伝説の超鬼殺隊員   作:ツキリョー

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今回から無限城編です。支離滅裂で低クオリティすが、それでも大丈夫な方は最後まで読んでいただけると嬉しいです。それでは本編どうぞ。


亡き姉の仇を取れ!しのぶVS童磨!

―――時は少し遡り、しのぶは姉の仇である童磨と対峙して、カナエが亡くなる直前に言われたことを思い出していた。

 

カナエ「しのぶ、鬼殺隊を辞めなさい・・あなたは頑張っているけれど、本当に頑張っているけれど、多分しのぶは・・・・普通の女の子の幸せを手に入れて、お婆さんになるまで生きて欲しいのよ・・もう・・十分だから・・」

 

カナエは当時、しのぶの幸せを願って鬼殺隊を辞めるように諭していた。しかし、しのぶは涙を流しながらカナエの言うことを拒んだ。

 

しのぶ「嫌だ!絶対辞めない!姉さんの仇は必ずとる!言って!!どんな鬼なの!どいつにやられたの・・!!カナエ姉さん言ってよ!!お願い!!こんなことされて私普通になんて生きていけない !!姉さん!!」

 

しのぶの必死の声掛けに根負けしたカナエは、しのぶと同様に涙を流しながら鬼の特徴をポツリポツリと呟き始めた。

 

カナエ「・・・・頭から血をかぶったような鬼だった・・にこにこと屈託なく笑う、穏やかに優しく喋る・・その鬼の使う武器は・・鋭い対の扇・・」

 

カナエはしのぶに鬼の特徴を伝えて静かに息を引き取ったのだった。その時からしのぶは童磨に復讐することだけを思って生きてきたのだ。しかしブロリーによってその思いは覆され、生きたまま仇をとる決意をして今に至るのだ。

―――しのぶの心情など知らない童磨は笑顔を浮かべて教祖帽を取って挨拶した。

 

童磨「やあやあ初めまして、俺の名前は童磨。いい夜だねぇ。」

 

しのぶ「・・・・」

 

しのぶは童磨を睨み付けながら沈黙を貫く。そんな中、童磨の足元に広がる沢山の女性の死体の中から一人、まだ生きている女性がしのぶに向かって手を伸ばした。

 

「た・・たす・・助けて・・助けて・・!!」

 

童磨「しー!今、話してるだろうに・・」

 

その女性に向かって氷の血鬼術を纏わせた鉄扇を振るうが、その攻撃が女性に届くよりも速くしのぶは助け出した。そして姉のように優しく聞いた。

 

シュタッ トッ

 

しのぶ「大丈夫ですか?」

 

童磨「わあ!速いねぇ、柱なのかな?」

 

「はっ・・はっ・・」ゴフッ ドシャア

 

しかし、女性が何かを言おうとしたその時、童磨の攻撃が女性だけを切り裂いて血を吹き出しながら地面に落ちた。

 

童磨「あ、大丈夫!そこにそのまま置いといて、後でちゃんと喰べるから。よいしょ。」

 

童磨はゆっくりと立ち上がると、両手に持っている金色の鉄扇を広げた。

 

童磨「俺は"万世極楽教"の教祖なんだ。信者の皆と幸せになるのが俺の勤め、その子も残さず奇麗に食べるよ。」

 

しのぶ(こいつが・・姉さんを殺した鬼・・)「・・皆の幸せ?惚けたことを。この人は嫌がって助けを求めていた。」

 

女性を殺しておいて"皆との幸せ"という童磨に、しのぶは不快感を隠そうともせずに睨み付ける。しかし、童磨は自分の心得を続ける。

 

童磨「だから救ってあげただろ?その子はもう苦しくないし、辛くもないし怯えることもない。誰もが死ぬのが怖がるから、だから俺が喰べてあげてる。俺と共に生きていくんだ、永遠の時を。俺は信者たちの想いを、血を、肉を、しっかりと受け止めて救済し、高みへと導いている。」

 

しのぶ「正気とは思えませんね。貴方、頭大丈夫ですか?本当に吐き気がする。」

 

童磨「えーっ、初対面なのに随分刺々しいなあ、あっそうか。可哀そうに、何か辛いことがあったんだね・・聞いてあげよう、話してごらん。」

 

童磨はしのぶが言葉の毒を吐いている理由を辛いことがあったと推測して教祖としての優しい表情で語りかける。しかし、しのぶはカナエを殺した張本人に対して遂にキレて、憎悪と嫌悪の感情をむき出しにする。

 

しのぶ「辛いも何もあるものか!私の姉を殺したのはお前だな!?この羽織に見覚えはないか!?」

 

童磨「ん?」

 

しのぶはカナエがかつて着ていた羽織を掴んで童磨を睨み付けながら見せつける。童磨は一瞬ポカンとするも、すぐに四年前の出来事を思い出して笑みを浮かべた。

 

童磨「ああ!花の呼吸を使ってた女の子かな?優しくて可愛い子だったなあ、朝日が昇って喰べ損ねた子だよ。覚えてる。ちゃんと喰べてあげたかっ・・」

 

ザシュッ!

 

童磨が全て言い終わる前にしのぶは独特な形状の刀を目に突き刺すと、そのまま呼吸を使って刀を押し込んだ。

 

しのぶ「蟲の呼吸、蜂牙の舞"真靡き"」ブシッ

 

童磨「おっと。」

 

童磨は素手で刀を止めようとしたが、間に合わずに目に突き刺さる。しかし、まるで痛みを感じていないかのように笑う。

 

童磨「凄い突きだね、手で止められなかった。血鬼術・蓮葉氷。」ビュオオ

 

上弦の弐、童磨が使う血鬼術は氷である。鉄扇を振ると冷気がでて花の形をした氷像が表れる。しのぶはバク転しながら距離をとって氷像自体に当たる事はなかったが、冷気に触ってしまい腕が少し凍りついた。

 

パキパキ

 

しのぶ(!冷たい!!肺を裂くような冷たい空気!)

 

童磨「うーん、速いねぇ速いねぇ。だけど不憫だなあ、突き技じゃあ鬼を殺せない。頚だよ、やっぱり頚を斬らなきゃ。」

 

上弦の鬼は再生速度も凄まじく、しのぶが突き刺した目はあっという間に再生していく。童磨は自分の鉄扇で頬を軽く叩いて滴り落ちる自分の血を舐めた。しのぶは刀を鞘に収めながら聞いた。

 

しのぶ「突きでは殺せませんが毒ならどうです?」キリキリ バチン

 

ドクン

 

童磨「ぐっ!」

 

しのぶ(上弦にこの毒が通用するかどうか、今わかる。姉さん、お願い・・姉さん。)

 

童磨は顔色が悪くなっていき、しのぶの作った強力な毒に立っていられずに手を地面について吐血した。

 

童磨「ガハッ!これは・・累君の山で使った毒より強力だね・・調合を・・鬼ごとに・・変えてると・・あの方も仰ってたなぁ・・ゲホッグッ!」ドクン ドクン

 

しのぶ「!」(やはり、情報は共有されていた・・毒は諸刃の剣。)

 

しかし童磨はある程度吐血していたが、やがて血が止まるとみるみる顔色が治っていった。毒が分解されたのだ。童磨はそれを実感して笑った。

 

童磨「あれぇ?毒、分解できちゃったみたいだなあ。ごめんねえ、せっかく使ってくれたのに!その刀、鞘にしまう時の音が特殊だね。そこで毒の調合を変えているのかな?うわーっ!!楽しい!!毒を喰らうのって面白いね!癖になりそう!次の調合なら効くと思う?やってみようよ!」

 

しのぶは毒が分解されたとわかると顔をしかめたが、すぐに切り替えて再び刀を毒に染めた。

 

しのぶ「・・・・そうですね、いいですよ。まぁ、このあたりまでは想定内ですから。」

 

その後、しのぶは柱の中ではブロリーに次いで二番目に速いスピードを生かし、複数回にわたって毒を打ち込むが、童磨はすぐに回復していく。更に、気づかないうちにしのぶは呼吸を使う度に童磨の血鬼術の氷を吸ってしまい、既に息切れを起こしていた。

 

童磨「うーん、五回目。これも駄目だね、効かないや。どんどん効かなくなってくるね。あと何回毒を調合できるのかな?ああ、息がもう続かない?汗が凄いなぁ、大丈夫?」

 

しのぶ「はぁ・・はぁ・・」(これが・・上弦の強さ・・悉く毒が効かない・・耐性がつくまでの早さが異常だ。)

 

童磨「肺胞が壊死してるからね、辛いよね。さっき俺の血鬼術吸っちゃったからな。」パキパキ

 

童磨の血鬼術は、凍てついた血を霧状にして扇で空気中に散布したのだ。目に見えないため、呼吸を使うこと自体に危険が伴うのだ。しかし、鬼と戦う以上は呼吸は絶対必須である。カナエから童磨の情報を貰っていたしのぶは、肺が壊死することは覚悟の上だった。

 

しのぶ(連撃で大量の毒を打ち込む。)チャキッ

 

しのぶは刀を再び構えると、一瞬のうちに六連撃突く技を使い、すぐ様距離を取った。

 

しのぶ「蟲の呼吸、蜻蛉の舞、複眼六角。」ドドドドド ブシャッ

 

童磨「いやあ君本当に速いね!今まで会った柱の中で一番かも。」バツン

 

童磨の腹部からはしのぶが突き刺したことにより、血が吹き出したが、童磨以上の量の血がしのぶの上半身から吹き出した。しのぶは左の肺をザックリと斬られたのだ。

 

しのぶ(斬ら・・れた・・!!)ドッ

 

しのぶは失血と肺の激痛でたまらずその場に蹲った。それを見ていた童磨はケラケラと笑った。

 

童磨「毒じゃなく頚を斬れたら良かったのにね。それだけ速かったら勝てたかも。あー無理かあ!君小さいから!」アハハ

 

童磨が最後に放った言葉はしのぶの心を抉るには十分すぎた。彼女は背の低さにコンプレックスを抱いていたのだ。筋力が足りなくて鬼の頚を跳ねることができず、常に周りを見ては劣等感と自己嫌悪に悩まされていた。それを姉の仇であり、毒をも簡単に分解できる上弦に指摘されたのだ。しのぶの双眼からは涙が溢れていた。

 

しのぶ(なんで私の手はこんなに小さいのかなぁ・・?なんでもっと身長が伸びなかったのかなぁ・・?あとほんの少しでも体が大きかったら鬼の頚を斬って倒せたのかなぁ・・?手が、足が、長ければ長いだけ筋肉の量も多いわけだから有利なのに。姉さんは華奢だったけど私より上背があった。悲鳴嶼さんいいなあ、あの人が助けに来てくれたら皆安心するよね。ブロリーさんもいいなあ、羨ましいなあ。彼は刀を使わなくても彼自身が持つ力で鬼を簡単に倒せる。彼が高笑いすれば鬼殺隊を含めた皆を安心させる。姉さんがあの時、言おうとした言葉を私は知ってる。"多分しのぶはあの鬼に負ける"そう言おうとしてやめてくれたんだよね・・)ポロ

 

しのぶが心を折られて後ろ向きなことを思っていると、目の前に本来いるはずのない姉、カナエの幻が厳しい表情と言葉でいい放った。

 

カナエ「(しっかりしなさい。泣くことは許しません。立ちなさい。)」

 

しのぶ(姉さん・・立てない・・失血で。左の肺もざっくり斬られて息もできないの・・)

 

カナエ「(関係ありません、立ちなさい。蟲柱、胡蝶しのぶ。そして破壊柱、ブロリーを愛した女性。)」

 

しのぶ(!どうしてそれを・・!)

 

カナエ「(私はしのぶの全てを見ていたのよ、彼に思いを持っていることなんて簡単にわかるわ。それよりも上弦の弐を倒すと決めたなら倒しなさい。勝つと決めたのなら勝ちなさい。必ず生きて勝つと、彼ともカナヲとも約束したんでしょう?)

 

しのぶ(ブロリーさん・・カナヲ・・)

 

今まで厳しい表情と言葉で淡々と述べていたカナエだったが、急に悲しそうな顔つきになるとしのぶの肩に手を添える。

 

カナエ「(しのぶならちゃんとやれるわ。頑張って・・)」

 

カナエの幻が見えない童磨は、蹲って動こうとしないしのぶにゆっくりと近づいて行った。

 

童磨「ごめんごめん。半端に斬ったから苦しいよね。」スタスタ ジャキン

 

童磨が鉄扇を広げてしのぶの頚に狙いを定めようとしたとき、急に空間全体が激しく揺れだした。童磨としのぶが乗っている橋が軋みだし、下の水が波打った。

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ ガタガタガタガタガタ

 

童磨「!地震かな?うわー、すごく揺れてるねぇ。でもおかしいなあ、ここは鳴女ちゃんの血鬼術で作られた異空間だから地震なんて起こるはずがないんだけどなぁ。」アハハ

 

しのぶ(揺れ・・てる・・地震、では無さそう・・何が起きているの・・?)

 

突如空間を襲った地震のようなもの。それは地面が揺れているのではなく、空気が揺れているのだ。呑気に笑う童磨と戸惑うしのぶ、そして幻でありながらこの揺れを感じ取ったカナエは、しのぶに向けてにっこりと笑顔を浮かべた。

 

カナエ「(しのぶ、どうやら貴女の思い人が来てくれたみたいね。彼となら絶対に倒せるわ、頑張って。姉さんはずっとしのぶを応援してるわ。)」

 

カナエはしのぶに最後に微笑むとゆっくりと消えていった。その間に揺れは更に大きくなり、気配もより感じられるものになった。童磨は気配がする上へと顔を向けた。

 

童磨「うーん。何かが近づいて来てるみたいだね。すごい気配だ。」

 

童磨は揺れているなか、天井を見上げて呟いた。それを聞いていたしのぶもゆっくりと顔を上へ向ける。

 

しのぶ(!・・来る・・!)

 

ドゴォ!! バラバラ

 

しのぶ「きゃっ!?」

 

童磨「危ないなぁ。」バッ

 

天井が突如轟音をたてて大穴が空き、破片があたりに降り注いで水に落ちていった。しのぶは咄嗟に頭を抱えて蹲り、童磨は隙間を見極めて破片をよける。しのぶに破片が当たることはなく、童磨がいた場所には破片の一部が降っていた。そのため、しのぶと童磨の距離は再び開いた。天井を突き破って現れたのは『伝説のスーパーサイヤ人』形態に覚醒しているブロリーだった。

 

しのぶ「!?・・ブロリーさん!」

 

童磨「うわあ、体が大きいね。しかも空を飛んでるね。」

 

ブロリー「しのぶ・・!ムシケラ・・!うがあああぁぁああ!」ドゴォ

 

童磨「おっと!」

 

ブロリーはしのぶではなく、童磨に真っ直ぐ狙いを定めると両腕を大きく振り上げてから勢い良く振り下ろした。しかし、童磨は当たる前に素早く避けてしのぶ達と更に距離を取った。

 

童磨「いきなり殴ろうとしてくるなんて酷いなぁ。俺は今からその子を救済しなきゃいけないんだから邪魔しないでおくれよ。」

 

童磨は笑いながらブロリーに言ったが、ブロリーは童磨を無視してしのぶのそばに行って話しかけていた。

 

ブロリー「しのぶ、大丈夫か?」

 

しのぶ「ブロリーさん・・遅い・・ですよ・・」はぁ はぁ

 

ブロリー「・・済まない。あのあと少し耀哉達と話していてな、来るのが少し遅れたな。」

 

しのぶ「お館・・様と・・あのあと・・どうなった・・んですか・・?」

 

ブロリー「耀哉達は息子のところに行って安全なところから采配したり見守ったりするようだ。」

 

しのぶ「そうです・・か・・お館・・様が・・無事で・・良かった・・」

 

しのぶは息が絶え絶えになりながらも、鬼殺隊当主である耀哉が無事なことに安堵した。ブロリーがしのぶの方を向いているので背中が童磨から見てがら空きだった。それを見た童磨は思った。

 

童磨(ああ、彼も頭の良さは絶望的みたいだね。鬼を相手に背中を向けてるなんて"どうぞ攻撃してください"と言ってるようなものじゃないか。お話するときは警戒して常に身構えてなきゃ。そうでないと簡単にやられちゃうよ。あまりにも可哀想だから、君は特別に俺が救ってやろう。)

 

童磨は普通の人からは目に見えない速さでブロリーの背後に迫り、頚目掛けて鉄扇を振るった。しかし

 

ヒュ ガキン

 

しのぶ「!ブロリーさん・・!」

 

ブロリー「・・何なんだぁ?今のはぁ?」

 

鉄扇はブロリーの頚を斬り離すことはなく、鉄のかん高い音をたてて塞き止められた。それを見た童磨は再びブロリーから少し距離を取る。そしてブロリーはゆっくりと振り返って童磨を見た。

 

童磨「・・へぇ、累君や堕姫の血鬼術では傷つけられない訳だ。君がブロリー殿だね。君の事はあの方から聞いてるよ。初めまして、俺の名前は童磨、上弦の弐だよ。」

 

ブロリー「・・ブロリーです・・」

 

しのぶ「くっ・・ふぅ・・」ヨロヨロ

 

童磨の自己紹介にブロリーが返している間にしのぶがなんとかよろめきながらも立ち上がる。それを見た童磨は心配するかのように声をかけた。

 

童磨「え?立つの?君、確かしのぶちゃんだっけ?立っちゃうの?えー・・君本当に人間なの?」

 

ブロリー「しのぶはれっきとした人間だ。貴様らムシケラと一緒にするな。」

 

童磨「えー。君、初対面なのに酷いこと言うなぁ。俺はしのぶちゃんのことを心配して言ってるんだぜ。」

 

しのぶは震える体を無理矢理動かして、なんとかブロリーの隣に並んで吐血しながらも童磨を睨み付ける。それを見たブロリーは心配になったのか、顔をしかめながら聞いた。

 

ブロリー「しのぶ、動いて平気なのか?血を吐いてるではないか。無理はするな。」

 

しのぶ「いいえ・・!上弦の・・弐・・あいつは・・姉の・・仇です・・!私が・・倒さなきゃ・・いけないんです・・」ゴフッ ゴロゴロ

 

しのぶはブロリーの言葉を拒んで刀を構える。しかし、体はもう既に限界に達していて吐血して肺にも血が流れ込み、異物が入る音が鳴った。童磨は鉄扇を持った手を口元に持っていって焦るかのように声をかけた。

 

童磨「あっほら~!肺に血が入ってゴロゴロ音がしてる。想像を絶する痛みだろう。俺がすぐに首をストンと落としてあげるから無理しないで!君はもう助からないよ、意地を張らずに。」

 

童磨は最後に笑顔で諦めるように促したが、それに反応したのは本人ではなくブロリーの方だった。

 

ブロリー「ほう?俺の目の前でしのぶを殺すつもりか?ムシケラの分際で。」

 

童磨「勘違いしないでおくれよブロリー殿、俺はしのぶちゃんを救ってやりたいと思ってるんだぜ。」

 

ブロリー「救う?貴様がしのぶを攻撃したのに何を言ってるのだお前は?傷つけたのに救う等とよく言えたものだ。」

 

童磨「だから俺がすぐに首を斬り落としてあげれば、しのぶちゃんはもう痛くて苦しい思いをしなくていいんだ。勝てもしない上弦との戦いを強いられることもない。俺は皆と幸せになるように勤めている。その子を喰べてあげれば俺と共に永遠を生きられるんだ。だからこそ救済してあげたいんだよ。」

 

ブロリー「・・下らんな。」

 

ブロリーは童磨が語った心得を一言で一蹴した。童磨は首をかしげながらブロリーに聞いた。

 

童磨「下らない?どこが下らないんだい?」

 

ブロリー「貴様の言ったこと全てだ。死ねば楽になることは否定しないでやる。だが、周りに転がっている女達は何故怯えきった表情で死んでいるんだぁ?貴様に喰われて救われるなら安心するはずだ。この沢山の死体にはそれが一切ない。貴様に喰われることなんぞ誰も望んでいないからだ。お前がしていることは救いでも救済でもない、ムシケラの本能の赴くまま女を喰っただけだ。それを救済と偽ってるのを下らんと言ったんだ。」

 

しのぶ(ブロリーさん、よく言ってくれました!)

 

童磨「・・君はどうやら思った以上に頭がいいみたいだ。そこまでの推理力、すごいね。君とは仲良くできそうだ。ブロリー殿、俺と友達にならないかい?」

 

童磨はブロリーに正論を突きつけられて無表情ながらも若干の不快感を感じていたが、やがて笑顔になると友人に勧誘する。しかし、ブロリーは再び童磨を無視してしのぶと向き合っていた。

 

ブロリー「しのぶ・・肺を斬られているのか?」

 

しのぶ「はい・・不甲斐ない・・ことに・・彼奴の・・血鬼術を・・吸って・・しまって・・息があまり・・できない・・です・・」ゴホッ

 

ブロリー「そうか。ならば、今楽にしてやる。」ポワワワワワ

 

ブロリーはしのぶに掌を向けると、自身の気をしのぶに流し込んだ。するとしのぶの体の傷はみるみる治っていき、ある程度は回復した。しのぶはブロリーに満面の笑顔を向けた。

 

しのぶ「ありがとうございます、ブロリーさん///」

 

ブロリー「フハハハハ!治ったようで良かったYO。」

 

童磨「うわぁ!すごいね!本当に傷が治っちゃった!あの方が言ってた不思議な力って本当だったんだね!」

 

いつの間にかすぐ近くまで来ていた童磨が、しのぶの傷が治っていく光景を目の当たりにして驚きの声をあげた。咄嗟にブロリーはしのぶを隠すように前に立った。

 

童磨「鬼ではないのに異脳の力が使える人間・・ねぇブロリー殿、鬼になる気はないかい?鬼になって俺と友達になろう!」

 

しのぶ(こいつ・・なに言ってるの・・?)

 

ブロリー「断る。何故俺が貴様らと同じものに成り下がらなければならんのだ。」

 

童磨「即答だね。もう少し考え直してみなよ、今鬼になるならしのぶちゃんはブロリー殿が喰べてもいいよ、君自身でその子を救済してあげるんだ。」ニコニコ

 

ブチッ

 

童磨はブロリーに鬼になってしのぶを喰い殺すように促した。この時、ブロリーの中の何が切れた。ブロリーは幾度となく他の惑星を破壊してその住人達を殺戮してきたが、そのときは星に対して何とも思っていなかった。しかし、今のブロリーは別の世界で出会った炭治郎と禰豆子を初め、鬼殺隊の人間達を仲間と思うようになって積極的に助けたり、周りに被害が出ないように力加減をしたりして気をつけてきていた。特にしのぶからは告白されたことで無意識のうちに彼女を一番と言っても過言ではない程大切に思っていたのだ。しのぶのことを大切に思っているブロリーにとって、童磨が放った言葉は見事に地雷を踏み抜いた。完全にキレたのだ。

 

ブロリー「・・誰がしのぶを喰うだと?俺は貴様らムシケラと同じものにはならんと言ったはずだ。しのぶは炭治郎や禰豆子と同じように俺の過去を聞いても拒まず利用もせずに受け入れてくれた。俺にとってしのぶはとても大切な奴だ。それを貴様は俺に喰い殺すように言った。お前だけは簡単には死なさんぞ。」ゴゴゴゴゴ

 

童磨「おぉ、怖い怖い。そんなに殺気を出さないでおくれよ。でもえらい!君はしのぶちゃんのために頑張るんだね!どう足掻いてもしのぶちゃんの実力じゃあ上弦の鬼には勝てずに喰われるのに、そんな彼女を庇いながら戦おうとする君の愚かさ!俺はとても感動したよ!気が変わった。俺は男は本来食べないんだけど、君もしのぶちゃんも喰べてあげる!二人は俺が喰べるのにふさわしいからね!君達揃って極楽に導いてあげるね。」ポロポロ

 

ブロリーが殺気を飛ばすのに対して、童磨は涙を流して感動するふりをしていた。そして童磨は鉄扇を再び広げると、ブロリーに向けて振るった。

 

童磨「血鬼術・冬ざれ氷柱。」ドドドドド

 

ブロリー「!はぁ!」ゴォ!

 

鉄扇からは鋭く尖った沢山の氷柱がブロリーとしのぶの二人を目掛けて鋭くとんだ。ブロリーは後ろにしのぶがいることをしっかりと理解して"避けるのは簡単だがしのぶが危ない"と判断してバリアを張ることで防いだ。

 

童磨「すごいね!力を自分の周りに出すことで防ぐことも出来るんだ!じゃあこれならどうかな?血鬼術・蔓蓮華。」シュルシュル パキパキ

 

すると今度は氷で出来た蔓で二人を縛り上げようと凄い勢いで伸ばしていく、それを見たブロリーは不敵な笑みを浮かべた。

 

ブロリー「無駄だ!破壊の呼吸、肆の型、ダブルイレイザーキャノン!」ポーヒー ポウ ポウ

 

ブロリーの技は童磨の血鬼術をいとも容易く相殺してから爆発する。そして煙が晴れると、しのぶの前に立っているブロリーが童磨に鋭い眼光を向けて青筋を立てた。

 

ブロリー(しのぶを殺そうとしたクズ。まずお前から血祭りにあげてやる。)「はああああぁぁぁぁ!!!」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

しのぶ「ッ!!」

 

童磨「うわぁ、また揺れてる。」

 

ブロリーが雄叫びをあげ、空間そのものが再び震え出す。橋が軋みだして水が波打って荒れ始める。しのぶはその光景に驚き、童磨はなにも思ってないのかのほほんと言葉を放った。そして空間全体が緑色に覆われ、やがてエフェクトはブロリーの元へと収束していった。空間が元に戻って揺れが収まると、しのぶと童磨はブロリーの姿を見て目を丸くした。

 

しのぶ「!?ブロリー・・さん・・ですか・・!?」

 

童磨「姿が、変わったね。」

 

それもそのはずである。そこには気配が全く違う姿のブロリーがいたのだから。パッと見ただけで言えば『スーパーサイヤ人4』となんの変わりもないのだ。黒髪で"猫のようなしなやかな赤い体毛"もそのままである。しかし、腕や足を始めとした全身の筋肉がそれまでの『スーパーサイヤ人4』の時よりも倍近くにまで膨れ上がり、全身の血管が浮き上がっていた。そして腹部にも"傷跡のような模様が"刻まれており、ブロリーから溢れでる気も桁違いに増えていたのだ。そして

 

ブロリー「絶望を教えてやろう!!」

 

この姿に覚醒したブロリーは、童磨に対して嗜虐的な笑みを浮かべ、全身から溢れ出る金色の気を更に高めるのだった。




今回は今までのなかで一番書きたかった描写を書けました!その結果がこの始末☆です。次回からは本格的な戦闘回になると思います。次も無事に投稿出来るよう頑張りたいとおもいます。それではまた次回。
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