伝説の超鬼殺隊員   作:ツキリョー

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第四十五話です。鬼との戦闘描写は今回で最後です。大変遅れてしまい申し訳ありません。原作とだいぶ展開が違いますがそれでも大丈夫な方は最後まで読んでくださると嬉しいです。それでは本編どうぞ。


最終決戦!鬼舞辻無惨!最強の覚醒!超フルパワーサイヤ人4・限界突破!

鬼舞辻無惨との決戦で、しのぶや蜜璃が傷つけられ、沢山の仲間を殺されたことへの憎しみと悲しみで新たな姿に覚醒したブロリー、『スーパーサイヤ人4』の姿はそのままに、髪や眉毛までもが炭治郎の髪色と同じ赤くなった姿、更には"スーパーサイヤ人4フルパワー"を遥かに上回る程の強大な赤い気が全身から溢れている。この姿は"スーパーサイヤ人4"の力の限界を超えた現時点でブロリーがなれる最強の形態、『超フルパワーサイヤ人4・限界突破』である。黒幕が逃げたしたということもあって炭治郎達は見ることはできなかったが、しっかりと見ていたしのぶと蜜璃はブロリーの姿に歓喜していた。

 

しのぶ(ブロリーさん///凄いです///)

 

蜜璃(ブロリーさん!また猫ちゃんみたいな毛を生やしちゃって、可愛いくて強くて格好いい!素敵///)キュン

 

そして姿は見えなくてもブロリーが覚醒したことを匂いと気配で感じ取った炭治郎も心に余裕が生まれていた。

 

炭治郎(師範の姿が変わったことがわかった!それにこの気配は今までの比じゃないぞ!とんでもなく強い気配に変わった!師範が加わってくれるなら心強いぞ!)

 

余裕が生まれる鬼殺隊に対して、無惨は逆に追い詰められていた。只でさえ青白かった顔が更に真っ青になり、全身から冷や汗が噴き出していた。表には出ていないが、内心では心底震え上がっていたのだ。

 

無惨(奴が・・あの男を遥かに超える異常な化け物が来た・・!本当の化け物はブロリーだ!私ではない!!そいつがこの場に来たんだ・・!戦いは終わりだ。わざわざ危険を冒す必要はない。早く逃げなければ・・!撒かなければ殺される・・!)

 

ブロリー「がああああああ!!」バビュン!

 

そして『超フルパワーサイヤ人4・限界突破』になったブロリーは、無惨を圧倒的に凌ぐスピードで追いかけ始めたのだった。

―――一方、鬼殺隊の指揮を取っている輝利哉達は、無惨が逃げ出したところからブロリーが覚醒したところまでの一部始終を見ていた。

 

くいな「!無惨が逃げました!ブロリー様が前戦に合流した途端に無惨が逃げ出しました!」

 

輝利哉(やはり無惨にとってブロリーさんは脅威なんだ!でなければ夜明けまで十分時間があるなか逃げないはずだ。全く戦闘にならずに逃亡するということはそれだけ無惨とブロリーさんの強さは天地の差だということ。無惨、絶対に逃がさない。)「無惨のことは誰か追いかけているのか?」

 

かなた「九人の柱全員と炭治郎様達が必死に追いかけてます!」

 

輝利哉「!?ブロリーさんは!?」

 

かなた「他の剣士達の亡き殻を見つめてます!それ・・か・・ら?!!ブロリー様が咆哮をあげて姿が変わりました!!」

 

輝利哉「!?」(ブロリーさん、一体、どうしたと言うんだ?)

 

くいな「ブロリー様が無惨を凄い速さで追っています!」

 

輝利哉(ブロリーさん、貴方に一体何が起ってるの?)

 

輝利哉は慣れない采配と、ブロリーの覚醒に混乱していた。そんな中、ブロリーによって助けられた耀哉達が合流した。

 

耀哉「ブロリーはまた強い姿になったみたいだね。あの速度だと無惨にもすぐに追いつくだろうね。」

 

輝利哉・くいな・かなた「「「!?」」」

 

耀哉の声に反応した三人は一斉に勢い良く振り返った。そこには耀哉と妻のあまね、そして姉のにちかとひなきがいた。その姿を確認した三人は今采配中だということを忘れて、目に涙を浮かべて駆け寄った。

 

輝利哉(父上・・幻になってでも僕達を応援しに来てくれたんだ・・!)

 

くいな(姉上・・私たちを鼓舞しに来てくれたのですね・・!)

 

かなた(母上・・嬉しい・・!亡くなってもずっと見守ってくれてる・・)

 

そしてもう一度姿を確認できた喜びで三人は思わず飛びついた。その時、既に幻だと思ってすり抜けるとわかっていた輝利哉達は、肉体があって受け止められたことに気づいた。

 

輝利哉「ち、父上!?肉体がある!!??いっ生きてるぅぅぅ!!!???」

 

くいな・かなた「「ゑゑゑゑゑゑゑゑ!!!???」」

 

輝利哉は父である耀哉からは屋敷の爆薬と共に運命を共にすると聞かされていたので、今この場に耀哉が来たことに目を見開いて驚いた。くいなとかなたに関しては危うく転倒しそうになる程の衝撃だった。

 

あまね「どうやら驚かせてしまったようね。」

 

にちか「勝手に殺さないで、私たちは生きてるわよ。」

 

ひなき「このように五体満足で傷一つついてないわよ。」

 

母親であるあまねと姉のにちかとひなきが微笑みながらしっかり生きているということを告げて輝利哉達は更に目を見開いた。

 

輝利哉「ど、どのようにして無事だったんですか・・?」

 

輝利哉が三人を代表して心底困惑したように聞いた。それには耀哉が微笑みながら答えた。

 

耀哉「うん、正直言うと手筈通りあのまま屋敷の爆薬で犠牲になるはずだったんだけどね。爆発の直前にブロリーが飛び込んできてね、緑の結界のようなものを瞬時に張って私たちを助けてくれたんだ。」

 

かなた「ブロリー様が・・!」

 

耀哉「それを見たときは私の采配が失敗してしまったと思ったよ。でもブロリーは自力で空間をこじ開けて他の上弦を次々と倒したみたいだね。彼は私たち一族の、いや、鬼殺隊にとっての希望であり、誇りでしかないよ。」

 

耀哉は感慨深そうにブロリーを称賛して感謝の思いを露にしていた。屋敷の爆発からブロリーによって助けられたことを聞かされた輝利哉達はブロリーに感謝を込めた。

 

輝利哉(ブロリーさん、私たちの家族を救ってくださってありがとうございます。貴方は私たちにとって本当の守り神です。)

 

くいな(ブロリー様、父上と母上、そして姉上を救ってくださってありがとうございました。貴方は本当に大恩人です。)

 

かなた(ブロリー様、本当にありがとうございます。本当に感謝してもしきれません。素敵です///)

 

輝利哉とくいなはブロリーに最高級の感謝の言葉を心に思っていた。かなたに関しては、幾度も産屋敷一家を救済したブロリーを思って頬を赤らめるほどだった。そんな時、耀哉が我に返す言葉を放った。

 

耀哉「輝利哉、くいな、かなた、ブロリーに感謝するのは良いけど今は無惨と決戦の最中なんだ。他にやるべきことがあると思うよ。」

 

輝利哉「!そうでした。采配しなくては!」

 

耀哉が言った言葉で輝利哉達は素早く元の位置に戻ると、采配の続きを始めた。

 

耀哉「決戦の様子はどうなってるかな?」

 

輝利哉「ブロリーさんが逃げる無惨を凄い速さで追っています!」

 

くいな「既に不死川様達を追い抜いてもうまもなく無惨に追いつこうとしています!」

 

耀哉「そう。」(無惨もあと少しの命のようだね。千年の因縁に決着をつけるときが来たようだね。感謝深さもあるけど、最後まで何が起きるかわからないからね。気を抜かずに行こう。)

 

耀哉は悲願が達成できる興奮で起きている胸の高鳴りを必死に抑えて冷静に振る舞うのだった。

―――そして輝利哉達が采配しているところの別室では、人間に戻る薬を投薬して寝ていた禰豆子が目を覚ました。彼女は父親である竈門炭十郎の幻に語られたのだ。

 

炭十郎「(禰豆子起きろ。炭治郎と彼を迎えに行くんだ。)」

 

すくっと立ち上がった禰豆子にずっとそばにいた左近次は驚きながらも声をかけた。

 

左近次「・・禰豆子?どうした?」

 

禰豆子「・・・・」バキャッ ダッ

 

そして次の瞬間、禰豆子は襖を蹴破って物凄い勢いで走り始めたのだ。戸を蹴破る音は外で見張っている天元と杏寿郎にも聞こえていた。

 

天元「!?あっ!?竈門禰豆子!どこ行ってんだ!」

 

須磨「あーっ!!大変!!戸をブチ破ってるわ!!」

 

杏寿郎「お館様!!竈門少女が飛び出しました!如何致しますか!」

 

輝利哉(何故だ?どうしたんだ?どうすればいい?わからない、まさか無惨に操られている?違うそんなはずはない。もしや薬が効いて人間に戻った?いや・・だとすれば左近次が捕らえているはず。追わなければ・・!!)「今すぐ禰豆子さんを・・!」

 

耀哉「追わなくて良いよ。」

 

輝利哉「え?」

 

耀哉「禰豆子は好きにさせなさい、大丈夫だから。そう確信しているんだ。」

 

輝利哉「ですがもし禰豆子さんが鬼に捕まるようなことがあれば取り返しがつきません!」

 

輝利哉は禰豆子が無惨に捕まって太陽を克服されるという最悪のシナリオが頭の隅にあった為に抗議するように聞き返した。くいなとかなたも賛同するように何度も頷いた。それでも耀哉は落ち着いた口調で言った。

 

耀哉「今前戦にはブロリーがいるんだ。ブロリーは禰豆子のことをよく可愛がっているし、禰豆子はブロリーに懐いている。そんな禰豆子が無惨に捕まえられるなんてどうしても思えないんだ。初めて私がブロリーと出会ったとき"禰豆子にもしものことがあればこの星を破壊し尽くす"とはっきり言われたからね。なにがなんでも禰豆子のことはブロリーが守ると思っている。」

 

耀哉はブロリーと禰豆子の関係をよく理解していて、無惨の手に禰豆子が渡ることはないと判断したのだ。ブロリーの強さを理解して信頼しているからこそできる大胆な采配なのだ。輝利哉達も父がブロリーを誰よりも信頼していることは知っていたので、それ以上追言することはなく、禰豆子が捕まらないことを祈りながら采配を続けるのだった。

―――屋敷を飛び出した禰豆子は必死で追いかけてくる左近次をぐんぐん引き離し、炭治郎やブロリーがいる商店街に向かって走っていた。

 

左近次(速すぎる!!最早儂では追いつけぬ!!)

 

禰豆子「ハァッ・・ハァッ・・」ザンッ

 

そしてなんと、すぐ目の前の断崖絶壁を飛び降りたのだ。このことに左近次は更に衝撃を受けた。

 

左近次「・・!!」(この高さを飛ぶとは・・!!人間に戻る薬が効いてないのか・・!?)

 

左近次を完全に撒いた禰豆子は森を抜けて一本道に入った。しかし、ここへきて脈が上がって走るスピードもかなり落ちていた。そして禰豆子の鬼だったときの猫のような縦長の瞳孔は元の人間の丸い瞳へと戻っていた。決戦の地、商店街に近づくにつれて禰豆子も人間に戻っていってるのだ。それと同時に、鬼舞辻無惨が竈門家を襲いにきたところから様々な人物と出会って今に至る記憶が一気に流れ込んできたのだ。それに耐えれずに禰豆子は頭を抱えて地面に蹲った。

 

禰豆子「うっ!ううっ!!ううう!」

 

禰豆子は鬼になっていた間の記憶を忘れることはなかった。様々な出会いを思い出すなか、一際強く思い出す二人の人物がいた。

 

炭治郎「(兄ちゃんが守る、何があっても。お前だけは―)」

 

ブロリー「(俺はお前達に、救われた恩を返す。―)」

 

それは実の兄である炭治郎と旅に出てすぐに出会ったブロリーの姿だった。それを思い出した禰豆子は涙を流しながら勢い良く立ち上がった。

 

禰豆子「私は、竈門禰豆子!!鬼に家族を殺された・・」

 

そして禰豆子の脳裏にはブロリーの姿が特に強く映っていた。幾度も自分達兄妹の危機、仲間の危機から救いだし、鬼を倒す度に高笑いをして、『スーパーサイヤ人3』や『スーパーサイヤ人4』等、幾つもの姿を見てきた。人間に戻った禰豆子はそんなブロリーに対して走りながらも顔を赤らめていた。

 

禰豆子「ハァッ・・ハァッ・・///」(わ、私って///鬼になってたときにブロリーさんに沢山あんなことを///はっ恥ずかしい///それでも元に戻れても、やっぱり私、ブロリーさんのことが・・す、好き///)

 

禰豆子は鬼だったときにブロリーに抱きついて甘えていたことの記憶まで思い出して顔を両手で覆って悶絶していた。しかし、それでもブロリーへの好意は失うことはなく、それを隠すかのように走るスピードを上げたのだった。

―――そして前戦では無惨がひたすら逃げ続けていた。無惨は表情には出さないものの内心では失神しそうな程震え上がって怯えていた。

 

無惨(夜明けまではまだ時間はある。だが、化け物がいるここに長居することはない。鳴女がいない今、一刻も速く奴を撒く。そしてブロリーが寿命死んだら、改めて禰豆子を見つけて喰えば良い。殺される前に速く逃げなくては・・!)

 

無惨は柱でさえも追い付けないほどのスピードで市街地を駆け抜けて行く。それを炭治郎達は歯を喰い縛って必死で追いかけて行く。

 

炭治郎(ああああ!!くそっ!どんどん遠ざかる!このまま負けるのか!?こんな負け方あんまりだ!)

 

実弥(くそがああァァ!!逃がしちまう!!黒幕を倒さなきゃなんねぇのに!!)

 

義勇(速い!鬼舞辻は生に執着している。少しでも命が危険に脅かされれば逃げることにも抵抗はないのか。)

 

小芭内(俺は何をしている?何故鬼舞辻に逃げ道を与えるような醜態を晒した。肉の盾になってでも止めるべきだった、戦いに重点を置きすぎた。)

 

無一郎(兄さんも沢山の人たちを殺しておいて自分は逃げるつもり?絶対に逃がしちゃいけないのに・・)

 

今動ける柱と炭治郎の全員が無惨に引き離されることに苛立ちを感じながら追いかけていると、炭治郎達の上空を見覚えのある影が物凄い勢いで通過していった。

 

バビュン!

 

炭治郎「・・え?今のは・・!」

 

無一郎「・・!ブロリーさん!」

 

無一郎の指摘通り、炭治郎達をあっという間に追い越して行ったのは『超フルパワーサイヤ人4・限界突破』の形態になったブロリーだった。そのまま無惨にも軽く追いつくと、無惨の前に回り込んで腹部に強烈な一撃を入れた。

 

ブロリー「ど こ へ 行 く ん だ ぁ!!??」ドッッゴォォォ!!

 

無惨「!?ぎっ・・!ぎぃゃああ"あ"あ"ぁぁぁ!!」

 

無惨は遥か後方へと飛ばされて、最初に戦っていた地点まで戻されていた。その場所でブロリーは無惨の顔面を掴むと、地面が深く抉れるほどの強い力で押し込んだ。

 

ブロリー「デャァアアッ!!!」ガシッ ドッゴォ!

 

無惨「あ"あ"あ"あ"ああぁぁ!!!」

 

そして地面から無惨を鷲掴みにして無理矢理放り投げると、地面に片手をついて無惨を蹴り上げ、顔を掴んで近くにあった壁に岩盤の如く叩きつけた。

 

無惨「ふぉぉ!?」

 

ブロリー「イェイ!」キーン ドゴォ!

 

無惨「がああぁぁっ・・!!!」

 

それは大きなクレーターが出来る程の衝撃だった。無惨の顔から手を離すと無惨は吐血して力なく地面に滑り落ちた。

 

しのぶ「うわぁ、すごい光景ですね。」(ブロリーさん///お館様や珠世さんから無惨を倒せると太鼓判を押されていましたが、まさか本当にここまで圧倒してしまうとは、素敵です///)

 

蜜璃「すごいね、私たちが手も足も出なかった無惨を相手にここまで一方的にやっちゃうなんて。」

 

ブロリーが無惨を血祭りに上げている光景は、しのぶと蜜璃が手当てを受けている位置からもしっかりと見ることができて、二人は改めてブロリーの実力に驚いていた。そして別の建物の陰からは、炭治郎に助け出されて再生が完了した珠世としっかりと手当てをしていた愈史郎がブロリーの戦いぶりを見ていた。珠世は無惨の断末魔が響き渡る度に、頬を赤らめて笑顔になっていき、"今度こそ無惨を倒せる"という期待に胸を膨らませていた。

 

珠世(無惨が苦しむ光景、なんて爽快なんでしょう。彼は、ブロリーさんは間違いなく無惨を滅ぼしてくれる。何故なら、無惨に私の体の大半を吸収させて施した薬の効果は―)

 

愈史郎(!こんなに期待の眼差しで戦況を食い入るように見る珠世様は見たことがない!このような珠世様も美しい!ブロリー、珠世様の新しい一面を見せてくれたこと、礼を言うぞ!)

 

ブロリーに散々痛め付けられた無惨は、ブロリーをギリッと睨み付けながら管をブロリーに振った。

 

ガキン

 

ブロリー「・・・・」

 

ブワッ ビキッ

 

ブロリーには当然のように効果はないが、その反動を使って無惨は距離を取った。そして左の二の腕付近からボコリと肉体が膨れ上がる。無惨は縁壱と対峙した時のように分裂して逃げようとしたのだ。しかしある程度大きくなると、突如として元に戻っていった。これには無惨も驚きと困惑を隠せていなかった。

 

無惨(!?分裂できない!!あの女狐の薬か!)

 

無惨は再びブロリーから逃げようと種を返す。しかし、そうはさせまいとブロリーが再び無惨の前に回り込んだ。

 

ブロリー「な ん な ん だ ぁ!?い ま の は ぁ!?」ドッゴォ!

 

無惨「ぐええええええっ!!!?」

 

そして無惨の顔面を掴むと地面に押し込み、無惨からは空気が漏れたような呻き声が出た。それを見ていた珠世は、口元に笑みを浮かべながら回想した。

 

珠世(薬の種類は二つです。人間返りに分裂阻害、本当ならもっと他の効果を生む薬も作るべきだったんでしょうけど、炭治郎さんやしのぶさん達を信じて逃げられないように細工してみたんですよ。何より、お前がブロリーさんを縁壱様以上に警戒していることはわかっていた。だからブロリーさんからは絶対に逃れられないまま終わりを迎えるように薬を作った。さぁ、お前の大嫌いな死がすぐ其処まで来たぞ。死の恐怖を味わいながら、ブロリーさんに八つ裂きにされなさい。フフフ・・)

 

愈史郎(黒い笑みを浮かべる珠世様もまた美しい!無惨を倒して全てを終わらせたあとに見られる顔はきっと一番美しいぞ。)

 

珠世はそれはそれは黒い笑みを浮かべて戦況を見ていた。愈史郎も決戦が終わった後の珠世の表情を非常に楽しみにしていた。―――また、しのぶと蜜璃のところには、カナヲも既に来ていた。

 

しのぶ(やはり凄いですね、ブロリーさんは///)

 

カナヲ「師範!」

 

しのぶ「!カナヲ!無事でしたか。良かったです。」

 

カナヲ「今はどんな状況でしょうか?」

 

しのぶ「ブロリーさんが鬼舞辻を徹底的に弄んでいるところです。」

 

カナヲ「・・破壊柱様はどのようにしてあのような強靭な肉体と力を手に入れたんでしょうか。正直に言って羨ましいです。」

 

しのぶ「・・それを言ったら私だって羨ましいですよ。鬼舞辻を始めとする鬼を苦戦することなく倒してしまうんですから。全ての鬼を滅ぼしたいと思っている私からすれば、彼の持つ力は羨望や嫉妬の対象になります。姉さんの仇の鬼を殺すことを第一に考えていた頃の私は本当に彼に嫉妬と憎悪を感じていました。」

 

しのぶはかつて自身の肉体に毒を溜め込んでいたことを思い出して自虐気味に語っていた。しかし、ブロリーのことを思い浮かべると自然に笑みがこぼれて顔を赤らめた。

 

しのぶ「ですが、彼は私を導いてくださいました。そのお陰で今では羨ましいとは思っても憎いとか恨めしいとかは全く思ってません。むしろブロリーさんが鬼を弄んでいる時の高笑いを聞くと安心感が生まれるんですよ。」

 

カナヲ(師範・・破壊柱様の話をするとき本当に楽しそう。破壊柱様、いいえ、ブロリー義兄さん、あの時師範を止めてくださって本当にありがとうございます!)

 

カナヲはしのぶの幸せに満ちた表情を見て、自分も幸福に満ちていた。そのことにカナヲは心の中でブロリーに感謝を込めたのだった。

―――そしてブロリーはずっと無惨を痛めつけていた。戦うにしても全く血鬼術が効かず、ブロリーによる攻撃は鬼に致命傷を与える。更に無惨よりも遥かにスピードもあるため、逃げようにもすぐに追い付かれて余計に攻撃される。そんな悪循環に陥っていた。つまり、無惨に助かる道はもう残されていないのだ。ブロリーが再び無惨の顔面を掴んで持ち上げたとき、無惨が叫んだ。

 

無惨「ぎゃっ・・!!何なんだ!!何故この私がお前にこんな目に合わせられなければならんのだ!!お前と私はなんの関係も無いだろう!!身内が鬼に殺されたわけでも何でもない!私はお前に殺される筋合いは無い!!」

 

満身創痍になった無惨は怯えながらも恨めしさを込めてブロリーを睨み付けて叫ぶ。ブロリーは『超フルパワーサイヤ人4・限界突破』の形態で無表情で聞いていた。

 

無惨「私に殺されることは天災に遭ったのと同じだ!だがお前が私を殺すことは違う!!お前はあの男を遥かに超える化け物だ!!この世ごと破壊できる程の不釣り合いな生き物だ!!お前は存在してはいけないんだ!!」

 

ブロリー「・・・・」

 

ブロリーは無惨を掴んだまま力を込めることも緩めることもなくその状態のまま直立不動だった。その言葉に反応したのは回復を終えたしのぶと珠世だった。建物の陰から飛び出してきたのだ。そして炭治郎も無惨の言い分を聞いて顔中に血管が浮かび上がっていた。

 

珠世・しのぶ「「ッ!!」」ダッ

 

蜜璃「!しのぶちゃん!」

 

炭治郎「・・お前が、それを言うのか無惨!!」

 

ブロリー「炭治郎?」

 

炭治郎「師範はこの世の物とは思えないくらいの強い力を持ってるけど、それはもう自分の意思で制御出来るんだ!周りに被害がでないように常に気を遣って鬼を倒してきたんだ!なにも知らないお前が師範の存在価値を決めつけるな!!」

 

しのぶ「炭治郎君の言うとおりですね。甚だ不愉快です!」ドスッ

 

無惨「!!」

 

ブロリー「しのぶ?」

 

しのぶ「ブロリーさんは確かに前にいた所では星ごと壊していると聞きました。ですが今はそれをしっかり反省してこの世界で人々を鬼から助けることで償っているんです。さも当然のように次から次へと人を喰い殺す鬼よりかはよっぽど素晴らしい方ですよ。私達からすれば存在してはいけないのは貴方達鬼の方ですよ。」

 

珠世「全く、前々から臆病者だとは思ってましたがまさかここまでとは。鬼の始祖も堕ちたものですね。」

 

ブロリー「珠世?」

 

珠世「ブロリーさんは貴方と違って力による支配と恐怖で縛りつけて無理矢理従えているわけではありません。周りの方達がブロリーさんを心から尊敬して慕っているんですよ。貴方は常に孤独でした。心から信用できる者など誰一人としていなかった。」

 

珠世の言葉に無惨はジロリと睨むと、馬鹿馬鹿しいといわんばかりに鼻で笑った。

 

無惨「フン、下らん。私には十二鬼月がいた。私は独りではない。十二鬼月でお前達異常者を皆殺しに出来たはずだ。なのにこの化け物のせいで全て無駄になったんだ!」

 

珠世「そのように思っている時点で、お前達鬼とブロリーさんには決定的な違いがあるんですよ。お前は十二鬼月を始めとした鬼達をただの奴隷で道具のようにしか思ってなかった。名前を口にしただけで死ぬような呪いをかけるほどですから、心から信用することなど出来なかった。ブロリーさんは悩める人を救い、鬼の脅威から心身共に助け出した。その結果、ブロリーさんは沢山の"仲間"を得ることが出来たんですよ。」

 

しのぶ「その通りですね。今のブロリーさんは私達にとってかけがえの無い大事な仲間で、私にとっては大事な殿方です。鬼舞辻には永遠に理解出来ないことでしょうね。」

 

しのぶ達の無惨への反論を聞いたらブロリーは、口元に笑みを浮かべると無惨を掴んでいる手に更に力を込めて再び壁に叩きつけた。

 

ブロリー「しのぶ、炭治郎、珠世、ありがットォォォ!!!」ドッゴォ!!

 

無惨「ぎゃあ"あ"あ"ああ!!」

 

無惨は珠世達との口論で時間を稼いだが、ブロリーの攻撃を受けた全身は回復する気配を全く見せることはなかった。つまり今の無惨は全く再生できていないのだ。そして無惨が力なく地面に倒れたのを見てブロリーは笑った。

 

ブロリー「フフフフフ!よく頑張ったがとうとう終わりの時が来たようだな!」

 

止めを指すといわんばかりのブロリーだが、珠世が不安そうにブロリーに聞いた。

 

珠世「ですがブロリーさん、どうするんですか?無惨を一番確実に倒すにはやはり日の光ですけど、まだ夜明けには六時間もありますよ?」

 

珠世はかつて縁壱によってあと一歩の所まで追い詰められた無惨が逃げ延びた所を間近でずっと見ていたことがあった。そのことに強いトラウマを感じていた為、今回も"もしかしたら失敗してしまうのではないか"と不安になっていたのだ。珠世が無惨に投じた薬も永続効果ではないのだ。時間が経つにつれて無惨も肉体で薬を分解出来るほどの耐性を持ってしまう。そして薬が分解されたら今度こそ無惨は分裂してでも逃げ出すだろう。無惨程の鬼にもなれば、六時間というのは薬を分解するには十分すぎる程の時間なのだ。そのことを珠世は懸念していたのだ。しかし、ブロリーはそんな事関係ないとばかりに自信を込めて言った。

 

ブロリー「フハハハハハ!!心配することはない!わざわざ夜明けまで待たん!」

 

しのぶ「え?それってどういうことですか?」

 

しのぶはブロリーの"夜明まで待たない"と言ったことに疑問を持った。珠世や炭治郎達も分かっておらずに頭に?を浮かべた。

 

ブロリー「見ていろ。これでくたばるがいい!デヤァッ!!」ガシッ ブオン! ドゴォ!

 

無惨「!あ"あ"ああっ!!」

 

ブロリーは無惨を乱暴に掴んで空中へと浮かせると、腹部に回し蹴りを決めて更に吹っ飛ばした。そして

 

ブロリー「破壊の呼吸、弐拾の型、ギガンティックカラミティ!!」ポウ ゴォォォ

 

無惨「!!ぎぃ"ぃ"や"あ"あ"あ"ああっっ!!!」

 

ブロリーは左手を後ろへ持っていくと、緑の気弾を無惨に押し込んだ。すると、無惨の全身と同等だった大きさの気弾が更に何十倍、何百倍もの大きさまで膨れ上がり、無惨はブロリーの技『ギガンティックカラミティ』に飲み込まれ、それごと空の彼方へと吹き飛ばされていった。

―――無惨は暗い夜の空をブロリーの技ごと上昇しながら飛んでいき、そのままオゾン層を超えて遂には宇宙空間にまで到達していた。

 

無惨(い・・息ができない・・!まさ・・かここ・・宇・・宙!?)「ぎゃ・・!?」ゴゥ!

 

無惨が息苦しさに悶えていると、無惨の全身が燃え始めて激痛を感じた。振り返ると後ろには、全てを焼き尽くす真っ赤な恒星、太陽が背後に迫っていた。ブロリーの技は太陽に向かって一直線に飛んでいたのだ。無惨は宇宙で息が出来ず、更に熱さと鬼の体質で太陽の光が弱点なこともあり、この世の物とは思えない程の苦しみを味わっていた。

 

無惨「・・ッ・・ッ」(あ"あ"あ"あ"!!熱・・い!!痛・・い!!苦じ・・い・・う"う"う"・・)

 

苦しみのあまり声を出すことすらできなくなっていた。太陽が間近に迫ってきて更に熱さと息苦しさが増していき、無惨はいよいよ己の死を悟り始めた。

 

無惨(私が・・死ぬ・・?い・・嫌・・嫌だ・・死にたく・・ない・・!死に・・たく・・な・・い・・・だが・・この・・まま・・死んだ・・ら・・楽に・・なれ・・る・・)

 

宇宙空間での苦しみは無惨に確実にトラウマを与えていた。そして遂には何よりも嫌いだった死が苦しみから逃れる唯一の方法だと思い、無惨は完全に抵抗を諦めていた。急速に意識が薄れていく中、無惨は最期に自分をこんな目に合わせたブロリーを心の中で恨んだ。

 

無惨(おの・・れ・・ブロ・・リー・・)ドッカーン!

 

無惨の肉体が太陽によって完全に焼き尽くされて灰になっていった。そして無惨を押していたブロリーの技も太陽に直撃して消えていった。こうして人間と鬼による千年に渡る戦いは幕を閉じ、鬼の始祖である鬼舞辻無惨は完全に死亡したのだった。

―――一方、ブロリー達は無惨がどうなったのかは全く理解出来ていなかった。しのぶや珠世達は無惨がブロリーによって空の彼方へと消えていった方向をずっと眺めているだけだった。

 

珠世(ブロリーさんが無惨を・・!ど、どうなったの?)

 

しのぶ(まだ夜は明けない。鬼舞辻がどうなったのかもわからない。今はブロリーさんを信じて報告を待ちましょう。)

 

炭治郎(師範、無惨は?どうなった?わからない。何が起こってもいいように構えておかないと。)

 

鬼殺隊の隊員や炭治郎、しのぶに他の柱達も緊張した面持ちで場が静まり返る。そんな中、一話の鎹烏が決戦の舞台となった市街地を飛び回りながら報告しに来た。

 

鎹烏「カァァァ!!死亡!!鬼舞辻無惨死亡!!ブロリーノ技ヲ喰ラッタ鬼舞辻無惨!!太陽二叩キツケラレテ死亡ヲ確認!!カァァァ!!」

 

それは鬼殺隊にとっては一番聞きたかった悲願であり、朗報だった。更に

 

「無惨死亡ー!!」

 

「鬼舞辻無惨ヲ撃破!!カァ!」

 

他の鎹烏達も市街地を飛び回りながら無惨を倒したという朗報を伝えた。その鎹烏達にはみんな愈史郎の目がついていた烏だった。嘘をつかないことで有名な鎹烏が何羽も同じことを言い始めた。それは信憑性を持たせることには十分であった。

 

ブロリー「フフフ!フハハハハハ!!イェイ!」

 

隊員達/隠達「「「「「「「「や、やったぁぁぁ!!」」」」」」」」

 

義勇「やったのか・・!」(錆兎、やったぞ!!)

 

無一郎「やった・・!やったんだ・・!!」

 

行冥「鬼殺隊の・・お館様の悲願をついぞ果たした・・実にめでたいことだ、南無阿弥陀仏。」

 

蜜璃「やったわ伊黒さん!無惨を倒しました!」ぴょんぴょん

 

小芭内「そうだな甘露寺、よく頑張ったな。」

 

実弥「もうあの醜い奴らを視界に入れずにすむんだなァ。鬼共はざまぁ見ろって所だなァ。」

 

義勇は亡き親友に心で全て終わったことを伝え、無一郎は無邪気に喜び、行冥は両手を合わせながら感動の涙を流していた。蜜璃は小芭内と手を取り合って跳び跳ねて喜び、小芭内も満更ではない表情をしていた。実弥は自分の刀を見つめて勝ち誇った顔をしていた。そしてブロリーに至っては、両手の拳を力強く握りしめて高笑いしていた。そこへしのぶと炭治郎が駆け寄ってくる。

 

炭治郎「師範!無惨を倒したんですね!」

 

しのぶ「ブロリーさん!全て終わったんですね。」(姉さん、鬼との戦いが終わったわよ。)

 

ブロリー「フハハハ!そうだな。流石炭治郎としのぶと誉めてやりたいところだぁ!」

 

しのぶ「誉めたいのは私の方ですよ。貴方がいなければ皆生きて勝つなんてことは出来ませんでした。全てブロリーさんのお陰です。本当にありがとうございました。」

 

ブロリー「俺からも礼が言いたい。ムシケラに言い返してくれたこと凄く嬉しかったからな。あれのお陰で俺は自信を持って殺すことが出来た。珠世にしのぶに炭治郎、礼を言う。」

 

ブロリーに感謝された炭治郎はニッコリ笑い、しのぶと珠世は顔を赤らめて照れていた。商店街はまだ夜のままだが、鬼舞辻無惨を倒す千年にも及ぶ悲願を果たした鬼殺隊は喜びと明るさに満ち溢れているのだった。




無事に無惨を血祭りにあげました。その後の物語は次回にします。そろそろこの物語の終わりも近づいて来ましたが、最後まで書こうと思います。それではまた次回。
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