喫茶ステラと死神の蝶と見える人   作:もう何も辛くない

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第四十二話

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺が四季さんへ抱いている気持ちを自覚した日から一週間が過ぎた。

 いつもと変わらない日々。朝早く店に行って仕事、その後大学に行って講義を受け、もう一度店に行って仕事。仕事が終われば帰って休む、その繰り返し。

 

 その間、特に何も起こらなかった。

 

 次の日こそ、気まずくぎくしゃくした部分はあったが、それもほんの少しの間。すぐにいつもの雰囲気を取り戻して、いつも通りの日常を過ごした。

 

 何度想いを告げようとしたか。あの日から毎日、特に四季さんと二人になった時は必ずと言っていい程、口から突いて出そうになった。

 だがその度に心にブレーキが掛かってしまい、言えずに終わってしまう。ヘタレだと自覚はしていたが、ここまで重症とは。

 今までそういった恋愛事の相談をされた事は、一対一ではないが、ある。誰々に告白したい、という相談も中にはあった。その時、俺は『勇気を出せ』やら、『言わなきゃ始まらない』やら、偉そうな事を口にしていたのを覚えている。

 

 その台詞が今、とんでもなく大きなブーメランとなって俺に突き刺さる。

 

 そう、勇気を出さなくちゃいけない。言わなきゃ何も始まらない。でも、どうしても尻込みしてしまう。

 なるほど、世の恋する男達はこんな恐怖に打ち勝って告白していたのか。…なんか畏敬の念が湧いてきたぞ。マジですごいな、世間の男達は。

 

 そして今、また一人、尊敬するべき男が増えようとしていた。

 

「明月さんをデートに誘いたいんだ」

 

 大学の食堂にて、俺の目の前でそう口にしたのは高嶺だ。四人がけの席で、俺と四季さんと汐山を前にしてそう言った。

 

 今の状況を説明するには、二時間ほど遡らなくてはならない。

 今日は四季さんと高嶺が朝からの講義で、俺は二限目からのスケジュール。四季さんと高嶺が大学に行ってからも仕込みを手伝い、やがて時間が来てから俺も今日は一人で大学に向かう。

 

 高嶺からメッセージが送られてきたのは道中歩いている時だった。信号待ちの時間を使ってメッセージを見てみる。その内容は、昼休みに時間をとれないかという高嶺からの質問だった。それから一言二言、言葉を交わしてから俺は昼食を一緒にする約束をして今に至る。

 汐山はともかく、四季さんも呼ばれていたのには驚いたが、何はともあれ四人がけの席で俺と四季さん、高嶺と汐山の組み合わせで隣に座り、高嶺の話を聞いていた。

 

「明月さんって…あの喫茶店で働いてる人だよな?確か…銀髪の人だっけ」

 

「そう、その人」

 

 お店の従業員の顔がうろ覚えの汐山が、高嶺に問い掛けて明月さんが誰なのかを確認する。

 殆ど…というより、以前に涼音さんを店に連れてきたあの日以来、店には来てないし一度も会っていないのではなかろうか。それなのによく覚えているもんだ。

 俺も汐山と顔を合わせるのは久し振りで、何なら顔を忘れて高嶺にその人は誰だ、と聞いてしまったというのに。ついでにいうと、汐山は俺の事も覚えていた。マジで記憶力いいなこいつ。

 

「クリスマスに誘うのか?」

 

「いや、流石に当日は店が忙しくなるだろうから。…明日、店も定休日だし」

 

「そりゃまた急な話だな」

 

 高嶺の言う通り、クリスマスイブも当日も相当忙しくなる事が予想される。特にクリスマス当日から大学が冬休みに入るというのもあって、かなり混雑するだろうというのが俺達の目算である。

 そんな中で休み、デートに行こうなんて誘いづらいのは当たり前かもしれない。しかし明日なら、店も休み、クリスマスシーズンで町の雰囲気もクリスマス一色。それにイブや当日ほど遊びに出る人は多くないだろうし、デートしやすい日かもしれない。

 

「で?どこ行くかとかは決めてるのか?」

 

「いや…、そこの所も相談したいと思ってて…。一応候補は決めてるんだ」

 

「ちなみに、その候補は?」

 

「…遊園地」

 

 汐山と四季さんに投げ掛けられた質問を順に答える高嶺。

 

「いんじゃね、遊園地。変にお洒落な所に行くよりは気楽に遊べそうだと思うけど」

 

 高嶺が口にした遊園地、全然いいと思う。クリスマスのデートだからと変に意識するよりそういった所で気軽に遊ぶ方が明月さんは喜びそうだ。

 

「あぁ。お前、その明月さんって人と付き合ってる訳じゃないんだろ?なら、柳の言う通り普通にそういう場所で遊ぶ方がいいと思う」

 

 汐山が俺の意見に賛同する。実際、高嶺と明月さんが恋人同士というのなら、遊園地に行くのはともかくとしてそこからのプランというのも考えなければいけないし、まず第一クリスマスイブイブにデートという日程から物申さなくてはならない。

 しかし、そうではない。高嶺と明月さんはまだ友達同士だ。それなら、気合いを入れすぎるのはむしろ逆効果となる危険性があるだろう。

 

「四季さんはどう思う?」

 

「私も二人の意見に賛成。でも、一つ高嶺君に聞きたい事があるんだけど…」

 

「なんだ?」

 

 汐山が四季さんに問い掛けると、四季さんも頷きながら俺達の意見に賛同してくれた。高嶺と明月さんのデートの行き先は遊園地で決まりそうだ。

 しかし直後、四季さんが何やら思案顔で高嶺を見る。そして、一度前置きをしてから高嶺にこう問い掛けた。

 

「高嶺君は、そのデートの中で、明月さんに告白するつもり?」

 

「ぶっ!ごほっ、ごほっ!」

 

 高嶺が勢いよく吹き出した。直後、噎せた高嶺が強く咳き込む。

 

「はぁ…はぁっ…。い、いきなり何を…」

 

「いきなりじゃない。クリスマス当日じゃないとはいえ、この時期にデートに誘う意味は、明月さんにだって伝わるんじゃない?」

 

「…」

 

 まあ、そりゃそうだ。流石にそこまで明月さんも鈍感ではないだろう。…ない、よな?

 

 高嶺の気持ちはきっと、デートに誘った時点で明月さんに伝わる。

 第三者である俺から見て、ハッキリ言って高嶺と明月さんは良い感じである。以前は二人で買い物に行ったり、最近はよく二人で話しているのを見かけたりもする。

 この場にいる俺や四季さんだけじゃない。涼音さんや墨染さんに火打谷さんもきっとそう思っている筈だ。

 

「…あぁ。伝えるつもりだ」

 

「…そう。私は勝算あるって思ってるから、頑張って」

 

「うん。ありがとう」

 

 四季さんのエールを受けた高嶺が、次に俺の方を見る。

 え、これ俺も何か言わなきゃいけないやつか?いきなりバトンを渡されても困るんだが…えっと…。

 

「…諦めんなよ」

 

「…えっと、それは、俺の告白が上手くいかなそうだと思ってるって事?」

 

「そうじゃない。…そうじゃないけど、あれだ。お前ヘタレだから、告白の直前に尻込みしそうだって思ったんだよ」

 

「うぉいっ」

 

 口から出てきたのは、そんな言葉だった。高嶺だけじゃなく、四季さんも汐山もどういう意味か分かりかねた表情をして。

 慌てて自分の事を棚に上げながら誤魔化した。俺は、一体何を言ってるんだか。

 

 ふと、その事を忘れる時がある。普段通りの明月さんの様子を見て、実はそんな事は起きないんじゃないかと思う時がある。だが、そんな願望にも似た思いとは裏腹に、明月さんの気配は薄れ続けていた。あの様子だと、もう時間は多く残っていない。

 

「…高嶺」

 

「ん?」

 

 高嶺が俺の方を振り向く。

 

 言うべきなんだろうか。俺から高嶺に、明月さんがもうすぐ旅立つという事を。

 さっきの諦めるなという言葉は、ある意味高嶺の言う通りだ。きっと、明月さんは高嶺の想いを拒むだろう。何故なら、明月さんはもうすぐ消えるから。もうすぐ消える自分と付き合っても、高嶺の心に傷を残すだけだと、明月さんはそう考えるだろうから。

 

 高嶺は意外と頑固な所がある。だから、明月さんへの気持ちはそう簡単に捨てない。遅かれ早かれ、高嶺は明月さんの真実を知る事になるだろう。

 それなら、今の内から知っておいた方が良いのではないか?そんな気持ちが突いて出た。

 

「…いや、やっぱ何でもない」

 

「え、そんな風に言われると気になるんだが」

 

「どんまい」

 

「お前やっぱ俺の告白失敗するって思ってるんだろそうなんだろ!?」

 

 でも、思い直した。俺から聞くよりも、明月さんから直接聞いた方がこいつのためになる。何故だか、そう思えたからだ。

 だから俺からはこいつに何も言わない。たとえ、明月さんから高嶺へその事が語られなかったとしても、断固として俺はこいつに何も言わない。そう決めた。

 

「しかし、昂晴がクリスマスにデートか。去年までは全く考えられなかったな」

 

「なに、こいつそんなに暗かったのか?」

 

「暗いというか…、何か余裕がない感じ?去年までは上限一杯まで講義入れてたからな、昂晴は」

 

「うるさい。それに、柳は俺と同じで去年までは取れるだけ単位は取ってただろ」

 

「え?そうなのか?」

 

「全部上限一杯って訳じゃないけど、まあ三年から必修だけでも必要単位取れる様にはしたな。それは四季さんもだろ?」

 

「四季さんも!?」

 

 俺の問い掛けに四季さんが頷いて答える。俺達は最初に苦労してでも最後に楽をしようとする側で、どうやら汐山は最初に楽をして最後に苦労をする側らしい。

 多分あれだろうな。長期休みに出される宿題を最終日に徹夜でするタイプだったんだろうな、汐山は。

 

「あぁ~…。俺も一、二年の内に単位とっとくべきだった…」

 

 後悔先に立たず。もう今さらどうしようもない。汐山がどれほど単位をとっているかは知らないが、この様子だとたまに聞く、最後の一年で大学に行くのは週に一回という夢の生活は送れなさそうだな。

 まあ、就活もあるから言う程夢の生活ではないんだろうが。

 

 そうこう話している内に俺達は昼食を食べ終えて、それぞれの食器を片付け食堂を出る。高嶺と汐山以外は次の講義の場所は別のため、食堂前で別れる事になる。最後に食堂まで少し話してから、それぞれ目的の場所へ行こうと足を向けた、その時だった。

 

「あ、いたいた。四季さん」

 

 軽く耳障りな男の声が四季さんの名前を呼んだ。足を止め、声がした方へ振り返る。直後、声の主であろう男と目が合った。

 その目が俺を見て、僅かに細まったのは気のせいではなさそうだ。

 

「いやぁ、探したよ」

 

 男は四季さんに歩み寄って、彼女の目の前で立ち止まった。やけに馴れ馴れしく話しかけているが、知り合いだろうか。

 というより、どうもどこかで会った事があるような─────

 

 ─────そうだ、思い出した。前に四季さんと二人で昼食を食べていた時に話し掛けてきた、あのチャラ男だ。確か、えっと…中泉だっけ?確かそんな名前だった気がする。

 

「ねぇねぇ、考えてくれた?クリスマスに一緒に遊びに行こうって話」

 

「…それは断った筈だけど?」

 

「え~?でもでも、その後、もう一度考え直すって話したじゃん」

 

「…」

 

 あのチャラ男、気付いてないんだろうか。四季さんの表情がとんでもなく嫌そうな顔になってる事に。

 …気付いてないんだろうな。ああいうタイプは自分に酔って、自分に誘われる相手は喜ぶに決まっているという根拠のない自信に満ち溢れているから。

 

 前にも言ったけど、マジで何様だあいつ。気持ち悪いを通り越して尊敬、それをまた通り越し一周してやっぱり気持ち悪い。

 

「…?」

 

 さて、どうしようか。前は昭久が来て追い払ってくれたけど、その昭久は今日は家の用事で大学を休んでいる。

 昭久に来て貰うのが一番手っ取り早いのだが、その手はとれない。俺が割って入るか、いやでも多分…いや絶対に話がもっとややこしくなるだろうし。

 

 どうするべきか、考えている最中で、俺と同じ様に四季さんの様子を見ていた高嶺と目が合った。俺と目が合った途端、何も言わず、されど懸命に顎を振る高嶺。

 そのジェスチャーの意味が、早く助けにいけという意味だとすぐに分かった。

 

 いや、お前もそこで見てるだけじゃなく助けにいけよ。協力しろよ、とは口に出しては言えず。

 内心で溜め息を吐いてから、四季さんに詰め寄るチャラ男を見る。

 

「ごめんなさい。やっぱり、その日は行けない。バイトあるし」

 

「バイトなんて休めばいいじゃん。何なら俺がバイト先の店長に頼んであげよっか。クリスマスに四季さんに休みをあげてほしいって」

 

 そのバイト先の店長というか、責任者が四季さんだという事も知らずチャラ男は引き下がらない。

 もう察しろよ。バイトがあるから行けないって言ってるけど、お前とは行きたくないんだよ。分かれよ。

 

「それとも、もしかしてもう先約がいたり?」

 

 チャラ男の口から出てきたのはその一言で、とある考えが頭の中に浮かぶ。

 荒事にせず、チャラ男を引き下がらせる方法。懸念はあるが、まあそこは四季さんにも協力して貰えば問題ないだろう。

 

 即座に考えをまとめて、俺はチャラ男の方へと足を踏み出した。

 

「ははっ、そんな訳ないk「その通りだよ」…あ?」

 

 会話の邪魔をされた苛立ちからか、チャラ男は四季さんに向けていたものとは全く別の、怒りに満ちた目を俺に向けてきた。

 

「…てめぇ、前の」

 

「四季さんにはもう先約がいるんだよ。だから諦めた方がいい」

 

「はぁ?」

 

 チャラ男が四季さんに話し掛けた直後、目が合った時から察しはついていたが、どうやら向こうも俺の事を覚えていたらしい。

 二度も四季さんとの会話を邪魔されたからか、その目に更なる怒りが籠る。それに構わず、俺は淡々と頭の中で決めていた台詞を口にする。

 

「ふざけんなよ。先約がいる?だったら連れてこいよ、その先約って奴を」

 

「もういる」

 

「…は?」

 

「だから、もういるって。ここに、お前の目の前に」

 

 チャラ男は一瞬、驚きに目を見開いたがすぐに視線を鋭くさせる。まるで見極めるような視線を俺に向けてくる。

 どうやら変な所で勘が働くらしい。俺の言葉が出任せだと疑いをかけている。

 

 俺が出来るのはここまでだ。後は、四季さんが俺の意図を悟ってくれているかどうかだが─────

 

「…四季さん、今の話は本当?」

 

「…えぇ、そう。もうこの人と約束してたの。だから、貴方とは行けない」

 

「なら、何でバイトあるって嘘をついた?」

 

「騒ぎにしたくなかったから。前も、この人と大学に行っただけで物凄い勢いで広まったし、クリスマスに遊びに行くって知られたら、あの時以上の騒ぎになると思ったの」

 

「…」

 

 辻褄はあっている。本当に四季さんが俺とクリスマスに二人で遊びに行くと約束していたとして、その事を学生の誰かに知られたら、それはもうあの時以上の勢いで話は広まり、あの時以上の騒ぎになるだろう。それが嫌だから理由を言わなかった、バイトがあるからと嘘をついたというのは何もおかしい所はない。

 

「…くそが」

 

 もっと食い下がってくると予想していたが、それに反してチャラ男は素直に引き下がった。小さく悪態をつき、すれ違い様に俺を睨んで、その場を去っていく。

 

 これは恐らく、俺の背後に昭久がいるというのが効いているのだろう。いや、実際に背後にいる訳ではないが。前にチャラ男が絡んできた時、俺にはキレ散らかしていたのが昭久が来た途端、大人しくなった。

 まあ昭久はこの大学の中でもトップカーストに君臨する超陽キャだからな。マジでこの世の中人脈って大事よ。

 

「で?」

 

「あ」

 

 昭久を友人とした先見の良さにホクホクしていた俺を、冷たい声が射抜く。

 

「私はいつ、柳君とクリスマスに遊びに行く約束してたんだっけ?」

 

「…」

 

 ニッコリと笑いながら、されど目は笑っておらず、四季ナツメ様はそう問い掛けた。

 

「いや…、うん。大変申し訳ございませんでした」

 

 とりあえず謝った。そうした方がいいと思った。しかし、四季さんは俺の謝罪に対して首を振って、口を開いた。

 

「謝る必要ない。むしろ、助かったのはこっち。ありがとう」

 

「…ん、ならよかった」

 

「でも、本当に焦った。いきなりあんな事を言われて、ギリギリだったんだからね?柳君の意図に気付いたの」

 

「それについては本当に申し訳ない。でも、打ち合わせなんて出来ないし、あのチャラ男を引き下がらせるにはこれしかないって思ったから…」

 

 四季さんが溜め息を吐く。ちょっぴり頬を膨らませる四季さんに、苦笑いが溢れる。

 

「それで?」

 

「は?」

 

 すると、四季さんが俺を見上げる。それで、と問い掛けられたのだが、どういう意味なのかさっぱり分からない。首を傾げて四季さんを見返す。

 

「クリスマス、どこに連れてってくれるの?」

 

「…は?」

 

 今度は分かりやすくなった質問に、それでも意味が分からず呆けた声が漏れた。

 

「えっと…、四季さん。それはあいつを追い返す方便であって、別に本気な訳じゃないんだが」

 

「でも万が一、嘘だってばれたら大変じゃない?」

 

「いや、それは…」

 

「ないって言える?」

 

「…」

 

 いやないだろ。内心ではそう思う。だが、そういう風に聞かれるともしかしたら、という気持ちも湧いてきて困る。

 しかし確かに絶対にばれないという保証はない。店には四季さんの知り合いの学生も何度か来ているし、もしその人達からクリスマスに四季さんが店にいた事が広まり、あのチャラ男に伝わったら。

 

「…クリスマスは忙しくなるだろうから、無理だろ」

 

「…そうね」

 

 だが、流石に無理だ。クリスマス当日は相当に混雑になると予想される。そんな中、店の責任者の四季さんをデートに連れていくとか、出来る筈がない。

 しかし─────

 

「だから、イブにしよう」

 

「え?」

 

「イブなら多分まだマジだろ。勿論、いつも以上に忙しくなるだろうけど、クリスマス当日程じゃない筈だ」

 

 クリスマスイブなら。勿論忙しくなるのは目に見えているが、それでもクリスマス当日程ではない筈。

 そう四季さんに言って、誘いを掛ける。

 

「…それなら、クリスマスイブに」

 

「あぁ」

 

 という事で、私、柳千尋はクリスマスイブに、四季ナツメさんと遊びに行く事になりました。

 

 …いや待って、本当にどうしよう。どこ行けばいいんだイブのデートとか。こんな事になるなんて全く考えてなかった。

 とりあえず…あれだ。高嶺辺りに相談だ。あぁ、昭久にもライムで聞いてみよう。それに女性側の意見も聞きたいから、仕事の合間に涼音さんにも聞いてみて─────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~Another View~

 

「なぁ、昂晴…。あの二人って…」

 

「付き合ってはないぞ。…でも、まあ、お前も分かるだろ?」

 

「…ああああああああ!羨ましい!妬ましい!昂晴、お前俺に何か飲み物奢れ!」

 

「は!?何だよ急に!」

 

「相談に乗ってやった報酬を要求する!くそっ、俺もクリスマスデートしてぇよちくしょぉ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




チャラ男の名前誰も覚えていない説
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