ブロリーが黒死牟と戦い終えた時、ちょうど善逸はある畳の部屋へと来ていた。人よりも聴覚に優れた善逸は、姿は見えないもののすぐそこに仇がいることを聴覚と気配で感じていた。
善逸「いるんだろ、出て来い。そこにいるのはわかってる。」
善逸の声に反応するように鬼特有の鋭く尖った爪を持つ手がゆっくりと襖を開けた。
獪岳「口の利き方がなってねえぞ、兄弟子に向かって。少しマシになったようだが、相変わらず貧相な風体をしてやがる。久しぶりだなァ善逸。」
現れたのは、痣が浮かび上がって目に"上弦陸"の文字が書かれた鬼だった。彼がかつて善逸の兄弟子であった"獪岳"である。獪岳は善逸を見下す口調で圧をかけたが、善逸はそんなことでは怯まずに冷たく言いはなった。
善逸「獪岳、鬼になったお前を、俺はもう兄弟子と思わない。」
獪岳「変わってねぇなあ。チビでみすぼらしい。軟弱なまんまでよ。柱にはなれたのかよ?壱の型以外使えるようになったか?なあおい善逸。」
善逸「適当な穴埋めで上弦の下っぱに入れたのが随分嬉しいようだな。」
獪岳「へぇ、ハハッ!!言うようになったじゃねぇかお前・・」
善逸「何で鬼になんかなったんだ?」
獪岳「ははっお前には・・「雷の呼吸の継承権を持った奴が何で鬼になった!」
"関係ない"と言おうとした獪岳を遮って善逸が顔中に血管を浮かび上がらせて叫んだ。
善逸「アンタが鬼になったせいで爺ちゃんは腹切って死んだ!!!爺ちゃんは一人で腹を切ったんだ!!介錯もつけずに!!腹を切ったとき、誰かに首を落として貰えなきゃ!!長い時間苦しんで死ぬことになる!!爺ちゃんは自分で喉も心臓も突かず死んだ!!雷の呼吸の使い手から!鬼を出したからだぞ!!」
善逸の言葉を嘲笑うように獪岳は大声で返した。
獪岳「知ったことじゃねぇよ!だからなんだ?悲しめ?悔い改めろってか?俺は俺を評価しない奴なんぞ相手にしない!俺は常に!!どんな時も!!正しく俺を評価する者につく!爺が苦しんで死んだなら清々するぜ!あれだけ俺が尽くしてやったのに俺を後継にせず!テメェみたいなカスと共同で後継だと抜かしやがったクソ爺だ!元柱だろうが耄碌した爺に用はないからな!ハハハハ!」
善逸は一切表情を変えていないが、獪岳への怒りで握り拳がワナワナと震えていた。そして善逸は自虐するように笑うと獪岳を指差した。
善逸「・・フッははっ、爺ちゃんは耄碌してねぇよ。俺がカスならアンタはクズだ!壱の型しか使えない俺と!壱の型だけ使えないアンタ!後継に恵まれなかった爺ちゃんが気の毒でならねぇよ!」
獪岳「テメェと俺を一緒にすんじゃねぇ!!!雷の呼吸、肆の型、遠雷。」
善逸と一緒にされた獪岳は逆鱗に触れたかの如く怒り狂い、抜刀して斬りかかった。血鬼術で周囲に黒い稲妻が走る。しかし、善逸は、柱傾向と日々の努力で獪岳以上のスピードを出せるようになっていた。善逸は構えたまま獪岳の首筋を斬って失血させる。
善逸「おせーんだよ、クズ。」
ドバッ
獪岳「!!」(斬られた!!速い・・コイツ!!動きがまるで別人だ!!)
獪岳は鬼としての急所に一撃を入れられた影響か、鬼になった経緯を走馬灯のように思い出した。
―――獪岳はかつて任務中に黒死牟と遭遇していた。その時に獪岳は、命乞いをして鬼になる道へと進んだ。当時の獪岳では黒死牟に到底太刀打ち出来ずに地面へと膝まついていた。黒死牟としても炭治郎やブロリーの活躍で上弦の鬼が次々と倒されていることを考えて戦力を増やすために"鬼になるなら命は助けてやる"と提案し、獪岳は二つ返事で受け入れたのだ。
黒死牟「鬼となり・・さらなる強さが・・欲しいか・・お前も・・あの方に・・認められれば・・我らの・・仲間と・・なるだろう・・強い剣士程・・鬼となるには時間がかかる・・私は丸三日かかった・・呼吸が使える者を鬼とする場合・・あの方からの血も・・多く頂戴せねばならぬ・・」ぼとぼと
黒死牟は自身に流れている無惨の血を手から垂れ流し、獪岳は一滴も溢さないように緊張と恐怖で震える手で血を溜めていく。獪岳は生きるためなら手段は問わないことをしていた。それ故、恐怖で震えてはいるが、鬼になることに全く躊躇いはなかったのだ。
黒死牟「そして稀に・・鬼とならぬ体質の者も・・・・存在するが・・お前は・・どうだろうな・・有り難き血だ・・一滴たりとて零すこと罷り成らぬ・・零した時には・・お前の首と胴は泣き別れだ。」ゴゴゴ
更なる黒死牟の殺気を感じた獪岳は、言われた通り一滴も零さないように慎重に飲んで鬼となり、今に至るのだ。
―――黒死牟の殺気と比べた獪岳は善逸のことを甘く見ていたが、その善逸に危うく頚を落とされかけた。そのことに憎悪の感情を募らせた。
獪岳(我妻善逸、こいつはカスだ。いつもベソベソと泣いていた。何の矜持も根性もない。こんなカスと二人で後継だと抜かしやがった糞爺!!)
獪岳は自分だけが特別でないと気が済まない性格だった。それ故に、善逸と共に分け隔てなく大切にしていた桑島慈悟郎に対して不満を募らせていき、やがて鬼になってからは殺意と嫌悪へと変わっていた。そのことを表すかのように獪岳は叫んだ。
獪岳「死んで当然なんだよオオ!!爺もテメェもォオ!!雷の呼吸、弐の型、稲魂。」
一息で瞬きする間に五連撃打つ技で切り込むが、善逸も応戦してなんとか頬をかするだけに止めた。
善逸「大勢人を喰ったな!もう善悪の区別もつかなくなったんだな?」
獪岳「善悪の区別はついてるぜ!!俺を正しく評価し、認める者は"善"!!低く評価し、認めない者が"悪"だ!!参の型、聚蚊成雷!」
今度は回転しながらの波状攻撃で確実に善逸を傷つけていく。そして追い討ちをかけるように次の技を放った。
獪岳「伍の型、熱界雷!」
獪岳の技をもろに食らった善逸は、自分の体の中で少しずつ肉や皮膚が裂けていくのを感じた。しかし、それでもまだ意識は失ってなかった。
獪岳「どうだ!?血鬼術で強化された俺の刀の切れ味は!!皮膚を!!肉を!!罅割って焼く斬撃だ!!雷の呼吸、陸の型、電轟雷轟!」
最後の技を受けた善逸は、真逆さまに落下し始めた。それを見て勝利を確信したかのように、獪岳は高らかに言いはなった。
獪岳「喰らった斬撃はお前の体で罅割れ続ける!目に体に焼きつけろ!俺の力を!鬼になり雷の呼吸を超えた!!俺は特別だ!お前とは違う!お前らとは違うんだ!!」
落下していく善逸は獪岳と過ごした日々を思い出していた。お世辞にも仲が良かったとは言えなかった。獪岳の態度で嫌われていることを理解することは難しくなく、常に善逸のことを見下していた。そして鬼殺隊入隊後も、獪岳の陰口を言っている隊士を殴るなどしたが、それでも獪岳の態度が改まることは遂になかった。
善逸(獪岳が俺のことを嫌っていたのは十分わかっていたし、俺だって獪岳が嫌いだった。でも尊敬してたよ、心から。アンタは努力してたしひたむきだった。いつも俺はアンタの背中を見てた。特別だったよアンタは。爺ちゃんや俺にとって特別で大切な人だったよ。だけどそれじゃ足りなかったんだな。どんな時もアンタからは不満の音がしてた。心の中の幸せを入れる箱に穴が空いてるんだ。どんどん幸せが零れていく。その穴に早く気づいて塞がなきゃ、満たされることはない。爺ちゃんごめん、俺たちの道は分かたれた。ごめん、兄貴!)
善逸は最後の力を振り絞って空中で一回転すると、壁に足をつけて力を込める。
獪岳「!?」(まだ余力が―・・)
善逸「雷の呼吸、漆の型、火雷神!」ザン!
そして壁を一気に蹴ると、目に見えぬ速さで雷の残像を思わせる動きで獪岳の頚を斬った。
獪岳(みっ・・見えなかった!!何だ!?今の技!速すぎる!俺の知らない型だ!何を使った!?)「畜生!!畜生!!やっぱりあの爺、贔屓しやがったな!!お前にだけ教えて俺に教えなかった!」
獪岳は自分が知らない善逸の技を、師匠である桑島慈悟郎が善逸にだけ教えたものだと決めつけて癇癪を起こしていた。しかし、善逸も共に落下しながら否定する。
善逸「違う、爺ちゃんはそんな人じゃない。これは俺の型だよ。俺が考えた俺だけの型。この技で、いつかアンタと肩を並べて戦いたかった・・」
自分で考えた新しい型だと告白するが、それは獪岳を更に混乱させて憎ませるだけだった。獪岳は血走った目で善逸を睨み付ける。
獪岳(七つめの技だと?六つしか型がない雷の呼吸から、七つめを編み出した?アイツが?壱の型しか使えない奴が?俺よりも劣っていたカスが?・・・・耐えられない耐えられない!!そんな事実は受け入れられない!!あんな奴に俺が?俺が負けるのか?頭が変になりそうだ。いや、違う。負けじゃない。あのカスも落下して死ぬ。もう体力は残ってないはず。アイツも俺と死ぬんだ。)
獪岳が徐々に灰になりながら善逸との勝負は相討ちになると確信した時、無限城内の襖の一角を突き破って『伝説のスーパーサイヤ人』形態のブロリーが現れる。
ブロリー「フハハハハハハ!!」ガシッ
善逸「!ブロリーさん!」
獪岳「!?」
ブロリー「もう終わっていたようだな、流石善逸と誉めてやりたいところだぁ。だが、お前も相当な怪我を負っているな。今回だけだからな。」ポワワワワワ
ブロリーはもう余力が残ってない善逸を抱えると、そのまま掌を向けて気を送り込んで回復させた。朦朧としていた意識がはっきりとした善逸は真剣な顔でブロリーに言った。
善逸「ブロリーさん。俺をしたまで連れてってくれませんか?アイツをちゃんと倒せたのかを確認したい。」
ブロリー「いいだろう。」ビュオオ
善逸の頼みを承諾して一番下へと向かう。そして地面に来ると、半分以上が灰になっている獪岳が驚きと混乱の表情で二人を見た。
善逸「良かった。アンタから灰になって消えていく音がする。俺はちゃんと蹴りをつけられたんだな。」
獪岳「!おいソイツは・・!上弦を次々と倒してる・・!」
善逸「アンタも鬼殺隊にいたときには聞いたことあるだろ?彼はブロリーさん。鬼殺隊最強の破壊柱だ。」
ブロリー「鬼殺隊にいた?どう言うことだ?」
善逸「鬼になって裏切ったんですよコイツは。そのせいで孤児だった俺を引き取ってくれた爺ちゃんは腹を切って死んだんだ・・」
ブロリー「そうか、頑張ったな。」
獪岳もかつては鬼殺隊に身を置いていた為、ブロリーのことは知っていたのだ。そして上弦の鬼を倒していく快進撃を見せていることも分かっていた。そのブロリーは緊張の糸が切れて悲しそうな表情をしてる善逸を慰めていた。獪岳はブロリーに大声で呼ぶ。
獪岳「おっおい!破壊柱!」
ブロリー「ん?何だぁ?」
獪岳「さっきのやつ見てたぞ、あの力で俺を助けてくれよ!」
善逸「お前・・何言ってんだ?」
獪岳「カスは黙ってろ!あの力は再生させられるんだろ?だったらそれで俺を回復させろよ!悪い話じゃないはずだ。俺はまた鬼殺隊に戻って鬼を倒す、そっちにとっても戦力が増える。鬼になった俺は血鬼術と呼吸を組み合わせて強化されて特別に強いんだ。悪くないだろう!?だから俺を回復させろよ!」
ブロリー「・・・・」
獪岳が必死に言う内容にブロリーは無表情のまま聞いていたが、やがて背を向けると力強く言い放った。
ブロリー「裏切り者は無視。」
獪岳「ハァッ☆って違う!何でだよ!いいから助けろよ!!」
ブロリー「何故鬼になって裏切ったお前を助けなければいけないんだ?善逸は大事な仲間だから助けたがお前はもはや敵だ。鬼殺隊に戻ったところで何のメリットもない。俺に助ける理由はない。それにさっきからお前、俺の力を利用しようとしている魂胆が丸見えだ。俺は自分の私利私欲の為に他の奴を利用したり操ったり裏切ったりする奴が一番嫌いなんだ。お前はその全てに当てはまる。見るのも不愉快な位にはな、一人で惨めにくたばるが良い!」
獪岳「~~」ボロボロ
ブロリーが吐き捨てるように良い終えると同時に、獪岳は完全に灰になって消えた。その直前に何か叫んでいるようだったが、口元が消えていたので二人には何を言ってるのかは理解できなかった。ブロリーは善逸に向かって言った。
ブロリー「善逸、すぐ近くに沢山の人間がいる気配がする。多分鬼殺隊だろう。一人で行けないなら合流することだ。俺は先に行く。」ビュオオ
善逸「!わかりました。ありがとうございます。」
そしてブロリーはすぐ近くにいる次の鬼を目指して飛んで移動するのだった。
―――一方で小芭内と蜜璃は鳴女を相手に苦戦を強いられていた。無限城そのものを動かす血鬼術で、全く近づくことが出来ないのだ。
小芭内(時透や不死川達、それにサイヤ人も上弦の壱を倒している!それに比べて俺はどうだ?一体何をしている?あの琵琶女の血鬼術・・殺傷能力が高いわけではないが、延々と鼬ごっこをさせられる。頚を狙えない、決着がつかない。柱二人がこの女の為に足止めを喰らっている。何とか現状を打破しなければ。他の柱たちと合流したくともどの道阻まれる。)
蜜璃(お城そのものを動かす血鬼術のせいで全く近づけないわ。飛び出てくる壁や床を避けるので精一杯だわ。どうすれば良いの!?)
蜜璃も小芭内もこの状況を突破する方法を見つけられずに詰んでいた。しかし、そんな時に黒死牟を倒して獪岳を倒した善逸を救済した『伝説のスーパーサイヤ人』形態のブロリーが下から飛んでやって来たのだ。
ブロリー「こんなすぐ近くに別のムシケラがいたとはな、俺は運が良いなぁ。」
蜜璃・小芭内「ブロリーさん!/サイヤ人・・!」
ブロリーの到着に蜜璃は心底安堵した表情を浮かべ、小芭内は苦虫を噛み潰したような表情をした。
小芭内(コイツに譲るのは非常に癪だが、背に腹は変えられんな。)
蜜璃(やったやった!良かった良かった!ブロリーさんが来てくれたわ!これなら百人力ね!)
ブロリー「ん?蜜璃達もいたのか。」
蜜璃「ブロリーさん。あの女の人は琵琶でこのお城そのものを手足のように動かせる血鬼術を持ってます。さっきから翻弄されて全く近づけないんです。」
ブロリー「そうか、良い情報をくれたこと、感謝するぞ蜜璃。」ポン
蜜璃「きゃっ///」
有益な情報を提供した蜜璃に礼を言ったブロリーは、彼女の頭を軽く数回叩いた。それに蜜璃は顔を赤らめて照れた様子を見せた。
小芭内(このサイヤ人・・っ!誰の許可を得て甘露寺の頭を撫でてるっ・・。本当なら今すぐ失せさせたいが、あの琵琶女を倒すためにも無下には出来ないっ。)
そして小芭内は蜜璃とふれあうブロリーに嫉妬して顔中に血管が浮かび上がる程睨みつけていたが、ブロリー本人が小芭内の殺気に気づくことはなかった。ブロリーは臨戦態勢をとって鳴女へと一直線に飛んだ。
鳴女「!」(この鬼狩りは・・っ!無惨様が最も警戒してた異脳の力を使う柱の・・っ!産屋敷邸があったところで撒いたと仰ってたはず・・っ!どうしてここにいるっ!?どうやって入って来たっ!?それよりも無惨様が復活するまで私が何とか足止めしなければっ!)べべんべん
鳴女は自身の血鬼術を経由したわけでもないのに無限城内にいるブロリーの姿を見て動揺していた。だがすぐに切り替えて無惨が復活するまでの足止め、あわよくば殺そうと手にある琵琶を高速で鳴らし始める。ブロリーを狙って床や壁が飛び出して襲いかかってくる。だが、ブロリーは腕を組んで余裕そうに見極めて楽々と避けていた。
ブロリー「ほう、なかなか面白い。確かにこれを続けていたら埒が明かないな。」ビュオオ
組んでいる腕をほどいて更に近づく。しかしその時、左右の壁が飛び出してブロリーを挟んで圧迫しようと猛スピードで迫ってくる。
ブロリー「フン!こんなもの!」ガガッ バキバキ
しかし、ブロリーは壁を腕で受け止めると、そのまま力で無理矢理押し返す。ブロリーの力と鳴女の血鬼術の圧迫で負荷に堪えられなくなった壁は大きな音をたてて崩れた。そしてブロリーは鳴女との距離を一気に詰めた。
鳴女「!」(効いてないの!?こんな一気に・・っ!どうすれば・・っ!?・・一か八かやるしかない。)べんべんべべん
突如鳴女は琵琶を鳴らすと自身を取り囲むように襖を出した。ブロリーはそのすぐ手前で止まり、地面に降りた。
ブロリー「・・何してるんだぁ?」
鳴女「お前から身を守る為に隙間なく血鬼術を出した。私は確かにお前には勝てないがこうすれば殺られることもない。このままあの方のためにお前を足止めする。」(この襖は私の術で琵琶を鳴らさない限り開かないようになっている。これで手出しは出来ないはず。)
ブロリー「一人用の襖の塊でか?」ガシッ
鳴女「!何を・・!?」
ブロリーは両手で塊になってる襖を掴むと、雄叫びをあげて自分の頭上へと持ち上げた。
ブロリー「うぉぉおおおああああ!!!」バキバキ ぼこぼこ
そして腕力で襖の塊を潰すと赤い血が滴り落ちる。鳴女が襖ごと圧迫されて潰されているのだ。鳴女は自身の骨が折れていく激痛を感じた。
鳴女「ううううっ。がっ!ああああ!!・・自分の血鬼術ごと殺されるとは・・これも上弦の鬼の定めなの・・?」バキバキ グチャッ
鳴女は急速に薄れゆく意識のなか、最後に十二鬼月になったことへの皮肉を口にして完全に押し潰された。
ブロリー「がぁぁああ!うぉぉああ!うぉぉらあっ!!」ビシュッ ヒューン ドカーン デデーン☆
そしてブロリーはスクラップになった襖の塊を投げ飛ばすと、気弾を当てて木っ端微塵に粉砕したのだった。鳴女を倒したブロリーは蜜璃と小芭内へと振り返る。
ブロリー「この俺が襖程度の防御で止まると思っているのか?」
蜜璃「ブロリーさん!流石です!凄いです!」
小芭内「・・そうだな、よくやった。」
ブロリー「お前達もよく粘ったな。流石柱と誉めてやりたい。」
蜜璃「きゃ///ブロリーさんに誉めてもらっちゃった///えい!」ぎゅっ
ブロリー「!!」
蜜璃はブロリーに誉めてもらえた嬉しさでブロリーに抱きついた。本人もこの世界に来てから女性に抱きつかれるのは慣れたのか、表情こそ変わるものの驚きの声をあげることはなくなった。
小芭内「おい貴様!甘露寺に触るな!」
ブロリー「俺に言うな。」
小芭内「お前のような奴が甘露寺に近づくだけで彼女が穢れるんだ。汚い体で彼女に触るなど言語道断だ。本来は万死に値するがお前は柱だから特別に見逃してやる。鬼を倒したんだったらさっきと失せろ。」ネチネチ
蜜璃「ちょっと伊黒さん!いくらなんでもその言い方はひどいですよ!ブロリーさんは穢れてなんかいません!汚くもないです!それ以上ブロリーさんを悪く言うのは許しません!」
ブロリーを猛批判していた小芭内に、怒った蜜璃がブロリーを庇うように前に出て言い返したのだ。これには小芭内も驚いて目を見開いた。
小芭内「!?甘露寺・・これは君のためを思って・・」
蜜璃「私のためだと言うのなら何でブロリーさんを追い払おうとするんですか!?琵琶の女の人を相手に苦戦していた私たちを助けてくれたじゃないですか!私はブロリーさんにどこかに行ってなんて全く思ってません!それなのにどうしてそんなにひどいこと言うんですか!?私、恩を仇で返すような人にはキュンとしません!見損ないましたよ伊黒さん。」
小芭内「・・ッ・・ッ・・」(俺は甘露寺に・・嫌われ・・たのか・・っ?)
小芭内は蜜璃に散々言われたことと、最後に冷たく見損なったと言われたショックでうつむいて肩を震わせた。それを見かねたブロリーは蜜璃に言った。
ブロリー「蜜璃、そこまでしなくても良い。俺は全く気にしてない。」
蜜璃「ブロリーさん!ですが・・!」
ブロリー「俺は気にしてない。それにまだムシケラを倒してないんだ。こんなことしてる場合ではないだろう。」
蜜璃・小芭内「!!」
ブロリー「鬼舞辻無惨というムシケラを血祭りにあげるために俺たちはこんな城まで来たんだ。他のことはそれからだ。だからまずは言い合いは終わりだ」
蜜璃「・・そうですね。鬼舞辻を倒すためにここまで来たんだから!」
小芭内「・・一理あるな。同意する。・・まぁ一応感謝はしてやる。」
ブロリー「目的を倒しに行くぞ。」
蜜璃「はい!」
ブロリーは蜜璃を優しく降ろすと、最後の無惨の気配がする方へと向かった。蜜璃はブロリーのすぐ横を並走して少し離れて小芭内が二人の後ろをついていった。
小芭内(甘露寺はサイヤ人にあんなに信頼を寄せてるのか。お館様の命をも救い出せる。・・お前は及第点だ。)
小芭内は内心でブロリーを評価して、蜜璃の幸せを秘かに祈るのだった。
お待たせしました。ブロリーMADといえばこのネタというものをようやく入れることができました。次は無惨戦になると思います。また話も短くなると思いますが、ご了承くださると嬉しいです。それではまた次回。