Re:上から目線の魔術師の異世界生活 作:npd writer
自分は、まだ抜け出せずにいます笑
先週は二回ノーウェイホームを見たんですけど、明日は友人と三回目のノーウェイホームを見てきます!
これほど見た映画、過去にはない!笑
それでは本編です
「またか……クソ」
時間の逆行で図書館に再び戻ってきたストレンジは吐き気と悪寒に襲われる。
机に突っ伏し息を整えてどうにか吐き気を抑え込んだ彼は、最後の光景を思い出す。
「精霊パックが暴走すれば、全てが終わる。奴が世界を滅ぼす前に手を打たねば」
精霊パックが暴れ出し、世界を極寒の地に変えてしまえば取れる手段はたった一つ。それは、奴を殺して強制的に嵐を止める。
だがそれは最終手段であり、可能ならばその前に手を打つ必要がある。パックの引き金となるのは、十中八九エミリアの存在。彼女が殺されれば、その時点で世界の崩壊が始まる。
「契約書はよく見てからサインするものだぞ。いくら子供だからといって、王選候補者の人物がそんなことすら分かっていないとは……。この国は大丈夫なのか!?」
思わず突飛に大声を出したストレンジに周りの人が驚き、思わず彼の方を向く。
大声を出す失態を見せたストレンジは、周りに謝罪すると図書館を退出し、近くにあった噴水広場のベンチに腰掛け再び考え込む。
(ロズワール邸にあった死体、あれは間違いなくナツキ・スバルだ。それに、奴が抱えた死体はメイドのレムだろう。屋敷から直で帰ったのであれば、あの場に死体があってもおかしくはない)
今回と前回、二回の時間の逆行に共通していることは、ナツキ・スバルがカルステン邸を出て行ってから数日の後に起こっていることだ。
一回目の詳細は不明だが、エミリアへの帰巣本能が異常に強い彼が偶然二回目だけ屋敷に戻ったとは考えにくい。加えて、二回とも彼が屋敷に戻った後に時間の逆行が起こっているということも偶然の一言で片付けられない。
(奴が逆行を引き起こしているのは間違いない。直接か間接か、方法は分からないが奴が何かしらのトリガーを引いている可能性は非常に高いだろう)
だとすれば、今彼が取る手段は一つ。
(奴を見つけ出し、その目的を問いただすだけだ。いい加減、これに付き合わされるのはうんざりだ。もう味わいたくない)
「ほれ、いこうぜ。俺がどっか行きそうで不安なら、捕まえといてくれ」
「え?」
「力比べなら絶対勝てねぇし、それなら安全な気がすんだろ?」
「ーーはい」
レムは微笑みながらその手を取り、半歩ではなくスバルの隣に立った。小さく俯き、じっと握った手を見るレムは口を固く閉じ、なにも言わずにスバルの歩みに速度を合わせる。
いじましい彼女を連れて、王都の下層区を貴族街の方へ進みながら、温かい掌の感触を味わいつつ、殺意をたぎらせ続けていたスバルの心を支配するのはただ一つ。
ーー殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、コロス。
レムはそんな彼の異様な気配と、強まる匂いを横目にただ歩くことすらできなかった。彼が何かを隠しているのかは知っている、だけどそれを彼が話したくないのであればそれを優先する。自分が惚れた殿方のことを慕い、いつか必ず話してくれることを信じてーー。
スバルの心配をしつつ、ゆっくりと王都を歩いていたレムの元に突然目の前に光るポータルが現れる。縁から火花を散らして光るという見たことのない魔術から現れたのはーー、
「……ドクター・ストレンジ様?」
円状のポータルから突然目の前に現れたストレンジに、レムは困惑することしかできない。何故、他陣営であるはずの彼が突然目の前に現れたのか。カルステン邸に居候している間に行った無礼な振る舞いが、彼の癇癪に触れそのことを問い詰めに来たのか。不安そうに身を硬くするレムに、ストレンジは苦笑いしつつ話し始めた。
「そう硬くならないでほしいものだ。私が探していたのは、君が思い慕う彼だからな」
「俺…‥?」
一方、凄まじいほどの殺意を激らせた目でストレンジを睨みつけるように見つめるスバルは、突然の名指しに困惑することしかできない。
「そうだ。まさかこうなるとは、思いもしなかったがな。悪いが、拒否権はない。すぐに私と来てほしい」
「……今、俺は忙しい。悪いが、後にしてくれよ」
「あの、スバルくん……。訳もなくドクター様がスバルくんに話しかけることがあるんでしょうか?邪推かと思いますが、スバルくんとドクター様は犬猿の仲ですから。滅多なことがない限り、こんなことはーー」
「レム。俺たちには、やるべきことがあるんだ。こんな奴の話を聞いている暇はないんだよ」
強引にレムの手を引っ張り、その場を去ろうとするスバル。元より、レムとは違って記憶を受け継ぐスバルにとって、最悪の仲であるストレンジとの会話などもってのほかだった。自らにはやるべきことがあるのに、それをまるで踏み躙るかのように登場した彼には話す価値すらない。
それ故、急いでストレンジの横を通り過ぎようとした彼だったが、
「……あ?」
「だから言っただろう、拒否権はないと」
いつの間にかレムから引き離されていたスバルは、ストレンジと共に特殊な空間にいた。
現実世界ととても似通った世界だが、どうもまるでおかしい。いつの間にか姿を消してしまったスバルにびっくりして辺りをキョロキョロと見回すレムに、触れようと思っても触れられないのだ。まるで鏡の世界のような空間に一人放り込まれたスバルは、向かい合うストレンジに突っかかる。
「……話を聞いてもらえなかったら実力行使で不思議な空間に閉じ込めるなんて、随分と手荒な真似をしてくれるじゃないか。医者ってのは患者のことを第一に考えるべきなんじゃないのか?」
「私だってこんなことはしたくなかったが事情が変わった。看過できない事態が立て続けに発生したからな」
「へえ、それであんなに歪みあっていた俺のところに来たと……。残念だけどアンタの望みには応えられない、俺にはやるべきことがあるからな。他を当たってくれ。さて、話すべきことは話したし、さっさとレムのところに帰してくれよ」
「逃すと思っているのか?」
途端にそれまで堂々と、しかし敵意なく構えていたストレンジが魔術を展開する。
そして両手に魔術を展開したストレンジが左右の両手を挙げると同時に、スバルの足元の地面に巨大な穴が開いていく。浮遊する術を持たないスバルは瞬く間にその穴に落ちていき、彼の後を追ってストレンジも穴に降下していく。
「うおわあああ!?な、なんだ!?地面に大穴が!!」
万華鏡の絵柄のように変形自在にその姿を変える王都の街並み。ストレンジの動きに合わせて、まるで生き物のように建造物が、竜車が物理法則を無視して自在に変形していくその光景に、殺意すら忘れてスバルは刮目する。ストレンジの持つ強力な魔術の一つに、スバルは抵抗することすらできずただ流されていくことしかできない。
「何だ!?この場所は!?」
「ミラー・ディメンションだ。私が支配している」
「へ!?は!?」
「……ミラー・ディメンション。私が魔術で支配している空間だ」
「いや、そういうわけじゃなくて……。てか、この広大な空間を一人で操ってんの!?」
「そうだとさっきから言っているだろ」
ストレンジが作った足場に立ち辺りを見渡すスバルは、宙に浮くストレンジに驚きマックスの声で叫んだ。
ストレンジの魔術によって街は更に変化し、空からビルが生えてくる始末だ。もう整備された王都の姿はなく、一人の魔術師の力でカオスな光景に様変わりしていた。
「これって……?レムは!レムは大丈夫なのか!?」
「安心しろ、現実世界には影響がない。現実を捻じ曲げるほどの魔術は持っていないし、持ちたくもない。試したやつはいるがな」
「そう、なのか。てか、アンタ浮けたんだな……まあ、魔術師だから浮遊術ぐらい持ってるか。
ーーんで、何でこんなことを?」
「それはこちらも聞こうと思っていたところだ。というよりまずは自己紹介からしよう。もう知っているとは思うが、私はドクター・スティーブン・ストレンジだ。元神経外科医で今はニューヨーク・サンクタムの主として、人類を守っている」
「これはどうも。俺の名前はナツキ・スバル。天下不滅の無一文でエミリア様の従者……だった男で……ん?ニューヨーク?」
スバルはストレンジの語った言葉の中で、世界的に有名な地名が出てきたことに引っかかる。もしもこの世界の住人であるならば口に出てくるはずのない、この世界には存在しない都市の名前。
ーーもしかして目の前の魔術師は同郷の出身なのではないか。そうでなくてもスバルのいた世界を知っている可能性が高い人物であることは間違いなく、孤独の中戦ってきたスバルの心に僅かに明かりが灯った。
「なあ、ストレンジさん」
「“ドクター”だ」
間髪いれずに訂正するよう要求するストレンジ。僅かな希望を取りこぼしてしまわないよう、すぐに彼の要望通りに直す。
「……ドクター・ストレンジさん。アンタ、もしかして地球出身か?」
「お前の言う地球が、太陽系第三惑星の地球ならば同じ星の出身だ。お前は……その容姿を見るにアジア、それも日本出身か?」
「そう…‥そう!そうだ!俺は日本から来たんだ!だから名前もザ・日本人らしい名前で!……ヤバい、まさかこんな所で運命的な出会いができるなんて……!ていうか、同じ同郷の出身ならなんで話しかけてくんなかったんだよ!」
「話していたぞ、ロズワール邸やら王城でな」
「あれは話していたというより、ただの喧嘩だろ!?」
「お前が王城で見事なまでの無様っぷりを曝け出して以降、私はお前に近づかなかったし、お前も私に近づかなかった。それが全てだ」
まさか自分と同じ異世界転生者がいたとはーー。運命的な出会いを果たしたスバルは今までの絶望や、悲しみ、怒り、殺意が薄れていくような感覚を覚えた。これまでの孤軍奮闘の日々が終わりを告げる、絶望の淵に立っていた自分に救いの手が差し伸べられたのような気持ちが彼を覆っていく。
思わず顔が緩むスバルに、ストレンジが続けて問いかけた。
「ではお前は知っているな。2012年のチタウリによるニューヨーク侵攻や、2014年のヒドラによる暴動、2015年のウルトロンによるソコヴィア襲撃を」
「へ?」
「知らないのか?あれだけの大きな事件だぞ。特に2012年は、アベンジャーズが活躍したあの歴史的な年だ。どこか遠い惑星の住人ならいざ知らず、地球出身でその歳なら覚えているだろう」
「ちょっと待てって!知らないも何も……。そんなこと、起きてねえよ。ドクター・ストレンジさんこそ大丈夫か?」
スバルとストレンジの間に急に広がった大きな溝。同じ地球出身だというのに、どうも意見が食い違う。ストレンジがいた世界では誰もが知る、2012年のチタウリによるニューヨーク侵攻。あのアベンジャーズの初陣であり、宇宙人による地球侵攻を防いだ歴史的事件で、当時メトロポリタン総合病院で外科医として、運び込まれてくる怪我人の治療にあたっていたストレンジも未だによく覚えている。
それを目の前の日本人少年は覚えていないと言う。だとすれば可能性は一つーー。
「別のユニバース……マルチバースか」
「マルチバース?」
「我々の宇宙以外に、無数に存在する別の宇宙のことだ。その構造は私も解明できていない未知の領域だが、まさかこんなところでそのヒントに出くわすとはな」
「んー。よく分からないんだけど要するにパラレルワールド、平行世界ってやつか?てことは、俺とドクター・ストレンジさんは別々の宇宙の住人だけど、召喚されて同じ宇宙に招かれたってこと?じゃ、俺やドクター・ストレンジさんみたいた転移者が他にも大勢いるってことか!」
「……あり得ない話ではないが、おかしい部分もある」
「おかしい部分って?」
更に会話を進めようとするスバルには応えずに、ストレンジは次の質問を投げかけようとする。原来、こちらが本命であり今までのやり取りは偶々同じ惑星の出身ということで盛り上がったに過ぎない。
一方、スバルも気配が変わったストレンジに対して緊張感を高めた。先程のまだ柔らかかった彼の気配が、今や完全に戦闘態勢に入ったと素人のスバルでも分かるほど、彼の様子が変化したのだ。
「では続きを聞こう。ーーお前は一体何が目的だ?」
彼の両手に展開された魔術が光り、建物がまるでスバルを囲むようにジリジリと迫ってくる。
「目的?目的……俺はエミリアを王にして、それでーー」
「違う。私が知りたいのは、お前が目指す青春丸出しのお花畑な願いではない。あの力だ、世界を揺るがすようなあの大きな力を何のために使う?私をあんな目に遭わせてまで」
「お花畑って……そんなことない!俺はエミリアのおおおお!?」
スバルが立っていた地面が傾き出し、構えてなかった彼は滑るように落ちていく。彼の手によって再びミラー・ディメンションが動き出したのだ。彼の質問に対してトンチンカンな答えを返してしまった故の報いか。
落下していくスバルに、追いかけるストレンジが追い打ちをかけるように問い詰める。
「お前は少なくとも二回使用しているな。どちらもロズワール邸での一件があってから以降か。その力はこのユニバース全体に及ぶ強力なものだ。何故、私を巻き込む?ユニバースに影響を及ぼす力をどこで手に入れた?ーー私を何故このユニバースに呼び寄せた!」
「ちょ、たんま!たんまです!!分かった!全部話すから!とにかくこの紐なしバンジーを止めてくれ!!」
直後、すぐに出現した足場に思いっきり全身を叩きつけられ痛みに悶えるスバル。
マントの力でゆっくりと降りてくるストレンジは、そんな彼に構うことなく腕を組んで解答を待った。
「ま、まず俺はこの世界に飛ばされただけで」
「それで?」
「え、えと。俺の力はこの世界に来てから何故か使えるようになってた。いや勝手に発動する感じに近いな」
「無意識下での能力発現。つまり、意図して時間の逆行に私を巻き込んでいるというわけではないということだな?」
「そうそう俺が意図してーーち、ちょっと待ってくれ。ま、まさか経験しているのか?俺の、アレを」
スバルにとっては更に驚愕する事実。自身の能力であり、世界をやり直せるほどの強力な力を持つ「死に戻り」の力。他者に語ることすら叶わず、ずっと孤独に世界をやり直してきた彼にとって、「死に戻り」を認識している人物は、まさに欲しかった存在だ。
「私は、これまで二回の時間の逆行で、それまでの出来事を全て無駄にされた。お前は知らないだろうが、全てが逆行する経験を私は味わった。ありとあらゆる感覚が、だ。ひどく不快になる」
スバルの希望に手をかけかけたような明るい顔に対し、ストレンジの顔に浮かぶのは嫌悪感と怒り。スバルに対し明確に負の感情を見せるストレンジに、スバルは久しぶりに魂が震えるような幻覚を見る。
「だが、私にとっての関心はそこではない。聞きたいことは、お前は何故私をこのユニバースに呼び寄せたかだ」
「へ?お、俺は何にもーー」
「関係ない。そう言いたいのだろうが、お前は関係ありありだ。全ての現象には原因があり、私はそれがお前だと考えている。その身勝手な行いで、私は二度も不快な経験を味わったのだ。だが、それすら許容できる。私も似たような戦い方を用いたことがあるからな」
怒りを浮かべるストレンジは、普段の冷静を欠いた様子でスバルに詰め寄った。
「最大の問題はお前が故意であろうとそうでなかろうと、別のユニバースの存在を引き寄せる力を持っていることだ。その力が暴走すれば、最悪ユニバース間の均衡が崩れる可能性すらあり、そうなれば三つの世界の崩壊を招くことになる。
もう一度聞こう。何故、私をこのユニバースに呼び寄せた?」
「そ、そんなの……分かるわけねえだろ!?俺だって、望んで来たわけじゃない!だけど、あの子に……エミリアに助けられて、あの子に尽くそうと思って、失敗しても足掻いて、だけどまた失敗して、それで俺は「死に戻り」をーー!」
瞬間、世界が暗黒に包まれる。
ストレンジの目には、目の前の少年のオーラが突然醜悪なものに変わった様に映った。少年の心臓らしき部分から放たれる何と重く暗い感情。だが、そこにあるのは単純な一つの感情のみーー「愛」だ。
禍々しい何かはスバルが身動き一つできないのを良いことに、彼の背後から出てきた黒い手を出現させ、体内に入ろうとする。
一方、身動きできたストレンジは咄嗟にミラー・ディメンションを変化させ禍々しい何かを出現させた彼を取り囲みつつ、鞭状のエルドリッチ・ライトを展開し黒い手に巻き付けた。
「ーーー!」
「悪いが、その手を体から抜いてもらおうか。これ以上事態を悪化させないでほしい」
手を拘束されたことでスバルの心臓に触れられなくなった禍々しい何かは、感情の矛先をストレンジに向け、彼の魔術を強引に掴むとスバルの方へ引き寄せようとする。その驚異的な力は、マントの力を借りて引っ張るストレンジでさえも抗えない。
(邪魔ヲスルナ!)
お互いに引っ張り合う中、突然脳に響いてきたメッセージにストレンジは頭を痛めつつ、瞬時にその黒い禍々しい何かが彼に対して言ったのだと悟った。
同時にストレンジの警戒度も更に上がる。
「これは……そうか、あの力はお前の仕業か!」
埒が開かないと判断したストレンジはエルドリッチ・ライトを解くと、変形させた大量の建物を一気にスバルに向かわせた。少しでも黒い手に対して隙を作れれば、アストラル体としてあの存在とナツキ・スバルを分裂させることができる。
しかし、スバルの体内からはストレンジの想定を上回る幾つもの手が出現し、力一杯周囲に向けて振るわれたことで、迫り来る建物群は一瞬で散り散りになった。
辺りには鏡のような破片が飛び散り、ディメンション内はその衝撃で大きく振動する。
ーーミラー・ディメンションの数多くの建物を一瞬で破壊できるとは。
ストレンジは、今相手にしている存在があのドルマムゥと同等かそれ以上であることを改めて実感する。
確かにあれだけの力があれば、別ユニバースから特定の存在を呼び寄せることなど容易いだろう。だがそれはーー、
「それだけの力が暴走すればーー!」
この世界に来て以降、様々な敵と出会ってきたストレンジでもこれほどの強大な力を持った存在は非常に驚異だ。
仮にこの力がユニバースの均衡を崩せば忽ち世界の崩壊が起こる。その存在をまさか高校生が持っているとは。
彼の懸念を他所にストレンジを警戒する禍々しい存在は、一気にストレンジを無力化しようと無数の手を差し向けた。
彼が対処できる量を遥かに上回る数の黒い手が一斉に、彼を捕らえようとその牙を剥けたのだ。
「この数は……不味いな!」
回避するためミラー・ディメンションを動かそうと、魔術を展開したストレンジはーー。
その瞬間、世界を色合いを取り戻した。
何気にスバルの運命を大きく変えたストレンジ。
本来だと「死に戻り」を理解しているエキドナに会えるまでスバルは一人でその秘密を抱えて生きていかなければならないところ、殺意マシマシのタイミングとはいえストレンジが現れたことで、その負担が減ったことになったわけですから、これは良い兆候なのでは……!?(妄想)
因みに、この時点でスバルのストレンジに対する好感度は最悪から少し上向いてます。(まあ、それも訳あってですが)