刀鍛治の里にて上弦の鬼との交戦中、蜜璃、禰豆子、炭治郎を負傷させられたことへの怒りで覚醒を果たしたブロリー。黒髪で金色のオーラを纏い身体にしなやかな赤い体毛が生えていた。この姿は『スーパーサイヤ人』の力と"大猿"のパワーが融合した姿、『スーパーサイヤ人4』である。あまりにも大きな変身に周りにいる柱達は驚きを隠せなかった。
ブロリー「俺の餌食になるがいい!!」
炭治郎「新しい姿の師範だ!」
禰豆子「んー!///ムムー!///」キラキラ✨
玄弥「破壊柱様・・?」
蜜璃「ブ・・ブロリーさん・・なの?」
無一郎(姿が・・変わった?どういうことなの?・・でもこの後ろ姿・・何かを思い出せそうな気がする・・)「・・っ!」ズキッ
炭治郎と禰豆子は興奮し、他の者は戸惑っていた。そしてそれは対峙している上弦の鬼も同じことであった。
玉壺「全身筋肉質なのに加えて綺麗な赤い体毛・・それに合わせるかのような黒髪と目立つ金の頚飾り・・良い、実に良い!今の貴方には私の作品の材料になる栄誉を与えて差し上げましょう!」
半天狗「ヒィィィ・・恐ろしい恐ろしい・・喜怒哀楽でも儂を守るのに間一髪だったのに・・更に強くなりよった・・きっと奴は善良な儂をいたぶるつもりじゃ・・いじめるつもりなんじゃ・・もうダメじゃ・・おしまいじゃ・・恐ろしい恐ろしい・・」ガタガタブルブル
憎狛天「!小さく弱き者をいたぶろうとするばかりか、更に強くなって恐れさせるとは、殺してやるぞ極悪人め!」
ブロリー「俺が悪者・・?違う、俺はもっと恐ろしい悪魔だ!フハハハハハハ!!」
炭治郎「師範は人のために信じられない力を出せるんだ!何が極悪人だ!いい加減にしろ!」
無一郎「!!」ハッ
憎狛天と玉壺がそれぞれの血鬼術を使おうと身構える。それを見たブロリーと炭治郎も拳と刀を構えて臨戦態勢をとった。そして無一郎は炭治郎の怒鳴り声を聞いて過去の記憶を全てを思い出すのであった。
――――
無一郎は元々四人家族で景信山という所に住んでいた。父親が杣人で木を切る仕事をしていて息子である無一郎も手伝いをしていたのだ。しかし、その幸せは十歳になった頃に突然崩れ去った。母親は風邪をこじらせて肺炎になって亡くなり、それを治そうと薬草を取りに行った父親も崖から転落して亡くなってしまったのだ。それ以来、無一郎は双子の兄である"時透有一郎"と二人きりになった。そんなある日、背中に大量の薪を背負った有一郎が言った。
有一郎「"情けは人のため鳴らず"、誰かのために何かしてもろくなことにならない。」
無一郎「違うよ。人のためにする事は巡り巡って自分のためになるって意味だよ。父さんがそう言ってた。」
無一郎は父親からの教えを覚えていて有一郎が言ったことをやんわりと否定するが、有一郎は心底どうでもいいと言うように吐き捨てた。
有一郎「人のために何かしようとして死んだ人間の言うことなんてあてにならない。」
無一郎「何でそんなこと言うの?父さんは母さんのために・・」
有一郎「あんな状態になってて薬草なんかで治るはずないだろ、馬鹿の極みだね。」
無一郎「兄さんひどいよ・・」
有一郎の言葉は当時は純粋で気が弱くて素直な少年の心を傷つけるのには充分だった。現に無一郎は目に涙を浮かべていた。それにも気づかずに有一郎は続けた。
有一郎「嵐の中を外に出なけりゃ死んだのは母さん一人で済んだのに。」
無一郎「そんな言い方するなよ!!あんまりだよ!!」
有一郎「俺は事実しか言ってない。うるさいから大声出すな、猪が来るぞ。無一郎の無は"無能の無"、こんな会話意味がない。結局過去は変わらない。無一郎の無は"無意味の無"。」
無一郎「・・・・」シュン・・
有一郎は両親が亡くなってから全てにおいて突き放すようになっていた。そこからの二人暮らしは息が詰まるようだった。どちらかが口を開けば必ず口論になり、その後重い雰囲気が時透家を支配していたのである。
季節巡ったある日、時透家に一人の女性が訪れた。"産屋敷あまね"である。無一郎が最初は彼女の事を白樺の木の精だと思うほど、美しく見えたのである。そこで剣士の子孫だということを教えられたが有一郎が暴言を吐いて追い返した。
無一郎「すごいね!僕たち剣士の子孫なんだって!しかも一番最初の呼吸っていうのを使う凄い人の子孫で」
有一郎「知ったことじゃない。さっさと米を研げよ。」
無一郎「ねぇ、剣士になろうよ。鬼に苦しめられてる人たちを助けてあげようよ。僕たちならきっと・・」
ドンドンドンドン!!
無一郎の提案を聞いた有一郎は額にビキリと青筋を浮かべると、切っていた大根を更に荒っぽく切り刻んで怒鳴り付けた。
有一郎「お前に何ができるって言うんだよ!米も一人で炊けないような奴が剣士になる?人を助ける?馬鹿も休み休み言えよ!!本当にお前は父さんと母さんにそっくりだな!!楽観的すぎるんだよ!どういう頭してるんだ!具合が悪いのを言わないで働いて体を壊した母さんも!嵐の中薬草なんか採りに行った父さんも!あんなに止めたのに・・!!母さんにも休んでって何度も言ったのに!!人を助けるなんてことはな!選ばれた人間にしかできないんだ!先祖が剣士だったからって子供の俺たちに何ができる?教えてやろうか?俺たちにできること!犬死にと無駄死にだよ!父さんと母さんの子供だからな!結局はあの女に利用されるだけだ!!何か企んでるに決まってる!この話はこれで終わりだ!いいな!!さっさと晩飯の支度をしろ!!」
無一郎「・・・・」
無一郎は目に涙を浮かべて無言になっていた。そしてそれきり、二人は口を利かなくなった。一度だけあまねに有一郎が水をかけようとして喧嘩したときだけ口論という名の話し合いをしたきり再び口を利かなくなった。
それから更に一年が経ったある日の夏のよる。時透家に追い討ちをかけるかのような出来事が再び起こった。日常の雰囲気と夏の暑さで有一郎も無一郎もイライラしていた。扉を開けたまま寝ていたら鬼が入ってきたのだ。
ザシュッ
有一郎「ぐあぁ・・!」
無一郎「兄さん!」
「うるせぇうるせぇ騒ぐな。どうせお前らみたいな貧乏な木こりは何の役にも立たねぇだろ。いてもいなくても変わらないような、つまらねぇ命なんだからよ。」
無一郎「っ!」ブチッ
このときの無一郎は生まれてから一度も感じたことのない激しい怒りの感情に支配された。感情と生存本能の赴くままに斧、鎌、ハンマー、木材などの身近にあった武器を使って鬼を血祭りにあげていたのだ。そしてふと我に返ると鬼は死にかけていた。頭が潰れても死ねずに苦しんでいた。間もなく朝日が昇り、鬼は灰になって消えた。無一郎は鉛のように重い体を引きずって家に入った。中にはもうすぐで息絶えそうな有一郎が倒れていた。
無一郎(兄さん・・生きてる・・兄さん・・)
有一郎「・・神・・様・・仏・・様・・どうか・・どうか弟だけは・・助けてください・・弟は・・俺とは違う・・心の・・優しい・・子です・・人の・・役に・・立ちたいというのを・・俺が・・邪魔した・・悪いのは・・俺だけです・・バチを当てるなら・・俺だけに・・してください・・わかっていたんだ・・本当は・・無一郎の・・無は・・"無限の無"なんだ・・」
有一郎は無一郎に対して冷たい言い方しかできないことに罪悪感を持っていたのだ。彼は全く無一郎の事を嫌っていなかった。むしろ、たった一人の大事な弟だったからこそ手酷く厳しくしてでも、邪魔をしてでも守りたいと常に思っていた。とても弟思いの優しい兄だったのだ。その真相に気づいた無一郎は傷だらけの体で静かに涙を流したのだった。
―――
それらの事をこの一瞬で思い出すことができた無一郎は、ブロリー達と上弦二体が動き出す前にシュタッと前に立った。そしてブロリーと炭治郎を見ると満面の笑みを浮かべた。
ブロリー・炭治郎「「無一郎?/時透君?」」
無一郎「・・ブロリーさん、炭治郎。ありがとう!君たちのお陰で僕は大切な記憶を思い出すことができた。感謝しているよ。」
炭治郎「時透君・・!」
無一郎「さてと、次はもうやられないから。お前のくだらない壺遊びにいつまでも付き合ってられないし。」
玉壺「・・・・舐めるなよ小僧。」ビキリ
無一郎とブロリーが玉壺の方を向いているため、必然的に残った炭治郎、蜜璃、玄弥、禰豆子が半天狗へと向き合う形になった。
ブロリーside
ブロリーは今、無一郎と玉壺の罵りあいを聞いていた。その内容は『スーパーサイヤ人4』になったブロリーの事である。当の本人はただ呆れるだけだったが。
無一郎「いや別に舐めてる訳じゃないよ、事実を言ってるだけで。どうせ君は僕たちに殺されるんだし、だってブロリーさんの姿が変わったでしょ?それに雰囲気も空気も重くなったし、なんだろうあの姿?それとも君には理解することもできなかったのかな?」
玉壺「その口の利き方が舐めていると言ってるんだ糞餓鬼め、たかが十年やそこらしか生きてもいない分際で。」イライラ
無一郎「そう言われても君には尊敬できる所が一つもないからなぁ。見た目もしゃべり方も気色が悪いし。」
玉壺「私のこの美しさ、気品・・優雅さを理解できないのはお前が無教養の貧乏人だからだ。便所虫に本を見せても読めないのと同じ。」
無一郎「君の方が便所に住んでいそうだけど。」
炭治郎(と、時透君・・!そんなに挑発したら・・)
玉壺「黙れ便所虫。貴様らのような連中の手足の短いちんちくりんの刃は私には届かない。」
無一郎「いや、そもそも君の方が手足短いし、それにブロリーさんは里に被害が出ないようにあえて手加減して戦っているんだよ。」
無一郎は理解していたのだ。ブロリーが最初から全力なんて出していないことを、その上で上弦の鬼を追い込んでいることを。その事から既に無一郎は自分達の勝利を確信しているのだ。
無一郎「ああもしかして自分に対して言ってる独り言だった?邪魔してごめんね。」
玉壺「ヒョヒョッ。安い挑発だのう。この程度で玉壺様が取り乱すとでも?勝ちたくて必死なようだな、見苦しいことだ。」
無一郎「うーんうーん。」
玉壺「ヒョッヒョ、何だ?」
無一郎「気になっちゃって・・ねぇブロリーさん。あの壺を見てどう思う?少なくとも僕には歪んでて左右対称に見えないんだけど。」
ブロリー「そもそもあんなものに価値などあるのか?歪んでいようがそうではなかろうが俺には塵にしか見えんな。所詮ガラクタはガラクタなのだ。」
玉壺「それは貴様らの目玉が腐っているからだろうがアアアア!!!私の壺のオオ!!どこが歪んでいてガラクタなんだアアア!!!」ブチブチブチッ
無一郎とブロリーの煽りに怒り狂った玉壺は、ブロリーに攻撃が効かないことも忘れて再び血鬼術を使った。
玉壺「血鬼術・一万滑空粘魚!!一万匹の刺客がお前らを骨まで喰らいつくす!!私の作品の一部にしてやろう!!!」
玉壺は壺から一万匹の鋭い牙が生えた魚を出して無一郎とブロリーに向けて放った。
無一郎「霞の呼吸・陸の型・月の霞消。」フウウウ
それを見た無一郎は、回転をかけて向かってくる魚を捌いていった。ブロリーも腕組みしているだけで立ったままだが、魚が持っている牙はその体に刺さることなく弾き返されて"次々と地面にボトボト"と落ちていった。
玉壺(斬りおった!この速度と攻撃範囲!!それにもう片方には粘魚の牙すら刺さっていないではないか!!こんなことが・・こんなことがあってたまるか!)
玉壺は血鬼術が二人に効かないとわかると木の上へと一瞬で登ったのだった。そして今までの皮が剥がれて身体中が魚の鱗に覆われて手には水掻きが生え、足は魚の尻尾の形をした姿になった。つまり"脱皮"したのである。
玉壺「お前達には私の真の姿を見せてやる。この姿を見せるのはお前達で三人目と四人目。」
無一郎「はいはい、結構いるね。」
玉壺「黙れ、私が本気を出した時生きていられた者はいない。」
無一郎「すごいねー。(棒)」
玉壺「口を閉じてろ馬鹿餓鬼が!!この透き通るような鱗は金剛石よりも尚硬く強い。私が壺の中で練り上げた、この完全なる美しき姿に平伏すがいい。」
無一郎「・・・・」
ブロリー「キモッ。」
玉壺「誰がキモいんだ!!お前はなんとか言ったらどうなんだこの木偶の坊共めが!!本当に人の神経を逆撫でする奴らだな!!」
無一郎「いや、だってさっき黙ってろって言われたし・・それにそんな吃驚もしなかったし・・ブロリーさんの言うように気持ち悪いし・・」
ドドドドドド ビチビチビチ
無一郎が言い終わると同時に、玉壺はブロリーに向かって"神の手"を振り下ろした。ブロリーは上半身を捻るだけで避けたが拳が地面に当たるとグニャリと歪んでから大量の魚に変化したのだ。
ブロリー(また魚か?)
玉壺「どうだね?私のこの神の手の威力。拳で触れたものは全て愛くるしい鮮魚となる。そしてこの速さ!!この体の柔らかくも強靭なバネ、さらには鱗の波打ちにより、縦横無尽自由自在よ。震えているな?恐ろしいか?先程の攻撃も本気ではない。恐ろしさのあまり動けなかったようだな。」
ブロリーは自身を狙ってきたために玉壺の言葉が無一郎ではなく自分に向けられているものだと理解した。そしてニヤリと笑うと言い放った。
ブロリー「やっと俺と戦う気になったようだがその程度のパワーで俺を倒せると思っていたのか?」
"完成体"になった玉壺と"スーパーサイヤ人4"になったブロリーが同時に動き出した。
玉壺「私の華麗なる本気を見るが良い!!血鬼術・陣殺魚鱗!」ギャガガガガ!!
玉壺は全身の鱗を使って高速で縦横無尽に飛び回り、神の手と併用して拳を振りだそうとする。
玉壺「さあどうかね。私のこの理に反した動き!鱗によって自在だ!予測は不可能!私は自然の理に反するのが大好きなのだ!お前はどのように料理してやろうか!その綺麗な赤い体毛のある体はそのままに、醜い頭をもぎ取り美しい魚の頭をつけてやろう!これでおしまいだ!」ドゴォ
無一郎「!あっ・・!」
ブロリーの体に玉壺の"神の手"による拳が当てられる、無一郎はこの時ブロリーは敗北したと思い片手で口を塞いだ。しかし
ブロリー「・・・・」
玉壺「!何故だ!?何故鮮魚にならない!?」
ブロリーの体は魚に変わる気配すら感じなかったのだ。それに上弦の伍の攻撃を受けても微動だにしないことに今度こそ動揺が隠せなくなった。
ブロリー「ムシケラが・・何をしても無駄なのだ。今度は俺の番だ。破壊の呼吸・拾伍の型!ギガンティッククラスター!」ポウ
ギュイーン ゴゴゴゴゴゴ
玉壺「なっ!?ぐっうう・・」ゴゴゴゴゴゴ
ブロリーが出したのは横に長い楕円形の気弾だったのだ。超至近距離から攻撃を受けた玉壺は、ブロリーが放った技"ギガンティッククラスター"に簡単に飲み込まれて意識が急速に遠のいていくのがわかった。
玉壺(くそオオオ!!あってはならぬことだ!!人間の分際でこの玉壺様をよくもォ!!おぞましい下等生物めが!!百人の命より私の方が価値がある!選ばれし優れた生物なのだ!!弱く!生まれたらただ老いぼれるだけのつまらぬくだらぬ命を私が高尚な作品にしてやったというのに!この私が・・こんな形で・・)「・・この下等な蛆虫ども・・!ギャアアアア!!」ドッカーン
デデーン☆
玉壺は最期に負けたことを実感して、恨めしそうにブロリーへと怨み言を向けながら、気弾が爆発して跡形もなく消されたのであった。それをブロリーは興味もないのか見向きもしないまま言った。
ブロリー「終わったな・・所詮、クズはクズなのだ・・」ビュオオ
それだけを言い残してブロリーは炭治郎達の気がある方に飛び去って行くのだった。無一郎は上弦の伍である玉壺をたった一撃で倒したことを称賛していた。
無一郎(流石だね、ブロリーさん。僕が苦戦した上弦をたった一撃で倒しちゃった。早く僕もブロリーさんみたいに上弦程度を軽く倒せるようになりたいな。)
無一郎は物思いに耽りながら、少ししてブロリーが飛んでいった後をゆっくりと追いかけていくのだった。
炭治郎side
ブロリーや無一郎と少し離れたところで上弦の肆と戦っている炭治郎達は、柱である蜜璃が憎狛天の足止めをして炭治郎と玄弥が逃げ回る半天狗の頚を切ろうと追いかけていた。
ギャギャギャギャ!
蜜璃「みんな私が守るからね。仲間は絶対に死なせないから!鬼殺隊は私の大切な居場所なんだから!上弦だろうがなんだろうが関係ないわよ!私悪い奴には絶対負けない!覚悟しなさいよ本気を出すから!こっちは私が何とかするから!」
玄弥「炭治郎!本体の入ってる玉は何処だ!?わかるか!?」
炭治郎「わかる!!こっちだ!」
憎狛天は半天狗本体に近づけないことと血鬼術の無間業樹でだした木でできた石竜子をやれないことにイライラしていた。
憎狛天(!!童共が!不愉快極まれり!!この小娘のせいで童共の方へ石竜子をやれぬ!!憎たらしい!!だがしかし、永遠ではない。必ず体力が続かなくなる!!人間は必ず!!)
一方の炭治郎達は半天狗本体が隠れているうねる大樹へと登っていた。
炭治郎「ぐあああ!!振り落とされるな!!頑張れ頑張れ!!木の・・アレ!!ヘビトカゲ竜みたいなのがこっちへ来ない内に!!甘露寺さんが止めてくれてる内に!!」
禰豆子「ううう!!」
玄弥(こんな状態じゃ刀も振れねぇ!なら・・!!これしかねぇ!!)ガブッ バリボリバリボリ
玄弥は大樹に歯を立てるとそのまま食い千切り食べ始めたのだ。それを見た炭治郎は驚きを隠せなかった。
炭治郎(うわああ噛んでる!?凄い硬い歯だ!)「でもお腹壊さないか!玄弥大丈夫なのか!」
玄弥は鬼を喰うことによって一時的に鬼の体質になれる。強い鬼を喰えばそれだけ再生力も上がり筋肉も上がる。身体能力が低く、呼吸も使えない玄弥の唯一の鬼を倒す方法である。玄弥は特異体質だった。優れた咬合力と特殊な消化器官により短時間の鬼化を可能とした鬼殺隊唯一の逸材である。そのまま食い千切って伐採された大樹は倒れ、半天狗が隠れている玉も地面に落ちた。
炭治郎「ヒノカミ神楽!炎舞!」コオオオ
玉は炭治郎によって叩き割られ、すぐさま再生しようとするのを禰豆子と玄弥が抑えて塞がないようにする。
禰豆子「ううう!!」ガッ
玄弥「やれ!!」ガッ
しかし、玉の中は既にもぬけの殻になっていた。半天狗が再び逃げ出したのだ。炭治郎は急いで探す。
炭治郎(また逃げた!!どこだ!!どこだ!!近い・・)
半天狗「ヒィィィ!」ダッ
炭治郎「!貴様ァァァ!!逃げるなアア!!責任から逃げるなアア!!お前が今まで犯した罪!悪業!その全ての責任は必ず取らせる!絶対に逃がさない!!」
半天狗「!」
炭治郎の叫びを聞いた半天狗は、かつて人間時代に侍に言われたことを思い出していた。そして裏返っているはずの目が恨めしそうに炭治郎を見ていたのだ。半天狗は盲目のふりをしていたのだった。
半天狗(儂は生まれてから一度たりとも嘘など吐いたことがない。善良な弱者だ。此程可哀想なのに誰も同情しない。)
その時、玄弥が木を持ち上げてぶん投げた。半天狗の足止めをするためだ。
玄弥「がアアアア!!クソがァァァ!いい加減死んどけお前っ・・空気を読めえええ!!」ブオン
炭治郎(木・・ぶん投げたー!!)
半天狗「ギャアア!!」ドゴゴゴ
半天狗は尚も逃げ出して炭治郎達と距離を取ろうとするしかし、徐々に追い込まれてきていた。
蜜璃side
蜜璃は憎狛天とその血鬼術で作られた石竜子と戦っているが、人間一人と分身のようなものとはいえ複数の相手には到底太刀打ちできずに、全身が傷だらけになりながら泣き叫んだ。
蜜璃「ぎゃあああああ~~!!!もう無理!!ごめんなさい!私殺されちゃう~!!」
ブロリー「させると思っていたのか?」ヒュン バッ
蜜璃「・・!ブロリーさん~!!」
ブロリーは突如として現れ、殺られそうになっていた蜜璃をお姫様抱っこで助け出して憎狛天と石竜子から少し離れたところに下ろした。
ブロリー「俺が蜜璃を殺させるとでも思っていたのか?お前はもう大丈夫だ。今までよく頑張ったな、流石蜜璃と褒めてやりたいところだぁ!」
蜜璃「うう~・・!ありがとうございます~・・!!」
憎狛天「チィッ・・またしても邪魔が入りおった憎たらしい!お前もまとめて皆殺しにしてやる!血鬼術・無間業樹!」グオングオン
憎狛天は再び木でできた石竜子をブロリーに向かって放つが、それを見たブロリーは避けようともせずに正面から突っ込んでいく。
ブロリー「うおおおおお!!」ビュオオオ
蜜璃「!キャアアアアア!!駄目えええええ!!」
蜜璃は石竜子に突っ込んでいったブロリーが殺られてしまうことを想像して悲鳴を上げた、しかしそれは杞憂で終わった。ブロリーの体は鬼程度の攻撃は一切通用しないからだ。
ガンガン ガキン ガキン
蜜璃「!うっ嘘・・あの鬼の攻撃が、効いてないの・・?」
蜜璃はブロリーに憎狛天の攻撃が全く効いてないことに驚き、片手で口元を塞いで目を見開いていた。そしてブロリーは石竜子数体を回し蹴り一発で吹き飛ばすと、目に見えない速さで憎狛天へと迫る。
ブロリー「殺されるのは貴様らの方だ。破壊の呼吸・拾肆の型!ギガンティッククロー!」ガシッ ブオン
憎狛天「ぬおおお!?」ヒューン
憎狛天は炭治郎と半天狗本体がいる方へと飛ばされていった。ブロリーは炭治郎達のもとへと向かう前に蜜璃に言った。
ブロリー「蜜璃、その様子だと動くこともやっとだろう。少し休んでからゆっくりと来るがいい。」
蜜璃「!はい!」(キャッ///ブロリーさんに助けてもらっちゃった///)
蜜璃からの返事を聞いたブロリーは再び炭治郎達のもとへと飛んでいったのだった。
炭治郎side
炭治郎達はいまだに高速で逃げる半天狗を追いかけていた。その卑劣さに玄弥は青筋を立てて怒りを表していた。
玄弥「足速ェェ!!何なんだアイツクソがァァァ!!追いつけねええ!!」
半天狗「ヒィィィ!!」
炭治郎(はっ・・速い!!くそっ!!延々と逃げ続ける気だな!夜が明ける前に甘露寺さんが潰れるまで!そんなことさせない!!俺たちがお前を勝たせない!)
炭治郎が絶対に頚を斬ると半天狗に憎悪を向けたとき、半天狗の横から憎狛天が飛ばされてきたのだ。憎狛天は木を何本か折ってようやく制止することができた。
憎狛天「ぬおおお!?」バキッバキッバキッ
半天狗「ヒィ!?」
炭治郎「なっ!?」
玄弥「分身!?何故だ!」
上弦の鬼である分身が飛ばされてきた、それはつまり鬼以上の攻撃でなければ絶対にできないことである。それができるのは一人しかいない。
炭治郎「師範!甘露寺さんは・・?」
ブロリー「炭治郎、よく頑張ったな!蜜璃なら俺がムシケラを無理矢理引き離したから休んでいる!」
玄弥「!良かった・・恋柱様生きていた・・」
禰豆子「ムムー!」
ブロリーは炭治郎達が全員生きていることを確認すると、後は鬼を殺すだけだと考えて、向き直った。
ブロリー「ムシケラ共。今、楽にしてやるぞ。」ゴゴゴゴゴゴ
憎狛天「ぬぅ・・!憎たらしい・・!」
半天狗「・・お前達はああ、儂がああ、可哀想だとは思わんのかアアアア!!弱い者いじめをォするなあああ!!」ムクムクムク ドォン
半天狗は突如として体を大きくすると咆哮を上げた。その舌には"恨"の字があって炭治郎は驚いて目を見開いていたが、ブロリーは冷静に見破っていた。
炭治郎(舌に"恨み"の文字!?本体は"怯え"だったはず・・舌の文字が違う!!)
ブロリー(体を大きくした。だからアイツは偽物だな。だが俺にはわかる。アイツの胸の中に本物がいる気配がする。小さくなって隠れようったってそうはいかんぞ。)
そして半天狗の言い分を聞いた玄弥は怒り、顔中に血管を浮かべていた。
玄弥「テメェの理屈は全てクソなんだよ!ボケ野郎がァアア!!」
ブロリー「ふん思わんな。貴様らまとめて血祭りに上げてやる!これで終わりだ!破壊の呼吸・拾陸の型!ギガンティックデストラクション!」ゴオオオオオ!!
ブロリーは両手を目の前に持ってくると、そのまま特大のレーザーのようなものを射った。それは半天狗と憎狛天をいとも簡単に飲み込んで大爆発を起こした。
憎狛天「ぐおおお!?」ドッカーン! デデーン☆
半天狗「ギャアアアア!!」ドッカーン! デデーン☆
ブロリーが射った『スーパーサイヤ人4』での大技"ギガンティックデストラクション"は半天狗の本体を含めて分身二体ごと跡形もなく消し去ったのだ。そして興味が失せたのか、炭治郎達の方へと向き直った。
ブロリー「炭治郎、終わったな。」
炭治郎「!・・はい!師範!」
玄弥(破壊柱様・・ブロリーさん・・やっぱり凄い。これが鬼殺隊史上最強といわれる人の力なのか。)
炭治郎と玄弥がブロリーに対して微笑みを浮かべていると、禰豆子がブロリーに飛び付いた。
禰豆子「ムムー!んー!」ギュウウ
ブロリー「フハハハハハハハ!!禰豆子もよく頑張ったな。ほらっ褒美だ。」ポンポン
禰豆子が頬を赤らめて抱きつかれているブロリーは、禰豆子の頭をポンポンと撫でていた。しかし、このときの四人は夜明けが来ていることに気づかずにいた。ブロリーが慌てたように言った。
ブロリー「!炭治郎まずい!夜明けだ!」
炭治郎「!師範!禰豆子をつれて早く日陰へ・・!」
ブロリー「わかっている・・!・・!?」
禰豆子「ううう!!」イヤイヤ
時間を忘れていた四人は夜明けが来ていることに気づくのに遅れ、急いで木陰に移動しようとするが、禰豆子本人はここから動くことをよしとしなかった。そして遂に禰豆子が日の光を浴びてしまった。
禰豆子「ギャッ!?」ジュウ・・
炭治郎・ブロリー「「禰豆子・・!」」
玄弥「・・っ!」
禰豆子から煙が上がって三人は灰になって消えてしまうことを想像した。しかし煙は一瞬で止むと、火傷の跡のようなものも治り、日の光を浴びながら笑顔を向ける禰豆子がブロリーの腕の中にいた。
禰豆子「お、お、おはよう。」
炭治郎「禰豆子・・良かった大丈夫か?お前・・人間に・・」
禰豆子「よ、よかった、だい・・だいじょうぶ。よかったねえ、ねえ。」
ブロリー「禰豆子、天才か!?まさか太陽まで克服してしまうとはな、人間に戻ったわけではないみたいだが、とりあえずは良かったな。」
禰豆子「えへへ///ブロリー、おにたおした、ひとまもった、つよいねぇ///かっこいいねぇ///ねぇ///」ギュウウ
禰豆子はブロリーを再びギュウウと抱き締めて頬を赤らめていた。そして禰豆子の手がブロリーの体毛に触れたときに禰豆子が言い放った。
フサッ
禰豆子「!ねっねこ!」
ブロリー「猫?」
炭治郎「?禰豆子、猫なんてどこにもいないぞ。」
禰豆子「ブロリー、からだ、ねこ、さわって、ねこ、みたい。」
炭治郎「師範の体が猫っぽい?」
禰豆子があまりにも気持ち良さそうにブロリーの体毛を撫で回しているため、炭治郎も釣られてブロリーの体に触れた。
フサッ
炭治郎「!本当だ!師範の体毛、猫みたいだ!猫の毛を触ってるみたい!」
玄弥「!・・・・」ウズウズ
玄弥はもともと犬や猫が好きであるために、炭治郎と禰豆子がブロリーの体毛に触れているのを見て、ものすごく触りたい衝動に駆られてウズウズしていた。そして遂に我慢できなくなってブロリーの体に触った。
フサッ
玄弥「!本当に猫みたいだ・・」(ヤベェ・・この感触、癖になりそうだ・・)
ブロリーも満更でもない表情をしていて、炭治郎達のされるがままになっていた。特に咎めもしなかったが、ブロリーは無一郎と蜜璃が向かってきているのに気づいた。
ブロリー「お前達、無一郎と蜜璃も来たみたいだ。」
炭治郎「時透君と甘露寺さんが!?」
無一郎「炭治郎、大丈夫?」
炭治郎「時透君、良かった無事で・・」
無一郎「炭治郎、ブロリーさん、ありがとう。君達のお陰で大切なものを取り戻した。」
無一郎に笑顔で感謝されたことに、思わず炭治郎とブロリーはお互いの顔を見合わせて頭に"クエスチョンマーク"を浮かべた。
炭治郎「え・・そんな、なにもしてないよ俺・・」
ブロリー「炭治郎に同じだ。俺もなにもしていない。」
無一郎「それにしても禰豆子はどうなってるの?」
炭治郎「いやそれが・・「みんなあああああ!!」ガバア
炭治郎が禰豆子について無一郎に説明しようとしたとき、蜜璃が凄い勢いで走ってきて、炭治郎達全員を一気に抱き締めた。玄弥は真っ赤になり、無一郎は苦しそうにしていて炭治郎と禰豆子は笑みを浮かべていた。
蜜璃「うわああああ!勝った勝ったぁ!みんなで勝ったよ!凄いよおお!!生きてるよおお!良かったああ!」
禰豆子「よかったねぇ。」
蜜璃「!禰豆子ちゃん?太陽を克服したの?」
炭治郎「はい!どうやらそうみたいで、さっきからずっと太陽を気にしないで師範にくっつきっぱなしなんです。」
禰豆子「ブロリー、からだ、ねこ。」
蜜璃「ブロリーさんの体が猫ちゃん?どう言うこと?」
炭治郎「それは師範の体に触ってみたらわかりますよ。触ってみてください。」
蜜璃「ええ、わかったわ。」
フサッ
蜜璃「!本当に猫ちゃん撫でてるみたい!」
無一郎「ブロリーさん、僕も触っていい?」
ブロリー「触るがいい。」
フサッ
無一郎「!!かなり好きかも!」
その後も里の被害を最小限に止めた炭治郎達は、隠の人達が到着するまで『スーパーサイヤ人4』のブロリーの体毛を満足するまで堪能するのだった。
今回で遂に出ましたね。"スーパーサイヤ人4"これになったことによってブロリーが新たに使えるようになった技をまとめておきます。
ブロリー
新形態、スーパーサイヤ人4
全集中の呼吸・・破壊の呼吸
壱から拾参の型全て
拾肆の型「ギガンティッククロー」
拾伍の型「ギガンティッククラスター」
拾陸の型「ギガンティックデストラクション」
ブロリーは全力の五百分の一も力をだしてません。更に新しい姿になったことで技の種類が更に増えました。それではまた次回。