戦姫絶唱シンフォギア 喰らう者は歌に惹かれる 作:仮面ライダー ダーク
第二話で『死亡キャラ生存なので次はあの人(に関する話)です』と勘違いさせるような表記をした事をお詫び申し上げます。
グラルが米国に到着したのに態々日本に行く理由があるのかと思い
F.I.S.に住む→離れる→天羽家族に出会う→特機ニに住まう→本編
という流れにしようと思いました。
混乱してしまった皆様。申し訳ありませんでした。
F.I.S.へと連れてこられたグラルは、その姿では怯えられるという事で表沙汰に出ないよう監禁される形となった。全てが真っ白で、天井の中心と隅にカメラが設置されていつでもグラルを見られる様にされていた。グラルの力を使えば破壊するなど造作でもないが、折角の知識の宝庫を壊す理由は無かった。
「まぁ想定していた事に変わらないが……」
因みに拘束具は完全に意味を成していない。ちょっと力を入れれば左右に引きちぎれる六角形の手錠や、爪でちまちま削ったら1時間で斬れる鎖など、あまりにもお粗末な拘束具なのでグラルは「やる気あんのか?」と呟いてしまった。
なので拘束具を付けずに核用シェルターに入れられたグラルは、ゴロゴロと寝転がったりしていた。これでは監禁というより飼育である。
F.I.S.の食事の時間になると、セレナがご飯を運んでくる。何故セレナなのか聞くと、自分から志願したとの事だ。運ぶだけでいいのに、食べ終わるまでじっとグラルを見て待っているので聞いてみた。
「本気で名前を覚えてもらうつもりか?」
「はい!私だけではなく、セレナお姉さんの事も覚えてもらいます!」
「ハッ。健気なこった。名前を覚えて貰えればそれだけで嬉しいってか?」
「いえ。私達、お友達になれたらと思ってますから!」
毎日三食出され、ステーキやカレーなどあれば無機物の鉄やレンガなども出された。無機物の場合セレナは来なかったが、普通の食事の時にさりげなく聞いてきたので教えてやっていた。話を聞いて悲しそうな表情を見せていた。
F.I.S.の科学者がグラルの生態を調べる為にやっているんだと思うが、無機物は流石に酷過ぎる。
「下らない検証ばかりしやがって…」
3日連続で無機物を提供された時は流石に怒って、内容を提案した科学者をセレナに呼ばせて、セレナの目の前で『地球上に存在しない毒』で消滅させた。提供された無機物はちゃんと食ったが、そういう問題ではない。
「科学者としての恒例行事かもしれんがな、俺は心優しくないぞ?
無機物ばかり提供するっていうのなら、今この瞬間から地球を滅ぼすからな」
それからはちゃんとした料理になった。
時々セレナの手料理とかも出されたのか、グラルが美味いと称賛すると運んできたセレナが満面の笑みを浮かべる日などか続いた。
美味いと称賛したと言っても、人間を姿をコピーしたエボルトを取り込んで味覚を手に入れたに過ぎないグラルには、本来の人間より薄味にしか感じ取れない。直接人間を吸収する必要があるのだ。
それから数週間が経った。
グラルが暇でゴロゴロしていると、見慣れない人間がグラルの部屋に入ってきた。
「……何者だ。お前は」
グラルは突然やって来た、白衣を着た女に問いかける。
「はぁーい。櫻井了子です♡
シンフォギアシステムの開発者、と言えばいいかしら?」
「……ほぉ。お前がノイズを倒せる鎧を作った奴か」
寝転がってたグラルが起き上がり、櫻井了子と対面する。
今迄の人間達は『グラルとはどういう生態系なのか』を調べる為に無駄に無機物有機物関係なく与えてきた。だが櫻井了子という人間は何か違う目的があると、グラルは直感で察知した。
「それで?なんの用だ?」
「全世界に放送された貴方の声明の最後で、貴方はノイズを取り込んだじゃない?だからそれでどうなったのか調べに来たの」
「成る程……だが面白いものでは無いぞ。ノイズの持つ『位相差障壁』をコピーしただけだ。それで奴らと同じ土俵に立てたんだ」
「え?!位相差障壁をコピー?!それは是非とも研究したいわ!!私のシンフォギアは、ノイズを『調律』してこちら側に引き摺り出すという方法だから、貴方を使えば今後の人類はノイズに対策出来るわ!」
どうやら櫻井了子はグラルを使ってノイズ用兵器を増やそうとしている。グラルの事は実験動物代わりにしたいのだろう。
若しくは、ノイズを根絶やしにする為の戦士にするかもしれない。
「……本気でそう思ってるのか?」
気付いた時には、グラルは櫻井了子と交渉したいと考えていた。
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「……どういう意味かしら?」
櫻井了子は目の前にある怪物、『グラル』に問いかけた。
「そのままの意味だ。お前、本気で俺を使えば人間が救われると思ってるのか?」
まるで目の前の生物を試すような言い方をしてくる。一体何を考えているのかわからない。
「……そうね。貴方は地球を滅ぼしに来た地球外生命体。簡単にはいかないわよね」
「当たり前だ。俺はこの星をエネルギーを吸い取り、進化したいんだ。
星のエネルギーに代わる物があるなら、それを頂こうか?」
エネルギー。言葉にするのは簡単だが、その種類は膨大である。
植物の光合成、火力発電、食事、シンフォギアを動かす為の『フォニックゲイン』。グラルが何を求めるかによって、今後どうなるかが分かれる。
「……いいわ。なら取引をしましょ?」
「取引だと?」
「えぇ。私は貴方が満足するようなエネルギーを提供出来るよう動く。
代わりに貴方は、私の助手の様に動いて欲しいの」
選択したのは『手探り』。相手側が抽象的な物を指すなら、此方が探すフリをしてグラルを殺す為の時間を稼ぐ事も可能である。
櫻井了子は優秀な科学者だ。グラルを殺す手段を見つけるやもしれない。
しかし、助手になるという事は人間の命令に従うという事。10年先に人間を星ごと壊すと宣言したり人間を解毒不可能な毒で消滅させたり色々不安要素がある。
グラルを監視する部屋は、地球外生命体が怒りに震えないか怯えていた。
「…成る程…」
何か納得した様に、グラルが声を上げる。思考が読まれたかと焦る櫻井了子は、眉を顰める。
「…お前の為に動く、か。成る程面白い。良いだろう、その取引に応じよう」
グラルの意外な答えに、管制室は安堵する人々で溢れていた。櫻井了子も、思惑が悟られなかった事によりふぅ…と溜息をつく。
「では、条件を一つ満たしてもらおうか」
グラルがそう言ってきた。櫻井了子は地球外生命体の知能は『高圧的な一般人』と似通ってると認識して、楽に話しかける
「はいはーい。了子さんにお任せ♡何がお望みかしら?」
「…俺にシンフォギアの全てを教えろ」
意外だった。グラルにとって人間のテクノロジーなど興味が無いと思われていた。
「…そうね。私の助手になるのだもの、それくらいならOKよ」
「そうか。こちらから以上だ」
そう言うと、グラルは立ち上がって了子に近づいた。203cmの怪人が右手を差し出す。
「地球外生命体、ブラッド星のグラルだ」
「改めて、櫻井了子よ」
意図を察した了子は、その怪人の右手を取って握手をした。
今回はかなり短めのものを投稿させていただきました。過去編は一旦ここで止めて、アニメ一話からやろうかなと思います。色々謎のままの部分は本編を書き進めた後に書こうと思います。
では、また次の機会に会いましょう。