ふおお!?ガシッヒューン!!ドゴォ!!←岩盤の音
ブロリー「主・・何で投稿遅れたんだぁ?」
主「おおお前を活躍させるために・・ネタの準備だぁ!」
ブロリー「携帯でゲームをやりながらかぁ?」ガシッ
主「!!」
ブロリー「主!遺言はあるか?」
主「お助けください!!」
ブロリー「断る。うおおおお!!」ボコボコメキメキ←主の入ったポッドを潰す音
ブロリー「うおおおおらああああ!!」ビシュ!ヒューン!
主「」
ブロリー「皆さん、待たせてしまってすみません。では本編どうぞ。」
那田蜘蛛山の麓。ここには鎹鴉により緊急指令が伝えられた炭治郎、善逸、伊之助、ブロリーの四人が来ていた。そして中に入ろうとしたときに善逸が三人に声をかける。
善逸「待ってくれ!!ちょっと待ってくれないか!怖いんだ!!目的地が近づいてきてとても怖い!!」バーン
善逸の怖がりが発動してしまい、地面に座り込んでいるのだ。それを見た伊之助にドン引きされた。
伊之助「なに座ってんだこいつ、気持ち悪い奴だな・・」
善逸「お前に言われたくねーよ猪頭!!」
炭治郎(!恐怖の匂い!)
ブロリー「炭治郎、前になにかいるぞ。」
炭治郎「えっ?」
ブロリーに言われた方を向くと、そこにはひとりの鬼殺隊員が地面に寝そべっていた。炭治郎が理由を聞こうと駆け出して伊之助とブロリーがあとを追う。
「たす・・助けて・・」
炭治郎「隊服を着てる!!鬼殺隊員だ何かあったんだ!大丈夫か!どうした!!」
そのとき何かに引っ張られるように宙を舞い、山の中腹へと引きずり込まれていった。
「アアアア!繋がっていた・・俺にも!!たすけてくれぇ!!」
炭治郎「・・・・!!」
伊之助「!?」
ブロリー「へぁっ!?」
鬼殺隊員が引きずり込まれていき、ヤバい雰囲気を感じた炭治郎と善逸と伊之助、重い空気を絶ちきったのは炭治郎だった。
炭治郎「・・・・俺は行く。」
伊之助「俺が先に行く!!お前はガクガク震えながら後ろをついてきな!!腹が減るぜ!!」
炭治郎「伊之助・・」
善逸「腕が鳴るだろ・・」プルプル
善逸は震えながらも的確に突っ込みを入れたのだが、ブロリーが善逸の前に現れる。
ガシッ!
善逸「!!」
ブロリー「善逸も俺たちと一緒に行きますYO。さぁ来い!!」
善逸「イヤアアア!!怖い!!怖い!!行きたくない!!離してください!!お助けください!!」
ブロリー「出来ぬぅ!!」
ブロリーが善逸の腕を掴み強制的に連行させたのだ。四人は山の中に入ったものの、至るところに蜘蛛の巣があり、先頭を行く伊之助は悉く引っ掛かり苛立っていた。
伊之助「チッ蜘蛛の巣だらけじゃねーか!邪魔くせぇ!!」
炭治郎「そうだな・・伊之助、善逸、ブロリーさん。」
伊之助「何の用だ!!」ババッ
善逸「たっ炭治郎・・なんだ?」ガタガタ
ブロリー「んん?」
炭治郎「ありがとう。全員来てくれてとても心強いよ。山の中からきた捩れたような・・禍々しい匂いに俺は少し体がすくんだんだ。ありがとう。」
伊之助「・・・・」ほわほわ
善逸「俺は・・ブロリーさんに・・無理矢理・・連れてこられただけ・・だけどな・・」ガタガタ
ブロリー「フハハハハハハハ!!俺はいつでも炭治郎のそばでムシケラどもを破壊し尽くすだけだぁ!!」
炭治郎のお礼にそれぞれ反応を示した矢先、炭治郎が尻餅を着いている隊員を見つけた。村田という名前の剣士である。近寄り、状況を聞こうとする。しかし相当怯えているのか、炭治郎達の気配を感じるとすぐさま振り返り、刀に手をやった。炭治郎は安心させるために、自分の名前と階級を告げた。ブロリーもそれに便乗する。
炭治郎「応援に来ました。階級・癸、竈門炭治郎です。」
ブロリー「炭治郎と同じ階級のブロリーです。」
村田「癸・・癸・・!?なんで柱じゃないんだ・・!!癸なんて何人来ても同じだ!意味がない!!」
しかし、四人の階級が癸であるとわかった瞬間、炭治郎達の応援を無意味だと言った。それを聞いた伊之助は村田の顔を殴った。
炭治郎「伊之助!!」
伊之助「うるせぇ!意味のあるなしで言ったらお前の存在自体意味がねぇんだよ!さっさと状況を説明しやがれ弱味噌が!!」
村田「俺の方が先輩なのに!」
村田の方が先輩であるはずなのに髪を掴んでずけずけとものを言うのは、流石伊之助と言ったところだろうか。そして伊之助に催促された村田は説明した。
村田「かっ鴉から・・!!指令が入って十人の隊員がここに来た!山に入ってしばらくしたら、隊員が・・隊員同士で・・斬り合いになって・・!!」
説明してる村田と炭治郎達の視線の先には口から血を流しながらゆらりと立ち上がる別の隊員の姿があった。
―――その頃鬼殺隊の本部の屋敷では、縁側に座る一人の男性の膝に息を切らした鴉が状況を報告していた。
「よく頑張って戻ってきたね。私の剣士たちは殆どやられてしまったのか。そこには十二鬼月がいるかもしれない。柱を行かせなくてはならないようだ。義勇、しのぶ。」
義勇・しのぶ「御意。」
返事をしたのは、かつてブロリーが炭治郎と禰豆子と遭遇する前に、禰豆子を人を襲わない鬼と判断した男性、冨岡義勇と蝶の羽の模様を模した羽織と髪飾りを着けた女性、胡蝶しのぶである。
しのぶ「人も鬼もみんな仲良くすればいいのに。冨岡さんもそう思いません?」
義勇「無理な話だ。鬼が人を喰らう限りは。」
「あっそうそう。今の那田蜘蛛山には、鬼の気配がするサイヤ人の私の剣士がいるから、その人は攻撃しないようにね。」
不意に男性が縁側に座りながら追加の指示を出した。義勇としのぶは頭にクエスチョンマーク『?』を浮かべながら首を傾げ、那田蜘蛛山へ向かった。
―――場所は戻り、那田蜘蛛山。炭治郎達は襲ってくる隊員の攻撃を防いでいた。善逸は怯えて震えたままだが、その前を三人が引き付けていた。
伊之助「アハハハハ!!こいつらみんな馬鹿だぜ!!隊員同士でやり合うのが御法度だって知らねぇんだ!」
炭治郎「いや違う!!明らかに動きがおかしい!何かに操られている!!」
伊之助「よしじゃあぶった斬ってやるぜ!!」
炭治郎「駄目だ!!生きてる!!まだ生きてる人も混じってる!それに仲間の亡骸を傷つけるわけにはいかない!!」
伊之助「否定ばっかするんじゃねぇ!!」ドム
炭治郎に否定されまくる伊之助は怒り、炭治郎に頭突きをする。そのときブロリーが隊員の背中に何かの気配を感じ、手刀で背後をはらうと、ブチブチと音がして隊員が力なく地面に倒れる。
ブロリー「炭治郎!!こいつらの背中になにかある!!それを斬っていけ!!」
炭治郎「!ブロリーさん!はい!わかりました!」
炭治郎はブロリーの言うとおりに動きがおかしい隊員の背後に刀を振るうと、さっきと同じようにブチブチと音がなり、隊員が地面に倒れこむ。それを見た炭治郎は操ってる何かを見破った。
炭治郎「糸だ!!糸で操られてる!!糸を斬れ!!」
伊之助「お前より俺が先に気づいてたね!!」
炭治郎(敵はどこだ?操ってる鬼の位置!!)
ブロリー「向こうからクズの気を感じる、どこのどいつだ!!それと、上からも気を感じるな。」
炭治郎「!!」
伊之助「!!」
善逸「確かに・・ブロリーさんが向いている方・・から・・鬼の音が・・する・・!」プルプル
ブロリーが顔を向けた方向には、隊員達を糸で操ってる女性の鬼がいた。この鬼は那田蜘蛛山に住んでいる蜘蛛の糸を使う母親の役の鬼である。母蜘蛛鬼は沢山の糸を手で操りながら、一人言を言った。
母蜘蛛鬼「ウフフ。ウフフフフ。さぁ私の可愛い人形たち、手足がもげるまで躍り狂ってね。」キリキリキリキリ
そしてブロリーの言葉に反応した二人は、同時に上を見上げる。するとそこには、子供の姿をした鬼の少年が張り巡らした蜘蛛の糸の上に立っていた。この少年は"累"という名をもち鬼舞辻無惨の配下、十二鬼月の一人である。累は炭治郎達を見て邪魔臭そうに言った。
善逸「キャアアア!!出たぁー!!」
累「僕たち家族の静かな暮らしを邪魔するな。お前らなんてすぐに、母さんが殺すから。」
それだけ言うと、累はその場を去っていった。伊之助が斬りつけようと、隊員の背中を踏み台にして斬りかかるが、後少しのところで届かず落下した。受け身の取り方を知らない伊之助はそのまま地面に叩きつけられた。
ブロリー「あいつは去っていったが、向こうのクズはまだいるようだ・・だが襲ってくる気はないみたいだな。だったら、俺の方から潰しに行くぞ!炭治郎!伊之助!善逸!ついてこい!」
炭治郎「ブロリーさん!駄目です!それだとえーっと・・「村田だ!!」村田さんが・・!」
村田「大丈夫だ!ここは俺に任せて君達も先に行け!!」
炭治郎「えっ・・」
伊之助「小便漏らしが何言ってんだ!」
村田「誰が漏らしたこのクソ猪!!テメェに話しかけてねぇわ黙っとけ!!情けない姿を見せたが、俺も鬼殺隊の剣士だ!!ここで操られているやつらの動きは単純だ!糸を斬ればいい!鬼の近くにはもっと強力に操られている者もいるはず!四人で先に行ってくれ!!」
炭治郎「・・わかりました!!感謝します!!」
ブロリー「フフフ!一人で沢山を相手にするとは、流石村田と誉めてやりたいところだぁ!炭治郎!行くぞ!」
炭治郎「はい!ブロリーさん!」
炭治郎は村田に殴りかかろうとする伊之助を、ブロリーは動こうとしない善逸を無理矢理引っ張り、山の中を駆け抜けた。
伊之助「まずテメェを一発殴ってからな!!誰がクソ猪だ!!戻ってきたら絶対殴るからな!」
善逸「イヤアアア!!また出る!!また出るから!!俺今度こそ死ぬ!!行かない!!行きたくない!!お助けください!!」
ブロリー「出来ぬぅ!!」
しばらく走っていくと、四人は再び何かを感じてそっちを見た。すると
炭治郎「!!」
「駄目・・こっちにこないで。」
鬼の糸によって操られている女の剣士がいた。彼女は意識があり、片腕に人間の首を刺した日輪刀、もう片腕にはすでに亡骸になった剣士の髪を鷲掴みにしながら炭治郎達に自分の方に来ないように泣きながら懇願する。
「階級が上の人を連れてきて!!そうじゃないとみんな殺してしまう!!お願い・・お願い!!」
そしてその剣士達を操っている元凶の母蜘蛛鬼は岩に座り、手の指先から出ている糸で操っていた。
母蜘蛛鬼「ウフフ。私に近づく程糸は太く強くなり、お人形も強くなるのよ。」キリキリ
累「母さん。」
母蜘蛛鬼「!!」ガタガタ
そこに累がやって来た。すると母蜘蛛鬼はガタガタと震えていた、怯えているのだ。
母蜘蛛鬼「累・・」ガタガタ
累「勝てるよね?ちょっと時間がかかりすぎじゃない?」
母蜘蛛鬼「・・・・」ガタガタ
累「早くしないと、父さんに言いつけるからね。」
『父さん』累がその言葉を口にした瞬間、母蜘蛛鬼の震えが更に大きくなり取り乱しながら累に懇願した。
母蜘蛛鬼「!!大丈夫よ!!母さんはやれるわ!!必ず貴方を守るから!!父さんはやめて!!父さんはー…!!」ガクガクブルブル
累「だったら早くして。」
累は母蜘蛛鬼が震えているのは無視して淡々と早く始末するように促し、姿を消した。取り残された母蜘蛛鬼は息が荒く、冷や汗を大量にかいていた。そして切羽詰まった表情で糸を動かし、隊員を再び操り始める。
母蜘蛛鬼「はぁ、はぁ、ううう!!死ね!!死ね!!さっさと死ね!!でないと私がひどい目にあう・・・・!!」
母蜘蛛鬼の操る糸は女の剣士にも影響し、本人の意思に関係なく体が勝手に動かされ、日輪刀を振り回し始めた。
「逃げてぇ!!」キリキリ
彼女の本来の身体能力を上回る動きで炭治郎達に襲いかかってきた。鬼に無理矢理動かされているからである。動きが全く違うのだ。
炭治郎(速い!!)
「操られてるから・・動きが全然違うのよ・・!私達、こんなに強くなかった・・!」キリキリ
彼女の動きは炭治郎を最初に切り捨てようとしていた。しかし、ブロリーは全く動かないため、彼女の動きは彼を標的にした。しかし
「駄目!!逃げてぇ!!」キリキリ
ブロリー「・・逃げろだと?それがどうした?」
「・・え?」
ブロリー「この俺が怖じ気づいて逃げ出すと思っていたのか?うおおおお!!」ゴオオオオ
なんとブロリーは避けるどころか振り回している彼女に真正面から突っ込んでいったのだ。
「アアアッ・・!!」ビュン!
ガキーン!!
「!!」
ブロリー「フフフ!」ブチブチ
ブロリーは彼女の日輪刀を避けずに正面から喰らうことで、刀を折って動きを止めたのだ。それだけではなくすぐに彼女を繋いでいる糸を斬り、体の自由を取り戻させる。だが、糸で無理矢理動かされていたため、全身の骨が折れていたのだ。それでいて、とても一人で動ける様子ではなかった。
ブロリー「・・・・」ポワワワワワ
ブロリーは掌を向けて、そこから緑がかった金色のオーラが彼女を包み込む。すると、全身の折れた骨や傷がみるみるうちに回復していった。
「・・!傷が・・!」
ブロリー「俺の気を分けて傷を治した。お前の日輪刀は折ってしまった、済まないな・・お前もう戦う武器が無いならすぐにここから離れろ。」
「!・・ありがとう!」
女の剣士はブロリーに礼を言うと、残りの軽傷で済んでいる隊員達を折れた日輪刀の柄の部分で糸を斬っていき、数人で山を降りていった。炭治郎はブロリーの方を見て驚いていたが、自身に向かってくる重傷の隊員達が目の前に迫っており、すぐに現実に引き戻された。
炭治郎(ブロリーさんは、やっぱりすごい!だけど今はこっちに集中だ!)
重傷の隊員が操られ、炭治郎達に斬りかかってくるなか、隊員は炭治郎に悲願した。
「こ・・殺してくれ・・手足も・・骨が・・内蔵に刺さって・・るんだ・・動かされると・・激痛で・・耐えられない・・どのみち・・もう死ぬ・・」
炭治郎「・・!!」
「助けてくれ・・止めを・・刺してくれ・・!!」
隊員が口にしたのは炭治郎に止めを刺すように催促した願いだった。当然、心優しい少年である炭治郎にそんなことはできない。しかし、伊之助は言葉通り隊員に斬りかかろうとしていた。
伊之助「よしわかったぁ!!」
炭治郎「待ってくれ!!なんとか助ける方法を・・」
伊之助「うるせぇえぇ!!お前うるせぇえぇ!!本人が殺せって言ってんだろうがよ!!こいつら早えからモタモタしてるとこっちがやられるぞ!!」
炭治郎「考えるから待ってくれ!!」
そして何かをひらめいた炭治郎は走りだし、操られている隊員は追撃するために追いかけさせられる。それを見た伊之助は怒り、炭治郎に怒鳴った。
炭治郎(よし、ついて来る!!)
伊之助「テメっ・・なーにをグルグルと逃げ回ってんだぁ!!ふざけんじゃねぇ!!」
炭治郎はある地点に止まると、振り返ってから隊員を鷲掴みにすると、呼吸を使って木の上に放り投げたのだ。うまく糸が絡まり、隊員が宙吊りになった。
炭治郎(よし!!うまく絡まった!!)
伊之助「な・・なんじゃああそれぇぇ!!俺もやりてぇぇ!!」
炭治郎の動作を一部始終見ていた伊之助とブロリーは驚き、伊之助は同じ事をするために他の隊員を引き寄せに行った。ブロリーは炭治郎の作戦を誉めていた。
ブロリー「フハハハハハ!!木に絡めて傷つけずに動きを止めるとはな!!炭治郎、化け物?いや、天才か!?」
炭治郎「ありがとうございます!でもまだブロリーさんには及びません。」
伊之助「ウハハハハ!!サーッどらぁ!!イヤーッハァー!!」
伊之助は木に絡めることに成功して雄叫びと歓喜の笑い声をあげると炭治郎に振り返り、自慢気に言った。
伊之助「見たかよ!!お前にできることは俺にもできるんだぜ!!」
しかし、炭治郎は別の隊員の相手をしていたため、伊之助の動作を見ることができなかった。
炭治郎「すまない!!ちょっと見てなかった!!」
伊之助「なァーにィー!!」
炭治郎「状況が状況だから!!」
見てなかったことを言われて怒った伊之助はもう一度同じ事をするので見るように炭治郎に忠告する。
伊之助「よしあと一人!俺がもう一回やるからちゃんと見とけ!!」
炭治郎「わかったそれでいい!!とにかく乱暴するな・・」
ブロリー「デヤァッ!!」ガシッブン!
炭治郎「!!」
ブロリーは炭治郎達とは違い、刀を避けずに強引に操られている隊員の顔面を掴むと、そのまま片手で木の上に放り投げた。
ブロリー「炭治郎、こんな感じでいいのか?」
炭治郎「そうです!上手です!そのような感じでお願いします!」
ブロリー「はい・・」
母蜘蛛鬼は炭治郎達により逃がされたり、木に絡められて操ることができなくなったことを知って自暴自棄なった。
母蜘蛛鬼「私の人形達が・・うまく操れなく・・もう脆い人間の人形は必要ないわ!!役立たず!!あの人形を出すしかないわね・・!!」
母蜘蛛鬼が無理矢理糸を動かすと、操られていた重傷の隊員達の首が勢いよくあらぬ方向へと曲げられ、バキッボキッと骨が折れる音がなった。その音はとても禍々しく、今操られていた隊員全員が一瞬で命が奪われたことが明らかだった。
善逸「!!」
伊之助「あーっ!!畜生!!みんな殺られたじゃねーかよ・・」
炭治郎「・・・・」ゴゴゴゴゴ
炭治郎の放った殺気は背後からでも気配がビシビシと伝わり、伊之助は言葉を失った。
炭治郎「行こう。」
伊之助「・・そうだな。」
ブロリー「はい・・」
善逸「うん・・」(えっ何・・炭治郎怖っ・・)
四人は母蜘蛛鬼のいる方向へと駆け出していった。しばらく進むと、二体の鬼の気配を感じた。母蜘蛛鬼とその十八番の人形である。
伊之助「こっちだ!!かなり近づいてるぜぇ!!」
炭治郎(風向きが変わって鼻も利くようになってきたぞ、匂いはあと二つ・・)
ブロリー(クズの気が強くなってきている、もうすぐそこにいるな。)
そして四人の前に現れたのは、両腕が刃物になっている頸がない鬼の人形であった。
炭治郎(!!これは・・!!)
伊之助「頸が無ェェェ!!アイツ急所が無ぇぞ!無いものは斬れねぇ!!どうすんだどうすんだ!」
日輪刀で鬼を殺すには頸を斬る必要があるが、この鬼はその頸がないのだ。伊之助は倒せないと思い動揺していた。しかし、ブロリーがニヤリと笑みを浮かべて一歩前に出る。
ブロリー「フフフ!頸が無いだと?それがどうした?頸を斬って殺せないなら・・身体ごと跡形もなく破壊し尽くすだけだぁ!!破壊の呼吸!玖の型!スローイングブラスター!!」ポウ ギュルル ドカーンデデーン☆
炭治郎・伊之助・善逸「!!」
ブロリーは掌サイズの小さな気弾をぶつけると、一瞬で膨張して爆発、頸の無い鬼を跡形もなく消滅させたのだ。鬼は頸を斬ることで殺すことができる。だがそれは日輪刀での話である。ブロリーが持つ異次元の力は鬼を身体ごと消滅させるため、頸があろうとなかろうと関係ないことだったのだ。
ブロリー「フハハハ!!あと一人潰しに行くぞ!炭治郎!善逸!伊之助!ついてこい!」ビューン!
炭治郎(ブロリーさん・・空飛べるんだ・・)
善逸(やっぱ強すぎだろ・・逆に怖くなってきた・・)
伊之助(なんだアイツ・・急所がなくて斬れない鬼を跡形もなく消したぞ・・アイツ間違いなく・・俺より強い・・)
ブロリーは頸の無い鬼を倒すと、母蜘蛛鬼がいる方向に向かって低空飛行して向かっていった。炭治郎達はしばらく呆然としていたが、ブロリーの言葉に我に帰って後を追った。一方母蜘蛛鬼は、取って置きの人形を倒されて焦っていた。
母蜘蛛鬼(やられた・・!!やられた!!あの人形が一番速くて強いのに・・!!そもそも累が脅しに来たのが悪いのよ!!それで焦って・・焦って・・)「!!」
ブロリー「フハハハハハ!!」ズザー!
不意に前を見ると、ブロリーが高笑いしながら迫ってきているのが見えた。そして母蜘蛛鬼の目の前で砂ぼこりをあげながらブレーキをかけて止まったのだ。その姿は母蜘蛛鬼から見て父蜘蛛鬼と重なって見えたのか身体が震え出していた。その原因は蜘蛛鬼一家の私生活の中にあった。
―――
母蜘蛛鬼「ギャアアッ!!」
父蜘蛛鬼「・・・・」
これはとある日の回想である。母蜘蛛鬼が父蜘蛛鬼から出血する程の暴行を加えられ、父蜘蛛鬼に許しを乞うていた。
母蜘蛛鬼「悪かったわ・・謝るからもう許してよ・・何に怒ったの?何が気に食わなかったの?」
累「何に怒ったのかわからないのが悪いんだよ。」
母蜘蛛鬼「そんな・・・・だって・・・・」
兄蜘蛛鬼「くふっ。」
母蜘蛛鬼「!!」
兄蜘蛛鬼「また母さんが父さんに怒られてる。くふふっ。」
父蜘蛛鬼「・・・・」ガシッグイッ
母蜘蛛鬼「キャアッやめて!!嫌あっ!!嫌ああ!!」
姉蜘蛛鬼「・・・・」
父蜘蛛鬼からの理不尽な暴力、それを見ている兄蜘蛛鬼からの嘲笑う姿、姉蜘蛛鬼の無関心な表情、累の心ない言葉、それらを全て受けてきた母蜘蛛鬼にとって蜘蛛の家族はトラウマの対象になっていたのだ。
母蜘蛛鬼(えっ・・?父さんじゃない!?だけど・・)「ヒッ・・!」ガタガタ
ブロリー「・・・・」ニヤリ
母蜘蛛鬼「!!」ガタガタブルブル
ブロリーは母蜘蛛鬼が自分に怯えているのを理解すると怪しい笑みを浮かべて臨戦態勢を取る。それを見た母蜘蛛鬼は恐怖が最高潮に達して更に震えが大きくなった。ブロリーが鬼殺の隊員であることは赤の腰布と金のベルトの間に刺している日輪刀を見て理解した。地面に降りると膝と手を地面に着き頭を深々と下げた、土下座である。震えた声でブロリーに言う。
母蜘蛛鬼「・・悪かったわ・・ごめんなさい・・貴方の仲間達を殺してしまったことは謝るわ・・だからお願い許して・・私をひどい目にあわせないで・・」ガタガタブルブル
ブロリー「・・いいだろう。」
母蜘蛛鬼「えっ?本当に?」
ブロリー「と思っているのか?今(炭治郎が)楽にしてやる。」
母蜘蛛鬼がブロリーが指差す方向の上を見ると、炭治郎が上空から日輪刀を構えて迫っていた。実はブロリーが母蜘蛛鬼に向かって飛んでいったあと、伊之助が炭治郎を上空に放り投げて、その勢いそのままに母蜘蛛鬼を斬りかかろうとしているのだ。母蜘蛛鬼は焦る。
母蜘蛛鬼(殺される・・!!頸を斬られる!!考えて・・考えるのよ!!ああ・・でも・・)
炭治郎「ブロリーさん!!伏せてください!!全集中!水の呼吸!壱の型!」
炭治郎が叫ぶとブロリーは言葉に従い姿勢を低くする。そして頸を斬ろうとした時だった。
母蜘蛛鬼(死ねば解放される・・楽になれる・・)
炭治郎「!!水の呼吸!伍の型!干天の慈雨!」スーッ
炭治郎は母蜘蛛鬼が頸を差し出していることに気づき、最も苦痛が起きない剣撃の型に変えた。
母蜘蛛鬼(優しい雨にうたれているような感覚。少しも痛くない、苦しくもない、ただあたたかい・・こんなにも穏やかな死がくるなんて・・)
ブロリー「おい貴様、俺は貴様の身に何が起こったかは知らん。だが貴様が俺に命乞いをしたのを見て、散々な目にあってきたことがわかった。次生まれたときは、もうムシケラなんかにはなるなよ。」
母蜘蛛鬼「!!・・ありがとう・・そっちの坊や・・十二鬼月がいるわ気をつけて・・!!」バサ
炭治郎「!?」
母蜘蛛鬼は最期に炭治郎とブロリーに十二鬼月の情報を教えて静かに灰になっていった。炭治郎は母蜘蛛鬼にもらった情報を推測した。
炭治郎(十二鬼月!?この山には十二鬼月がいるのか?十二鬼月は鬼舞辻の血もかなり濃いはず・・!!禰豆子が人間に戻る薬の完成に近づく!!・・そうだ伊之助と善逸!!)「ブロリーさん!伊之助と善逸の所に戻りましょう!」
ブロリー「わかった、行こう。」
伊之助「倒したかよ!!」
善逸「炭治郎もブロリーさんも無事だぁ!!良かったー!!」
炭治郎(・・重傷を負っていた他の仲間を助けられなかった・・あの人からは恐怖と苦痛の匂いがした。死を切望するほどの。この山は一体どうなっているんだ?十二鬼月がいて・・鬼の一族が棲む山?鬼は群れないんじゃなかったか・・)
ブロリー(まだムシケラの気配を感じる・・ここには少なくともあと三匹のムシケラがいるな。珠世はこいつらは群れないと言っていたが、普通に群れてるではないか。どうなっているんだ?いや、これ以上考えると知恵熱がでそうだ。見たところ、さっきのガキのムシケラが仕切ってるようだな。だったら俺はそいつを血祭りにあげるだけだ。)
善逸は二人の無事を喜び、伊之助は炭治郎に対し対抗心を燃やしていた。四人は他にいる鬼の位置を探りながら、さらに山奥へと進むのだった。
那田蜘蛛山編長い・・ブロリーがどのように活躍させるか迷いました。これからもよろしくお願いします。