伝説の超鬼殺隊員   作:ツキリョー

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第六話です。駄文ですが、最後まで読んでいただけると嬉しいです。


遂に遭遇鬼舞辻無惨!倒せ鬼の刺客!

沼の鬼を倒してから二日の時が経ち、炭治郎達は東京の浅草に到着した。炭治郎は初めてきた都会の明るさや建物の高さに困惑して脳がついていけておらずにオーバーヒートを起こしかけていた。

 

炭治郎(街はこんなに発展しているのか!!夜なのに明るい!!建物高っ!!なんだあれ!!都会って・・都会って・・眩暈がする・・)「禰豆子・・ブロリーさん・・あっちへ行きましょう。」

 

ブロリー「炭治郎大丈夫か?随分とやつれているが・・」

 

禰豆子「ムーんー♪」←ブロリーに背負われている

 

あまり明るくないところに屋台を見つけた三人は、ちょうど空腹だったこともあり、そこで夕食を取ることにしたようだ。最も、実際に食べるのは炭治郎とブロリーだけだが。禰豆子をベンチに降ろすと自身も腰かける。

 

炭治郎「山かけうどんください・・」

 

ブロリー「俺にも一つ頼む。」

 

店主「あいよ」

 

炭治郎(こんなところ初めて来た・・・・人が多すぎる。)

 

ブロリー(随分と発展している街だな。少なくとも新惑星ベジータよりも全然良い環境だ。)

 

炭治郎「・・・・!!」ダッ!!

 

炭治郎は浅草に着いてもう疲れきっており、ブロリーはかつて自分がいた星と比較していた。山かけうどんが出来上がり、いざ食べようとしたそのとき、炭治郎は同時に気配を感じた。そしてその方向に物凄い勢いで駆けていった。

 

ブロリー「炭治郎?どこへ行くんだぁ?」

 

ブロリーも炭治郎の後を追って行き、炭治郎がある人物の肩を掴む。その人物は二人、いや三人にとっての宿敵にして、鬼の祖である"鬼舞辻無惨"だった。炭治郎は鬼顔負けの形相で日輪刀を引き抜こうとする。

 

炭治郎(こいつが!!)

 

無惨「私に何か用ですか?」

 

ブロリー「炭治郎、どうしたんだぁ?」

 

そこにブロリーが少し遅れてやってくる。そして炭治郎の見たことのない表情を見たブロリーは察する。

 

ブロリー「・・お前が、鬼舞辻無惨とやらか。」

 

無惨「!!」ジリッ

 

ブロリーの姿を見た無惨は数歩後ずさりする。その額には冷や汗が浮かびあがっていた。無惨は初めてのブロリーの気配に危機感を露にして警戒する。

 

無惨(こいつ・・鬼の祖である私を何百倍も上回る強さだ・・!この男は今すぐに私の支配下においた方がいい。)

 

無惨は目にも止まらぬ早さでブロリーの体を引っ裂き、傷口から血を入れようとする・・が、しかし。

 

ヒュッ!ガキッ!ピキッ

 

無惨「!?」

 

なんとブロリーの体を傷つけるどころか無惨の爪の方が割れたのだ。ブロリー本人もなんともない顔をしているが、今の行動で攻撃されたことを理解し、無惨の頭を掴んで血祭りにあげようとする。

 

ブロリー「・・なんなんだぁ?今のはぁ?」ガシッ

 

無惨「・・!」(もうダメだぁ・・おしまいだぁ・・)

 

しかし、その行動はできなかった。なぜなら・・

 

女の子「ねぇ。お父さんに何してるの?」

 

ブロリー「ッ!」バッ

 

ブロリーの腰布を掴む一人の女の子がいた。しかもその子は、無惨を父親と呼んだのだ。それを見たブロリーは思わず無惨を掴んでいた手を離す。

 

炭治郎(こいつ・・こいつ!!こいつ!!人間のふりをして暮らしているんだ!!)ぞわぞわ

 

炭治郎は無惨が人間として暮らしていることに驚いている。ブロリーも表情には出さないが、かなり動揺していた。

 

女の人「あら、どうしたの?」

 

女の子「お母さん。」

 

炭治郎(人間だ、女の子と女の人は人間の匂いだ!知らないのか?わからないのか?こいつが鬼だって!人を喰うって!)

 

それだけではない。無惨の隣に女の人がやって来たのだ。女の子がお母さんと呼んでいることから、無惨の妻であることがわかる。

 

女の人「お知り合い?」

 

無惨「いいや、困ったことに少しも・・知らない子ですね。人違いでは、ないでしょうか。」

 

女の人「まぁそうなの?」

 

無惨は女の人の問いに答えると同時に、すぐ近くを通る別の夫の首を引っ裂き、自身の血を入れる。

 

炭治郎「!!」

 

夫「うぐっ」

 

妻「あなた、どうしました?」

 

夫「グォォォォォ!!」ガッ!!

 

妻「キャアアアアッ!!」

 

炭治郎はすぐに鬼になって飢餓状態の夫を妻から引き離すと、地面に押さえつける。

 

妻「あなた!!」

 

炭治郎「奥さん!!こちらよりも自分のことを!!傷口に布を当てて強く押えてください!!ブロリーさんお願いします!」

 

ブロリー「はい・・」

 

ブロリーは妻の前にしゃがみこみ、布を傷口に押さえる。妻はショックと怪我で気絶する。

 

炭治郎(大丈夫きっと何とかする。奥さんの傷は致命傷じゃない大丈夫だ。この人は誰も殺してない!!)

 

それを隙とみた無惨は、女の子と女の人と一緒に去ろうとする。そのとき、無惨の視界に炭治郎の耳飾りが入って目を見開く。

 

無惨「麗さん危険だ。向こうへ行こう。」

 

炭治郎「!!鬼舞辻無惨!!俺はお前を逃がさない!どこへ行こうと!」

 

無惨「!」(あの耳飾り・・)

 

炭治郎「地獄の果てまで追いかけて!必ずお前の頸に刃を振るう!!絶対お前を許さない!!」

 

炭治郎は去ろうとする鬼舞辻無惨に吠える。しかし、そこへ警官隊の集団がやってくる。

 

警官隊1「貴様ら何をしている!!」

 

警官隊2「酔っぱらいか!?離れろ!!」

 

炭治郎「だめだ!拘束具を持ってきてください!頼みます!やめてください!俺以外はこの人を押さえられない!」

 

警官隊1「あっ、なんだこいつの顔、これは・・正気を失っているのか!?少年を引き剥がせ!」

 

警官隊2「わかった!」

 

炭治郎「やめてくれ!!この人を誰も殺させたくないんだ!!邪魔をしないでくれ!お願いだから!!」

 

炭治郎を引き剥がそうとする警官隊に必死で抗議するが、警官隊は気にも止めない。万事休すかと思われたときだった。

 

?「惑血。視覚夢幻の香。」

 

炭治郎「!?」(何だこの香りは・・)

 

ブロリー「・・なんなんだぁ?」

 

「わぁぁ!何だこの紋様は!周りが見えない!」

 

一人の女の鬼が血鬼術を使ったのだ。炭治郎は新手の鬼の攻撃かと一瞬警戒したが、その警戒はすぐに解かれることになった。女の鬼、彼女の名を珠世と言う。鬼になった人を助けようとする姿勢を見て手助けしたのだ。

 

珠世「あなたは、鬼になった者にも、人という言葉を使ってくださるのですね。そして助けようとしている。ならば私もあなたを手助けしましょう。」

 

炭治郎「・・何故ですか?あなたは・・あなたの匂いは・・」

 

ブロリー「・・鬼かぁ?」

 

珠世「はい。鬼ですが医者でもあり、あの男、鬼舞辻を抹殺したいと思っている。」

 

炭治郎とブロリーが珠世の協力を得て、鬼化した夫と怪我を負った妻を運んでいった。

―――一方の鬼舞辻無惨は女の人と女の子と別れて人気のない路地裏に来ていた。

 

無惨(あの男は私をずっと上回る強さを持っている。私の血を入れて支配することは不可能のようだ。それにあの耳飾りを着けた鬼狩りの隣にいた。・・もしもあの男が鬼狩りだとしたら・・私の日を克服する目的は何もかもおしまいだ。特にあの男は早急に対処しなければならない。)パチン

 

無惨が指をならすと着物を来た男女の鬼が現れる。二人を殺すように命令した。

 

「「何なりとお申し付けを。」」

 

無惨「耳に花札のような飾りをつけた鬼狩りの頸と、そいつと共に行動している男の頸を持って来い。いいな?」

 

無惨は人間の女性と娘に接していた謙遜的な態度とはうって変わって高圧的に二人の鬼に告げたのだった。

―――その頃屋台では、禰豆子が店主に絡まれていた。

 

店主「俺が言いたいのはな!!金じゃねぇんだ!お前が俺のうどんを食わねって心づもりなのが許せねぇのさ!!まずその竹を外せ!!何だその竹!箸を持て箸を!!」

 

禰豆子「んー・・」

 

禰豆子が困っていると、炭治郎とブロリーが戻ってきた。炭治郎は店主の持っている箸を掴むと、うどんを平らげる。ブロリーもうどんを食べた。

 

炭治郎「ごちそうさまでした!!おいしかったです!!」

 

ブロリー「うまかったYO。」

 

店主「わかればいいんだよわかれば!!」

 

屋台を後にすると禰豆子がブロリーに両手を伸ばす。抱っこを求めているのだ。それを理解したブロリーはしゃがみこんで禰豆子と視線を合わせる。

 

禰豆子「ムー。」

 

ブロリー「またですかぁ?」

 

ブロリーは禰豆子を背負ってあげ、禰豆子はとても嬉しそうな表情をした。炭治郎は禰豆子に謝る。

 

炭治郎「ごめんな禰豆子。置き去りにして・・」

 

そのとき、禰豆子は何かに気づき、前を睨む。そこにいたのは珠世と一緒にいた男の鬼、"愈史郎"と言う者が待っていた。

 

炭治郎「待っててくれたんですか?俺は匂いで辿れるのに・・」

 

愈史郎「目眩ましの術をかけている場所にいるんだ、たどれるものか。それより、鬼じゃないかその男と女は。しかも醜女だ。」

 

炭治郎(しこめ・・しこめ?誰が?禰豆子のことかぁぁ!)「醜女のはずないだろう!!よく見てみろこの顔立ちを!町でも評判の美人だったんだぞ禰豆子は!」

 

ブロリー「炭治郎、醜女って何だ?」

 

炭治郎「醜い女って意味ですよ!禰豆子が醜女のはずがない!」

 

ブロリー「禰豆子はカワイイですYO。」

 

禰豆子「!?///んー♪」

 

炭治郎「ブロリーさん、わかってますね。」

 

愈史郎「行くぞ。」

 

炭治郎「いや、行くけれども醜女は違うだろ絶対!!もう少し明るい所で見てくれ!ちょっとあっちの方で!」

 

炭治郎はずっと抗議をしながら歩きブロリーも禰豆子を背負ったままで、四人は豪華な一軒家に到着した。中には椅子に座っている珠世と、気絶した妻がベッドに横になっている。

 

愈史郎「戻りました。」

 

炭治郎「この口枷のせいかもしれない!これ外した禰豆子を一度見てもらいたい!!」

 

珠世「お帰りなさい。」

 

炭治郎「あっ大丈夫でしたか?お任せしてしまいすみません。」

 

珠世「この方は大丈夫ですよ。ご主人は、気の毒ですが拘束して地下牢に。」

 

炭治郎「・・人の怪我の手当てをして辛くないですか?」

 

そう聞いた瞬間に愈史郎が炭治郎の胸元を殴り、炭治郎は咳き込む。

 

愈史郎「鬼の俺たちが血肉の匂いに涎を垂らして耐えながら、人間の治療をしているとでも?」ドゴォ!

 

炭治郎「うっ!?」ゲホゲホ

 

珠世「よしなさい。なぜ暴力を振るうの。」

 

珠世が制止させる。そして少し間ができたときにブロリーが珠世に向かって問う。

 

ブロリー「・・誰だ?お前は?」

 

愈史郎「珠世様に向かってお前って言うな!!」ドゴォ!

 

愈史郎は今度はブロリーを殴るが、

 

ブロリー「なんなんだぁ?今のはぁ?」

 

愈史郎「!?」

 

ブロリーはびくともしなかった。それどころかなんともない顔をしている。

 

珠世「愈史郎!次にその子達を殴ったら許しませんよ!」

 

愈史郎「はい!」(怒った顔も美しい・・)キュン

 

珠世「そういえば名乗っていませんでしたね。私は珠世と申します。その子は愈史郎、仲良くしてやってくださいね。」

 

炭治郎(難しいな・・無理だなこれは・・)

 

珠世「辛くはないですよ。普通の鬼よりかなり楽かと思います。私は、私の身体を随分弄っていますから、鬼舞辻の呪いも外しています。」

 

炭治郎「かっ身体を弄った?」(呪い?)

 

珠世「人を喰らうことなく暮らしていけるようにしました。人の血を飲むだけで事足りる。」

 

禰豆子「ムー。」パタパタ

 

家の中に案内され、珠世と愈史郎に向かい合う形で炭治郎とブロリーは座り、禰豆子は寝転がって足をバタつかせていた。

 

炭治郎「血を?それは・・」

 

珠世「不快に思われるかもしれませんが、金銭に余裕のない方から輸血と称して血を買っています。勿論、彼らの体に支障が出ない量です。」

 

炭治郎(そうか・・この人たちから鬼特有の異臭がしない理由はそれなんだ。でもやっぱり人の血は必要・・血だけなら禰豆子も・・)

 

ブロリー(なるほどな・・道理でこいつらからはムシケラの気を感じない訳だ。そうなると今の禰豆子も血が必要ってことか?)

 

珠世「愈史郎はもっと少量の血で足ります。この子は私が鬼にしました。」

 

炭治郎「えっ!あなたがですか!?でも・・えっ?」

 

珠世「そうですね。鬼舞辻以外は鬼を増やすことができないとされている。それはおおむね正しいです。二百年以上かかって、鬼にできたのは愈史郎ただ一人ですから。」

 

炭治郎「二百年以上かかって鬼にできたのは愈史郎ただ一人ですから!?珠世さんは何歳ですか!?」

 

愈史郎「女性に歳を聞くな無礼者!!」ゴン!!

 

珠世「・・愈史郎」ゴゴゴ

 

愈史郎「投げたのです珠世様。殴ってません。」

 

珠世「どちらも駄目です。一つ・・誤解しないでほしいのですが、私は鬼を増やそうとはしていません。不治の病や怪我などを負って余命幾許もない。そんな人にしかその処置はしません。」

 

ブロリー「・・それは本当か?」

 

珠世「本当です。信じていただけますか?」

 

炭治郎(嘘偽りのない清らかな匂いがする・・この人は信用できる。)「ブロリーさん。珠世さんは信用できます。」

 

ブロリー「そうか。」

 

炭治郎「珠世さん。鬼になってしまった人を、人に戻す方法はありますか?」

 

―――その頃、静まった街の中を歩く男と女の鬼がいた。二人は鬼舞辻無惨の命により、炭治郎達を殺そうとしている鬼である。女の鬼である朱紗丸は毬をてんてんとドリブルさせており、男の鬼である矢琶羽は手についた目で炭治郎達の足跡を探し当てた。

 

朱沙丸「見えるかえ?」てんてんてん

 

矢琶羽「見える見えるぞ、足跡が。これじゃこれじゃ。あちらこちらをぐるりと大回りして、三人になっておる。一人は女を背負って、もう一人は何か大きな箱を持っておる。」

 

朱沙丸「どうやって殺そうかのう。うふふふ、力が漲る。今しがたあの御方に血を分けていただいたからじゃ。」

 

矢琶羽「それはもう残酷に殺してやろうぞ。」

 

二人は炭治郎達を殺すことをすごく楽しみにしていた。もはや自分達の殺戮のシナリオしか考えていなかったのだ。

―――一方の珠世達の家では。

 

珠世「鬼を人に戻す方法は、あります。」

 

ブロリー「どうやったら戻るんだぁ?」

 

愈史郎「寄ろうとするな珠世様に!!」

 

ブロリー「でぇや!」ドカッ!

 

愈史郎「ぐはっ!?」

 

なんと再び殴ろうとした愈史郎を、逆にブロリーが殴り飛ばしたのだ。愈史郎は屋敷の壁まで吹き飛ばされて勢い良く叩きつけられ、蹲った。

 

炭治郎「ブッブロリーさん!すみません珠世さん!ブロリーさんが・・」

 

珠世「いいえ。またも殴ろうとした愈史郎が悪いのです。炭治郎さんもブロリーさんも気にとめないでください。」

 

炭治郎「・・そう言っていただけると幸いです。ブロリーさんももう駄目ですよ?」

 

ブロリー「正当防衛ですYO。」

 

珠世「話を戻します。どんな傷にも病にも、必ず薬や治療法があるのです。ただ、今の時点では鬼を人に戻すことはできない。」

 

炭治郎「・・・・」

 

珠世「ですが私たちは必ず、その治療法を確立させたいと思っています。治療薬を作るためには、たくさんの鬼の血を調べる必要がある。あなたにお願いしたいことは三つ。一つ、妹さんの血を調べさせてほしい。二つ、できる限り鬼舞辻の血が濃い鬼からも血液を採取してきてほしい。三つ、ブロリーさんの血を調べさせてほしい。「待て」どうしました?ブロリーさん。」

 

ブロリー「鬼舞辻とやらに近いムシケラ共の血を取ることには納得した。禰豆子も鬼になっている今、血を調べることにも申し分はない。だが何故俺の血を採る必要がある?」

 

珠世「?ブロリーさんは鬼ではないのですか?」

 

ブロリー「俺は鬼じゃないぞ。」

 

珠世「!?じゃあ、貴方は・・」

 

炭治郎「ブロリーさんはサイヤ人っていう戦闘民族らしいです。それにブロリーさんは昼夜問わずに外を歩くことができます。後人を喰ったことは一度もないです。なので鬼ではありません。それと何故禰豆子の血を?」

 

珠世「・・戦闘民族・・なるほど、だから鬼と似たような気配をしているのですね。そして禰豆子さんの件ですが、そうですね。禰豆子さんは今、極めて稀で特殊な状態です。二年間眠り続けたとのお話でしたが恐らくはその際体が変化している。通常それほど長い間人の血肉や獣の肉を口にできなければ、まず間違いなく凶暴化します。しかし、驚くべきことに禰豆子さんにはその症状がない。この奇跡は今後の鍵となるでしょう。」

 

愈史郎(珠世様は今日も美しい・・きっと明日はもっと美しいぞ・・)

 

炭治郎(・・・・禰豆子・・)

 

珠世「もう一つの願いは過酷なものになる・・鬼舞辻の血が濃い鬼とは即ち、鬼舞辻に・・より近い強さを持つ鬼ということです。そのような鬼から血を奪るのは容易ではありません。それでも貴方はこの願いを聞いてくださいますか?」

 

炭治郎「・・それ以外に道がなければ俺はやります。珠世さんがたくさんの鬼の血を調べて薬を作ってくれるなら、禰豆子だけじゃなく、もっとたくさんの人が助けられますよね?」

 

珠世「!・・・・そうね。」

 

炭治郎の無意識に言った言葉はとても温かく、誰でも笑顔になれるような優しいものだった。珠世も笑顔になる。そのとき、ブロリーが何かに気づき、その方向を見る。

 

ブロリー「!!」

 

炭治郎「ブロリーさん?どうしました?」

 

ブロリー「向こうからクズの気を感じる・・どこのどいつだ?」

 

ブロリーが眼光を鋭くして壁を睨む。そして愈史郎も気づき、声を荒げる。

 

愈史郎「!?まずい!ふせろ!!」

 

ガガガガガガ

 

叫んだ瞬間毬が部屋を縦横無尽に飛び、壁や床を破壊した。毬が戻っていく方向には、楽しそうに顔を歪ませている女の鬼と、本来の場所にある目は瞑っていて変わりに掌に眼球がついている男の鬼がいた。

 

朱沙丸「キャハハッ矢琶羽の言う通りじゃ。何も無かった場所に建物が現れたぞ。」

 

矢琶羽「巧妙に物を隠す血鬼術が使われていたようだな。そして鬼狩りは鬼と一緒にいるのか?どういうことじゃ?それにしても朱嗟丸。お前はやることが幼いというか・・短絡と言うか・・汚れたぞ。儂の着物が塵で汚れた。」

 

朱沙丸「うるさいのう、私の毬のお陰ですぐ見つかったのだからよいだろう。たくさん遊べるしのう。それに着物は汚れてなどおらぬ、神経質めが。」

 

炭治郎(毬・・!毬を投げて家をこれだけ破壊したのか・・!!)

 

ブロリー「誰だお前達は?死にたいのか?」

 

朱沙丸「キャハハ見つけた見つけた。」てんてん

 

愈史郎(あの女、鬼舞辻の手下か!?)

 

朱沙丸が持っている毬を再び投げる。すると、愈史郎の顔に当たり頸が飛んでしまう。そして愈史郎を身体を珠世はあわてて抱き抱える。

 

炭治郎「愈史郎さん!!・・禰豆子!!奥で眠っている女の人を外の安全な場所へ運んでくれ!!」

 

炭治郎の指示で禰豆子は妻を抱えると、ものすごい勢いで外に飛び出して行った。

 

朱沙丸「キャハハッ一人殺した。ん?」

 

炭治郎は刀を構え、ブロリーは握り拳を作り二人は並ぶ。

 

炭治郎(今までの鬼と明らかに匂いが違う・・!!強いのか・・?濃い匂いだ。肺の中に入ってくると重い!!)

 

朱沙丸「耳に飾りの鬼狩りは、お前じゃのう。そして、それと共に行動している金の首飾りの男はお前かえ?」てんてん

 

炭治郎(!!俺とブロリーさんを狙っているのか!?)「珠世さん!身を隠せる場所まで下がってください!」

 

珠世「炭治郎さん。私たちのことは気にせず戦ってください。守っていただかなくて大丈夫です。鬼ですから。」

 

珠世はどこか悲しそうな顔でそう言った。

 

ブロリー「炭治郎、ムシケラは二体いる!もう一体は外の木の上だ!」

 

炭治郎「!!わかりました!ブロリーさん!」

 

朱沙丸は再び毬を投げて来る。炭治郎はそれを刺して威力を和らげようとする。

 

炭治郎(よけてもあの毬は曲がる!!)「全集中・水の呼吸!漆ノ型!雫波紋突き・曲!!」グサッ!

 

朱沙丸(斜めから曲線で突いて毬の威力を和らげたな、ふん!)

 

炭治郎「!?」ぶるぶる

 

なんと毬を刺しても毬は動くのだ。炭治郎はその事に動揺する。一方珠世に抱えられてる愈史郎がもう頸を修復する。

 

愈史郎「珠世様!!俺は言いましたよね?鬼狩りに関わるのはやめましょうと最初から!俺の目隠しの術も完璧ではないんだ!貴女もそれはわかっていますよね!人数が増えるほど痕跡が残り、鬼舞辻に見つかる確率も上がる!」

 

珠世「・・・・・・」

 

愈史郎に声をあげられた珠世はしょんぼりとして、黙り混んでしまう。

 

愈史郎「貴女と二人で過ごす時を邪魔する奴が俺は嫌いだ!大嫌いだ!!許せない!!」

 

朱沙丸「キャハハッ何か言うておる。面白いのう、楽しいのう。十二鬼月である私に殺されることを光栄に思うがいい。」

 

炭治郎・ブロリー「「十二鬼月?」」

 

珠世「鬼舞辻直属の配下です。」

 

朱沙丸「遊び続けよう!朝になるまで、命つきるまで!」バッ!

 

炭治郎は迫ってくる毬を次々と斬るが、それでも炭治郎にぶつかってくる。軌道がいきなり変わることにも対策を出せないでいた。そのとき、家を破壊できるほどの威力の毬が珠世と愈史郎に襲いかかる。

 

ゴーー!

シュタッ

 

ブロリー「はぁっ!」ゴォッ!

珠世・愈史郎「!?」

 

毬は珠世と愈史郎に当たるかと思われたが、ブロリーが二人の前に立ち、バリアを張ることで防いで助けたのだ。珠世はそれに驚き、そして声をかける。

 

珠世「ブロリーさん・・どうして・・私達は負傷してもすぐに再生する鬼なのに・・」

 

ブロリー「?ムシケラだろうが人間だろうが、危険な目にあってる奴を助けるのに理由なんているか?」

 

珠世「!・・ブロリーさん・・」

 

それだけ言うとブロリーは朱沙丸の気を引き付けるために外に飛び出す。愈史郎は炭治郎に叫ぶ。

 

愈史郎「おい!間抜けの鬼狩り!!矢印を見れば方向がわかるんだよ!矢印をよけろ!!そうしたら毬女の頸くらい斬れるだろう!俺の視覚を貸してやる!!」ビッ

 

愈史郎が札を投げ、炭治郎の額に当たる。すると矢印が見えて毬の軌道がわかるようになった。

 

炭治郎「愈史郎さんありがとう!俺にも矢印見えました!珠世さん!この二人の鬼は鬼舞辻に近いですか!?」

 

珠世「恐らく。」

 

炭治郎「では必ず!二人から血をとってみせます!!」

 

ブロリーが外に出たとき、矢琶羽に飛ばされた禰豆子が飛ばされてきた。それに気がついたブロリーは難なく禰豆子を受け止めた。

 

ブロリー「禰豆子!大丈夫か?」ガシッ

 

禰豆子「ムー・・」

 

ブロリーはゆっくりと禰豆子を降ろす。

 

ブロリー「禰豆子。炭治郎と一緒にもう一人の鬼の相手を頼むYO。」

 

禰豆子「んー。」コクン

 

禰豆子はうなずくと炭治郎達の援護に向かった。そして残ったブロリーは矢琶羽に指を差す。

 

ブロリー「まずお前から血祭りにあげてやる!」

 

矢琶羽「なんて穢らわしい奴なんじゃ。儂に汚ない指を向けるな!」バチン

 

ブロリーには愈史郎の札は貼られてないため、矢印などわかるはずもない。当然ブロリーの身体には矢印は刺さるが。

 

ブロリー「フハハハハハ!デヤァッ!!」バコッ!

 

矢琶羽「グッ!?」(何故だ!何故こやつには儂の血鬼術が効かない!)

 

ブロリーに小細工は一切通用しない。そしてそのまま殴り飛ばされる。

 

ブロリー「今殺してやる!全集中・破壊の呼吸!陸の型!ギガンティックバスター!」ドカッ!バキッ!

 

矢琶羽を上空へと投げ飛ばすと、落ちてくるタイミングを見極めて回し蹴りを入れる。

 

矢琶羽「グハァ!?」

 

ギュピギュピギュピギュピギュピ!!!ドカッ!ポウッドッカーン!

 

矢琶羽「クソマァ!!」デデーン☆

 

そのまま走って矢琶羽を蹴りあげ、最後に気弾を喰らわした。矢琶羽の身体はバラバラになり、灰になっていく。

 

ブロリー「あとは血を採るだけだぁ!」

 

ブロリーが珠世からもらった針で残った身体を刺すと、容器に血が貯まる。

 

ブロリー「炭治郎、禰豆子。俺もそっちに行くYO。」

 

ブロリーは急いで炭治郎達の元に向かった。ちょうどそのとき、禰豆子が朱沙丸の投げてきた毬を蹴り返そうとしていた。

 

珠世「蹴っては駄目よ!!」

 

珠世の制止も虚しく禰豆子は蹴ってしまった。足がちぎれ、目の前にいた朱沙丸に蹴り飛ばされる。

 

炭治郎「禰豆子!」

 

朱嗟丸「楽しいのう楽しいのう。蹴毬も良い。」

 

珠世「禰豆子さん。」ダッ

 

珠世は急いで禰豆子に駆け寄り、注射器に入った薬で脚を回復させる。そして再び戦えるようになった禰豆子は投げてきた毬を蹴り返す。

 

朱沙丸「!?」(このガキ!!蹴り返すようになってきた!!蹴毬はもうやめじゃ!!)

 

朱沙丸は澤見の力を込めて毬を投げつける。しかし、禰豆子は更に凄い威力で蹴り返し、朱嗟丸の後ろにある壁に穴をあける。

 

朱沙丸「・・・・」

 

愈史郎「珠世様、これは・・」

 

珠世「私が使ったのはただの回復薬です。鬼専用の・・体を強化する作用はない。禰豆子さんの力です。人の血肉も喰らわずに、彼女が自分の力で急速に強くなっている。」(しかし、相手も強者、全力で潰しにこられたらひとたまりもない。私がなんとかしなければ。)

 

朱沙丸「面白い娘じゃ!今度はこちらも全力で毬を投げてくれそうぞ!」

 

珠世「十二鬼月のお嬢さん。貴女は鬼舞辻の正体をご存知ですか?」

 

朱沙丸 ビクッ「何を言う貴様!!逃れ者めが!」

 

珠世「あの男はただの臆病者です。いつも何かに怯えている。」

 

朱沙丸「やめろ!!貴様やめろ!!」

 

珠世「鬼が群がることができない理由を知っていますか?鬼が共喰いする理由。鬼達が束になって自分を襲ってくるのを防ぐためです。そのように操作されてるのです貴女方は。」

 

朱沙丸「黙れ黙れ!!あの方はそんな小物ではない!!あのお方の能力は凄まじいのじゃ!誰よりも強い!」

 

愈史郎(!珠世様が能力を使っている。)

 

朱沙丸「鬼舞辻様は!・・!!」ハッ

 

鬼舞辻と言った瞬間にハッとなり朱沙丸の顔がみるみると青ざめてゆく。まるで何かに怯えているように。

 

珠世「白日の魔香です。その名を口にしましたね。呪いが発動する・・可哀想ですが・・さようなら。」

 

朱沙丸は絶叫しながらこの場にはいない鬼舞辻無惨に許しをこう。

 

朱沙丸「ギャアアアア!!お許しください!お許しください!!どうかどうか許して!ギャアアッぐぅううっ・・・・」

 

炭治郎「・・・・!!」

 

バキッ!!ぐちゃぐちゃ・・

 

なんと朱嗟丸の口と腹を太い腕が突き破り、そのまま身体全体をぐちゃぐちゃに潰したのだ。

 

炭治郎「・・死んでしまったんですか?」

 

珠世「間もなく死にます。これが呪いです。体内に残留する鬼舞辻の細胞に肉体を破壊されること。基本的に・・鬼同士の戦いは不毛です。意味がない。致命傷を与えることができませんから、陽光と鬼殺の刀、そしてブロリーさんの気弾以外は。ただ、鬼舞辻は鬼の細胞の破壊ができるようです。」

 

愈史郎がいきなり炭治郎の口を布で押さえる。

 

愈史郎「珠世様の術を吸い込むなよ、人体には害が出る。」

 

そこへちょうどブロリーが戻ってくる。ブロリーは辺りを見回すと珠世に問いかける。

 

ブロリー「何があったんだ?」

 

珠世「ブロリーさん。鬼舞辻は味方である鬼にも名を口にしただけで殺されるようです。それと炭治郎さんにブロリーさん。この方は十二鬼月ではありません。」

 

炭治郎「・・・・!?」

 

ブロリー「なにぃ!?」

 

珠世「十二鬼月は眼球に数字が刻まれています。この方はない・・もう一方も恐らく十二鬼月ではないでしょう。弱すぎる。」

 

炭治郎(弱すぎる・・!?あれで!?)

 

ブロリー(やっぱリーです。手に目があるキモいムシケラがあれだけでもう死んだ。あれでは弱すぎる。)

 

炭治郎は弱すぎることに驚きを隠せないが、ブロリーはなんとなく察してたようだ。

 

珠世「血は採りました。私は禰豆子さんを診ます。薬を使ったうえに術も吸わせてしまったので、ごめんなさいね。」

 

愈史郎「頭の悪い鬼もいたものだな。珠世様の御体を傷つけたんだ当然の報いだが。もう後は知らんぞ、布は自分で持て!!俺は珠世様から離れたくない少しも!!」

 

炭治郎「・・・・・・」

 

炭治郎は身体をなんとか動かし、虫の息である朱沙丸に毬を持っていってあげた。

 

朱沙丸「ま・・り、ま・・り・・」

 

炭治郎「・・・・毬だよ。」チリン

 

朱沙丸「遊・・ぼ・・あそ・・」

 

炭治郎(小さな子供みたいだ。十二鬼月だとおだてられ騙され戦わされ、鬼舞辻の呪いで殺された。救いがない・・死んだあとは骨すら残らず消える・・人の命を奪った報いなのか・・鬼舞辻、あの男は自分を慕う者にすらこの仕打ち!本物の鬼だ。)

 

そんな鬼にも同情することができる炭治郎の姿をずっと見てきたブロリーは、毬を持っていってあげる炭治郎を見て思った。

 

ブロリー(炭治郎。お前は優しすぎる。人を殺してきた奴らをも同情の目で見ることができるとはな。それは禰豆子も同じだ、だからこそ俺はお前達に心を開くことができた。俺も他の星を破壊してばっかりいたからな。そんな俺をそばにいさせてくれる二人には感謝せねばな。俺は必ずこの恩を返す。)

 

ブロリーは炭治郎達に恩返しをすると心に決めたのだ。そして二人はボロボロになった家に入った。

 

炭治郎「・・珠世さん」

 

珠世「こちらです。地下へ。」

 

二人が地下へいくと禰豆子が走ってきて炭治郎に抱きついた。そしてすぐさま禰豆子は振り返り、珠世も抱き締める。そして愈史郎には頭を撫でている。・・本人は嫌がっているが。

 

珠世「先程から禰豆子さんがこのような状態なのですが・・大丈夫でしょうか?」

 

炭治郎「大丈夫です。多分二人の事を家族の誰かだと思っているんです。」

 

珠世「?しかし、禰豆子さんのかかっている暗示は、人間が家族に見えるものでは?私達は鬼ですが。」

 

炭治郎「でも禰豆子は人間だと判断してます。だから守ろうとした。」

 

それを聞いた珠世は禰豆子を抱き締め返し、泣いた。悲しみではなく、嬉しいときに流す涙だった。

 

珠世「ありがとう禰豆子さん。ありがとう・・」

 

少しして禰豆子は離れて会話できる状態になる。

 

珠世「私達はこの土地を去ります。鬼舞辻に近づきすぎました。はやく身を隠さなければ危険な状況です。それに、うまく隠しても医者として人と関わりを持てば、鬼と気づかれる時がある。炭治郎さん。」

 

炭治郎「はい。」

 

珠世「禰豆子さんは私たちがお預かりしましょうか?」

 

炭治郎「え?」

 

珠世「絶対に安全とは言いきれませんが、戦いの場に連れていくよりは危険が少ないかと。」

 

炭治郎「・・・・」(そうなのかもしれない・・たしかに、預けた方が禰豆子のためにも・・)

 

ぎゅっ

 

炭治郎・ブロリー「!!」

 

炭治郎が悩んでいると、禰豆子が炭治郎とブロリーの手を握ってきたのだ。それは禰豆子の炭治郎達と行くと言う意思の表れだった。それを見て決めた。

 

炭治郎「・・ありがとうございます。でも、俺たちは一緒に行きます。離れ離れにはなりません。もう二度と。」

 

珠世「・・わかりました。では武運長久を祈ります。」

 

愈史郎「じゃあな。俺たちは痕跡を消してから行く。お前らも早くいけ。」プイ

 

炭治郎「あっはい。じゃあ・・日が差してるし、箱を。」

 

愈史郎「炭治郎。お前の妹は美人だよ。」

 

ブロリー(わかったようでよかったYO。)

 

愈史郎は振り返らずにそう言った。炭治郎はそれを聞くと微笑んだ。そして珠世達と別れた三人は次の鬼を狩るために歩みを進めるのだった。




少しブロリーの出番が少なめになってしまいました。ブロリーを積極的に出したいです。こんな小説ですが今後もよろしくお願いいたします。
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