異世界転生じゃ……ない、だと?   作:ウミノ シオ

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(前半)はpixivと同じ。
(後半)は会話文を加筆……若干pixivとは違くなったかもしれない。

◇◆◇

明けましておめでとうございます。
約一年ぶりの投稿です(異世界転生)

昨年はたくさん読んで頂きまして有難うございます!
今年も不定期更新になると思いますが、お付き合い頂ければ幸いです。

今年もよろしくお願いします。


1月3日

【1月3日 昼】

 

 

 ボーダー隊員がよく行く焼肉屋で“新旧東隊”による『東隊長のお誕生日お食事会』が開かれていた。

 

 楽しい楽しいお食事会になるはずなのだが……一人、浮かない気持ちでいる人物がいた。

 『A級7位 三輪隊』の隊長である三輪秀次だ。

 

 

 別に楽しくない訳ではない。

 年に一回――どころではないが、元の所属部隊のメンバーとの食事会は……まあ、楽しい。楽しみの一つでもある。

 

 互いに“隊長”と云う立場で忙しいこともあり、そう頻繁に食事会をすることはないが誘われれば参加――――加古に「行くわよね? 迎えに行くわ」と強引に誘われていた。

 初めのうちは煩わしいと思っていたが……馴れた。馴れって怖い。

 

 

 ――そう、意外と楽しみなのだ。旧東隊メンバーとの食事会は。

 なのに浮かないのは――――去年、一昨年、三年前と毎年、会計時に二宮と加古(年上二人)()()()()()()()()()()()で揉めるからだ。

 

 『自分も』と言いたいが年上二人はまず話を聞かないし、未成年に払わせたくない東春秋(本日の主役)が最終的に会計を済ませてしまう。なんたることか。

 

 去年から参加している現東隊の二人はというと……

 年上二人の言い合いは“じゃれあっているようなもの” “喧嘩するほど仲が良い”と見ていたが――去年の誕生会、あまりのことにドン引きしていた。

 

 事前に決めてるんじゃないの? と。

 

 三輪も三年前は自分の知らないところで決めてるものだと思っていた。決まってなかった……

 

 

今年も決まってないんだろうな……

片桐隊もいないし……一人、いや三人であの二人を止めるのか……?

なにより……また東さんに払わせるのか……? 気が重い……

 

 ――という三輪の心を年上二人(二宮と加古)は知らない。

 

 

 

 因みに。東隊()()()にあたる『A級8位 片桐隊』は県外スカウトの準備等のため、新旧東隊オペレーターは家庭の事情により本日は不参加である。

 

 後日、片桐隊(二期生)による誕生会が開かれ、新旧東隊オペレーターからはプレゼントが送られたそうだ。おめでとう、東隊長!

 

 

 

 

 楽しい時間というものはあっという間に過ぎ去るもので――――魔の会計の時間である。

 案の定、二宮と加古は互いに支払いを譲らなかった。

 

俺が。わたしが。

わたしの方がA級隊員(固定給)でお金があるもの。嫌味か。

あら、そんな風に聞こえた?嫌だわ~

 

 東隊の三人は苦笑を、三輪は額に手を当て(はじまった……)と諦めモード。

 

 

 ゴングが鳴り響きそうになった――その時。

 

「お客様――『会計時に揉める様なことがあれば請求書はボーダー本部の鈴風にお願いします』とお電話いただきました」

 

 笑顔の店員に止められた。

 

 ニコニコニコ。

 

 笑顔のはずなのに迫力が凄い。

 言い合っていた二宮と加古も店員の迫力に止まる。

 

 

 そして――(何故、店を知っている?)と新旧東隊のメンバー全員が心の中で思った。

 

 「行く焼肉屋――固定じゃん」と一応、S級な隊員に返されることだろう。気づいて。

 

 

 

◇◆◇

 

 

【1月3日 夜】

 

 防衛任務を終え、冬島隊の作戦室へ向かっていると見知った後ろ姿が二つ目に入った。

 

「よぉ、スワにツツミ――お前らもこれからフユシマ隊か?」

 

『諏訪 洸太郎』

 『B級 諏訪隊』の隊長で銃手(ガンナー)。金髪でヤンキーっぽいが面倒見が良くて後輩に慕われている兄貴肌。

 

『堤 大地』

 見えてるかどうか分からない糸目の堤も銃手で、諏訪隊に所属している。そして大体、加古の炒飯で死ぬ。

 

「おう、そーゆうアンタもか?」

「……介抱要員かなぁ」

 

 これから“酒盛り”と云う名の『東、冬島隊両隊長の誕生会(夜の部)』だからだ。“会”とか可愛いモンじゃないがな。

 多分、もう始まってると思う。

 

 呑んでも酔わないから大体、酔っぱらいの介抱がメインだ。

 水分摂らせて仮眠室か各自隊室(ベッド)に放り込むだけだが。

 

 

 

 話をしながら冬島隊作戦室に向かう。

 

「「お世話になりまーす」」

「なるな、なるな。特にツツミ! お前は酒に()ぇだろーが」

「あ、じゃあおれも介抱要員ですかね」

「……メンバーにもよる」

「ですよねぇ……」

 

 冬島隊作戦室に居ると思われる人の顔が浮かんだんだろう。堤が微妙な顔をする。

 多分、居るのはいつものメンバー(麻雀仲間)だ。

 

「……ケイとフユシマが問題か」

「東さんは大丈夫ですからね」

「……いつものメンバー()()()()問題ないが……」

「……スワ、それフラグ……」

 

 “悪いことは口にすると本当になる”って上官(おっさん)が言ってたやつ……

 

 

三十路(みそじ)手前、おめっとさーん」

「全然めでたそうに聞こえねー」

 

 開口一番の言葉に笑いながら返してきたのは『A級2位 冬島隊』の隊長で特殊工作兵(トラッパー)の冬島慎次だ。

 本日、めでたく二十九歳になった。おめでとう。おめでとう……?

 

 部屋には本日の主役である東と冬島、本日の主役と諏訪隊の二人とはよく麻雀をしている慶――それから

 

「風間……お前がいるとか珍しいな」

「諏訪か。鈴風が来ると聞いた」

 

 誰からだよ。冬島? 東? 慶?

 

 冬島隊作戦室に着いたオレ、諏訪、堤は何故か居る加古、沢村、蒼也達三人の姿に顔を見合わせた。

 

知ってた? 知らん。知りません。

 

 オレからの無言の問い掛けに首を振って答える諏訪隊の二人も居るとは思わなかったようだ。

 

 ほら、言わんこっちゃない。フラグ回収しちまったじゃねーか。

 

 

 加古は多分、東にくっついてきたんだと思う。昼の部から引き続き参加の)うだ。

 沢村は……こっちも東にくっついてきたのかな? 彼女もよく東と飲んでいるらしいから……どこかで聞きつけたのかもしれない。

 蒼也は……慶か? たまたまの可能性もある。しかしオレが来るって誰が言った。

 

 

 「ケーキはねーよ?」と言えば衝撃を受けたかのように蒼也は目を見開いて固まった。

 

 そんなに食いたいのか……? つか、こいつ甘党だったっけ?

 

「……男だらけでケーキはナイだろ……」

 

 今回は女子が二人いるけど。

 

 甘い物より味の濃い物の方が……いや、二日酔いを懸念するなら油っこい物や味の濃い物は止めといた方がいいな。

 特に冬島はあっさりさっぱりしたやつ――胃的な意味で。

 

 そう言うと蒼也は無言で顔を手で覆った。こりゃ、酔ってんなぁ……

 

 ちろっと蒼也の側の床を見ると缶が二、三個転がっていた。酔うの(はえ)ぇわ。

 慶と冬島も出来上がりつつあるし……早ぇよ、お前ら。

 いつから飲んでんだ……

 

 去年まではオレを含めて六人だったが、今年は三人増えて九人という大所帯の賑やかな飲み会になるようだ。

 

 

「そうだ、鈴風」

「ん?」

「昼間は助かった、ありがとう」

 

 つまみを作ったり片付けたり――定期的に片付けとかないと散らかる。

 

 一段落ついたところで飲んでいると、東が声をかけてきた。

 

「別に~? やっぱ揉めたのか?」

「はは……想像通りだ」

アズマ大好き(アズマスキー)ここに極まり、だな」

「私が払う予定だったのよ?」

 

 案の定、会計で揉めたらしい。

 

 東と話してるところに加古がお酒片手に割って入ってくる。

 

「ニノミヤを煽らなきゃいいだけの話だろ? もしくはアズマ抜いたメンバーで割り勘にするとか……」

「二宮くんが譲らないんだもの」

 

 不満そうに言ってはいるが、加古の顔は――愉しそうに笑っている。

 

 揉めるなら会費制にでもすりゃあいいんじゃねーの?

 ……わりとマジで秀次に提案してみよう、そうしよう。

 

「でも、どうして私たちが焼肉屋(あそこ)にいるって分かったのかしら?」

「えぇ? それ、マジで言ってる? ――行く焼肉屋、固定じゃん」

「「あっ」」

 

 おい。二人揃って“そうだった……!”みたいな顔すんな。

 

「それにニノミヤが予約してるのをツジが聞いたって言ってたし」

「……二宮くんが原因ね」

「原因て……」

 

 うっかりさんなところはあったりするが、揉める原因は二宮と加古(二人)なのでは……? 二宮だけの問題じゃない、罪を押しつけるな……

 

「はてさて、一体いくら請求くるかねぇ~?」

「そんなに食べたかしら?」

「……成長期の、育ち盛りな男子を甘くみない方がいい」

 

 オレ(十代)は、上官を、支払いで、泣かせた。

 (育ち盛りを)甘くみていた上官を――

 

 ……高い、いいお肉ばっか食ったからなぁ……

 以降、制限をつけられたのは言うまでもない。

 

 

 オレのセリフに苦笑する東は経験者だ。

 新旧東隊や片桐隊、狙撃手な隊員達や中高生時々二十歳(ハタチ)以上の隊員らと焼肉屋に行く。

 人数が増えると――まあ……うん。中々にいいお値段になる。

 

 オレもA級三バカ(陽介、公平、駿)を連れて行って遠慮なくバクバク食われ偉い目に遭った。

 それ以降は“成長期の男子はこーゆうもん”って心積もりで行くことにしている。

 オレも育ち盛りを甘くみてた。

 

 苦笑も浮かべたくなるだろ……

 

 人様の誕生日だから少しは押さえてるかなぁ……

 

 

「なに? なに? 何の話~? 東くん、飲んでる~?」

「酔っぱらい が 現れた!」

「ふふ……言い方」

「酔ってないわよ」

 

 ほろ酔いな沢村が缶チューハイ片手にやってきた。

 

「沢村もその辺にしといた方がいいんじゃないか?」

「東くんまで私のこと酔っぱらい扱いするの?」

 

 絡んでる、絡んでる。ほろ酔いどころじゃなかったようだ。

 忍田が居るとセーブしているからか大人しくしているが、居ないと中々に面倒な飲み方をするようだ。

 

 うわーめんどー(棒読み)

 

 

 沢村を東に任せて加古と離脱する。撤退、撤退。

 

 沢村を東に押し付け任せて男五人が居るところに向かう。

 麻雀を始めてたようだが……慶と冬島、大丈夫か?

 

「……頭回ってないだろ、ケイとフユシマ」

「奇跡が起きて太刀川が勝ってる」

「素面だとズタボロなケイが……? やべーな」

「ヤバいっすよ」

 

 案の定、冬島はズタボロのようだ。やべー。酔ってるのにやるから……

 対して慶は奇跡を起こしているようだが――明日には覚えてないだろうな……笑っていられるのも今のうちだ。

 

 蒼也が大人しい……元々口数も少ないが、そろそろ限界のようだ。ふらふら~揺れてる。

 

 

 

 

 

 東、諏訪、堤達と共に酔い潰れた参加者を各隊室の仮眠室に放り――蒼也(お眠)は諏訪が連れていった。馴れてらっしゃる。

 加古(ほろ酔い?)は堤が。沢村(ほろ酔い↑泥酔↓)は東が送って、冬島と慶(泥酔)は自隊仮眠室のベッドに放り込んで解散!

 

 

 

 後日――冬島隊狙撃手(スナイパー)当真(エース)がオペレーターからの菓子折りを持ってきたり、太刀川隊銃手(ガンナー)唯我(お坊っちゃん)がブルブル震えながら菓子折りを持ってきたり、二宮に睨まれたと思ったら二宮隊の面々からお礼のメッセージが届いたり……なんか色々あったりする。

 

 

 

 

 

 

Happy Birthday!

 




pixiv版とは別仕様にしてみました。

【1月8日(前編)】は『本編』に予約投稿済みです。暫し待たれよ。


東さん、冬島さん、誕生日おめでとう!


pixiv版が(1月3日が)ダイジェスト(それでも長い)
こちらは、書き始めた頃に一度挫折しカットした会話文とかを加筆修正したものになります。頑張った……!
のわりに冬島さんとの会話が――ない……ッ!!Σ( ̄ロ ̄;)


前半、東さんの誕生会in焼肉屋はワートリ(アニメ)2022カレンダー見て思いついたw
ありゃ~ぜってぇ東さんのお誕生会だよ。なんたって1月2月のイラストに新旧東隊だからw
今年のカレンダー(2023)も、たしかなまんぞく(*´ー`*)

だがしかし、『東さんの誕生会』を書いててふと思った。
片桐隊や百合さん、クローニンは “いつからスカウト旅に出たのか?” と。

12月、玉狛の二人は居る気配がない(仕様上、仕方がないとは思うけど)
…………片桐隊長(オペの結束ちゃんも)居ったな!?本部に迅さんきて、沢村さんにセクハラした時……あれ、12月だったな?
――ってことは、三が日は居るんとちゃうやろか?いや、正式入隊日にも居る可能性……
スカウト旅、いつからや……σ(-""-;)
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