伝説の超鬼殺隊員   作:ツキリョー

41 / 49
第四十一話です。皆さん、大変お待たせしました。黒死牟戦の原作改変がかなり難しかったです。ここまで遅れてしまったことをお詫びします。相変わらず駄文です。それでも大丈夫な方は最後まで読んでくれたら嬉しいです。それでは本編どうぞ。


無一郎VS上弦の壱"黒死牟"!明かされる衝撃の事実!

しのぶ達と共に上弦の弐、童磨を倒したブロリー。その朗報は、愈史郎の血鬼術の目を胸元に貼った鴉によって伝えられていた。

 

鎹鴉「カァァ!ブロリー!!シノブ!!カナヲ!!伊之助!!四名二ヨリ!!上弦ノ弐撃破!!撃破ァァァ!!尚、コノ戦イデ死者ハ零名!!死者零名ィィ!!」

 

炭治郎「師範は?伊之助とカナヲとしのぶさんは無事なのか?」

 

鎹鴉「全員無傷!!全員無傷!!カァァ!!」

 

炭治郎(凄い・・凄い!!これは凄いことだ!誰一人死者を出すことなく勝ち星を上げている!確実に無惨に近づいてきている!!)

 

炭治郎はブロリー達の活躍を聞きつつ、自分達もこれから来る戦いに更に気を引き締めて進むのだった。

―――その頃二人で行動していた蜜璃と小芭内は、入り組んだ沢山ある襖の中央に座る鬼の姿を発見した。

 

蜜璃「あーーっ!!見つけた!伊黒さんあっち!上弦の参だわ!」

 

蜜璃達が見つけた鬼は、長い髪に一つ目で琵琶を持っている"鳴女"である。ブロリーの快進撃の活躍で上弦を次々と倒された無惨は、黒死牟、童磨に次いで参の称号を与えたのだ。目の文字を確認した小芭内は顔をしかめた。

 

小芭内(上弦の参・・!煉獄とあのサイヤ人が倒したはず・・!もう補充されているのか・・!)

 

蜜璃(私より年下のしのぶちゃんが頑張って倒したのよ。私も頑張らなくちゃ!!)トン!

 

小芭内「!」

 

蜜璃は、壁を蹴って鳴女との距離を一気に詰めるが、剣撃が届く前に琵琶を鳴らした。

 

ベン ゴンッ ヒュー

 

すると空中に襖が出現し、それに刀を弾かれた蜜璃は真っ逆さまに落ちていく。

 

鳴女「・・・・」

 

蜜璃(はっ・・恥ずかしいわ恥ずかしいわ!!ちょっと焦っちゃって力みすぎちゃった、私何してるのかしら!!)

 

柱として失態した恥ずかしさのあまり、受け身を取ることも忘れて只重力に従って落ちていった。小芭内が助けるものの、気まずさでお互いに顔を背けた。

 

小芭内「甘露寺・・相手の能力がわからないうちはよく見てよく考えて冷静にいこう・・」

 

蜜璃「・・はい・・///」

 

ベン

 

しかし、鳴女も隙だらけの敵を見逃すほど甘くはなく、すぐさま二人の足元に血鬼術で襖を開ける。二人は足場を奪われるが、すぐに淵を掴むとそこを足場にして体制を整える。

 

ベベン ゴォ ドゴォン

 

今度は鳴女は無限城の壁や床を突出させて潰そうとするが、小芭内は素早く避けて距離を取った。

 

蜜璃「伊黒さん!!ひゃっ」ガク~ン

 

小芭内に気を取られていた蜜璃は、突き出た床に猛スピードで天井まで上昇させられる。

 

蜜璃「きゃああああ!!!わーっ!潰されるぅ!!んんーっ!!」ズババ!

 

ドゴォン

 

蜜璃「ギャーッ!建物自体を手足のように動かせるのね!なるほどね!ちょっと吃驚したけど大丈夫よフフン!」ドキドキ

 

それでもなんとか呼吸を駆使して、床を刻むことで脱出する。そして壁を駆け上ると、鳴女に刀を振り下ろす。

 

蜜璃「覚悟ーっ!!」

 

ベベン

 

蜜璃「私同じ手は喰らわないですからぁ!!ヤァッ!」ぐるん

 

ベン ピシャッ ペッ

 

蜜璃「・・・・キーッ!!」

 

しかし、蜜璃は避けた先に襖を出されて再び落下していった。そして鳴き女の頚を小芭内が狙った。

 

小芭内「蛇の呼吸、弐の型、狭頭の毒牙。」

 

ベン ギュン

 

小芭内「!チッ!」(血鬼術の殺傷力はそれ程でもないが、煩わしさと厄介さは随一だな!!これは癪に障る長丁場になりそうだ。)

 

蜜璃「もー!!すっごい下まで落ちちゃった!!もー!!」キーッ

 

蜜璃と小芭内は、上弦の参"鳴女"に苦戦を強いられていた。

―――一方、鬼を斬りながら移動を続けている行冥と無一郎は、無惨の居場所を探していた。

 

行冥「鬼舞辻の居場所が近い!油断するな!」

 

無一郎「はい!」

 

ミシッ

 

移動している途中で、行冥のすぐとなりの壁が軋んだ。そしてそのまま鳴女の血鬼術で無一郎がぶつけられて押し出されてしまった。

 

行冥「時透!」

 

無一郎「俺に構わず進んでください!・・!!」

 

ドゴォ!

 

無一郎を押した壁がそのまま向かい側の壁に激突するが、無一郎はなんとか抜け出してそのまま落下して着地する。そこは黒くて太い柱が何本も建ち、至るところに木製の壁がある空間だった。

 

無一郎(ここは・・?)

 

黒死牟「来たか・・鬼狩り・・」

 

無一郎「!!」

 

そこにいたのは髪を後ろに縛り、腰に刀を添えている侍の姿をした鬼だった。目が六つあり、真ん中の目に上弦と壱の文字が刻まれてる鬼、黒死牟は自身の刀に手を掛けた。

 

黒死牟「ん・・?お前は・・なにやら・・懐かしい・・気配だ・・」

 

無一郎(上弦の壱・・!!!これが・・上弦の壱・・他の上弦とは比べ物にならない。重厚な様。威厳すらある。そして刀、歪だが・・刀を持っている。この男もしや鬼狩りだったのか?しかも相当な使い手の・・)ブルブル

 

無一郎は自分の刀に手を掛けるが、その手が震えていることに気づいた。

 

無一郎「!!」(怖気が止まらない・・体が戦闘を拒否している・・こんなことは生まれて初めてだ・・)

 

無一郎が黒死牟の威圧感に気圧されていると、黒死牟が不意に名前を聞いた。

 

黒死牟「お前・・名は・・何という・・」

 

無一郎「!・・時透・・無一郎。」

 

無一郎が名前を答えると、黒死牟が納得したように頷いた。黒死牟は、筋肉や骨が透けて見える境地"透き通る世界"を修得しているため、筋肉や骨の質を見てすぐに理解したのだ。

 

黒死牟「成る程・・そうか・・絶えたのだな・・"継国"の名は・・」

 

無一郎「・・継国?誰のことだ?」

 

黒死牟「何百年も・・経っているのだ・・詮方無き・・こと・・私が・・人間であった時代の名は・・継国巌勝・・お前は・・私が・・継国家に残してきた・・子供の末裔・・つまりは・・私の子孫だ・・」

 

無一郎「!?」(子孫・・!?僕が!?こいつの!?まさか・・信じられない。じゃあこの男は始まりの呼吸の剣士!?落ちつけ!!取り乱すな関係ない。落ちつけ!!)

 

黒死牟から言われた衝撃の事実に無一郎は動揺するが、ひとつ深呼吸をすると落ちつきを取り戻した。それを見た黒死牟は、顎に手を添えて感心したように言った。

 

黒死牟「うむ・・精神力も・・申し分・・ないようだ・・ほんの一瞬で・・動揺を・・鎮めた・・」

 

無一郎は刀を抜くと、呼吸を使って斬りかかった。

 

無一郎「霞の呼吸、弐の型、八重霞!!」

 

しかし、目の前にいたはずの黒死牟が突然消えて、刀には何の手応えも感じなかった。そして無一郎の背後に横を向いた状態で立っていた。

 

黒死牟「なかなかに良き技だ・・霞か・・成る程・・悪くない・・」

 

無一郎「伍の型、霞雲の海。」

 

無一郎は再び斬りかかるが、それでも黒死牟に刃はは届かず空を斬る。

 

黒死牟「無一郎・・年の頃は十四あたりか・・その若さでそこまで練り上げられた剣技・・私に怯みはしたものの・・それを押さえ込み斬りかかる胆力・・流石は我が末裔・・血は随分薄くなっているだろうが・・瑣末なこと・・たとえ名が途絶えようとも・・私の細胞は増えて残っていた・・」

 

無一郎「おちょくっているのかな?たとえ末裔であったとしても何百年も経ってたら、お前の血も細胞も俺の中にはひとかけらも残ってないよ。」

 

無一郎は黒死牟の血も細胞も全くないと言うと、もう話すことはないと言わんばかりに刀を構えた。

 

無一郎「霞の呼吸、漆の型、朧。」

 

黒死牟(初見の技だ。霞の型の使い手はこのような技を使ったことはない。独特の緩急、動きが読みづらい撹乱も兼ねた技。実に良き技。流麗で美しい。無一郎が編み出した技なのだろう。)「此方も抜かねば・・無作法というもの・・」

 

黒死牟は胸の内で無一郎の技を称賛すると、一度俯いて刀を抜くと同時に呼吸を使った。

 

黒死牟「月の呼吸、壱の型、闇月・宵の宮。」ザン!

 

無一郎「ッ!」ビシャッ

 

黒死牟の技が当たって、無一郎の左手は手首から先が斬り飛ばされてしまったのだ。そして傷口から大量の血が噴き出した。

 

無一郎(月の・・呼吸・・!?鬼となっても呼吸による剣技は使えるのか。異次元の速さだ。)ぐる ギュッ

 

しかし、無一郎はすぐさま肘部分に自身の髪できつく縛って止血する。そのまま次の技に移った。黒死牟はこれらの動きを素早くこなした無一郎に感心していた。

 

黒死牟(素晴らしい・・腕を失ってすぐに止血、そこからさらに攻撃をしようという気概。)

 

無一郎「霞の呼吸、移流斬り・・」

 

スッ ドスッ!

 

無一郎「ぐっ・・!」

 

無一郎の刀身が黒死牟の頚に届くよりも前に、黒死牟はそれを指で挟んで取ると無一郎の右肩ごと柱に突き刺した。釘で打たれたかの如く宙吊りになった無一郎を黒死牟は見上げた。

 

黒死牟「我が末裔よ。あの方にお前を、鬼として使って戴こう。己が細胞の末裔とは・・思いの外しみじみと・・感慨深きもの・・」

 

無一郎「・・ッ・・」

 

黒死牟「そう・・案ずることはない・・腕ならば・・鬼となったらまた生える・・まともに戦える上弦は最早私一人のみ・・あの御方もお前を・・認めてくださるはず・・止血は・・しておこう・・人間は脆い・・」

 

黒死牟は無一郎の左腕を包帯で縛って止血した。そしてそれを壁の影から狙う一人の鬼殺隊員の姿があった。鬼喰いの剣士、玄弥である。銃口を黒死牟に向けている。

 

黒死牟「しかし仮に・・失血死したとしても・・あの御方に認められず・・死んだとしても・・死とはそれ即ち宿命・・故に・・お前はそれまでの男であったということ・・・・そうは思わないか?お前も・・」

 

玄弥「ッ!!」

 

ズッ ゴトン

 

しかし、玄弥が発泡する前に黒死牟がすぐ後ろまで回り込んでいた。玄弥の銃を構えている腕が音もなく地面に落ちた。

 

無一郎「玄弥ーっ!!」

 

玄弥の絶体絶命のピンチに無一郎は助太刀に向かおうと肩に刺さっている自身の日輪刀を抜こうと足に力を込めながら呼吸を使う。しかし、刀は壁に鍔あたりまで深く刺さっているため、うまく力が入らない状態ではびくともしなかった。玄弥はそれなら日輪刀を使おうとするが、もう片方の腕も斬り落とされて血が噴き出した。

 

ドシャッ

 

玄弥「ぐぁっ・・!!」

 

黒死牟「ふむ・・鬼喰いをしていたのはお前だったか・・」ドン ドシャッ

 

黒死牟は更に胴を斬ったが、それでも玄弥はまだ息があった。無一郎は焦るが、それでも刀は全く動かない。

 

無一郎「・・!!」(抜けない・・!!くそっ!!抜けない!!)

 

黒死牟「・・ほう、まだ絶命しない・・胴を両断されても尚・・三百年以上前・・お前と同じく鬼喰いをしている剣士がいた・・その剣士は胴の切断で絶命したが・・お前の場合は首か・・?貴様のような鬼擬き・・生かしておく理由はない・・」チャッ

 

黒死牟が玄弥に止めを刺そうとしたとき、二人の頭上から呼吸音が聞こえてくる。

 

実弥「風の呼吸、肆の型、昇上砂塵嵐!」ヒュオオ

 

実弥が風の呼吸で間合いに入ったのだ。黒死牟は大きく後ろに跳んで距離を取った。

 

黒死牟「風の柱か・・」

 

実弥「その通りだぜ。テメェの頚をォ、捻じ斬る風だァ!」

 

玄弥「兄貴・・」

 

実弥「・・テメェは本当に、どうしようもねぇ弟だぜぇ。何のために俺がァ、母親を殺してまでお前を守ったと思ってやがる!」

 

玄弥は、柱稽古の時に炭治郎に言われた言葉を思い出していた。"怒りの匂いはしたけど、憎しみの匂いは少しもしなかったんだ。だから怯えなくても大丈夫だよ。実弥さんは玄弥のことがずっと変わらず大好きだから。"といわれて、心底安心したのは記憶に新しかった。回想の炭治郎を肯定するかのように実弥は言った。

 

実弥「テメェはどっかで所帯持って、家族増やして爺になるまで生きてりゃあ良かったんだよ。お袋にしてやれなかった分も、弟や妹にしてやれなかった分も、お前が、お前の女房や子供を幸せにすりゃあ良かっただろうが。そこには絶対に俺が、鬼なんか来させねぇから・・」

 

実弥は玄弥に幸せになってほしかったのだ。家族を持って笑いながら過ごす未来を送ってほしい、危険な鬼殺隊の任務は自分一人で充分だと。柱稽古で対立したときも、呼吸が使えずに鬼を喰って戦ってきた玄弥を再起不能にすることで強制的に危険な仕事をする鬼殺隊を追い出そうとした兄なりの行動だったのだ。その真意に気づいた玄弥は涙を流した。

 

玄弥「ごめん兄ちゃん・・ごめん・・」

 

黒死牟「ほう・・兄弟で・・鬼狩りとは・・懐かしや・・」

 

最愛の弟を切り刻まれた実弥は、顔中に血管を浮かび上がらせて憎悪感丸出しで叫んだ。

 

実弥「よくも俺の弟を刻みやがったなァ!!糞目玉野郎ォオ!!許さねェ許さねェ!!許さねエエ!!」

 

実弥と黒死牟は同時に動き、黒死牟が刀を振るが実弥は足元をくぐった。

 

玄弥(下!!足元をくぐる・・)

 

実弥「壱の型、塵旋風・削ぎ!!」ゴオオオ ガキィ

 

無一郎と玄弥では見ることすらできなかった黒死牟の刀身を、実弥はつばぜり合いすることで止めたのだ。

 

無一郎(刀身を・・見せた!!)

 

実弥「はァア!こりゃあまた!気色の悪ィ刀だぜェ!なァオイ!!」

 

黒死牟「月の呼吸、伍の型、月魄災渦。」

 

黒死牟は刀を振らずに斬撃を出したのだ。実弥は間一髪で後ろに大きく跳んで距離を取った。

 

実弥「風の呼吸、参の型、晴嵐風樹!」ガキン

 

黒死牟「やりおる・・肉体的にも技の・・全盛と見た・・」

 

実弥(鳥肌が止まらねぇ、こいつの技。一振りの斬撃の周りに不規則で細かな刃がついてる!それは常に長さ大きさが変化する!定型じゃない。時透がやられる筈だ!避けたつもりの攻撃が変則的で歪。長い経験で培われた感覚が無けりゃ無理だ!さらにこの速さ!!しかもコイツ呼吸を使ってやがる!再生力、身体力が異常に高い鬼が呼吸を使い、さらに攻撃力を高めているとは。)「おもしれぇ・・!!おもしれぇぜ!!殺し甲斐のある鬼だ!!!風の呼吸、弐の型、爪々・科戸風!」ギャゴ!

 

実弥は斬りかかるが黒死牟は難なくそれを受け流して、風の呼吸と月の呼吸がぶつかり合う。表情には出さないが、黒死牟は感心していた。

 

黒死牟(ほう・・まだ・・ついてくる・・私の技に・・懐かしい・・感覚だ・・高揚する・・)

 

実弥「ッ!」(瞬きもできねぇ!!ほんの少し切先の振りをしくじっただけで即死だ!!)

 

黒死牟「古くは・・戦国の・・世だった・・私は・・このように・・そうだ・・風の柱とも・・剣技を・・高め合った・・月の呼吸、陸の型、常夜孤月・無間。」ヒュッ ガガガガ!

 

無一郎「不死川さん・・!」

 

玄弥(兄貴・・兄貴!!どうなった!?どうなっている!?どこにいる!?くそっ!!見えない!!柱と壁で・・)

 

実弥は左肩から右の腰まで切り裂かれて、傷口と口から血が噴き出した。

 

黒死牟「ふむ・・随分堪えたが・・ここまで・・動けば・・臓物が・・まろび出ずる・・!」ドクン

 

黒死牟は、体に違和感を覚えた。実弥の血の匂いを嗅いでから、気分が高揚するような感覚になったのだ。それは実弥の体質に秘密があった。

 

黒死牟(脈拍が上がっている・・何だ・・?)

 

実弥「フフッフフフッ。猫に木天蓼、鬼には稀血。」

 

実弥の攻撃に、黒死牟は思うように動けなくなっていた。それを見た実弥は、手応えを感じたのか笑った。

 

実弥「オイオイどうしたァ?千鳥足になってるぜぇ!上弦にも効くみてェだなァ!この血は!!俺の血の匂いで鬼は酩酊する!稀血の中でもさらに稀少な血だぜ!存分に味わえ!!」

 

実弥は稀少な稀血の持ち主だった。その効果は、鬼を酔わすことができるというものであった。実弥は自分の血を利用する戦法を行ってきたので全身に深い傷跡があるのだ。

 

実弥「風の呼吸、陸の型、黒風烟嵐。」

 

黒死牟(この小僧、この傷でまだ動くか。今までの柱なら勝負はついた。しかし、奴は自ら出血を止めた。血を凝固させているのか?呼吸で?筋肉を引き絞り、臓物が飛び出るのを止めている?)「どちらにせよ、人間に出来て良い芸当ではない・・初見なり・・面白い・・微酔う感覚も何時振りか・・愉快・・さらには稀血・・」

 

黒死牟は実弥の風を踏みつけると、そのまま頚を切り落とそうとする。しかし、実弥は玄弥が持っていた銃で受け止めるとそのまま発泡した。

 

実弥(畜生かすり傷すら・・っ!)

 

そのまま黒死牟が押しきろうとするが、そこへ鎖が刀を押し返した。行冥が来たのだ。

 

黒死牟「次々と・・降って湧く・・」

 

行冥「我ら鬼殺隊は百世不磨、鬼をこの世から屠り去るまで・・」

 

行冥は大きな斧と、棘のついた鉄球が鎖で繋がっているものを武器にして振り回して戦うのだ。そして傷を負った実弥に対して待避するように指示を出した。

 

行冥「不死川、腹の傷は今すぐ縫え。その間は私が引き受ける。」

 

実弥「!!はい、すみません。」

 

黒死牟は行冥の肉体を"透き通る世界"で見ると、肉体が出来上がっているのがわかって気持ちが高ぶっていることを実感した。

 

黒死牟(素晴らしい・・極限まで練り上げられた肉体の完成形・・これ程の剣士を拝むのは・・それこそ三百年振りか・・)

 

行冥が振り回す棘鉄球は周りの空気をも巻き込んで勢いをつけると、そのまま黒死牟に投げ飛ばした。黒死牟は棘鉄球を避けるが、すぐ後ろから斧も飛んできていた。

 

黒死牟(手斧まで投擲するのか。両手共武器を離すとは・・)

 

行冥「岩の呼吸、弐の型、天面砕き。」ドゴン

 

鎖を踏んで勢い良く棘鉄球を振り下ろす技を黒死牟は軽く避ける。さらに頚もとに鎖が巻き付こうとするが、それを刀で受け止めた。

 

黒死牟(この鎖は斬れぬ!!鎖、斧、鉄球、全ての鉄の純度が極めて高い武器。私の肉から造られたこの刀では、斬る前に焼け落ちてしまうだろう。これ程太陽光を吸い込んだ鉄は、刀匠の技術が最盛期たる戦国の世にも発見されていなかった。しかしそれも・・間合いの内側に入れば良いだけ・・)

 

黒死牟は、間合いの内側に入るために一気に距離を詰めて刀を構える。

 

黒死牟「月の呼吸、弐の型―

行冥「岩の呼吸、肆の型―

 

「「流紋岩・速征。/珠華ノ弄月。」」

 

行冥と黒死牟はお互い斬り、斬られるが、鬼である黒死牟はすぐに再生し、逆に行冥は顔を斬られて出血していた。

 

黒死牟「斬られた所で・・すぐに再生するのだ・・攻撃は・・無意味・・哀れな・・人間よ・・」

 

無一郎が、自身に柱ごと刺さっている刀を激痛に耐えながらゆっくりと抜いた。

 

ギギギギ ドシャ

 

無一郎「ハーッ・・ハーッ・・くっ・・」(状況が悪すぎる、これだけの傷を負わされては役に立てない。俺は宇髄さんほど体格に恵まれてないから数時間で失血死する。せめて上弦の壱だけでも倒さなければ、まだ生きて戦える人の負担を少しでも減らせ。死ぬなら役に立ってから死ね!!)

 

無一郎は心の中で自分にそう言い聞かせると、地面に落ちた刀を拾って玄弥の元へと駆け寄った。

 

無一郎「玄弥!」

 

玄弥「時透さん!すまねぇが胴体を・・強く押し付けてもらえるか?」

 

無一郎「玄弥!生きてるの!?体繋がる?」

 

玄弥「厳しいかもな・・兄貴を・・死なせたくないのに・・」

 

無一郎「・・わかった・・一緒に最期まで戦おう・・」

 

無一郎と玄弥が自らの犠牲を覚悟に最期まで戦う決意をしたその時だった。

 

ドゴォン

 

ブロリー「フハハハハハ!!」

 

空間の天井を突き破ってブロリーが入ってきたのだ。そして着地すると同時に『伝説のスーパーサイヤ人』へと覚醒した。

 

ブロリー「はぁぁぁあああ!!」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

 

ブロリーが入ってきたことは、行冥にも黒死牟にも戦いの途中で理解できた。

 

黒死牟「また一人・・降ってきたか・・」

 

行冥「ブロリー、来てくれたのか。」

 

しかしブロリーは行冥と黒死牟には目もくれず、一直線に玄弥と無一郎のところへと行った。

 

無一郎「ブロリーさん!」

 

ブロリー「無一郎お前・・腕が失くなってるではないか!玄弥も体が斬られて血だらけじゃないか!」

 

玄弥「破壊柱様・・やられてしまった・・銅を斬られた、再生するのは厳しいかも・・」

 

無一郎「俺も左腕を失っちゃった・・後数時間で失血死する・・俺に時間は残されてない・・」

 

無一郎と玄弥の言葉を聞いたブロリーは、顔をしかめてから掌を二人に向けた。

 

ブロリー「死にそうなのか、だったら治すだけだ。」ポワワワワ

 

ブロリーの掌から出る緑色の気は二人を包み込む、その中で傷が急速に再生して治っていった。

 

玄弥「!体がくっついた!傷もねぇ!どこも痛くねぇ!どうなってんだ!?」

 

無一郎「す、すごい・・!これがお館様の呪いをも治癒したブロリーさんの力・・腕も再生してる!それに気に包まれてるときはなんか気持ちよかった。」

 

無一郎と玄弥は、自分の体を見回して完全に治ったことに驚きと戸惑いを感じていた。二人が治ったのを見てブロリーは振り返って黒死牟を見据えた。

 

ブロリー「あとはあいつを血祭りにあげるだけだぁ!」

 

玄弥「待ってくれ!ブロリーさん!」

 

玄弥が飛んでいこうとしたブロリーの赤い腰布を掴んで止めた。止められたブロリーは怪訝な表情をして玄弥を見下ろした。

 

ブロリー「玄弥か、何だ?」

 

玄弥「兄貴を・・治してほしいんだ。」

 

ブロリー「兄貴?」

 

無一郎「あそこにいる不死川さん、玄弥とは兄弟なんだ。さっき上弦の壱に前を切り裂かれてたからすごい負傷している。だから貴方の力で治してほしい。」

 

ブロリー「何!?そうだったのか!そういうことなら良いだろう!」ビュオオ

 

ブロリーは飛んで実弥の元へと行き、無一郎と玄弥もあとに続いた。目の前にブロリーが立つと実弥は顔をしかめた。

 

実弥「!サイヤ人・・!何しに来たァ!」

 

ブロリー「ムシケラを血祭りにあげに来た。ついでにお前に気を分けて治そうと思っただけだ。」

 

実弥「あぁ!?俺はテメェを鬼殺隊の隊員って認めたことは一度もねェ!!お館様を助けられたからって調子乗んなァ!!テメェの施しなんて受けねぇよォ!!」

 

玄弥「兄貴・・俺が破壊柱様に治してくれって頼んだんだ。どうか受けてほしい・・」

 

無一郎「不死川さん、今はそんなこと言ってる場合じゃないよ。上弦の壱も鬼舞辻無惨も倒さなきゃいけないんだから。早く無惨を倒しに行くためにも治せる時に治さなきゃ。」

 

実弥「・・チッ。サイヤ人、さっさとやれェ!」

 

玄弥と無一郎に説得された実弥は、苦虫を噛み潰したような表情を浮かべてブロリーの気による治療を受けた。

 

ポワワワワ

 

実弥(チッ、本当に鬼みてぇに再生しやがる!それにこの温度、認めるのは本当に癪だが・・心地良い。)

 

実弥は、ブロリーの気による心地よさに複雑な気持ちになった。そして実弥を癒し終えたブロリーは、行冥の前に立って黒死牟の前に立ちはだかった。

 

行冥「!ブロリー。」

 

黒死牟「鬼ではないにもかかわらず・・自分の意思で空を飛び・・傷を再生させる力を分け与える・・俄には信じ難し・・」

 

ブロリー「お前は無一郎の腕を斬りとばして、玄弥の体を切り刻んだ。そのせいで無一郎達は死にかけたんだ。上弦の弐の次はお前を血祭りにあげてやる!」

 

実弥(!コイツも玄弥のことを心配して・・!)

 

ブロリー「はぁぁぁああああ!!」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

 

ブロリーは童磨との戦いでもなった、赤い体毛に黒髪、更には全身に浮き上がった血管が特徴の『スーパーサイヤ人4フルパワー』になると空中に浮き上がって気を放出するのだった。




獪岳戦を入れるのを忘れてました泣黒死牟の戦いが終わったら書く予定です。それではまた次回。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。