのだ。そう、ブロリーは最初から壺を狙ったのだ。壺を割られた玉壺は激昂した。
玉壺「よくも割りましたねぇ私の壺を・・芸術を!!審美眼のない猿めが!!脳まで筋肉で出来てるような貴様らには、私の作品を理解する力はないのだろう!それもまたよし!!」スッ
無一郎(これだけ逃げるってことはさっきの分裂鬼とは違ってコイツは頚を斬れば死ぬんだ。)
玉壺は片手に持っている壺の中から数匹の金魚を出した。彼の血鬼術である。
無一郎(金魚?)
ブロリー(魚か?)
玉壺「血鬼術・千本針・魚殺!!!」ブワッ
無一郎「!!」バッ
金魚は口を膨らませると、そこから何千本もの毒針を吐き出したのだ。その攻撃に反応した無一郎は回転移動することで間一髪避けた。そしてもう一体の金魚は小鉄と鉄穴森とブロリーがいるところへ攻撃したのだ。
小鉄「わああ!」
鉄穴森「小鉄少年!」バッ
無一郎「!!」(しまった!)
ブロリー「・・・・」ニヤリ
小鉄を鉄穴森が庇うように抱え込み、少し距離が離れている無一郎も焦った顔を浮かべるが、小鉄達のそばにいるブロリーは不適に笑った。そして
ブロリー「うぉぉぉおおおお!!」ゴォォォォ
なんとブロリーは避ける素振りすら見せずに真っ正面から突っ込んでいったのだ。これには無一郎も玉壺も驚きを隠せない。
無一郎「!!何やってるの・・!」
玉壺「ヒョッ!?真っ正面から突っ込んで来た!?この者は相当頭が弱いと見ました、こんな自殺行為をするなんて。その度胸を敬して貴方で最高傑作を作ってあげましょう。滑稽に刺さるがいいですよ。」
ブロリーの行為を見た玉壺は自身の勝利を確信したのかもうすでに作品のことを考えていた。しかし
ヒュンヒュンヒュン! ガチンガチンガチン!
玉壺「ヒョッ!?」
無一郎「!!刺さってない?針が弾かれてる・・!?」
ブロリー「とっておきだ!破壊の呼吸・壱の型!ブラスターシェル!」ゴォ デデーン☆デデーン☆デデーン☆
ブロリーの体には毒針が刺さらずに弾かれて、そのまま"ブラスターシェル"で金魚を全て倒してしまったのだ。
ブロリー「その程度の攻撃では俺は倒せない。勝った気でいたお前の姿は笑い物だったぞ。それより小鉄と貴様!いつまでそこにいるつもりだ?死にたいのか?命が惜しかったらさっさと隠れてろ。」
無一郎「・・うん。ブロリーさんの言うとおりだよ。邪魔だから隠れておいて。」
小鉄「はい!時透さん、ブロリーさん!ありがとうございます!」
小鉄はお礼を言いながら鉄穴森に担がれて森の奥の方へと消えていった。
可楽「カカカッ!玉壺の攻撃も全く効かないとはお前は本当にただ者ではないのう。」
玉壺「ヒョッ、これは私としたことが。貴方達が柱だと言うことをすっかりと忘れていましたよ。ですが刀鍛治二人を逃がしたことは滑稽ですねぇ。本当に滑稽。つまらない命を救ってつまらない場所で命を落とす。」
無一郎「・・っ!」ズキン
無一郎は玉壺が言った言葉がどこかで聞いたことがあり、霞がかった記憶の一部が晴れそうになるがそれでも思い出せない。なお玉壺は柱を見下すことを言う。
玉壺「しかし、こんなのでも一応は柱ですからねぇ。どんな作品にしようか心が踊る。」
無一郎「うるさい。つまらないのは君のお喋りだろ。」ドン
無一郎はハイライトがない目で玉壺を睨み、これ以上御託を聞く意味はないと判断して頚を斬ろうとする。しかし
玉壺「血鬼術・"水獄鉢"!」 ズッ ドパッ
無一郎「!!」ゴボゴボ トプン トプン
玉壺の血鬼術で壺の形をした水の塊を作り出すと、そこに無一郎を閉じ込めてしまったのだ。今の無一郎は呼吸を使うどころか普通に息をすることも出来ないため、一刻も早く脱出しなければ危険である。
玉壺「窒息死とは乙なものだ美しい。そして頚に刃を当てられてヒヤリとする感じ、これはとてもいい・・」
積怒「拝見してないでさっさと止めを刺してしまえ!!」
刀で水獄鉢を斬ろうとするが、水中では動きが鈍る上に今の無一郎は息も出来ない状態である。つまり斬ることは出来ずに"ぐに"と形を変えるだけだったのだ。
無一郎(駄目だ・・斬れない・・)
玉壺「鬼狩りの最大の武器である呼吸を止めた。もがき苦しんで歪む顔を想像するとたまらない。ヒョヒョッ。」
ブロリー「うぉぉぉおおお!」ドボンッ
玉壺「ヒョッ!?」
無一郎「!」
ブロリー「がぁぁぁあああ!」ゴォ バッシャーン!
そんな中ブロリーは自ら水獄鉢の中に飛び込み、そこからバリアを無理矢理張ることで水獄鉢を破壊したのだ。玉壺は驚きを隠せず、無一郎は急に呼吸ができるようになったものだから激しく咳き込んでいた。
無一郎「ゲホッ!ゴホッ!ゴホッ!」
ブロリー「無一郎、大丈夫か?」トントン
無一郎「やめっ・・俺は・・大丈夫だから・・」グイッ
ブロリーに助けられた無一郎は背中を優しく叩いてくる手を弱々しく退けると再び刀を構えた。
玉壺「やれやれ、里を壊滅させれば鬼狩り共には大打撃、鬼狩りを弱体化させれば産屋敷の頚もすぐそこだと言うのに。手こずらせてくれますねぇ。」
無一郎「お館様を殺すことが目的なの?だったら君には尚更死んでもらわないとね。」
無一郎とブロリーと玉壺と半天狗二体は再びぶつかり合おうとした。
?side
その頃、里から少し外れた森林を一人の女性が鎹鴉に案内されながら駆けていた。恋柱の蜜璃である。
蜜璃「急がなきゃ急がなきゃ!里のみんなが危ないわ。でも私の担当してる地区から刀匠さんたちの里、凄い近かったのね!びっくり!!よーし頑張るぞォ!!」
蜜璃は今、刀鍛治の里に鬼が出たとの情報が入り、急いで援護に向かっていたのだった。気合い十分の蜜璃の視界に入ってきたのは、里の住宅を襲う巨大な魚介類型の化け物の姿だった。
「ギョッギョッ。」
「ギャッ!!!」
「鉄五郎ー!!!」
「うわああ!」
「気をつけろ!この化け物は爪が刃物みたいに鋭いぞ!!」
「一旦建物の中へ逃げろ!
「駄目だ!!下がれっ下がれ!」
里の住民達はここで作ったあらゆる武器を取り出して、化け物を相手に徹底抗戦していた。しかし鬼殺隊の人でもない住民と鬼の分身とでは天と地ほどの差があり、あっという間に劣勢に追い込まれていた。しかし、そこへ蜜璃が到着した。化け物を斬りながら謝罪した。
蜜璃「遅れてごめんなさい!!みんなすぐ倒しますから!!」ザン
「うおおお!柱が来たぞ!凄ぇ!!」
「速・・」
「強・・」
「可愛いから忘れてたけど強いんだよな、柱って・・」
住宅は混乱に包まれていたが、柱が一人登場しただけでたちまち歓喜のざわめきに変わった。蜜璃は魚介類型の化け物を倒してから里長の元へと向かった。
「お・・長・・」
鉄珍の住む部屋では別の巨大な魚介類型の化け物が、鉄珍を今にも握りつぶそうと片手で掴みあげていた。長を守ろうとしていた隊員と住民も殺されかけていた。
鉄珍「ゴフッ・・」
(里を常駐で警護していた鬼殺隊員があっけなくやられてしまった・・里で最も優れた技術を持つ長を死なせるわけにはいかない・・!大きすぎるこの化け物・・攻撃がまるで効かん。異常に動きも速い。)
しかし、意識が朦朧としていた住民の前に、蜜璃が現れた。今までののほほんとした表情とは違い、キッと引き締まっていた。
蜜璃「動かない方がいいですよ!たぶん貴方は内蔵が傷ついてるから。」
「かっ・・甘露寺殿・・!!」(何だこの刀は、長が・・鉄珍様が打ったものか?噂には聞いていたが何と奇妙な・・)
「モ゛ォオオオオオオ!」ドタドタ
魚介類型の化け物は、蜜璃に襲いかかるべく突進してくる。しかし、蜜璃は呼吸を使って一気に叩き斬った。
蜜璃「恋の呼吸!壱の型!初恋のわななき!!!」ザンザンザン
「モ゛?」
蜜璃「私、いたずらに人を傷つける奴にはキュンとしないの。」
蜜璃が冷たい視線でそう言い放つと同時に、化け物は無残にも崩れて灰になったのだった。しかし、空中で支えを失った鉄珍が真っ逆さまに落下してくる。
「ああっ・・」
蜜璃「鉄珍様!!」ドスン
鉄珍の体が地面に叩きつけられる前に蜜璃が抱え込むことで、衝撃を和らげたのだった。
蜜璃「大丈夫ですか鉄珍様!!しっかり・・!!」
鉄珍「う・・」
蜜璃「鉄珍様!聞こえますか!?」
鉄珍「若くて可愛い娘に抱きしめられて何だかんだで幸せ・・ゴフッ」
蜜璃「やだもう鉄珍様ったら!」
蜜璃の活躍により、鉄珍を助けることができた。しかし、里の危機はまだ去っていない。蜜璃は次の戦場へ向かっていった。
炭治郎side
炭治郎達は哀絶と空喜を相手にして苦戦を強いられていた。空喜が空を飛びつつ狂鳴を打ってくるために炭治郎と禰豆子は防御しつつカウンターという戦い方になっていたのだ。なんとか攻撃を喰らわずにすんでいる炭治郎は玄弥の心配もしていた。
炭治郎(禰豆子!玄弥!)
空喜「他人の心配とは余裕があるのう。」ギャイイイ
炭治郎「!」バッ
空喜は再び炭治郎を空中へ連れ去ろうと滑空するが、炭治郎は寸前のところで身を交わした。
空喜「チッ!」
炭治郎は自身を掴み損なって体制を崩した空喜を見て今が好機と見て急いで玄弥の元へと向かった。
炭治郎「玄弥!」
炭治郎は玄弥を見つけたときには既に、玄弥は哀絶の頚を斬っていた。しかし、本人の様子はおかしかった。
炭治郎(玄弥!!無事だった!・・!?玄弥か!?なんだあの姿はまるで・・)
玄弥は哀絶の体の一部を食べたことで鬼化していたのだった。玄弥は炭治郎を見て再び突っかかろうとしたが、ブロリーに言われたことを思い出して踏みとどまった。炭治郎は戦ってる間にひとつの疑問を覚えた。
炭治郎(一体斬った事でわかった。恐らく鬼は四体同時に斬ったところで妓夫太郎達のようには倒せないんだ!!この喜怒哀楽鬼への攻撃は殆ど意味がない。ずっと気になっていたことがある。頚が急所じゃないなんてことがあるのか?違和感の正体、一瞬だけ感じたあの匂い、そうあれは、五体目の匂いだ!!)
炭治郎は戦ってる最中に五体目の半天狗、つまり本体の存在に気づいていたのだ。それを知った炭治郎は玄弥に伝えた。
炭治郎「玄弥!五体目の鬼がいるはずなんだ!探すから時間を稼いでくれ!!」
玄弥(こいつの言うことを聞くのは癪だ!だけど破壊柱様の言うとおり、今は戦いに集中しないと・・!)「チッ・・見つけたらさっさと教えろよ・・!」
炭治郎「わかった!あと禰豆子だけは斬らないよう気をつけてくれ!俺の妹だから!」
禰豆子「ム!」
炭治郎(探れ!!集中しろ!!どこだ!?団扇の鬼が風を使ったお陰で温泉の硫黄の匂いが飛んでいる。)
そして炭治郎は草むらに隠れる本体の匂いに気づいて玄弥に叫んだ。
炭治郎「玄弥ーっ!!!北東に真っ直ぐだ!!五体目は低い位置に身を隠している!向かってくれ!!援護する!!」
玄弥(北東!!)バッ
玄弥は本体を探すために炭治郎達と別れて北東に進んでいった。しかし、哀絶は玄弥の行く手を阻もうとする。
哀絶「行かせはしない。」バッ
炭治郎「お前も行かせない!ヒノカミ神楽!円舞!」ザン!
哀絶「ぐ・・あ・・」
炭治郎「玄弥ーっ!!右側だ!南に移動してる!探してくれ!!」
玄弥(探してる!!探してるんだよずっと!術か!?また何かの術で見えねぇのか!?くそっ!!くそっ!!くそっ!!どこだ!!長引けば長引く程こっちが消耗してしまう!)
炭治郎「西だ!もっと右!!近くにいる!低い!!玄弥!!」
玄弥(どこだっ!!ど・・!?)
そして玄弥は本体を見つけたのだ。ネズミ一匹程度の大きさしかないとにかく小さい本体を。
半天狗「ヒィィ」
玄弥(ちっさ!!)ドンドン
本体を見つけた玄弥はすぐさま銃で撃つが半天狗は背を向けて逃げだしているため当たらない。
半天狗「ヒィィィ」
玄弥(小さすぎだろ、本体こいつか!?こいつが!?くそったれが見つけられるかこんなもん普通!野ネズミ程度の大きさじゃねえか。あの四体が強力すぎんだよあんなのをこんなチビが操ってんのか!?あの四体を相手しながらこのネズミ捕り、クソ面倒くせえ!今まで鬼殺隊の人間がやられてきた構図が見えたぜ。ふざけんな小賢しい!!忿懣やる方ねぇ!!)ギャガッ
半天狗「ギャッ!」
玄弥は心のなかで半天狗本体に対する悪態をつきながら、鬼の力を使って半天狗の頚を斬ろうとする。しかし
半天狗「ヒィィィ」パキン
玄弥「!?」(きっ・・斬れねぇ!!馬鹿なっ!!こんな・・指一本の太さしかねえ頚だぞ!)ドンドン
玄弥の日輪刀の方が音を立てて折れたのだった。玄弥はその事実に動揺したが、それならばと銃で撃つが、それすらも意味をなさない。
半天狗「ヒィィィ」
玄弥(効かねぇ!!)
銃も日輪刀も効かない、そんな状況に玄弥は動揺するが、空喜と哀絶を禰豆子と共に相手に戦っている炭治郎達は彼に渇を入れた。
炭治郎「玄弥ーっ!!!諦めるな!!もう一度狙え!!もう一度頚を斬るんだ!絶対諦めるな!!次は斬れる!!俺が守るから!!頚を斬ることだけ考えろ!!柱になるんじゃないのか!!不死川玄弥!!」
ヒュードゴォ! ドガッ!
可楽「ぐぅ!」
積怒「ぐぉぉ!」
炭治郎/玄弥「「!?」」
炭治郎が言い終えると同時に、何かが近くの壁にめり込んで大きなクレーターを作った。それは可楽と積怒である。無一郎と共に戦っていたブロリーが二人をここまでぶっ飛ばして来たのだ。
玉壺「ヒョッ。」
当然そのすぐ近くにいた玉壺も壺の中から現れ、ブロリーと無一郎も炭治郎達と合流した。
ブロリー「炭治郎!」
炭治郎「師範!時透君!」
無一郎「・・炭治郎だっけ?君の師範強いね。」
炭治郎「あぁ、師範はとてつもなく強いぞ!」
玄弥「破壊柱様!霞柱様!」
ブロリー「玄弥か。」
無一郎「・・誰?」
無一郎は玄弥とは合っていなかったため、このような反応になるのは仕方のないことだった。そしてそこに蜜璃までもが合流した。
蜜璃「皆!遅くなってごめんね!大丈夫!」
炭治郎「甘露寺さん!」
玄弥「恋柱様!」
無一郎「甘露寺さん。」
ブロリー「蜜璃?なんでここにいるんだ?」
蜜璃「里を守るためです!皆で頑張りましょう!」
今現在、鬼殺隊の戦力は柱三人に加えて三人の剣士と禰豆子を合わせて合計七人である。それを理解した鬼側の積怒は錫杖を放棄して両手を掲げた。
積怒「・・ならば。」ゆらぁ
そこからは一瞬の瞬きも許されないほどの短時間で、積怒は可楽と空喜を肉が捻りつぶれるように吸収してすぐさま哀絶の元へ移動、抗議しようと口を開けた哀絶だが声を出すことなく吸収された。全ての分身を吸収した積怒は姿を変えた。より若返り、子供のような姿になった。しかし、その気配は今までのどの分身よりも禍々しくて押し潰されそうな強大な威圧感を放っていた。この姿は、分身の究極体である"憎珀天"である。
憎珀天「弱き者をいたぶろうとする鬼畜。不快、不愉快極まれり。極悪人共めが。」
半天狗「ひいいい。」ガタガタブルブル
炭治郎(子供?なんて威圧感なんだ・・息がつまる・・心臓が痛い。)
玄弥(あれは何だ?分身じゃねーのに更に若くなった。子供だ。本体だと思われる爺を抜いた状態での合体。)
無一郎(また姿が変わった・・それだけじゃない。今ここには上弦の伍もいるんだ。やるしかない・・)
蜜璃「キャーッ!すごいお化けなあにあれ!!」
ブロリー「何だぁ?その姿は?それで俺に勝てるつもりか?」
憎珀天は"憎しみ"の感情を持つ鬼である。背中にある太鼓のようなものを鳴らして木の根で本体を囲うように動かした。
炭治郎「!待て!」
憎狛天「何ぞ?貴様、儂のすることに何か不満でもあるのか。のう、悪人共めが。」ずん
炭治郎「!!」
玄弥(重い。声が、威圧が手足に力が入らなくなる、立ってられねぇ。)
押し潰されそうな威圧感に耐えながら炭治郎は静かに聞いた。
炭治郎「・・どうして俺たちが悪人・・なんだ?」
憎珀天「"弱き者"ををいたぶるからよ。のう、先程貴様らは掌に乗るような"小さく弱き者"に斬りかかろうとした。何という極悪非道。これはもう鬼畜の所業だ。」
半天狗の言い分は炭治郎を怒らせるのには充分だった。半天狗からは沢山の人間を食い殺した腐った匂いが強いからである。殺しておきながら自分は被害者面、その態度にキレたのだった。
炭治郎「小さく弱き者?誰がだ?ふざけるな。お前達のこの匂い、血の匂い!!喰った人間の数は百や二百じゃないだろう!!その人たちがお前に何をした?その全員が命をもって償わなければならないことをしたのか!?大勢の人を殺して喰っておいて被害者面するのはやめろ!!捻じ曲がった性根だ!絶対に許さない!悪鬼め・・!!お前の頚は俺が斬る!!」
蜜璃「炭治郎君の言葉、すごく心に来たわ!私すごくキュンとしちゃった!君たちはおいたが過ぎるわよ!」
憎珀天「黙れあばずれが、儂に命令して良いのはこの世で御一方のみぞ。」
蜜璃(あばずれ!?あばっ・・あっ・・私!?私のこと!?信じられないなんて言葉使うのかしら!?私の弟とそんなに変わらないじゃない!!でも鬼だと実年齢と見た目は違うわよね?それにしても酷いわ!)ガーン ブルブル
憎珀天の言葉にショックを受けた蜜璃はブルブルと震えていた。そんな中、無一郎が憎狛天に狙いを定めるが
玉壺「お前の相手は私だぞ小僧。血鬼術・蛸壺地獄!!」
無一郎「!霞の呼吸!伍の型!霞雲の海!」フッ ザン!ザン!
玉壺が現れて無一郎に不意討ちする、無一郎はそれに気づくと咄嗟に呼吸を使って反応し、蛸の足のようなものを全て切り刻んだ。玉壺と無一郎が戦い始めて、炭治郎や蜜璃も憎狛天と半天狗を倒そうと動いた。
憎狛天「狂鳴雷殺!」バリバリ
炭治郎「甘露寺さん!!」
蜜璃「恋の呼吸!参の型!恋猫しぐれ!」ガキンガキン
蜜璃は体の柔らかさと刀の柔らかさも相まって憎狛天の攻撃自体を斬った。その後も立て続けの攻撃を全て相殺していった。
憎珀天(この速さでもついてくるか、ならば術で埋め尽くす。)「血鬼術・無間業樹!」
憎珀天の広範囲の攻撃に蜜璃は青くなるが、それでも受け止めんと言わんばかりに呼吸で相殺する。
蜜璃(キャー!!広範囲の術!!受けきれるかしら!?)「恋の呼吸・伍の型!揺らめく恋情・乱れ爪!」ガチンガチン
炭治郎(速い!!でも駄目だ・・「か・・甘露寺さん!そいつは本体じゃない!!頚を斬っても死なない!!」
蜜璃(えっ!!やだホントに!?判断間違えちゃっ・・)
憎珀天「狂圧鳴波!!!」ドオオオン!
炭治郎の情報を受けて動揺した蜜璃は憎狛天の攻撃をもろに受けてしまい、全身が傷だらけになって意識を失った。しかし、それをみた憎狛天はとても驚いていた。
憎狛天(信じがたし!!この娘、今の攻撃を喰らって尚肉の形を保っているとは!!喰らう直前に全身の筋肉を硬直させた?しかしそれで耐えられる代物ではないぞ、解せぬ。いやそうかこの娘、図体に見合わぬ筋肉・・特異体質。これはよい。質の良い肉は強さに直結する。しかしまずは頭蓋と脳味噌を殴り潰しておくとするか。)ブン
憎狛天は蜜璃の命を絶ってから喰らおうと拳を振り上げる。しかし、蜜璃をブロリーが助け出した。そのときに抱えられた衝撃で蜜璃も意識を取り戻した。
ブロリー「デヤァッ!!」ガシッ ビシュン!
憎狛天「!!・・邪魔をするな貴様!」
蜜璃「・・っ!」ハッ
ブロリー「蜜璃、大丈夫か?」
蜜璃「ブロリーさん・・ごめんなさい。私判断を間違えちゃった・・」(やだ、私意識を失って・・気がついたらブロリーさんに抱えられて・・///助けてくれた///素敵!キュンキュンが止まらないわ!///)キュンキュン
ブロリーは蜜璃の全身を見て傷だらけなのに気がついた。そして炭治郎や禰豆子も傷だらけで出血までしていることにも気がついた。それを見たブロリーはゆらりと上弦の鬼二体と向き合うと威圧感を放ちながら青筋を立てた。
ブロリー(炭治郎・・禰豆子・・蜜璃・・クズ共がぁ、今殺してやるぞ!)「はああああぁぁぁぁ!!!」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
蜜璃・玄弥「「!!?」」
炭治郎「これは・・まさか・・!」
禰豆子「ムー!ムムー!///」
無一郎「!?」
玉壺「ヒョッ!?」
ブロリーは雄叫びをあげて空気を震わせた。周りの空間が全て緑色に包まれ、やがてエフェクトはブロリーの元へと収まっていった。これを初めて見る蜜璃と玄弥と無一郎、それだけでなく鬼の玉壺と憎狛天でさえも驚いていた。無一郎と玉壺は戦いを止める程である。しかし、一度見たことがある炭治郎と禰豆子はこの後どうなるのか予想がついていた。そしてその予想は当たることになる。
炭治郎「やっぱり!!今まで見たことのない師範の姿になった!!」
禰豆子「んー!///ムー!///」
興奮が抑えられない炭治郎と禰豆子。空間が元の色合いに戻ると再び覚醒を遂げたブロリーがいた。『スーパーサイヤ人』『伝説のスーパーサイヤ人』『スーパーサイヤ人3』とは全く別の姿になっていたのだ。悪魔の白眼はそのままに、今までの"緑がかった金髪"や"緑髪"でもなく完全な"黒髪"になっており、その長さは頚もとまでと短くなっていた。そして黒い眉毛が復活していてブロリーを覆うようにあふれでる気は金色へと変わっていた。その姿の最大の特徴は体である。頭、顔、頚、胸筋周り以外の全身が"猫のようにしなやかな赤い体毛"に覆われていることだった。この姿になったブロリーは
ブロリー「俺の餌食になるがいい!!」
と獲物を狙うような目で玉壺と半天狗を見るのだった。
これからも失踪しないように頑張っていきたいと思います。それではまた次回。