伝説の超鬼殺隊員   作:ツキリョー

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第三十五話です。皆さんお待たせしました。今回はブロリーは出てきません泣。原作通りの駄作ですがそれでも大丈夫な方は最後まで読んでくださると嬉しいです。それでは本編どうぞ。


切磋琢磨せよ!本格化する柱稽古!前編

珠世が合流して劇薬の共同開発が順調に行われているなか、護衛の役目を終えた炭治郎は怪我が完治したこともあり、天元の元に向かった。

 

炭治郎「天元さん!」

 

天元「よォよォ!久しいな、お前また上弦と戦ったんだってな。五体満足とは運の強ェ奴だ。ここでなまった体を存分に叩き起こしな。」

 

炭治郎「はい!頑張ります!」

 

須磨「あらーー!!!おひさ!」

 

まきを「やっと来たのか!」

 

雛鶴「沢山食べてね。」

 

隊員の指導は天元が行い、嫁三人はおにぎり等を用意していて炭治郎のことも大歓迎ムードだったのだ。

炭治郎は鬼殺隊の中では数少ない全集中・常中が出来ている隊士である。そのため体力を取り戻すのも他の隊員に比べて格段に早く、ものの十日程度で次の柱の元へ行く許可を得たのだった。

 

天元「炭治郎!」

 

炭治郎「はい!」

 

天元「お前体力も戻ってきたじゃねえか。十日程で取り戻すとは大したもんだ、次の柱の所行ってもいいぞ!それとブロリーにもよろしく伝えといてくれ!」

 

炭治郎「はい!ありがとうございます!師範にも伝えときますね!」

 

天元に許可を貰った炭治郎は、無一郎が住む霞屋敷へと向かうのだった。

霞屋敷へとついた炭治郎は、無一郎とはあまりいい思い出がないために再会に不安を抱えていた。

 

炭治郎(時透君、上弦を相手に共闘した仲だけど結局和解できないままだったなぁ・・この柱稽古うまく行くといいけど。)

 

炭治郎は刀鍛冶の里での出来事を思い出していた。まだ無一郎とは仲直りできてないと思っていたのだ。しかし、炭治郎の心配は杞憂に終わることになる。

 

無一郎「あっ、炭治郎!怪我が治ったんだね!」ニコッ

 

なんと無一郎は満面の笑みで炭治郎に抱きついて迎え入れたのだ。最初の印象とは全く違う無一郎に炭治郎は驚いた。

 

炭治郎「とっ時透君!どっどうしたの?急にこんなことをして・・」

 

無一郎「・・炭治郎、もしかして前に僕が言ったこと忘れちゃった?君のおかげで僕は大切な記憶を思い出すことが出来たんだ。だから本当に感謝してるんだよ。」ニコ

 

炭治郎「でも、俺はなにもしてないよ?」

 

無一郎「それでも炭治郎のおかげなのには変わりないよ。本当にありがとう!怪我も治ってまた炭治郎にあえて嬉しいんだ!次は僕のところで稽古するんだよね?」

 

炭治郎「時透君・・!うん!天元さんから次の柱に行く許可が出たんだ!」

 

無一郎「そうなんだね!ここでは僕が高速移動と打ち込みの訓練をするから、頑張ろうね!」ニコニコ

 

炭治郎「わかった!よろしくね!」

 

炭治郎は無一郎とのわだかまりがなくなったのだと実感し、安心して稽古を受けれることに安堵した。無一郎の高速移動の打ち込み稽古は周りが見守るなか一対一での訓練だった。ほとんどが無一郎になす術もなくやられていきその度に無一郎は冷たく吐き捨てる。

 

「ぐぇっ!」ドサッ

 

無一郎「ねぇ、こんな簡単なことも出来ないの?まず基礎が出来てないよ。素振り千回でもやれば少しは動きがマシになるんじゃない?さっさと素振りに取り掛かりなよ。」

 

無一郎は昔の剣士の血を引いてる上に血の滲む程の努力を積み重ねて短期間での柱の座を獲得した隊士である。そのため、鬼殺隊にいるのに努力しない人の気持ちを知らないのだ。本来なら鬼殺隊にいる時点で努力しないのは間違いなのでこの機会に徹底的に指導しているのだ。そして迎えた炭治郎の番、炭治郎は他の隊士では出来なかったスピードで無一郎の動きに食らいついていた。

 

無一郎「そうそう!炭治郎、さっきより速くなってるよ!筋肉の弛緩と緊張の切り替えを滑らかにするんだ!そうそう!そうしたら体力も長く保つから!」

 

炭治郎は無一郎の的確なアドバイスをしっかりと物にしていき、五日経つ頃には無一郎が指導するものは全て会得していた。

 

無一郎「足腰の動きも連動しててばっちりだね。次の柱の所に行っていいよ炭治郎。」ニコッ

 

炭治郎「えっ!?もういいの!?」

 

無一郎「いいよ。」ニッコー

 

炭治郎「五日しか経ってないよ。」

 

無一郎「だって炭治郎言ったことちゃんとできてるもん。」ニコ

 

炭治郎「ええ~~。」アセアセ

 

「じゃ・・じゃあ俺達も・・もう二週間もいるので・・」

 

無一郎「何言ってるの?君たちは駄目だよ。素振りが終わったなら打ち込み台が壊れるまで打ち込み稽古しなよ。」

 

無一郎は炭治郎には満面の笑みで話すが、それ以外の隊士達が次の柱へ行こうとした瞬間に前のような冷たい表情に戻ってばっさりと一蹴したのだ。そして無一郎はそっと炭治郎に耳打ちした。

 

無一郎「炭治郎、ブロリーさんにも"助けてくれてありがとう"って伝えてほしいな。それともう一度あの姿のブロリーさんに触りたいな。」♪

 

炭治郎「うん、わかった。伝えとくよ。」

 

無一郎は刀鍛冶の里で『スーパーサイヤ人4』の毛並みを思い出して再び笑顔になった。相当気に入ったようで次に触れるのを凄く楽しみにしているようだ。他の隊士との落差が凄いその光景に、炭治郎は残される隊士達に罪悪感を覚えつつ霞屋敷を後にするのだった。

次の目的地は蜜璃が住んでいる甘露寺邸である。刀鍛冶の里では随分と世話になった上に上弦を相手に共闘した仲だと言うこともあり、炭治郎は再会を楽しみにしていた。

 

蜜璃「炭治郎君久しぶりー!おいでませ我が家へ!」

 

炭治郎「ご無沙汰してます!お元気そうでよかった!」ペコーッ

 

蜜璃「炭治郎君もね!」

 

炭治郎「養蜂してらっしゃるんですか?蜂蜜のいい香りがします。」クンクン

 

鼻の良い炭治郎は蜂蜜の匂いを感じとり、蜜璃に聞いた。

 

蜜璃「あっ!!わかっちゃった?そうなのよー!素蜜をねぇ、パンに乗っけて食べると超絶美味しいのよ~~。バターもたっぷり塗ってね!三時には紅茶もいれて。パンケーキ作るからお楽しみに!」

 

炭治郎(ばたー?こうちゃ?ぱんけぇき?」??

 

炭治郎は山育ちなため、大正時代の高級品だったパンケーキや紅茶等は見たことも聞いたこともなかったのだ。結果として普通なら大喜びするこの場面でも炭治郎はピンと来なかったようで頭にずっと?を浮かべていた。そして訓練が始まると言うことで、炭治郎は現代でいう女子新体操選手が着るようなレオタードを着ていた。

 

炭治郎「えっと甘露寺さん?どうして俺はこのような服を着ているのでしょうか?」

 

蜜璃「えーっとね。ここでは柔軟性を鍛えるの。そのためには少し素肌が見える服がちょうど良いの。」

 

炭治郎「なっなるほど・・」

 

蜜璃「それに何よりその格好が可愛いから!同じ柱だから出来なかったけど、本当はブロリーさんにも着てほしかったなぁ。」

 

炭治郎「うっ!」(少し気持ち悪いかも・・)

 

蜜璃がそう言うので、炭治郎は自分の師範でもあるブロリーがレオタードを着てるところをつい想像してしまい、気持ち悪いと思ってしまったのはここだけの話である。炭治郎をはじめとして他の隊士達もレオタードを着て音楽に合わせて踊ることもしばしばであった。しかし、やはり稽古は過酷なもので開脚すると蜜璃が力技で無理矢理ほぐすというのがほとんどだった。無理矢理ほぐされた隊士達は断末魔のような悲鳴を上げる。炭治郎も例外ではなく、体を密着させてほぐしてくる蜜璃に炭治郎は歯を食い縛って耐えた。しかしそれを数日間繰り返すことにより、炭治郎は見違えるほど体が柔らかくなった。今ではY字バランスを余裕で出来るほどである。

 

炭治郎「はい!」ピーン

 

蜜璃「うんうん!炭治郎君、凄く体が柔らかくなったね!これなら絶対に戦いにも生かせるし安心ね。次の柱の所へ行っても良いわよ。」

 

炭治郎「えっ!良いんですか?」

 

蜜璃「うん!いいよ!」

 

蜜璃に許可を貰った炭治郎はレオタードから鬼殺隊の隊服に着替えると、荷物をまとめて背負った。そのときに蜜璃に話しかけられる。

 

蜜璃「炭治郎君、次の柱の所でも頑張ってね。」

 

炭治郎「はい!ありがとうございます!あっそれとパンケーキご馳走さまでした!」

 

炭治郎は初めてパンケーキを食べたときそのとてつもない蜂蜜の甘さと今まで感じたことのない柔らかい食感に頬が落ちたことを鮮明に覚えていた。

 

蜜璃「炭治郎君!今度は生きて会えるか分からないけど。もしまた会えるようなことがあったらそのときはまたパンケーキ食べようね。」

 

炭治郎「はい!そのときはよろしくお願いします!」

 

炭治郎は笑顔の蜜璃に見送られながら次の場所である蛇屋敷邸に向かったのだった。

蛇屋敷の前で小芭内は蛇の鏑丸と共に炭治郎を待ち構えていた。

 

小芭内「竈門炭治郎。俺はお前を待っていた。」

 

炭治郎「よろしくお願いしま「黙れ殺すぞ。」ええっ!?」

 

炭治郎は最初迎え入れられていると思ったが、小芭内の様子を見るにどうやら違う目的で待ち構えていたようである。

 

小芭内「甘露寺からお前の話は聞いた。随分とまあ楽しく稽古をつけてもらったようだな。俺は甘露寺のように甘くないからな。」

 

炭治郎(しょっぱなからとてつもなくきらわれている!)

 

炭治郎は出会い頭から嫌われていることを実感し、ショックを受けていた。そして小芭内に連れて来られた場所は床、天井、壁、支柱に縛り付けられた沢山の隊士達がいるところだった。

 

小芭内「お前にはこの障害物を避けつつ太刀を振るってもらう。」

 

炭治郎(処刑場?)「この・・括られている人たちは何か罪を犯しましたか?」

 

小芭内「・・まあそうだな。弱い罪、覚えない罪、手間取らせる罪、イラつかせる罪というところだ。」

 

炭治郎(もうえらいこっちゃ・・)

 

小芭内の理不尽な物言いに炭治郎はこの世の終わりを悟ったような表情を浮かべた。そこからは本当に世にも恐ろしい訓練が始まった。稽古で使うのは木刀だが、それでも括られている隊士に当たれば大怪我は免れない。その間を縫って小芭内の攻撃が来るのだ。小芭内が使う呼吸は『蛇の呼吸』、つまり蛇の如くうねるような太刀筋で炭治郎を翻弄しているのだ。

 

ドゴッ

 

炭治郎「ぐああっ!」

小芭内「のろい。」

 

更には炭治郎が小芭内を狙って狭い隙間に向かって木刀を振ったとき、仲間の必死な心の声が聞こえてくる。

 

「(頼む!頼む!!頼む!!頼む!!頼む!!頼むううう!!頼む当てないでくれ!!)」

 

心優しい炭治郎は、そんな仲間の心の声を聞いて精神をすり減らされる。今までに無いほどの緊張で手が震えていた。なんとか小芭内の攻撃に食らいつこうとするものの、それでも炭治郎はまだこの訓練を始めてまだ初日である。太刀筋がぶれて括られた隊士に当たることもしばしばであった。それでも四日経つと正確な太刀筋で打ち込めるようになってきた。小芭内の攻撃を避けつつ、炭治郎からも攻撃できるようになったのだ。そして

 

ヒュッ ビリッ

 

小芭内「!・・合格だ、竈門炭治郎。次の柱の所へ行け。」

 

炭治郎は遂に一撃当てることに成功したのだ。小芭内が着ている羽織の裾を切って次へ進む許可を得たのだ。しかし、それでも小芭内は炭治郎のことを良く思っていないらしい。

 

小芭内「じゃあな。あのサイヤ人もろともさっさと死ねゴミカス。馴れ馴れしく甘露寺と喋るな。」

 

炭治郎「ありがとうございました・・」(なんで?それに師範のことまで・・)

 

炭治郎は最後の最後まで小芭内に嫌われていることを実感し、悲しんでいた。

次の場所は因縁もある実弥がいる風屋敷である。炭治郎は鎹鴉を肩に乗せて道案内をされていた。

 

炭治郎「えーと、不死川さんの道場こっちだっけ?」

 

鎹鴉「違ウ!!ソコノ角ヲ右ダ鳥頭!!」

 

炭治郎は方向が一向に覚えられず、鎹鴉にも呆れられるほど同じ事を聞いているのだ。そしてようやく後少しで風屋敷に着こうとしていて角を曲がったとき、いきなり目の前に亡霊のような何かが現れた。

 

炭治郎「うわあああああ!!」

善逸「ギャアアアア!!」

 

炭治郎「ああああ善逸!?」

 

亡霊のような何かの正体は善逸だった。あまりにも生気を失った表情をしていたため、本人に見えなかったのだ。一方善逸も目の前の炭治郎に気づくと、涙を流して助けを求めた。

 

善逸「にににに逃がしてくれェェ!!炭治郎炭治郎何卒!!」

 

炭治郎「逃げる?何から?」

 

善逸「もう足が立たないんだ!無理なんよ!ややややっとここまで逃げてきたんだ!塀を這ってきたんだ!気配を消してヤモリのように!命にかかわる!殺されるっ!!」

 

炭治郎は善逸が何を言ってるのかは理解が出来なかった。頭にいくつもの?を浮かべた。しかし、背後から音もなく追ってきた実弥が善逸の頭を鷲掴みにする。

 

ガシッ

善逸「!」

 

実弥「選べェ、訓練に戻るか俺に殺されるかァ。」ゴゴゴゴゴ

 

善逸「ギャアアアアアアアア!!勘弁してくれェェェェ!!」

炭治郎「おちついて。」

 

善逸「ギャッ・・ギャモッ、ギャアアアア!!」

 

実弥「うるさい!」ドビス

善逸「げぅっ」ちーん

 

実弥「運べ。」

 

炭治郎「あ、はい。」(ごめんな善逸、一緒に頑張ろうな。)ヨイショ

 

実弥の目に見えないほどの速さの手刀を受けた善逸は気絶した。そして炭治郎が善逸を背負って運び、実弥の後をついていったのだ。炭治郎は久しぶりに会ったということで挨拶していた。

 

炭治郎「ご無沙汰しています。今日から訓練に参加させてもらいます。よろしくお願いします!」

 

実弥「調子乗んなよォ。俺はテメェもあのサイヤ人も認めてねえからなァ。」

 

炭治郎「全然大丈夫です!俺も貴方を認めてないので!禰豆子刺したんで!それに師範も特に貴方に認めて貰う必要なんか無いと言ってたので!」キリッ スタスタスタ

 

実弥「・・いい度胸だぜ・・上等だコラァ・・!」

 

炭治郎の無自覚の煽りに青筋を立てた実弥は、後ろ姿の炭治郎を睨み付けて屋敷に行った。そして屋敷について訓練場に行った炭治郎は思わず自分の目を疑った。そこには大量の隊士がみんな吐血して倒れていたからである。唖然とする炭治郎に実弥は木刀を投げつけて渡した。

 

ドカッ

炭治郎「うわっ!」

 

実弥「テメェはそれで俺に打ち込んでこいやァ。失神するまで容赦しねぇからなァ。」

 

炭治郎「!っはい!」

 

訓練の説明をされた炭治郎は早速実弥との稽古に励んだ。稽古の内容は至って単純。とにかく木刀で実弥に向かって斬りかかっていくだけである。しかし吐血して失神するまで一切休憩がないために今まで受けた稽古の中で最も過酷なものだということが分かり、炭治郎は善逸が逃げ出した理由が良く分かって同情したのだ。因みに善逸は目を覚ますと再び実弥の屋敷の中にいたことに気づき、炭治郎を親の敵の如く責めた。

 

善逸「バカヤロォォォン!!なんで連れ戻すんだよォォォ!!」ポカポカポカポカ

 

炭治郎「イデデデ!」(ごめんね。)

 

更に禰豆子やブロリーの件もあって実弥は炭治郎に対しては特に当たりが強く、他の隊士達と炭治郎が相手をするのでは明らかに違う動きになっていた。一般隊士の炭治郎が柱に敵うはずもなく、たった一日で炭治郎の顔が原型も分からないほどコブだらけになっていたのだ。そして初日の訓練が終わり、屋敷の廊下を移動していた。

 

炭治郎(初日でこれはまずい・・ボコボコのゲロまみれ・・心折れそうだな。)

 

玄弥「待ってくれよ兄貴!」

 

炭治郎「!!」(玄弥の声。)クンクン

 

その時玄弥の声が廊下に響き、炭治郎は匂いを頼りに実弥と玄弥がいるところまで向かって、二人の視界に入らないように死角に立った。

 

玄弥「話したいことがあるんだ・・」

 

実弥「しつけぇんだよ。俺には弟なんていねェ。いい加減にしねぇとぶち殺すぞォ。」ビキビキビキ

 

玄弥「・・・・」

 

実弥「馴れ馴れしく話しかけてんじゃアねぇぞォ。それからテメェは見たところ何の才覚もねぇから鬼殺隊辞めろォ。呼吸も使えないような奴が剣士を名乗ってんじゃねぇ。」

 

玄弥「・・・・そんな・・」

 

玄弥は実弥に弟ではないと突き放されたことと、鬼殺隊を辞めるように冷たく言われたことにショックを受けていた。それを陰から見ている炭治郎は見守ることしか出来なかった。

 

炭治郎「・・・」

 

玄弥「まっ・・待ってくれよ兄貴!ずっと俺は兄貴に謝りたくて!」

 

炭治郎(頑張れ玄弥!玄弥負けるな!)

 

実弥「心底どうでもいいわ。失せろォ。」

 

炭治郎は玄弥への態度に怒りと呆れが入り交じった表情をしていた。玄弥は相手にもされないことに心にダメージを負っていた。

 

玄弥「そんな・・俺・・鬼を喰ってまで・・戦ってきたんだぜ・・」

 

実弥「!?」

 

玄弥が思わず言ったことは、実弥の逆鱗に触れるのには充分すぎることだった。実弥は尋常ではない殺気を放ちながら聞き返した。

 

実弥「何だとォ?今何つったテメェ・・鬼をォ?喰っただとォ?」ビリビリビリビリ ドッ

 

炭治郎「玄弥!」ダッ ドゴン

 

実弥は突如目に見えない速度で玄弥に目潰しを仕掛ける。危ないと判断した炭治郎は飛び出して玄弥を抱えて襖を突き破って外に出た。

 

善逸「うわああああ!!」

 

「戻ってきた!戻ってきた!血も涙もない男が!」

「伏せろ!失神したふりだ!」

 

善逸「あれっ?炭治郎か?」(えええー!!殺されるぞ炭治郎。何してんだ、建物ぶっ壊して・・)

 

炭治郎「やめてください!」

 

善逸「!?」(何だこの捻じ曲がった禍々しい音は・・)

 

炭治郎が建物内に向かって叫んでいるところを見た善逸は、聞こえてきた異音に屋敷の方を見ると姿を見せた実弥に納得した。

 

善逸(うわあああ!!おっさんが暴れてんのね!!稽古場じゃないところでもボコられるのかよ!!)

 

炭治郎「どういうつもりですか!!玄弥を殺す気か!」

 

実弥「殺しゃしねえよォ。殺すのは簡単だが隊律違反だしよォ。再起不能にすんだよォ。ただしなァ、今すぐ鬼殺隊を辞めるなら許してやる。」

 

実弥の言葉に堪忍袋の尾が切れた炭治郎は、青筋を浮かべて実弥に叫んだ。

 

炭治郎「ふざけんな!!貴方にそこまでする権利ないだろ!辞めることを強要するな!さっき弟なんかいないって言っただろうが!!玄弥が何を選択したって口出しするな!才があろうが無かろうが命を懸けて鬼と戦うと決めてんだ!兄貴じゃないって言うんなら絶対に俺は玄弥の邪魔をさせない!再起不能になんかさせるもんか!」

 

実弥「そうかよォ!じゃあまずテメェから再起不能だ!」

 

実弥は尋常ではない速さで炭治郎の鳩尾に拳を入れたように見えた。あまりの衝撃に炭治郎の体が浮き上がるほどであった。

 

善逸「うっわ・・炭治郎・・!!」

 

実弥(!!コイツ!!止めやがった!!)

 

しかし、炭治郎は止めていたのだ。それだけではなく、動揺して動きを止めた実弥に回し蹴りを頚に叩き込んだのだ。

 

炭治郎「ふんがぁ!」ドゴォ!

 

実弥「!!」

 

善逸(うおああああーー!!一発入れたァァ!!)

 

炭治郎「善逸ーっ!!!玄弥を逃がしてくれ!頼む!!」

 

善逸(ちょっ・・バッバカお前・・!名前呼ぶなバカ!!もっとうまいこと合図できるだろ!!)

 

玄弥「炭治郎!!」

 

炭治郎に一発入れられたことに更に怒り狂った実弥もはや炭治郎の姿しか見えていなかった。炭治郎に蹴りをいれようとするも避けられた。

 

炭治郎(!かすっただけで耳が切れる蹴り!!)

 

実弥「いい度胸ォしてるぜテメェはァ。死にてェようだからお望み通りに殺してやるよォ。」ゴゴゴゴゴ

 

玄弥「待ってくれ兄貴!炭治郎は関係ない!うわっ!」

 

玄弥が実弥を止めようとする前に、善逸が玄弥の腕を掴んで走り出す。

 

玄弥「誰だお前放せよ!」

 

善逸「揉めてる人間は散らすといいんだ!距離を取る!アレお前の兄貴かよ!?完全に異常者じゃん!気の毒に・・」

 

玄弥「俺の兄貴を侮辱すんな!!」ボゴォ

 

善逸「俺味方なのに!!」

 

実弥を侮辱された玄弥は善逸を殴ったのだった。その後の風屋敷は滅茶苦茶であり、夕方近くまで乱闘は続いた。上からも正式な叱りを受けて、炭治郎、善逸、玄弥の三人は修業の中断と実弥との接近禁止令が出されたのだった。仕方なく三人は次の場所である行冥の修業場に向かうのだった。

 

炭治郎「こんなことするつもりじゃなかったんだけどな・・修業の成果出てないなぁ。」

 

善逸「いや出てるよ。風のオッサンとやりあえたじゃんか、すげえよ。」

 

炭治郎「そうかなぁ。」

 

善逸「つーかまだ山奥なの!?岩柱の家馬鹿じゃないの!?」

 

炭治郎「もうそろそろじゃないかな?」

 

玄弥は一足先に行冥の元へ向かっていたため、今この場にいるのは炭治郎と善逸の二人きりである。しばらくあるいているうちに滝が見えてきた。

 

炭治郎「滝だ!!人がいる・・」

 

しかし、炭治郎と善逸はその滝に近づくと絶句して内心で悲鳴を上げた。隊士のみんなが死にそうな顔で滝行をしていたのだ。そしてみんなが念仏を唱えていた。

 

ドドドドドドド

 

炭治郎・善逸((うわあああ!!))

 

行冥「心頭・・滅却すれば・・火もまた涼し・・ようこそ・・我が修業場へ・・」

 

炭治郎・善逸((うわあああああ!!))

 

そして行冥の姿を見た二人は再び内心で悲鳴を上げた。行冥は丸太に岩を左右に二つずつぶら下げたものを空気椅子状態で滝に打たれていたからだ。そして滝から上がった行冥は新しくきた炭治郎と善逸に説明をする。

 

行冥「最も重要なのは体の中心・・足腰である。強靭な足腰で体を安定させることは正確な攻撃と崩れぬ防御へと繋がる。まず滝に打たれる修業をしてもらい・・丸太三本を担ぐ修業・・最後にこの岩を一町先まで押して運ぶ修業・・私の修業はこの三つのみの簡単なもの・・下から火で炙るのは危険なため・・無しとする・・」

 

行冥の今までで一番きつそうな内容の修業に善逸は目を見開いたまま気を失う。

 

炭治郎「すみません。善逸が気絶しました。」

 

行冥「川につけなさい。」

 

善逸「ギャアアアッ!!つべてぇぇぇぇ!!」

 

川の冷水につけられたことで一気に意識が覚醒した善逸は、凄い勢いで川から脱出しようと試みる。

 

善逸「真冬の川より冷たいんですけど死ぬわ!!何この川の水!異常だよ死ぬわ!!吐きそう!うわー何か内蔵がやばい!!悲鳴あげてる!死ぬって言ってる!!」

 

炭治郎「善逸!」

 

炭治郎は善逸が意識を取り戻したことにとりあえず安堵したものの、自身も川の水の冷たさで顔色が悪くなっていた。そして陸に上がった善逸もガタガタと震えていた。

 

善逸「ヒエッ・・ヒャーッ!だっ駄目だ上がっても・・手遅れ!!凍死する!!」

 

善逸が目の前に見たものは沢山の隊士が岩に張り付いている光景だった。あまりの衝撃に善逸はギョっとする。

 

村田「岩に・・くっつけ・・あったかいぞ・・」

 

死にそうな顔で岩にくっついているのは、那田蜘蛛山で一緒に戦った先輩隊士の村田であった。その村田の助言通りに善逸は岩にくっついた。

 

ビターン

善逸「!」(あ・・あったけぇ!!岩ってこんなにあったけぇんだ・・!!お袋の腕の中に抱かれているようだ・・)

 

善逸は岩の暖かさに感動し、岩に抱きついたままグズりはじめた。一方の炭治郎は川の冷たさに体を震わせるも滝へと向かった。

 

炭治郎(ううう冷たい!これはきついな。滝修業、過酷だ・・伊之助も頑張ってるんだ俺も・・ん?念仏が聞こえなくなった?)「あれっ伊之助!?」

 

伊之助「」ちーん

 

炭治郎「あっやばい!!やばい!!」

 

炭治郎が焦った理由、それは伊之助の意識を失ったまま滝に打たれ続けて心臓が止まっていたからである。急いで滝から引きずり出すと心肺蘇生をする。その後で自分も滝に打たれた。

 

ドドドドドド

炭治郎「がああっ!!南無・・阿弥陀仏!」

 

炭治郎は滝に打たれている間念仏を唱えていた。これは意識があることを周りに伝えるためなのだそうだ。一刻の間滝に打たれて抜け出すと、炭治郎の体はすっかり冷えきって全身が震えていた。

 

炭治郎「滝に打たれるだけなのに本当にきついですね。高い位置から落ちてくる水があんなに重いなんて・・体の力を抜いたら首が折れそうだし。」ガチガチガチガチ

 

村田「いやいや・・お前もあの猪もすげぇよ。初日滝修業できるようになるの夕方だったぜ。なかなか水に慣れなくて・・とりあえず一刻滝に打たれ続けられるようになったから、俺はこれから丸太の訓練だ・・」ガチガチ

 

炭治郎「す、すごいですね村田さん・・」ガチガチ

 

村田「と、十日いるからな・・」ガチガチ

 

ここでの昼食は川で取れた新鮮な魚である。火に炙ってから棒で串刺しにして食べるというものだ。そこでは復活した伊之助達が魚を食べていた。

 

伊之助「アイツすげえよ。玉ジャリジャリ親父。」ガジガジ

 

炭治郎「岩柱の悲鳴嶼さんな、変なアダ名をつけちゃだめだよ。」

 

伊之助「初めてあったときからビビっときたぜ、間違いねぇアイツ、鬼殺隊で二番目に強え。」ボリボリ

炭治郎「骨も食べるのか伊之助。」

 

炭治郎「あーやっぱりそうか。」

 

村田「ちょっと待て、あの人が鬼殺隊二番目なら一番強いのは誰なんだ?」

 

伊之助「んなもん決まってんだろ。ブロッコリーだよ。」

 

炭治郎「ブロリーさんな。やっぱりか、師範は凄いよな。」

 

村田「そういえばお前、破壊柱様の継子なんだって?すげえよなあの人も、俺より後に鬼殺隊に入ったのにもう柱なのか。」

 

炭治郎「師範は最初の柱合会議で柱に任命されましたよ。何でも鬼殺隊に入って一月で柱になったとか。」

 

村田「マジかよ!アイツ化け物じゃねえか!」

 

炭治郎「師範もそうだけど悲鳴嶼さんも匂いが全然違うんだよな。」

 

村田(やっぱちょっと・・短期間で階級上がる奴らの話はついていけんわ。あと炭治郎の焼いた魚うま!)

 

善逸「俺は信じないぜ、あのオッサンはきっと自分もあんな岩一町も動かせねぇよ。若手をいびって楽しんでんだよ。」

 

炭治郎「いやいや、悲鳴嶼さんはあれよりもまだ大きい岩を押してるそうだから。」

 

善逸「お前は何で言われたことをすぐ信じるの?騙されてんだよ。」

 

炭治郎「いやいや・・善逸も耳がいいんだから嘘ついてるかついてないかくらいわかるだろ?」

 

善逸と炭治郎が話しているとき、ちょうど後ろを大岩を押している行冥が通過した。

 

行冥「南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏。」ズズズズズズ

 

炭治郎「あっちょうど通ってるな。凄いなぁ悲鳴嶼さん。多分師範も軽くこなすんだろうなぁ。俺もあんなふうになれるかなぁ!?」

 

善逸「なれてたまるか!!バカかお前はコンニチハ頭大丈夫デスカ!!」ボカボカボカ

炭治郎「イデデデデデ。」

 

善逸「あのオッサンとブロリーさんが異常なの!!オッサン達そもそも熊みたいにデカいだろうが!」

 

炭治郎「いや・・でも。」

 

善逸「黙れ!!巨人と小人じゃ生まれついての隔たりがあんのよわかるだろ!」

 

炭治郎の言葉で切れた善逸はシバき倒していた。そしてそれを見向きもしてない伊之助は猪の頭を被って訓練に戻ろうとしていた。

 

伊之助「腹も膨れたし、丸太担いで岩押してくるわ。」ゴゴゴゴゴ

 

善逸「うわーもう前向きな奴ばっか!!俺の居場所ないわ!!」

 

炭治郎「まあまあ。」

 

炭治郎は過酷な修業内容をめげずに挑み、なんとか滝修業と丸太を担ぐことに成功した。そして残るは岩押しだけである。しかし、これが一番大変であり岩はびくともせず逆に足の方が下がってしまったのだ。

 

炭治郎「ぐおおおおおおお・・!!」(足の方が下がってしまう!!ぐあああ押し負けてる!!)

 

伊之助「ぬ゛うううううう・・!!」

 

炭治郎と伊之助は岩押しに何度も挑んでいた。しかし、それでも岩は動くことはなかった。この訓練はやめたければ山を下りて次の柱の所へ行っても良いものだった。しかし、禰豆子を元に戻すためにそのような選択肢は炭治郎には無かった。同じく、負けず嫌いの伊之助も途中棄権という選択肢は最初から無い。結局この日も岩は動かず、炭治郎と伊之助は岩に寄りかかっていた。

 

炭治郎「・・悲鳴嶼さんの訓練でここまできついならこの後の人達の稽古、特に師範のやつはどれ程過酷なんだろう・・」はぁ

 

伊之助「んなこと知るかよ。まず岩動かさねえと話にならねぇだろ、後どれくらいかかるんだ・・」はぁ

 

炭治郎と伊之助はこのあと待っているであろうブロリーのことを思い出し、それと同時にここ以上の過酷さだと思って途方に暮れるのだった。




次回はブロリーを必ず出したいと思います。ブロリーがどのような稽古をするのかただいま一生懸命に制作しております。それではまた次回。
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