噴煙の錬金術師   作:ひよっこ召喚士

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明けましておめでとうござい(遅すぎるわ!!

という訳で去年から見て下さってる方も今年から読んでるよと言う方も何卒こんな拙い作品ではありますがよろしくお願いします。

今回、ちょっと短いです。


11 ダブリス殲滅戦

SIDE:マスタング

 

「それで何の要件だ煙管の?」

「余裕がないですね……睨まないでください。ヒューズ中、いえヒューズ准将の件についてですよ」

「何かそちらで掴んでる事が?」

「いえ、むしろ訊きに来たぐらいですよ」

「調査に駆り出されているのではないのか?」

「いえ、私が駆り出されているのはこの前の第五研究所の崩壊に関してですよ。国立図書館の放火と言い、立て続けに起きた事件ですからね。関連性が無いかとヒューズ准将の件は後から調査を命じられましてね。先に調べていたマスタングさんの方が何か知らないかと訊きに来た次第ですよ」

 

 国の研究関連の監査などもそう言えば一部任されていると言っていたか、さらに言えば元の責任者であるグラン准将も『鉄血』の名を持つ国家錬金術師、統括の様な立場にある煙管のが調べているのはおかしくない。が何も掴んでいないと言う言葉を聞き少し残念に思うと共についでに訊いておこう。

 

「こちらも調査は始めたばかりでヒューズの跡を辿ったくらいだ」

「そうですか」

「話は変わるんだが煙管の……エルリック兄弟とはあったか?」

「ええ、私の研究施設にも案内しましたよ」

「彼らが第五研究所に居たことは?」

「私が調査を命じられた頃には既に出た後でしてね。その前も忙しくてお見舞いにも行けませんでしたよ。今頃ダブリスに居ると言う彼らの師匠の所でしょうか」

「彼らの探し物、研究所、ヒューズの死、これらは繋がると思うか中将?」

「何とも言えないですね。まぁ、調べるなら慎重に、大佐が狙われる可能性もありますから」

「……そうだな。ところで煙管のはしばらくは中央に居るのか?」

「いえ、調査が一段落すれば今度は南へ行く予定です。それでは」

「ああ、またな」

 

 確実に何かを知ってはいるようだが中将である煙管のが言えないという事は限りなく上層部が黒だろう。調べるなら慎重にという事は調べた結果によっては誰であっても襲われる可能性があるという事か、それとも警告なのかは分からない。

 

「味方だと思いたいものだな」

 

 


 

SIDE:フューム

 

 

 しくじったか、それともここまで読まれていたのか。厄介な事に成りそうだな。面倒くさい状況に嫌気がさしていると微妙な雰囲気の変化を見たのか声を掛けてくる。

 

「ん、どうしたのかね。フューム中将?」

「いえ、ここ最近の仕事の多さについて考えていました。顔に出ていたのでしたら申し訳ありません……大総統」

「君の錬金術の腕前は随一だからね。どうしても任される物も多いが、体調には気を付けておくように」

 

 南方司令部での仕事自体に違和感が無かったが、流石に大総統としての仕事の動きまでは把握しきれなかった。南の視察、アエルゴとの戦線を見に来たと言うがどこまで本気なのか。私がここに居るのは任務と言うのは建前で恐らくは監視が目的だろう。それとも中央に居られると邪魔だったのか。

 

「大総統、失礼します」

「アームストロング少佐に、おおっ、鋼の錬金術師君、どうしたのかね?」

「いや、いきなり少佐に抱き着かれて骨が折れるかと思いました」

「わっはっはっは!!元気そうで何より!」

「大総統の南部戦線視察に吾輩が護衛を務める事になってな!」

「タイミング悪ぅ……って、あれ?フューム中将も護衛?」

「いえ、私は南の国家錬金術師の査察と研究の監査ですよ。そしたら大総統と会いまして」

「せっかくだから直接色々と訊かせてもらっていたんだよ。彼女は忙しいものだからね。普段から報告書などで概要は知って居るが直接聞くのが一番だと思ってね。無理を言って留まって貰っているんだよ」

 

 本当に無理やりな方法で縛り付けてくれる。独立した部署に居るために自由に動かせる駒は少ない身としては私自身を拘束されるのが一番面倒だ。

 

「査定に来ておったそうだが」

「うん、有効期間が過ぎてるから手続きに時間がかかるってさ」

「査定か、どれ書類を貸したまえ、印を」

「はっ」

「合格!これにて査定終了!」

「よかったなエドワード・エルリック!」

「……なんつーいいかげんな……」

「ええ本当に、そう言った間の手続きを飛ばされると困るんですが大総統?」

「だから君がいる場で行ったんだよ。そっちでも同じように処理してくれて構わない。ところで鋼の錬金術師君はこちらに何をしに来たのだね?また何か騒動でも起こすつもりかい?」

「いえ、錬金術の師匠がダブリスに居るんで会いに来たんです」

「ほぉ、君の師匠となるとかなりの者ではないかね」

「そりゃもう凄いですよ」

「国家錬金術師に勧誘しに行ってみようか」

「いやーやめた方が良いですよ。行くなら一個師団全滅するくらいの覚悟じゃないとね」

「「「?」」」

 


 

 何でこうなったんだか、流石にこの状況まで持っていかれたら防ぎようがないですよ。まぁ、事情を知らなければ口を閉ざしようも無いでしょう。

 

「裏口突入準備完了」

「路地封鎖完了」

 

「繰り返す、大きな鎧と三つ編みの少年は保護、手の甲にウロボロスの入れ墨を持つ者は捕捉」

 

「他は?」

 

「なぎはらえ、突入!!」

 

 店内に押し入ると明らかに合成獣の疑いがある者が見られる。きっと軍の研究の被害者だろう。研究所に戻らないなどと抵抗しているが回収するつもりなどないだろう。これはあの時と同じ、殲滅戦だ。しかもこれで便利な空き駒が無くなってしまうのだから面倒だ。

 

「クソッ!死ねぇぇぇ!!」

 

 向かってくる敵に対して私は特別製の煙管から一発の銃弾を放った。持ち手に使われている鉛を弾に、静かに上がる煙を錬成陣に、鉛が尽きぬ限り連続で正確に撃ち放たれる弾丸は確実に敵対者を殺していく。

 

「っと持ち手を交換しますか……」

「クソガアァァァ!!」

「あぶない……なんてね」

 

 室内でこれだけ煙をまき散らせば天井に滞留するには十分な量になる。物陰から飛び出してきた者を押しつぶし、床のシミに変える。気配を探るのはアイツほど得意ではない私では化け物が2匹いるこの場ではすぐ近くを知るので精一杯だ。近くに居た兵を呼び寄せると状況を訪ねる。

 

「戦況はどうなってる?」

「1階に続き地下1階も制圧完了、地下2階にてアームストロング少佐が交戦中です」

「そうか、最低限の見張りを残し続け、下に降りるぞ」

「はっ、了解しました!!」

 

 


 

「おろかな!命を無駄にするな!!キング・ブラッドレイ大総統がきておるのだぞ」

「ブラッドレイ!?」

「なんでそんな偉い奴が来てるんだよ!!」

「それが何を意味しているかわかるであろう」

 

 曲がり角の向こうで無駄な話し合いが聞こえる。そしてその更に奥に化け物1匹、下に気配がいる事を考えればあれはこっちの大将で間違いないだろう。

 

「何をしているアームストロング少佐」

 

 声と共に複数の気配が薄れていく…流石だな。一瞬のうちに攻防とは言えない一方的な攻撃が終わりを迎えた。

 

「私は目標以外は全てなぎはらえと命令したはずだ。敵に情けをかけるな。だからお前は出世できんのだ」

 

 目の前で倒された元同胞と大総統からの言葉に打ちひしがれている少佐の場所にそっと歩いて近づいて行く。

 

「少佐」

 

「中将……吾輩は……」

 

「あなたは軍人には向きませんね。オリヴィエが軟弱と言うのもよく分かる。あなたは優しすぎます……だから私達みたいな人間が必要になる」

 

「えっ……?」

 

 私は持っていた煙管から銃弾を吐き出させると倒れていた合成獣であろう者2人にとどめをさした。目の前で噴き出る血、身動きの取れないものに対してのいきなりの所業に少佐は目を丸くした。

 

「なっ、何故だ!?」

 

「まだ生きていたから殺した…それだけです。軍人として必要な事は上の命令に従う事です。それが出来ないのであれば辞める事をお勧めしますよ。それでは守れるものも守れない」

 

 

 隠し通路とか呟いていましたね。地下へと伸びている事を考えれば下水道辺りが無難でしょう。どこか潜れそうな通路を探しますか。

 


 

 薄暗い下水道だが歩けなくはない。所々に整備された様な跡がある。当たりらしい通路を選び、大雑把な気配を頼りに進んでいくと見慣れた鎧が見えた。

 

「あれは……アルフォンス君か」

「フューム中将!!何故ここに!?」

「大総統にいい様に使われまして、ここの殲滅をしてきたところです。先ほども牛と、反応からしてイヌ科の何かの合成獣となった者達を殺した所です。これは拘束ですか、今外しますね」

 

 そう言いながらアルフォンス君を拘束していた鎖を錬成で崩すと次の瞬間に重い鎧の一撃を喰らい体が吹き飛んだ。

 

「お前、お前がロアとドルチェットを!!」

「やめるんだ。マーテルさん!!フューム中将、これは!!」

「ゴホッ、ペッ……あぁ、中に居たんですか、気付けませんでした。いえ、あまり意味が無いと怠けた自業自得でしょう」

 

 骨が何本かいかれましたね。内臓に刺さった感覚があります。私は無理やり煙を焚くとそれを吸い込みながら錬成を行った。

 

「あ、あー、応急処置なら十分でしょう」

「フューム中将、大丈夫ですか?」

「ええ、心配いりませんよ。それとアルフォンス君、貴方に刻まれた血印は後ろでしたね?」

「え?」

 

 私は煙管で中身が入った空っぽの鎧を叩くとその内側に印を壊さない様に棘を生やした。中に居た敵は無数の棘に刺されてすぐに死んだ。

 

「安心してください。直ぐに戻しますから、ってあれ、気絶したんでしょうか?」

 

 ああ、任務をこなす事ばかりに意識が持っていかれていましたね。彼はまだ14でしたっけ?目の前で無残に殺すのは配慮が足りていませんでしたか。それとも失敗して殺してしまったのでしょうか?まあ、これで仕事は終わりでしょう。

 

「こちらフューム、地下に逃げ込んだ敵を排除し、鎧の少年を保護。まもなく大総統が対象者を捕獲する。後始末の用意を進めろ」

 


 

 結局アルフォンス君は無事だった。アームストロング少佐とアルフォンス君はどこか思い悩んだ様子を見せていた。エドワード君もようやく軍への意識を変えた様だ。そして私への認識もね……だけどこれで軍人としての姿勢を示すには十分だろう。

 

「ようやく近づけましたヨ」

 

「掴まって悪かったですね。やはり向こうが見張れていない空白を怪しまれている様です」

 

「まぁ、バレていないなら良いんじゃないですカ?それと進展がありましたヨ」

 

「ん、歴史か?それとも石か?」

 

「修羅でも、電子部品でもないヨ。進展があったのはこっちの事情だヨ」

 

「へぇ、来たんだ。期待できそう?」

 

「まぁ、どっちも悪くは無いかなぁって所です。しばらくお暇を頂いても良いですカ?」

 

「そうですね。丁度いいですね。闇で動くばかりでなく、陽にでも当たって来てください」

 

「ありがとう。それじゃ、近いうち二」

 

「ええ」

 

 

 




短い理由なんですけど。

必要な場所を切るようにしたり、視点が何度も切り替わるのを辞めたりと書き方を変えたのが1つ。エドたちだけの視点や過去話は入れる気は無かったので削ったら5巻と6巻丸々飛ばしましたね。

短いなと思いつつ、次の場所まで書いてたら今度は長くなりすぎるからきりのいい場所で一回切りたかったのが1つ。次の予定がバリー、シンからの密入国者それぞれと続きで書きたい物が多いからね。要素増やすとタイトル考えるのも大変。

書く時間空けすぎてちょっと書き方忘れてたのが1つですね。これが意外と大きい、時間空けると駄目ですね。メモ見ても、設定集開いても指が動かない。その結果、最初から読み返したり、参考にしてる作品も読み直したりしてました。

それと流石に2ケ月以上は空けたくなかったので、短いだけでキリは良いので上げちゃおうかなってのはあった。

とまぁ、言い訳はこの辺でいつもの挨拶でさようなら。
読んでくれている方々に多大なる感謝を。
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